孤高の英雄は温もりを求め転生する

モモンガ

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23話 餌付け

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 「美味いにゃ! ご先祖様が出したご飯最高にゃ!!」

 「もぐもぐもぐ」

 今、俺が召喚(大)で、あの茶色い調味料を使った美味い魚料理を願うと…。

 お盆の上に、白い粒々と、緑の野菜。更に、軽い銀の紙? に茶色いスープが眼の前に出現した。

 銀色の紙を開くと…焼けた魚の上に茶色い調味料の上にキノコがのっていた。

 それを一口食べると、口の中に魚の身はホロホロと崩れ…濃厚な味わいが口に広がる。

 ほう…美味いな。

 あの、茶色の調味料がこうなるとはな…。

 あまりの美味さに、もう一口食べようとすると…視線を感じ、振り返ると、親猫と涎を垂らしたネロがじっ…と見ていた。

 俺は同じ物を2人分召喚し、横に置くと…一斉に食べ出した。

 そして、今に至る。

 「こんな美味しい魚料理食べた事ないにゃ! この白いのはなんにゃ? ! これも美味いにゃ!! スープも美味いにゃ! 野菜も美味いにゃ! 全部美味いにゃ!!」

 「もぐもぐもぐもぐ…」

 うるせぇ…。

 美味いのは分かったから、静かに食えねえのか?

 そんな事を思いつつ…スープを一口。

 ほう、これが本当の味か…。俺が作ったスープと大違いだ。

 なんだか、ほっとする味だ。

 「もう、無くなっちゃたにゃん…」

 コイツ食うの早えな…。

 (おい…そんなに俺のを見ても、絶対にやらんぞ? そんなに食いたりないなら、自分で魚でも取ってこい)

 「分かったにゃん!」

 尻尾が下がって、走り去って行くネロの姿に、明日からは2人分用意してやるか…と思った。

 もちろん、食った分は働いてもらうがな…。


 €€€€€


 取ってきた魚を焼き食べて満足したネロは、親猫の隣で寝ていた俺の近くで丸くなって眠っていた。

 「にゃあ(ほれ、行くぞ)」

 「にゃあ~ご先祖様がいるにゃ~」

 寝起きで寝ぼけているのか、俺に頬すりしながらゴロゴロと、喉を鳴らしている。

 コイツの服も買わなきゃ駄目だな。
汚くはないが、布1枚じゃ不便だろう。

 それに、見えてはいけない所も見えてるしな…。

 人間じゃなくなったせいか…全く欲情しないが、めんどくさい奴等に絡まられる未来しか見えない。

 朝飯食い終わったら買いにく行くか。

 以前買った(?)串肉が気に入った俺は、焼けたらどんどん収納し…金を置いた物がいっぱいあるからな。

 それでいいか。

 ネロを叩き起こし、串肉を食べて箱庭から出ると…ちょうど朝日が見えてくる頃だった。

 「にゃあ~綺麗だにゃ~」

 朝日ね…。こうして見ることなど、なかったな。

 この時間なら、店はやってないか…。

 仕方ない。先に冒険者ギルドに行って、ネロの登録しに行くか…。

 この時間帯なら、人は多くないだろう。

 (まず、冒険者ギルドに行くぞ)

 「分かったにゃ!」

 冒険者ギルドは、朝から夜まで開いており…緊急時でも受け付けてもらえるらしい。

 んと、着いたか。

 「大きいにゃ!」

 (行くぞ、俺はお前の後をついて行く)

 「分かったにゃ!」

 左右の扉を開き…中に入ると、ネロは初めてなのかキラキラした様子で周りを見ていた。

 「広いにゃ!!」

 すると…食事スペースから、朝まで酒盛りしていたであろう、大男が近づいてくるのが見えた。

 チッ! 面倒くせぇ…。

 「おい、お前随分とエロい格好してるじゃねぇか…ちょっと付き合えよ可愛がってやるぜぇ~」

 俺はこの馬鹿に、どう痛めつけてやろうか…と、考えるのだった。
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