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22話 奴隷を手に入れた
しおりを挟むアリーには、静かにしてろと、送ると…落ち込んでしまった。
コイツはメンタル弱いのか?
そんな事をエルフに聞くと、「ここまで弱いのは君だからだよ」と意味わからん事をぬかした。
暫く待っていると、先程の男が男2人と女2人を連れて戻ってきた。
服装を見るに、真っ当な奴隷商なのだろう。
気になるのは、1人だけ俺を見ると眼をキラキラさせた奴がいたぐらいだ。
「お待たせしました。お客様の要望に叶う奴隷をお持ちいたしました。お目にかかればと思います」
「ふむ…その2人は駄目だな。一瞬だが、パンを下に見たからな。下げろ」
「かしこまりました」
いや、お前静かにしてろって言ったよな?
(お前次喋ったら、2度と触らせんからな?」
「…コク」
大人しくなった、アリーを見て、エルフに眼を向けると、頷いた。
任せた。
「君? ちょっといいかな? その2人と話したい事あるから、外してくれないかな?」
「かしこまりました」
ふむ…あっさりだな。
そんな事を思っていると…。
「きっと、僕がギルドマスターって知ってるからだろうね。普通ならこう上手くはいかないよ?」
なるほどな、初めて役に立ったな。
「ご先祖様にゃー!」
…何を言っているんだコイツは。
声がした方に、眼を向けると…俺と同じように猫耳と尻尾を生やした女がいた。
「…とりあえず、自己紹介をしてもらってもいいかな?」
「みゃーは、ネロだにゃー!」
「私はミローネと言います」
ふむ…。見てみるか
**********
種族:猫人族
名前:ネロ
体力:860
魔力:480
魔法:身体強化Lv1
称号:無し
**********
**********
種族:人族
名前:ミローネ
体力:500
魔力:920
魔法:毒魔法Lv3
称号:『腹黒』
**********
アウト。
ミローネ、コイツは駄目だ。
一見、美人なお姉さんみたいな、奴だが…腹の中では何を考えているか分からん。
毒魔法のレベルも上がっている事は、それなりに使った証拠だ。
(エルフ、ネロにする。ミローネは下げらせろ)
そう、送ると…エルフは頷いた。
「ミローネさん、もう下がって結構ですよ」
「承知致しました」
ミローネが、ドアから出て行くのを見届け…ネロをもう1度見た。
ふむ、悪い奴には見えないが…。
まぁ…後々、確かめていけばいいか。
それに…身体強化なんて魔法があるなんて初めて見たしな。
身体強化は、体に魔力を流し…体を強化する事で、魔法ではない。
それが、コイツは魔法として、存在している。
不思議だな。
「さて、ネロさん。君にはこの子の奴隷となってもらいます。
私達ではなく…猫が君の主人です。宜しいですか?」
「みゃーはいいですにゃー! ご先祖様に仕えるなんて、恐れ多いけど頑張りますにゃ!!」
…決定だな。
「宜しいのですか?」
「いいですにゃー! それにご先祖様はかなり強いですにゃ! 獣人族は強い者に従うのが本望ですにゃ!!」
ほう…。
「何故この子が強いと?」
「勘ですにゃ!!」
ほう…?
(エルフ、もういいぞ。この猫に決めた)
止めろ、猫は君もでしょ? みたいな顔をするな。
言ってから気づいたんだよ!
たまに、自分が猫だと言う事を忘れる。
この後、俺は金貨15枚をエルフに渡し…奴隷を手に入れた。
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