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1章 

1話 今の家族

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 何か…フワフワする…。

 僕は確かご主人様を見送ってから、僕自身を魔力マナに変えて世界中に与え死んだはずなんだけど…いったいどうゆうこと…⁇

 辺りを見渡せば何も無い白い空間が広がっているだけ。

「あの~誰かいませんか~⁇」

 僕はちゃんと勉強してスライムでも声が出せるようになったんだ! 凄いでしょ⁇

 そんな事を思っていると、ただ白い空間だけだったのが僕の少し前で黒い渦が出来…中から焦茶色の肌をし杖を持った男の人?が現れ…。

「いやあ~ごめんごめん! 待たせちゃった⁉︎俺はアトゥムっていう! そう! 神様っっさ!」

 ビッシィィッッ!!

 神様を名乗る人が急に自己紹介と一緒に愉快なステップを踏み最後に杖を持った手をおでこに付けてピョコッと舌を出した

 そういえば…昔、ご主人様が言っていたことがある。神を名乗る人は危ない人だから近づいたら駄目だよ⁇ って…と言うことはこの人が危ない人だよね?

「いやいやいや! 怪しくない! 怪しくない! 俺は本物の神だよ!ね?信じて?」

(怪しい…)



 ――――――――30分後…。


「やっと信じてくれたようで何よりだよ…本当に…ハァ…」

「えっと…ごめんなさい。だって余り神様っぽくなかったんだもん…。」

「グゥ…!」

 神様は胸を抑えショックを受けたように膝から崩れおちた…。

「…よし! 君に頼みたい事があって本来このまま世界の魔力マナ帰るはずだった君をここ…そう!神ッ々が住むし・ん・か・いッに来てもらったのッさッ!

…たまにポーズを挟むけど必要なのかな…⁇

「その頼みと言うのは…」

「うん…⁇ 何で急にテーブルと椅子が…」

 突然現れた白いテーブルと椅子に驚いたけど神様は座って肘を付き両手を組み顎を乗せた…。

 それ…必要⁇ …なのかな⁇

「君…人間に転生してみる気はないかな?」

「僕が…人間に⁇」

「君の混乱する気持ちはよーくわか「人間になる!」…えっ?」

 だってあれでしょ⁉︎ 人間になってお金を払えば好きな物を食べ放題なんだよね⁉︎僕はスライムだったからご主人様に頼んで買ってもらうしかなかったし…我慢してんだ~

 本当はもっともっと色々な物が食べたかったんだ!!

「そ、そう…分かった……ンンッ!! では今から君を転生させる! あっ! そうそう最後にこれを君に渡そう!」

 神様は僕のスライムボディの中に光の玉を入れた。

「これは1人の神としてお礼ッさ!この世界を救ってくれて助かったよ。では…願わくば君の新たな生が幸せである事を祈る」

 僕の体が光包み、意識が途絶えた…。





「…それにしてもあのスライムを転生させようなんて大神様は何を考えているんだろぅなぁ~、あの魂には暴食と勇者の力が宿っているし…成長次第ではというのに…まっ! 何とかなるか!」



*************


「リューク! そっちに行ったぞー!!」

「うん、お父さん!」

 青い髪を短くまるまるとした茶色の目に服で見えないけど程よく筋肉がついている15歳の子供が弓を引き狙いを定め鹿の頭を貫いた…。

「やったぁ!お肉ゲットォ♪」

「よくやったなぁ~リューク! お前はもう立派な狩人だよ」

「えへへ~くすぐったいよ~お父さん」

 茶色な髪に茶色な瞳に全体的に細っそりとした中に筋肉が見られバランスのいい体格をしているのはお父さんだ! 僕頭をガシガシと撫ででくる。愛情が感じられてなんともくすぐったくてしょうがないよ~

「よし! 簡単に血抜きして母さんの所に帰るぞー」

「うん!」

 僕達は鹿の頭を切って逆さまにしてから父さんが獣が嫌がる液体を撒き少し待ってから父さんと一緒に鹿を家まで運んだ

「お母さん! ただいま~」

「あらあら…お帰りなさいリューク。そしてアナタも」

「ああ、ただいま」

 僕はキッチンに立っていた水色の髪を長く水色の大きな目に胸はモモサイズがありとても美人なお母さんに抱きついた…こうしてると凄く落ち着いてくる

「お母さん! お母さん! あのね今日はこーんな鹿をとったんだよ!」

 僕は両腕を広げてお母さんにどれだけ大きかったか伝えた

「まぁ! 頑張ったのね~えらいえらい」

「えへへ~」

「さぁ! もうすぐご飯だから手を洗ってきなさい。アナタも狩った鹿をしっかりと血抜きしてから地下の保存室に入れといてね」

「は~い」

「ああ、直ぐに終わらせる」

 僕は水を溜めてある桶から木で出来た柄杓ひしゃくで少し水をすくって手を洗ってからリビング行ってお母さんと一緒に夕食の準備をした


 出来上がった料理とスプーンとフォークを並べ終わると、お父さんがリビングにやってきて僕達はいつもの定位置…正面にお母さん   お父さんが見える位置に座る


「では…召し上がれ♪」

「うん! …美味しい!」

「ああ! 相変わらずオマエの料理は美味いな…」

 僕はテーブルに並んでいるパンやスープにお肉を手に取りドンドン食べていった。

 お父さんもバクバクと食べていきお母さんは僕達の様子をニコニコしながらゆっくりと食べている。

「リューク」

「うん?」

 ご飯を食べ終えて水を飲んでいるとお父さんが深妙な顔立ちで僕を見ていた…お父さんはもともと渋い顔立ちをしているのでかなり絵になっていて面白い。

 ちなみに僕はお母さん似で水色の髪に丸々とした目でとても可愛らしい顔立ちをしているらしい…男なのに…。

「1週間後…『選定の儀』がある結果がどうであれここがお前の家だ何かあれば帰ってこい」

「ええ、『選定の儀』が終わればよっぽどの事がなければ帰って来れるから、私達に教えてくれる?」

「うん! 大丈夫だよ! 1回帰ってくるから!その後冒険者登録して旅人になって世界中の美味しい物を食べに行くんだ!!」

「「……プッ…アハハハハ!!」」

「まったく…お前は…ククックク…」

「ええ、リュークの人生だもの好きに生きなさい」

「うん! たま~に、ちゃんと帰ってからからね!その時は美味しいご飯宜しくね!」

「はいはい♪」

 僕は明日の朝に来る馬車に備えて眠りについた…。
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