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24話 冒険者登録
しおりを挟む明らかに酔っ払っている、大男に絡まれ…どうしようか、考えているとーーー
「ご先祖様に近づくなにゃー!」
ネロは大男の股間めがけて、蹴りを放った。
その蹴りは、見事に命中。大男は、崩れ落ち…泡を吐き、体をビクンビクンと、跳ねらせ意識を失った。
ふむ…見事な蹴りだな。
だが、この大男はお前に近づいたんだぞ? 何を言ってんだ…。
呆れるようにため息を吐くと、視界の端に…大男と一緒に飲んでいたであろう、男達がテーブルから立ち上がるのが見えた。
いや、もう面倒くさいから来んな。
空間支配で、その場に固定した。
男達は、突然動けなくなった事で、何か喚いているが…しったこっちゃない。
怪我をしないだけ、ありがたいと思え。
(ほれ、行くぞ)
「はいにゃ!」
足下で転がる、大男を放置して、受付に向かう。
「冒険者登録をお願いしますにゃ!」
「はい、かしこまりました。それでは、こちらの書類を埋めてもらっても宜しいですか?」
ネロは書類を手に取り、むむむ…と、難しい顔をして、紙を睨みつけていた。
何してんだお前…。
「文字…書けないにゃぁ…」
ああ…。
「では、私が代筆致しますね」
「ありがとにゃ!」
「では、最初の質問ですがーーー」
€€€€€
「はい、ネロ様の冒険者登録は完了致しました。最後に、この冒険者カードに血を一滴垂らして下さい」
「にゃ…」
ネロはビクビクしながら、Fと刻まれているカードに、受付に置いてある針を手に取り…眼を閉じ、人差し指に刺して、血を垂らした。
「にゃ~」
お前そんな泣きそうな顔をするなよ…。
(そんなんじゃ、この先やってけないぞ?)
「にゃ!!」
(気合を入れるのはいいが、さっさと俺を従魔登録しろ)
「分かったにゃ!」
コイツ…俺は事前に、声に出すなって言ったよな!?
見ろ、受付の奴も、可愛そうな眼でお前をみてるじゃねぇか!
…まぁ、いいか。ネロだし。
「従魔登録もお願いしますにゃ!」
「はい、かしこまりました。種族をお聴きして宜しいですか?」
「ご先祖様にゃ!!」
「え~と…」
おい、困ってんだろ! ちゃんと種族名で答えろや!
(ナイトキャットだ!)
「ナイトキャットだにゃ!」
「ナイトキャットですね…はい。
従魔登録完了しました。では、この従魔の印を付けて下さい。他にも、もし従魔が問題を起こした場合、ネロ様が責任を取る形になりますのでご注意下さい」
「分かったにゃ!」
コイツ本当に分かってんのか?
まぁ…問題なら、バレなければいいか。
(とりあえず、まだ店は開かんから、直ぐに終わる依頼でも受けに行くぞ)
「分かったにゃ!」
(……)
俺はもう諦めることにした。
この馬鹿には、言っても無駄だと。
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