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1章 

2話 選定の儀

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『選定の儀』を受ける為、僕は一旦お母さんとお父さんがいる家を出て馬車に乗るとその中には僕と同じような子供達が数人乗っていた。

「おお可愛い女の子が乗ってきたぞ!」

「これで詰まらない馬車の旅も楽しくなるってもんだ!」

「はぁ…これだから男子は…」

「…」ペラ…

「えっと…僕…男…だよ⁇」

「「「ハァッ!?」」」

「あっ…」バシン…

 最初に色々と誤解されたけど、なんだかんだ馬車の旅は楽しい!

 1人だけずっと本を読んでいたとんがり帽子の小さな女の子もいたけどね…。

 その子とも仲良くなりたかったから残念だけど…仕方ないよね!


 ―――――それから1週間後…。

「「やっと王都に着いたぞー!!」」

「あいつらは置いといてさっさと行くわよー」

「コクッ…」

「うん!」

「「お、おい! 待てよー!!」」

 僕達は馬車を止めた場所にいた兵士さんに連れられて大きな宿に着いた。

「ここが今日、お前達が止まる宿だ。中にはお前達と同じように明日『選定の儀』を行う者が泊まっているのでくれぐれもトラブルは起こすなよ?分かったな?」

「「おう!!」」

「はい!」

「コクッ…」

「はーい!」

 兵士さんはいなくなり僕達は中に入ると受付のおばちゃんが見えてその後ろには別れた2つに別れた道があった…。

「遠い所からよく来たね! 明日『選定の儀』を受けるんだろう? 今日はいっぱい飯を食って風呂に入ってすぐに寝な!」

「ご飯! 美味しいの⁉︎」

「おっ! 随分可愛いらしいお嬢さんじゃないか!ああ、ちゃんと美味い飯を用意してあるからバンバン食べな!」

「やったぁ!」

 僕は美味しいご飯を食べれると聞いてついその場でジャンプした。

「ハハハ!! そんなに喜んでくれるとは嬉しいね! さっお嬢さんは左の道に行きな!」

「はーい!」

 僕はご飯が待ちきれなくて走って左の道を通って行った…。




「なぁおばさん! 何で宿に入って急に2つに道があるんだ?」

「ああ…それはねこの宿は『選定の儀』の時や旅人の為に作られた宿で男女別になっているのさ!」

「「「「……」」」」

「あん? どうしたんだい、あんた達?」

「いや! さっきの奴男だよ! おばさん!」

「…本気で言っているのかい?」

 おばさんは他の2人(もう1人の男はスルー)を見ると頷いているのを見ると片手で頭を抑えた…。

「まっ…あの子ならいいだろう…」

「な、何でだ! ズルイぞ!!」

「そうだそうだ!」

「やかましい!!」

 ドンッ!!

 おばさんは受付のテーブルに拳をぶつけ睨まれた2人は蛇に睨まれたカエルのように動かなくなっていた…。

「「ヒィッ…」」

「あんな純粋そうな子に限って問題なんて起こすわけないだろ? それに…」

 ギロリ! と2人を目で人を殺せそうな勢いで睨んだ。

「「ヒィィィ!!」」

 「あんた達さっきのあの子がジャンプした時に少し興奮していたじゃないか?」

「「…」」サッ…

「分かったらとっととアンタ達は右に行きな!」

「「は、ハイィィ!!」」

「走るんじゃないよ!!」

「「ハイィィィ!!」」


「…サッ大きな声を出して悪かったね。アンタ達は左に行ってゆっくり休むんだよ!」

「は、はい!」

「コクッ…」


………


「あ~美味しかった~」

「リューク君凄いいっぱい食べたねー」

「ホントホント!」

「こんな体にどうやって入ったんだろう…」

 僕は左の道を通ったら宿の人が料理を運んだり食器を並べたらしていたので、僕も手伝ったら凄く喜ばれて飴を貰った!!

 並べ終わってご飯を食べてると周りにいた女の子からご飯を貰ってとても美味しくていっぱい食べることが出来た!

 僕が男だって言っても誰も信じてくれなかったけど…特に困らないからいいよね!

 その後僕は寝ようとしたら一緒にご飯を食べていた女の子達に引っ張られて皆で眠ることになった…。

 暖かくてとても気持ちよく眠れた…。



 …次の日

 朝になり僕達は起きると昨日と同じように周りの女の子達からアーンされていっぱい食べた!

 身支度を終えて皆で外に出ると兵士さんがいっぱいいてビックリした! 16人はいたよ!

 後…、一緒馬車に乗っていた男の子は僕をずっっっと眼から血を流すような勢いで見ていたので少し怖かった…。

 僕何かしたかな…⁇

「どうしたのリューク君?」

「食べ過ぎて苦しいの?」

「ううん、なんでもないよ!ありがとう!」

「「!! っもう可愛いんだから!!」」

 ギュウウウウ……

「うう…苦しいよ…」


「「ギリギリギリ…」」

「ちょっと…アンタ達凄い顔よ…」



 …そしてついに目的の『選定の儀』が行われる教会へと到着した…。

「よく来ました子供達よ…私がこの教会の司教…ホーリンと言います。貴方達の中から勇者が誕生するやも知れません…楽しみにしてますよ?」

《オオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!》


 僕達は司教のホーリンさんと言う優しそうなおじさんについていき、僕がスライムだった頃に見た魔法陣は同じみたい…。

 でも魔法陣の周りに白い石が8個も無かったんだけど…あれって意味あるのかな?

「では! 今から『選定の儀」を始める! 1人ずつ前に出よ! そして祈りなさい! さすれば神は貴方に祝福を与えてくださることでしょう!」

「はい!」

 前に出た男の子は片膝を着き祈るように両手を合わせ眼を閉じた…。

 すると魔法陣が僅かに光を発して頭上にも光の玉がゆっくり降りて彼の体に入っていった…。

「おめでとう! 君の職業は戦士だ!」

「はい! ありがとうございます!」

「では次の人よ! 前へ!」

「はい!」

………




「次の人!」

「はい!」

 フフフ…やっと僕の番だ!! ささっと終わらせてお土産買って家に帰ろうと…!! 旅に出るのはそれからでいいや!

 僕が魔法陣に入ると急に溢れんばかりの光を発して何も見えなくなった…

「こ、これほどの光はいったい…」

 僕はふと上を見ると大きな光の玉が見えゆっくり降りてきて僕の体に入ろうと……

 バチン!!

「へっ…⁇」

《は……⁇》

 辺りに何とも言えない静寂が訪れた…


「…君の職業は…何も無い…無職だ」




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