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プロローグ【過去の記憶】

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「あっ見つけたー!」

 金色の髪をした少年は川の近くにいた1匹の水色スライムを見つけ走り近くに来るとゆっくりと近づきしゃがんだ。

「ふふふ…やっぱりスライムって可愛いな~♪」

 人差し指でスライムを突っついてみるとヒンヤリとした温度とプルプルとした触感が伝わってくる。

 当のスライムは特に気にした様子も見せず雑草を体内に取り込み吸収していた。

「よし! 決めた! 君が僕の初めての友達だー!」

 少年はスライムを掴み頭上に持ち上げくるくると回った…しばらくすると疲れたのかゆっくりと地面に下ろした。

「よし…いくよ!」

 手を伸ばしゆっくり魔力を流しスライムの魔力と結び合わせる。

 僕の魔力が合わなかったり抵抗されればテイマは不可能になる…が魔物を弱らせて無理やりテイムをする者はいるが、その場合は信頼関係が無くもしテイムが解ければ襲われる事は少なくない。

「テイム!!」

 僕の手から流れていた魔力がスライムの魔力と完全に混ざり合いテイムは成功した。

「よし、君の名前はイムだ! 今日から宜しくね!

 ここからだ僕…1匹のスライムのイムが意思が宿ったのは…。


 僕はご主人様から色々な事を教えてもらった! 人間達のご飯とかおやつとかデザートとか! どれも美味しくて幸せだった!

 もちろん、ちゃんと他の事も教えてもらったよ! マナー…とかね!

 ご主人様のお母さんとかお父さんにも可愛がってもらった!

 ご主人様のママさんからは大きな魔力が感じて怖かったけど…優しく抱きしめてとても暖かかった!後2つの大きな物が柔らかかった!

 その後なんでか分からないけどご主人様のパパさんは剣を片手に僕を斬ろう追いかけてきてとても怖かった…。

 その後はご主人とママさんに怒られていたけどね。


 ご主人様の日課は午前中はパパさんとの剣の稽古で午後からママさんと魔法の勉強をしている…。

 僕も見よう見真似で触手で木剣を持って振り回したり誤って溶かしたりして怒られたりした…。

 魔法の勉強はご主人様の隣に座ってママさんから魔力とは何なのかとか魔素とは…と色々な教えてくれた!


 時には家族皆でお出かけしたり山の上でご飯を食べたりとかやって時間を過ごした…。


 ―――――それから5年…


 今日は15歳を迎えた子供達が教会で行う『選定の儀』がある…色々な職業を与えられ奇跡を起こす力や腕力が強くなったりして、これからの人生に大きく関わる儀式である。

 僕のご主人様は…。

「この者も職業は…ッ!? 何と!? この者の職業は勇者である!!」

「「「うおおおおおおおお!!!!」」」

 …何か凄い職業だったみたいだね! 良かったねご主人様!


 それから僕たち家族+(スライム)は教会にいた国の兵士と話し合いになり、皆でこの国の王様に会うために王都に行くことになった。

 出発は明日の為、今日はご主人様の成人祝いとしてママさんはご馳走を作りパパさんは剣をプレゼントを貰いご主人様は嬉しそうだった。

 もちろん僕もご主人様にプレゼントを渡した!鉄を魔法で形を変えて作ったスライムに紐を通して作ったアクセサリーだ。

 ご主人様とママさんパパさんも驚いて面白かった! ご主人様は僕の作ったアクセサリーを首にかけると嬉しそうに笑って僕を持ち上げくるくる回って、僕も嬉しかった!

 次の日には皆で王様のいる王都に向かった

 途中の村や町に止まりながら馬車を走らせ3日無事に王都に着くと兵士の人が15人位いて王城の近くの宿に泊まった

 次の日には王様との謁見でマナーなどを兵士の方から教えてもらい…しばらくすると準備が出来たとの事だったので気合を入れて行こう! とすると…僕だけ兵士の方から止められた…ぐすん…。

 ご主人様とママさんは1撫でしてから向かった…パパさんもつられそうになったのか一瞬手を僕に伸ばしたけど直ぐに引っ込めた…撫でてもいいのに…。

 大人しく待っていると謁見が終わったみたいで話を聞くとまだ話は広がっていないけど魔王という悪いやつが復活したみたいで倒してきてほしい。…と言われたそうだ。

 ご主人様は苦しむ人が少しでも無くそうと魔王を倒す事を決めて旅に出ることなった…。

 そして王様が集めてくれた仲間…剣士   魔法使い   僧侶そして僕との魔王を倒す旅が始まった…。

 ご主人様は僕を危険な旅に連れて行くこと心配していたけど、ご主人様が1番危険なんだからここだけは譲らないもんね!!

 結局ご主人様が折れてくれて仲間達に勇者の従魔として紹介されて歓迎された。


 それから苦しい旅が始まった…。

 魔物を倒しレベルを上げ時にはダンジョンに潜り地下深くに眠るという伝説の防具やアイテムなどを手に入れたり。


 精霊の森に眠ると言われる歴代勇者が使用していた聖剣を手にしたり。もちろん魔王の部下、魔族が魔物を率いて襲われた。

 それも聖剣を手に入れる為に精霊の森を向かう途中にだ。

 倒した魔物や魔族のいらなかった所は僕が全部吸収したそれもあって僕のレベルも上がりご主人様に難なくついて行くことにが出来た…。



 聖剣を手に入れたご主人様と仲間たち+スライム(僕)は魔王城に挑んだ…。


 僕たちは魔王城をどんどん進み大きなドアの前に辿り着きドアが勝手に開き最後の戦いが始まった。

 僕たちはどんどん魔王を追い詰めもう少しで倒せそうな所で…。

「仕方あるまい…来い! グラドニーバハムートよ!奴等を食い散らかせ!!」

 5メートルはありそうな真っ黒のドラゴンが目の前に現れ僕たちは苦戦したドラゴンには魔力が入った攻撃は通らずむしろ回復してしまう…。

 でも!! 僕がいる!

 僕はスライム細胞を増幅させドラゴンを包みこんだ…でもドラゴンはどんどん僕のスライム細胞を喰らった。
 でも僕は聖の属性を沢山喰らったドラゴンは闇と聖の属性が混じり合い中で爆発し…倒した…。


 ご主人様も魔王を倒して誰も欠ける事が無く無事に世界に平和が訪れた…。


 ご主人様はお姫様と結婚して貴族となって人生を歩んだ…もちろん僕はご主人様の近くにいるよ!しかも最近はご主人様の奥さんや子供達がいるから賑やかだね!

 毎日が楽しい毎日だよ!



 ―――――50年後

「…ああ、私はもうすぐ死ぬ…最後は最初の友達である君の中で眠らせてはくれないだろうか…⁇」

 ベッドに横になっているご主人様はすっかり弱々しくなっていた…金色だった髪は色を失い健康的だった手足は細くなって目には光が消えそうだ…。

 僕は悲しい気持ちをグッと抑えゆっくりご主人様を取り込んだ。

「ああ…ありがとう…私はイムと出会えて幸せだった…」

(僕もご主人様に会えて幸せだったよ…)


 ご主人様が僕の中で消えると僕はこの世界に僕の全ての魔力マナをばら撒いた…。

 この世界に金色な魔力マナの粒が世界中に広がり枯れた大地に草が生え枯れた湖は綺麗な水が溢れ自然豊かな星になった…。


 それをもたらしたスライムを見た者は誰一人としていない…。


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 スライムの頃の名前を追加しました。イムです!
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