上 下
9 / 70
1章 

8話 初めての依頼

しおりを挟む

「じゃあ行ってくるね!」

「ああ、騙されないように鑑定してから信用するんだぞ」

「ええ、行ってらっしゃい。体には気をつけてね~♪ 特に食べ過ぎとかね? フフ♪」

「うん! ちゃんと鑑定するし、僕の胃袋は大きいから大丈夫だよ!」

 僕は家を出て風魔法【フライ】を使って空に浮かび見えなくなる手を振り続けた…


 …ここから僕の旅が始まるんだ!! よ~~し!

「この世界の美味しい食べ物! 珍しい食べ物! 待っててね~!! ぜ~~んぶ食べちゃうんだから!!」

 お金? もちろんいっぱいあるよ! 魔物の食べられない部分はお父さんに頼んだ買い取りしてもらってたから、たんまりあるんだから!

 僕はお父さんに言われた事を思い出す…。
 旅に出るならまず冒険者ランクを上げてからの方がいいみたい。

 なんでもランクが高いと利用できる施設があるし…後! お高いお店に入れるらしい!これは上げるしか無いよね!


 ………


「こんにちは~! 依頼ちょうだい!」

 この前お父さんと一緒に来た冒険者ギルドに来た僕はベイ? さんだっけ…? また空いていたので見た目が怖い眼帯のおじさんの所に行った。

「おう! レギオン様の所の嬢ちゃ…いや坊ちゃんだったな…。
 正直まだ坊ちゃんの実力が分からなくてな、まずは一通り新人が受ける依頼を受けてみるとどうだ?」

「わかった! じゃあ全部ちょうだい!」

「は…?」

 ん? どうしたのかな? ビックリして…。

「いやいやいや、新人が受ける依頼は全部で5個あるんだ、それを1日で全部片付けるってレギオン様の息子でも流石に無茶だ!」

「むぅ~いいからみ・せ・て!!」

 ダンダンダン!!

「うおっ!? 分かった! 分かったからそんなに台を叩くな! たくっ…ヒーラーなのに木で出来た台にヒビを入れるってどうゆうことだ…。
ほれ、これが依頼書だ」

 そうやって見せてくれた依頼書は5個あった。

 *東の砦に荷物を届けてくれ
 *下水道掃除
 *屋敷の庭掃除
 *ゴブリン討伐
 *キュア草採集

「これをやればいいんだね! じゃあ行ってくる!」

 僕はさっと依頼を受けるために必要な紙に名前を書いた。
 なんでも本人確認しておかないと依頼を受けた冒険者が殺され、依頼人からのサインだけを取られ報酬が取られることがあった…そうだ…。

「おっおい!? …行っちまった…まぁいいだろう、その内帰ってくるだろ」


……1時間後…。

「ただいまー!!」

「ん? おう帰ってきたか…なっ?言っただろう?1日じゃ無理だ…と…おい…その片手に持っている馬鹿でかい焼けた肉はなんだ…」

「ん? これ? 何かゴブリン討伐の依頼で森に行ったらいきなり襲われたから捕まえて焼いたんだ!」

 僕は1メートルの肉を見せてかぶりついた~ん~美味しい!!

「そ、そうか…」

 ベイのおじさんは頬を引きつらせていた…どうしたんだろ…。

「そうだ眼帯おじさん! 依頼終わったよ!」

「…はぁ……ハァッ!?」

 僕は依頼人からのサインが書かれた紙を3枚を渡した

「…マジか…」

「良いから早く報酬ちょーだい!! 後キュア草とゴブリンの耳はどこに置けばいいの?」

「まず…持ってきた物を出せ、報酬はそれからだ」

「はーい♪」

 僕は素直に手を上げてバックの中に手を入れてからアイテムボックスからゴブリンの耳100。ホブゴブリンな耳40。ゴブリンチャンピオンの耳3。キングゴブリンの耳を1つ…をどんどん台の上に置いた。

「待て待て待て!! 何だこの量は!? しかもホブにチャンピオン!? キングもだと!?」

 バンッ!!

 おじさんが唾を飛ばしながら驚いていると…突然ドアが強く開き飛び込むように僕と同じくらいの歳の男の子が入ってきた…。

「た、大変だ!! セルカの森でゴブリンの大きな集落が出来ていた! 数はざっとだが100以上はいた!」

 ザワザワ…。

「セルカの森だと!? ここから近いぞ!」

「ゴブリンの数が100だと!? それなら最低でもチャンピオンはいるぞ!」

「それか…キングか…」


「……なぁ…お前が皆殺しにしたゴブリンってセルカの森か?」

 「うん。そうだよ!」

 僕がそうゆうと眼帯おじさんはおもむろに立ち上がり二階に走って上がって行った…。


「ど、どうするよ! 3桁だぞ!? 最低でもBランクじゃないと生きて帰れないぞ!?」

「だが、今ここにBランクなどいない!…と言うことは俺たちがやるしかない!!」

「だが、ゴブリンやホブはともかくチャンピオンやキングとなると…」


 …どうしたんだろう?皆…チャンピオンとかキングとかよく分からないけど…ゴブリンって数はおおかったけど弱いのに…弱いよね?


「静まれお前等ーー!!」

 ビクッ!!

 あれ? 確かあの黒くて大きな人って確かギルドマスターだっけ?

「新しい情報が入った! たった今セルカの森のゴブリンは全滅したとの事だ! 今腕利きの斥候が見に行った! 報告が入るまで待機だ!」

 ギルドにいた冒険者は早すぎる情報に、信じられない者もいたが、多くの者がホッ…と息を吐いていた

「それからリューク! お前ちょっと来い!」

「はーい♪ モグモグ」

 僕はお肉を片手にギルドマスターの部屋に入ると眼帯おじさんもいた。

「お前がゴブリンの集落をやったんだったな…まずは…助かった…と言わせてもらおう。」

 ギルドマスターは僕に頭を下げてきた…。

「別に大丈夫だよ! いっぱいいたからついでみたいな物だからね!」

「そうか…実力はレギオンから話は聞いていたが…実際に聞くと驚くものだな…」

 フゥ…とギルドマスターは1度息を吐き僕を真っ直ぐに見た。

「リューク…お前をギルドマスター権限でDにする!本来はもっと上げてもいいんだが…1度に上げすぎると周りから疎まれるからな…」

「はーい! モグモグ」

「それにしても…その肉、美味そうだな…どこで買ったんだ?」

「違うよー? このお肉はセルカの森にいたこーーんな大きい鳥さんがいたから倒して焼いただけだよ!」

 「「……」」

 ん?どうしたのかな?2人とも固まって…。

「セルカの森でその大きさの鳥は1体しかいない…それはBランクのロックバードだ…。
レギオンめ…恨むぞ…こんな問題児を俺の支部に連れてきやがって…」

 この後も2人のおじさんから睨まれ続けながら僕はお肉にかぶりついた…。

「やっぱりお肉美味し~~~~い!!」
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

転生王子の異世界無双

海凪
ファンタジー
 幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。  特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……  魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!  それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

異世界転生したら何でも出来る天才だった。

桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。 だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。 そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。 =========================== 始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

処理中です...