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第四章 王都での出会い

44この気持ちが※

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 先端が、入る。
 ちょっと、やばい。

「……っ、はっ」
「ミツキっ……」

 さらに腰を落とそうとして、少し進めて、止まる。
 や、ばい。気持ちよすぎて、これ以上進めない。頭にストップがかかる。

「ん、ミツキ、もっと」

 促すようにエヴァンさんの腰が揺れた。
 わかってる、わかってるけど、でも。

 また少しだけ腰を落とす。エヴァンさんが堪えきれなくなったようにキスしてきた。唇が唾液で濡れて、なんなら下も濡れて、まだ全然入ってないのに、愛液がエヴァンさんのを伝って落ちていく。

 エヴァンさんが焦ったそうに、苦しげな呼吸をした。

「……ミツキ」

 甘くねだるように名前を呼ばれた。

 別に焦らしてるわけではないんだけど、焦らしてるのかな。エヴァンさんが求めるように見つめてくる。もっとって、その目が訴えかけてくる。
 私はまた腰をグッと沈めた。半分くらい、入った、よね。

「ミツキ、足りない」

 何気にエヴァンさんエスだよねっ? いじめるの好きなのっ? あんなに優しいのに?

「ミツキ」

 エヴァンさんがちょっと突き上げ始める。
 逃げようと上にあがると、ずるっと肉棒が抜けていく。エヴァンさんが口を曲げて不満そうな顔をした。

「ミツキ、逃げないで。腰を落として、もっと」

 指示されて、また入り口に剛直を押しつける。にゅるにゅると滑って上手く入っていかない。

「は、ぁ……ん」

 でも、擦れて気持ちいい。
 これだけで十分イイ。
 熱のこもった吐息を漏らすと、エヴァンさんが堪えるように顎を引いて、私の肩を甘噛みする。

「ミツキ、はやく、挿れて」

 エヴァンさんが私の腰を右手で支え、肉棒は左手で支える。
 私はしかたなく、快感に耐えながらググッと腰を沈めた。

 半分、いった、よね。もうちょっと。さらに腰を落とすけど、エヴァンさんの手が焦れったそうに私の腰を両手でつかんだ。

「ミツキ、焦らしすぎ」
「っ、だ、めっ、私がっ」
「ん、ごめん。もう待てない」

 エヴァンさんが私の腰を押さえて、グッと腰を突き上げた。ズルッと奥深く入っていく感覚に体を仰け反らせる。
 頭のてっぺんまで一気に貫かれた錯覚がした。

「ひぃ、んっ」

 尖りまくって主張していた私の胸の先端に、エヴァンさんが吸い付いてくる。舌でねぶられて、軽く歯を立てられて、強く吸われる。

「あっ、ん」

 気持ちいい。エヴァンさんが触れてるとこ、全部気持ちいい。
 
 胸に吸い付くエヴァンの頭を両手で抱えるように抱きしめる。
 エヴァンさんの吐息が胸にかかって、キュッと中が締まった。

「ミツキ、胸気持ちいい? それとも、やっぱり中?」

 エヴァンさんの肉棒がゴリっと中を抉った。私の体を軽く持ち上げてそのまま落とす。重力で自動的に奥まで突き刺さって、あまりの快感に体をのけぞらせた。

「やぁ、あーっ!」
「中がいい?」

 エヴァンさんが私の腰を前後に揺らし始める。深く刺さったまま肉壁を擦り付けられて、頭では快感の電気信号が飛び交った。

「ひっ、アッ! ああっあっあ!」

 エヴァンさんが嬉しそうに笑う。そして、さらに深く挿れようとしてるのか、私の腰を押さえつけて、腰を浮かせて奥にゴリゴリと擦り付けてくる。

 待って、ちょっとやばい。深く入りすぎてる。
 腰を浮かそうとするけど、エヴァンさんの力が強くてびくともしない。深く腰を押し付けたまま、エヴァンさんはゆったりと腰を揺らし始めた。

