スライムから人間への転生〜前世の力を受け継いで最強です

モモンガ

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1章 

4話 お父さんはドラゴンスレイヤー?

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「ただいまーー!! お母さん! お父さん! 帰ってきたよー!!」

 極上のお肉を手に入れた僕は今日の晩御飯にしてもらいたくて急いだけど…間に合いそうになくてつい『テレポート』を使った。

『テレポート』は行った事のある場所なら一瞬で転移できるとても便利な魔法だよ!

 この魔法があれば少し遠い町のパン屋さんの数個限定の美味しいパンも楽して手に入れることが出来るから便利だよね~♪

「「リューク…」」

 僕を見たお母さんとお父さんが悲しそうにしながら僕を抱きしめてくれた。

「えっ! お母さんお父さんどうしたの⁉︎」

「リューク…こんなに早く帰って来て…。
 いいのよここが貴方の家だもの。責任や使命が辛くなるのも分かるわ…ゆっくり休むといいわ…」

「リューク…お前は強い男だ…だが…いくら勇者と言ってもまだお前は成人を迎えたばかりの子供…気持ちの整理もまだだろう。
 …お前の気持ちの整理がつくまで騎士だろうが、王だろうが誰も近づかせはしない!」

「えっと…僕…勇者じゃない…よ…⁇」

「「えっ…⁇」」

 …………

「…はぁ? リュークが無職?何言ってるんだ?」

「そうね~リュークちゃんは剣と魔法が達人の域に達してますし…。
 これで勇者じゃなくて無職なんてとてもじゃないけど信じられないわね…ちょっと司教さんまで文句言ってこようかしら…」

 お父さんは呆れているし…お母さんに限っては何か背中から黒いオーラみたいなのが溢れているしこ、怖い…。

 お父さんもそこでプルプルしてないでお母さんを止めてよ!

 僕はお父さんにウィンクした後にお母さんを見て『GOー!』の合図をするけど首を横に振ってる…。

 こうゆう時のお父さんは役に立たない…。

「モギュモギュ…ゴックン…。はぁーやっぱりドラゴンのお肉美味しいね! それにお母さんが料理してくれたからもっと美味しいよ!」

「あらあら…そう? そう言ってくれると料理のしたかいがあったわ~」

 何とかお母さんから出てた黒い物は無くなったので一安心だ…。

「それにしても…お前は…またドラゴンを狩ってきて…食べなかった部分を売りに行く父さんの身にもなってくれ…出所を聞かれるのは俺なんだぞ?」

 はぁ…と疲れたようにため息を吐きながらも毎回ちゃんと売りに行ってくれるから僕はお父さんも大好きなんだよね!

 お母さん? そんなの生まれた時から美味しい物をいっぱい食べさせてくれて優しいお母さんを大好きにならないはずないじゃん!

「そうだ…ドラゴンの素材を売りに行くついでにお前の登録もするか?」

「登録?」

 何の事だろう…⁇

 僕は頭を傾けるとお母さんが撫でてくれた…えへへ~♪

「何だらしない顔をしているんだお前は…冒険者登録だよ…旅に出るんだろ? それなら登録をしておいた方がいい。身分証にもなるし何かと便利だからな」

 そんなに呆れて言わなくたっていいじゃない…。

「モグモグ…ゴックン。うん。分かった!…お父さんこれ食べないみたいだし貰うね!」

「あっ!! リュークお前ッ! この野郎!」

「えへへー! 食べるのが遅いのが悪いんだよーだ!」

 僕はお父さんの皿に乗っていた少し大きなミートボールにフォークを突き刺し口の中に入れた

「んん~美味しい~!」

「…はぁ…お前はほっっとお~に美味そうに食うよな…こんな幸せそうな顔を見せられる毒気も無くなるわ…」

「アナタ達…食事は行儀よく食べなさいって…いつも言ってるわよね…⁇」

「「ヒィッ!!」」

 また…お母さんから黒いのが…。

 その後、僕達はお母さんから1時間ほどお説教された…。

「どうして俺まで…」

 お説教される前…お父さんの嘆きが聞こえたような気がした。



 …………次の日…。


 僕とお父さんは朝食を食べた後、僕達が住んでいる山を2時間かけて下ると馬車が通る道があるのでそこから少しずれて歩いて1時間…ようやく町が見えた。

「ううう…『テレポート』した方が早いのに~」

「そんな伝説の魔法をポンポン使ってたら目を付けられるわ!今はまだ大人しくしておけ!」

「は~い」

 頬を膨らませ…町に入る為に大人しく並んでいるとようやく順番がきた…

「次の者…って! レギオン様じゃありませんか! 今日はどのような御用でしょうか⁉︎」

「ああ…今回もあれだ…分かるだろう…⁇」

 へぇ~この町ではお父さんは有名なのかなぁ~ってどおしたの?僕の顔を見て?

「っ!! わ、分かりました! …それとそちらのお嬢さんは…?」

「ああ…俺の息子だ」

「な、なるほど息子さんですか……息子!?」

「お父さんあの人はどうしてあんなに口を開けてパクパクしてるの?面白~い!」

 心なしか周りの人も同じように口パクパクしてる!フフッ…

「ハァ…いいから行くぞ」

「はーい!」

 町を入って10分程真っ直ぐ歩くと剣が右斜めと左斜めで刀身が重なった看板が見えた。

 中に入ると受付が3つと離れた所では掲示板みたいな場所に紙がいっぱい貼ってあった…。

 父さんは慣れたように空いている受付に行き…。

「Aランクのレギオンだギルドマスターを呼んでくれ」

「レ、レギオン様!? ギルドマスターですね! 分かりました! しばしお待ちください!」


 ザワザワザワ…。

「レギオンってまさか…あのドラゴンスレイヤーのか⁉︎」

「やべぇ…俺、初めて見たぞ! 知り合いに自慢してやろう!」

「ああ…あの渋い顔…素敵…」


「…お父さんってドラゴンスレイヤーなの?」

「言うな…ってかお前のせいだからな…!」ボソッ…


 お父さんがこんなに有名だと知らなかった僕は少し誇らしくなった。
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