スライムから人間への転生〜前世の力を受け継いで最強です

モモンガ

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1章 

18話 えっ?そんなの聞いてないよ!

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 王様を倒してオヤツを食べたら帰ろとしたら、王様の隣にいた狐のメガネをかけたお兄さんに止められた…。

 晩御飯のメニューを考えていたので断ると、それなら夕食はお城で食べていくといい。…と言われたので喜んで僕はうなづいた。


 1時間ぐらい経ってから、2回目のオヤツを食べていた僕の元に鎧の獣人さんが来て、凄い目をキラキラさせて握手を求められた後に、また謁見の場についた。

 最初と同じように右膝を床につけようとすると…その場にいる獣人達に必死に止められた…。何で?

 僕は訳がわからず、首を傾げると…夕食の招待をしてくれた狐のメガネお兄さんがゆっくり説明してくれた。

「この獣人の大陸の王に求められるのはタダ1つです。それは…強さです。
 ゆえに、王を倒した、貴女様は今日からこの大陸の王となります。」

「……へ?」

「キュ?」

「えーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 会場に僕の叫び声が響いた…エコー付きで…。

「嫌だよ! 僕は世界中の美味しい食べ物を食べに行くんだから!!」

「ご安心下さい。言うなれば形だけの王でございます。それに、元王が貴女様がいない間は代理として、たてますのでご安心を」

「えっ? じゃあ僕は王様になって何をすればいいの?」

「王の仕事はこの大陸が危機になった時に是非お力をお貸しいただければ…。もちろん、タダとは言いません…。貴女様が王になっていただかれるならこれを差し上げましょう。」

 そう言って狐のメガネお兄さんが指を鳴らすと後ろから2人の鎧の着た獣人さんが5メートルはある白い箱を持ってきて、開けると…。

「!?」

 箱にギッシリと冷凍されている鋭い針を持った大きな魚だった…。

「こちらは年に1度しか卵を産まない最高級食材のルンプンカジキでございます。この魔物は美味すぎるゆえに昔、絶滅寸前まで食べ尽くしかけました…。
 ですが…何とか雄と雌を捕獲し養殖に成功致しました。身はギッシリと…かつ脂がたっぷりとのった焼いてよし、生でもよし、私はこの魔物より美味しい物を食べた事はございません!」


 ジュルリ…。

「ですが…貴方様は王にはなってもらえない…との事…それなら私達で食べてしまおうではないですか!」

《オオオオオオオ…》

 会場にいた人達の目がギラリ…と光り舌で唇を濡らした。

 ここからでも脂の臭いが漂ってくる…美味しそうなお魚…それが僕が食べられず…皆に食べられる!? 嫌だ!! 食べたい!! 美味しい物が食べたい!!

 僕が旅に出たのは何の為だ? …そう美味しい物を食べる為!! それなら…王にでもなってやる!!

「待て! その魚は僕が貰う!!」

「では…?」

「うん。王になるよ…。でも仕事はやらないからね! 旅も続けるからね! この魚は僕の物だ!!」


 僕は魚の側まで瞬時に転移して、魚が入った箱を抱えた。鎧を着た獣人さんは…凄くビックリしていたけど…気にしない!

「な、なんと!? 転移魔法までお待ちとは…この国は安泰だ…。」

「グルルルル…。」

 僕はこの魚が狙われないように周りに睨みをきかせた…。

 その様子を見ていた獣人達がほっこりしていたのは僕は知らなかった…。


………


 その後、元王様がやってきて僕の後をついてきた…が『俺を弟子にしてくれ!!』 って言われてこれからも言われると面倒なので魔力と気力を合わせると良いよ…って言ったら、早速元王様は訓練所に走っていった…。

 ちなみに気力は簡単に言えば生命エネルギーを使うので慣れないうちは、直ぐに動けなくなってしまうのだ…元王様のように…。


 その後は、狐のメガネお兄さんに連れられて、豪華な服を着せられたり、色々な場所でポーズで写真?…って言う姿を写す、便利な物で撮られて…やっと待ちに待った夕食がやってきた…。


 僕は鬱憤を晴らすように運ばれてきたお肉やお肉、魚、お肉、お肉、魚、をどんどん食べた尽くした…。

 メイドさんや料理を作ってくれる獣人さんが凄く忙しそうに動いていたらしいけど、僕はそれに気づかずにお城にあった食料の8割を食べた…。

 狐のメガネお兄さんは顔を引きつらせていて、元王様も目が点になっていた…

「もし、この城にずっといると思うと…食費だけで、破産してしまう…旅に出るみたいで良かったぁ…ボソッ…。」

「キュウ」コックリ

「?」

 なんで今チロが頷いたんだろ?


 そんなこんなで次の日僕とチロは美味しい物を食べ尽くした僕は次の大陸に行くことを決めた…。


 僕は前回と同じように地図を広げ、目を瞑り指を下ろした…。


「…んと次の目的地は魔人族達が住む魔国に決ーーーー定!!」

 獣人の皆に別れを告げると…惜しむような目を向けられるけど、僕はもっと美味しい物を食べに行くんだ…ごめんなさい!

 今回は【フライ】で飛んで行こうと思い…体に魔力を巡らせて…「お待ちください! 陛下」」


「あれ? どうしたの狐のお兄さん」

 息を切らせながらやってきたのは、この国の頭脳と言われる、僕を王にした獣人さんだった…

「今後も旅に出るならこちらをお使いください。城で眠っていた畳でございます。4畳半のですが…少々狭いのが難点ですが、こちら空を飛ぶ畳でして。
 空を飛びながらゆっくりと、座りながらお食事にありつけますよ? ちなみにココに魔石を入れる所がありますので、ここのゲージが少なくなりましたら魔力を補充をお願いします。」

 畳の横にある魔石に指を指しながら説明してくれた…

「ありがとう! 貰うね!」

 僕とチロは早速、四畳半の畳に座った。

「じゃあ、行ってくるねー! また美味しいご飯食べに来るからー!!」

「キュー!」

 畳が空に浮かび、あっと言う間に飛び立った…

「国に戻るのは本ッッッッッッッ当にたまにでいいですよー!!」

 よー!

 よ~…

 よぉ~……。


 狐のメガネお兄さんの叫びが空に虚しく響くのだった…。
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