「ミツキ、逃げないで」
「あ、あっ! ああっ、だって、ふか、いっ! だめっ」
「うん、これ、いつもより入ってるね。気持ちいい?」

 気持ちいい、気持ちいいけど、やばい。

 エヴァンさんが私の手を取った。片手が握られて、反対の手は私の腰を押さえつけてる。
 うそ、まさか、待って。
 ふるりと首を振った。でもエヴァンさんはかすかに笑って、軽く私の唇にキスをする。
 エヴァンさんが私の腰を押さえたまま前後に揺らした。

「っ! や、だっ、めっ!」

 ふかい、ふかいっ。

「あ、あっ、や、い、くっ」
「いいですよ」
「あ、アッ──んっ!」

 突き抜けた快感に身を任せ、そのままぐったりと体をエヴァンさんにあずける。呼吸を整えようとするけれど、整い切る前にまたググッと腰を押し付けられた。

「ミツキの奥、気持ちいい。きゅうきゅう締めつけてくる、かわい」
「う、ううっ」

 なんでそんなに余裕そうなの。私ばっかり余裕ない。童貞とか絶対うそっ。そんな余裕綽々な顔して!

「エヴァンさん、絶対百人くらいとしてるっ」
「してませんよ」

 というかエヴァンさん、えっちに攻めるときだけ敬語なくなるのね。なにそれ、好き。

「童貞はこんなにえっち上手くないっ」
「……それは誰と比べてるんですか」

 エヴァンさんがムッとしたように口を尖らせた。
 一般論ですがなにか?

「というか俺、上手いですか? ミツキさん俺とするの、好き?」

 なんてことを聞くんだ、この無自覚な百戦錬磨男は。
 でも不安そうに眉が寄っていたので、私の羞恥心は吹き飛び母性がくすぐられる。

「エヴァンさんとするの、好き。気持ちいい。私ばっか、ずるい」
「っ、俺、めちゃくちゃ嬉しいです。もっと、気持ちくなって、ミツキ。俺のこと、もっと好きになって」

 エヴァンさんがゆらゆらと腰を揺らす。
 ああ、もう、それすらも堪らない。気持ちいい気持ちいい。触られてるとこ全部気持ちいいとか、頭おかしい。

 唇を重ねた。吸い付くように何度も何度も。

 奥をゴリゴリと執拗に擦り付けられて、涙をぼろぼろ流しながら快感に溺れた。

「はぁ、やだ、やだ、もぅ……」
「んっ……もう少し」

 上ずった声でエヴァンさんはそう言って、肉棒を抜くと私の体をくるりとひっくり返した。
 そのまま後ろから覆い被さられて獣みたいに腰を振られた。
 ぐちゃぐちゃと水音がして、肌がぶつかる音が響く。

「ああっ! あ、あ、あっ、やら、ああああっ!」
「は、もっと……っ、あー、でも、そろそろ、限界……ミツキ」

 うなじにちゅうっと吸いつかれた。
 視界の端で銀色の髪が揺れていることに気づいて顔を向ける。気づいたエヴァンさんが目をうんと優しく細めて、求めるようにキスしてきた。

 そのまま何度も腰を打ちつけられて、エヴァンさんが苦しげに吐息をもらし、さらに腰を振る速さを上げる。イキそうなんだとわかった。

「はっ……ミツキ、なか、いいですか?」
「ひにんっ」
「……あとで魔法かけますね」

 苦笑にも似た声が落ちてきて、エヴァンさんが一際深く腰を押し付けてくる。
 中で暴れ回っているのを感じながら、まぶたが落ちていくのを感じた。
 ふわっと、大きな腕に包まれた感覚がした。

 してるときはもう無理って思うのに、終わると名残惜しく思う。でも、心がすごく満たされている。

 ああ、もう。これが愛おしいっていう気持ちなのか。
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