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1章
8話 初めての依頼
しおりを挟む「じゃあ行ってくるね!」
「ああ、騙されないように鑑定してから信用するんだぞ」
「ええ、行ってらっしゃい。体には気をつけてね~♪ 特に食べ過ぎとかね? フフ♪」
「うん! ちゃんと鑑定するし、僕の胃袋は大きいから大丈夫だよ!」
僕は家を出て風魔法【フライ】を使って空に浮かび見えなくなる手を振り続けた…
…ここから僕の旅が始まるんだ!! よ~~し!
「この世界の美味しい食べ物! 珍しい食べ物! 待っててね~!! ぜ~~んぶ食べちゃうんだから!!」
お金? もちろんいっぱいあるよ! 魔物の食べられない部分はお父さんに頼んだ買い取りしてもらってたから、たんまりあるんだから!
僕はお父さんに言われた事を思い出す…。
旅に出るならまず冒険者ランクを上げてからの方がいいみたい。
なんでもランクが高いと利用できる施設があるし…後! お高いお店に入れるらしい!これは上げるしか無いよね!
………
「こんにちは~! 依頼ちょうだい!」
この前お父さんと一緒に来た冒険者ギルドに来た僕はベイ? さんだっけ…? また空いていたので見た目が怖い眼帯のおじさんの所に行った。
「おう! レギオン様の所の嬢ちゃ…いや坊ちゃんだったな…。
正直まだ坊ちゃんの実力が分からなくてな、まずは一通り新人が受ける依頼を受けてみるとどうだ?」
「わかった! じゃあ全部ちょうだい!」
「は…?」
ん? どうしたのかな? ビックリして…。
「いやいやいや、新人が受ける依頼は全部で5個あるんだ、それを1日で全部片付けるってレギオン様の息子でも流石に無茶だ!」
「むぅ~いいからみ・せ・て!!」
ダンダンダン!!
「うおっ!? 分かった! 分かったからそんなに台を叩くな! たくっ…ヒーラーなのに木で出来た台にヒビを入れるってどうゆうことだ…。
ほれ、これが依頼書だ」
そうやって見せてくれた依頼書は5個あった。
*東の砦に荷物を届けてくれ
*下水道掃除
*屋敷の庭掃除
*ゴブリン討伐
*キュア草採集
「これをやればいいんだね! じゃあ行ってくる!」
僕はさっと依頼を受けるために必要な紙に名前を書いた。
なんでも本人確認しておかないと依頼を受けた冒険者が殺され、依頼人からのサインだけを取られ報酬が取られることがあった…そうだ…。
「おっおい!? …行っちまった…まぁいいだろう、その内帰ってくるだろ」
……1時間後…。
「ただいまー!!」
「ん? おう帰ってきたか…なっ?言っただろう?1日じゃ無理だ…と…おい…その片手に持っている馬鹿でかい焼けた肉はなんだ…」
「ん? これ? 何かゴブリン討伐の依頼で森に行ったらいきなり襲われたから捕まえて焼いたんだ!」
僕は1メートルの肉を見せてかぶりついた~ん~美味しい!!
「そ、そうか…」
ベイのおじさんは頬を引きつらせていた…どうしたんだろ…。
「そうだ眼帯おじさん! 依頼終わったよ!」
「…はぁ……ハァッ!?」
僕は依頼人からのサインが書かれた紙を3枚を渡した
「…マジか…」
「良いから早く報酬ちょーだい!! 後キュア草とゴブリンの耳はどこに置けばいいの?」
「まず…持ってきた物を出せ、報酬はそれからだ」
「はーい♪」
僕は素直に手を上げてバックの中に手を入れてからアイテムボックスからゴブリンの耳100。ホブゴブリンな耳40。ゴブリンチャンピオンの耳3。キングゴブリンの耳を1つ…をどんどん台の上に置いた。
「待て待て待て!! 何だこの量は!? しかもホブにチャンピオン!? キングもだと!?」
バンッ!!
おじさんが唾を飛ばしながら驚いていると…突然ドアが強く開き飛び込むように僕と同じくらいの歳の男の子が入ってきた…。
「た、大変だ!! セルカの森でゴブリンの大きな集落が出来ていた! 数はざっとだが100以上はいた!」
ザワザワ…。
「セルカの森だと!? ここから近いぞ!」
「ゴブリンの数が100だと!? それなら最低でもチャンピオンはいるぞ!」
「それか…キングか…」
「……なぁ…お前が皆殺しにしたゴブリンってセルカの森か?」
「うん。そうだよ!」
僕がそうゆうと眼帯おじさんはおもむろに立ち上がり二階に走って上がって行った…。
「ど、どうするよ! 3桁だぞ!? 最低でもBランクじゃないと生きて帰れないぞ!?」
「だが、今ここにBランクなどいない!…と言うことは俺たちがやるしかない!!」
「だが、ゴブリンやホブはともかくチャンピオンやキングとなると…」
…どうしたんだろう?皆…チャンピオンとかキングとかよく分からないけど…ゴブリンって数はおおかったけどみーんな弱いのに…弱いよね?
「静まれお前等ーー!!」
ビクッ!!
あれ? 確かあの黒くて大きな人って確かギルドマスターだっけ?
「新しい情報が入った! たった今セルカの森のゴブリンは全滅したとの事だ! 今腕利きの斥候が見に行った! 報告が入るまで待機だ!」
ギルドにいた冒険者は早すぎる情報に、信じられない者もいたが、多くの者がホッ…と息を吐いていた
「それからリューク! お前ちょっと来い!」
「はーい♪ モグモグ」
僕はお肉を片手にギルドマスターの部屋に入ると眼帯おじさんもいた。
「お前がゴブリンの集落をやったんだったな…まずは…助かった…と言わせてもらおう。」
ギルドマスターは僕に頭を下げてきた…。
「別に大丈夫だよ! いっぱいいたからついでみたいな物だからね!」
「そうか…実力はレギオンから話は聞いていたが…実際に聞くと驚くものだな…」
フゥ…とギルドマスターは1度息を吐き僕を真っ直ぐに見た。
「リューク…お前をギルドマスター権限でDにする!本来はもっと上げてもいいんだが…1度に上げすぎると周りから疎まれるからな…」
「はーい! モグモグ」
「それにしても…その肉、美味そうだな…どこで買ったんだ?」
「違うよー? このお肉はセルカの森にいたこーーんな大きい鳥さんがいたから倒して焼いただけだよ!」
「「……」」
ん?どうしたのかな?2人とも固まって…。
「セルカの森でその大きさの鳥は1体しかいない…それはBランクのロックバードだ…。
レギオンめ…恨むぞ…こんな問題児を俺の支部に連れてきやがって…」
この後も2人のおじさんから睨まれ続けながら僕はお肉にかぶりついた…。
「やっぱりお肉美味し~~~~い!!」
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