5 / 70
1章
4話 お父さんはドラゴンスレイヤー?
しおりを挟む「ただいまーー!! お母さん! お父さん! 帰ってきたよー!!」
極上のお肉を手に入れた僕は今日の晩御飯にしてもらいたくて急いだけど…間に合いそうになくてつい『テレポート』を使った。
『テレポート』は行った事のある場所なら一瞬で転移できるとても便利な魔法だよ!
この魔法があれば少し遠い町のパン屋さんの数個限定の美味しいパンも楽して手に入れることが出来るから便利だよね~♪
「「リューク…」」
僕を見たお母さんとお父さんが悲しそうにしながら僕を抱きしめてくれた。
「えっ! お母さんお父さんどうしたの⁉︎」
「リューク…こんなに早く帰って来て…。
いいのよここが貴方の家だもの。責任や使命が辛くなるのも分かるわ…ゆっくり休むといいわ…」
「リューク…お前は強い男だ…だが…いくら勇者と言ってもまだお前は成人を迎えたばかりの子供…気持ちの整理もまだだろう。
…お前の気持ちの整理がつくまで騎士だろうが、王だろうが誰も近づかせはしない!」
「えっと…僕…勇者じゃない…よ…⁇」
「「えっ…⁇」」
…………
「…はぁ? リュークが無職?何言ってるんだ?」
「そうね~リュークちゃんは剣と魔法が達人の域に達してますし…。
これで勇者じゃなくて無職なんてとてもじゃないけど信じられないわね…ちょっと司教さんまで文句言ってこようかしら…」
お父さんは呆れているし…お母さんに限っては何か背中から黒いオーラみたいなのが溢れているしこ、怖い…。
お父さんもそこでプルプルしてないでお母さんを止めてよ!
僕はお父さんにウィンクした後にお母さんを見て『GOー!』の合図をするけど首を横に振ってる…。
こうゆう時のお父さんは役に立たない…。
「モギュモギュ…ゴックン…。はぁーやっぱりドラゴンのお肉美味しいね! それにお母さんが料理してくれたからもっと美味しいよ!」
「あらあら…そう? そう言ってくれると料理のしたかいがあったわ~」
何とかお母さんから出てた黒い物は無くなったので一安心だ…。
「それにしても…お前は…またドラゴンを狩ってきて…食べなかった部分を売りに行く父さんの身にもなってくれ…出所を聞かれるのは俺なんだぞ?」
はぁ…と疲れたようにため息を吐きながらも毎回ちゃんと売りに行ってくれるから僕はお父さんも大好きなんだよね!
お母さん? そんなの生まれた時から美味しい物をいっぱい食べさせてくれて優しいお母さんを大好きにならないはずないじゃん!
「そうだ…ドラゴンの素材を売りに行くついでにお前の登録もするか?」
「登録?」
何の事だろう…⁇
僕は頭を傾けるとお母さんが撫でてくれた…えへへ~♪
「何だらしない顔をしているんだお前は…冒険者登録だよ…旅に出るんだろ? それなら登録をしておいた方がいい。身分証にもなるし何かと便利だからな」
そんなに呆れて言わなくたっていいじゃない…。
「モグモグ…ゴックン。うん。分かった!…お父さんこれ食べないみたいだし貰うね!」
「あっ!! リュークお前ッ! この野郎!」
「えへへー! 食べるのが遅いのが悪いんだよーだ!」
僕はお父さんの皿に乗っていた少し大きなミートボールにフォークを突き刺し口の中に入れた
「んん~美味しい~!」
「…はぁ…お前はほっっとお~に美味そうに食うよな…こんな幸せそうな顔を見せられる毒気も無くなるわ…」
「アナタ達…食事は行儀よく食べなさいって…いつも言ってるわよね…⁇」
「「ヒィッ!!」」
また…お母さんから黒いのが…。
その後、僕達はお母さんから1時間ほどお説教された…。
「どうして俺まで…」
お説教される前…お父さんの嘆きが聞こえたような気がした。
…………次の日…。
僕とお父さんは朝食を食べた後、僕達が住んでいる山を2時間かけて下ると馬車が通る道があるのでそこから少しずれて歩いて1時間…ようやく町が見えた。
「ううう…『テレポート』した方が早いのに~」
「そんな伝説の魔法をポンポン使ってたら目を付けられるわ!今はまだ大人しくしておけ!」
「は~い」
頬を膨らませ…町に入る為に大人しく並んでいるとようやく順番がきた…
「次の者…って! レギオン様じゃありませんか! 今日はどのような御用でしょうか⁉︎」
「ああ…今回もあれだ…分かるだろう…⁇」
へぇ~この町ではお父さんは有名なのかなぁ~ってどおしたの?僕の顔を見て?
「っ!! わ、分かりました! …それとそちらのお嬢さんは…?」
「ああ…俺の息子だ」
「な、なるほど息子さんですか……息子!?」
「お父さんあの人はどうしてあんなに口を開けてパクパクしてるの?面白~い!」
心なしか周りの人も同じように口パクパクしてる!フフッ…
「ハァ…いいから行くぞ」
「はーい!」
町を入って10分程真っ直ぐ歩くと剣が右斜めと左斜めで刀身が重なった看板が見えた。
中に入ると受付が3つと離れた所では掲示板みたいな場所に紙がいっぱい貼ってあった…。
父さんは慣れたように空いている受付に行き…。
「Aランクのレギオンだギルドマスターを呼んでくれ」
「レ、レギオン様!? ギルドマスターですね! 分かりました! しばしお待ちください!」
ザワザワザワ…。
「レギオンってまさか…あのドラゴンスレイヤーのか⁉︎」
「やべぇ…俺、初めて見たぞ! 知り合いに自慢してやろう!」
「ああ…あの渋い顔…素敵…」
「…お父さんってドラゴンスレイヤーなの?」
「言うな…ってかお前のせいだからな…!」ボソッ…
お父さんがこんなに有名だと知らなかった僕は少し誇らしくなった。
10
お気に入りに追加
918
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。


フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる