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二日目 ―溺れる―
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男が戻ってきたのは、一時間近くも経ってからだった。
朝だというのに外国産の瓶ビールを口にしながら、足でドアを蹴り開けてくる。
「は、肉便器が便器汚していやがる」
嘲笑を含んだ声。
嘲笑われても仕方ないだろう。プレイ用とは言え、小便器と一体化させられた賢人は、涙と涎だけではなく先走りまで溢して辺りを汚しているのだから。
「トイレはキレイに使いましょうってガキでも知っているんだぜ? ……まぁ汚ッたねえ公衆便器もあるが――ああ。そうか。汚い便器にはラクガキが必要だよな?」
疼く体を放置され、道具として使用しても貰えず、その切なさと物足りなさに泣いていた賢人と目を合わせる瞳は冷酷なのに艶めかしい、
賢人の目の前で男が取り出したマジックペンのキャップを外した。賢人は知らないが、子供の肌にも使える果実を原料とした水性インクだ。
「……ぅ、ふ……ッ、ふ……ッ」
素肌に触れるペン先の感覚に興奮が募る。顔や胸、腹、股間……触れるたびにとぷとぷと溢れる先走りが止まらなかった。
「ん゛っっ……ゥッ!」
ぎゅっと先走りでドロドロの陰茎を荒々しくトイレットペーパーで拭われる。そしてまた先走りて濡れるまでに裏スジにも何かを書かれて賢人は仰け反って歓喜に呻く。
何を書かれているのか、どんな惨めな姿なのか、それを想像するだけで達してしまいそうだった。
「おー、いいじゃん。いかにも便器って感じだな――ほらよ、オマケだ」
便器化した姿を眺めていた男が口角を吊り上げ、小さな作り置き棚に有ったボトルを取り出す。キャップを外し、腹を押して中身を賢人に振りかければ、独特の臭気とぬるりとした感触に体が塗れてしまう。
覚えの有るそれは、本物ではないが本物そっくり作られた擬似精液ローションだった。
髪や顔、体を汚すのは精液を模したローションでしかないのに、まるで大人数に使用され射精された錯覚を産む。
卑猥な文字を伝うローションの感触に四肢を繋ぐ鎖を鳴らして痙攣する賢人の耳にシャッター音が聞こえた。音のする方に目を向ける前に、べっとりと擬似精液で汚れた髪を掴まれた。
顔を上向かせられ、開口具で丸い穴のようになった口に男の滾った陰茎が押し込まれる。舌を轢き喉に追突する肉の凶器。
そのまま道具でも使うように抜き差しされれば、賢人の後頭部がゴッゴッと小便器に当たって固い音を鳴らした。
余りの惨めさに涙が浮かぶが、その涙の成分は半分以上が自分が無価値だと思い知れた歪んだ喜びだ。
ぐっと男の腰が突き出され、賢人の鼻先が男の陰毛に触れる。
射精する瞬間、男は何も言わなかった。嬲る言葉も嘲笑もない。
トイレを使うときに便器に向かって語りかける奇行など誰もしないように、男にとって賢人の口に射精することは文字通り日常的な排泄と代わらないのだ。
「……ん、ぶ……っ」
射精をするだけしたら、さっさと男は腰を引いてジーンズのファスナーを上げて身支度を整えてしまう。単にトイレを使っただけ。その態度の淡泊さに賢人の体は疼くばかりだった。
「ほらよ、肉便器野郎。これがお前だよ」
無価値な存在に成り下がり、口に残る精液の味に酩酊しそうになっていた賢人の目前に晒されたのは、ポラロイドカメラで撮った写真だ。デジタル画像が残らないタイプの機種はこういったプレイでも悪用されにくく、その場でのみプリントアウトできるのはこの状況では最適なアイテムだった。
「……あ、ぅ……」
目の前にあるポラロイドの写真。
小便器に座り、大股開きで拘束された賢人に威厳も尊厳もない。
ただの性処理に使われるだけの道具、それだけだった。
何よりも“メス豚”“淫乱家畜”“使用済み精液便所”“チンポ大好き”“チンポ待ち”“使用制限無し”“無料開放コキ穴コチラ→”など、卑猥な言葉を体に書かれ、擬似精液ローションを掛けられた姿は、まさに薄汚れた公衆便所のようだった。
「……ッ! ……っ、ふ……ッ!! ん゛ーーーッッ!!」
日常とはかけ離れた世界。規律からはみ出した自分。正しくある必要も無い場所。
自分が望んだ世界に浸り、溺れそうになりながら、脳が沸騰したように賢人は絶頂していた。
朝だというのに外国産の瓶ビールを口にしながら、足でドアを蹴り開けてくる。
「は、肉便器が便器汚していやがる」
嘲笑を含んだ声。
嘲笑われても仕方ないだろう。プレイ用とは言え、小便器と一体化させられた賢人は、涙と涎だけではなく先走りまで溢して辺りを汚しているのだから。
「トイレはキレイに使いましょうってガキでも知っているんだぜ? ……まぁ汚ッたねえ公衆便器もあるが――ああ。そうか。汚い便器にはラクガキが必要だよな?」
疼く体を放置され、道具として使用しても貰えず、その切なさと物足りなさに泣いていた賢人と目を合わせる瞳は冷酷なのに艶めかしい、
賢人の目の前で男が取り出したマジックペンのキャップを外した。賢人は知らないが、子供の肌にも使える果実を原料とした水性インクだ。
「……ぅ、ふ……ッ、ふ……ッ」
素肌に触れるペン先の感覚に興奮が募る。顔や胸、腹、股間……触れるたびにとぷとぷと溢れる先走りが止まらなかった。
「ん゛っっ……ゥッ!」
ぎゅっと先走りでドロドロの陰茎を荒々しくトイレットペーパーで拭われる。そしてまた先走りて濡れるまでに裏スジにも何かを書かれて賢人は仰け反って歓喜に呻く。
何を書かれているのか、どんな惨めな姿なのか、それを想像するだけで達してしまいそうだった。
「おー、いいじゃん。いかにも便器って感じだな――ほらよ、オマケだ」
便器化した姿を眺めていた男が口角を吊り上げ、小さな作り置き棚に有ったボトルを取り出す。キャップを外し、腹を押して中身を賢人に振りかければ、独特の臭気とぬるりとした感触に体が塗れてしまう。
覚えの有るそれは、本物ではないが本物そっくり作られた擬似精液ローションだった。
髪や顔、体を汚すのは精液を模したローションでしかないのに、まるで大人数に使用され射精された錯覚を産む。
卑猥な文字を伝うローションの感触に四肢を繋ぐ鎖を鳴らして痙攣する賢人の耳にシャッター音が聞こえた。音のする方に目を向ける前に、べっとりと擬似精液で汚れた髪を掴まれた。
顔を上向かせられ、開口具で丸い穴のようになった口に男の滾った陰茎が押し込まれる。舌を轢き喉に追突する肉の凶器。
そのまま道具でも使うように抜き差しされれば、賢人の後頭部がゴッゴッと小便器に当たって固い音を鳴らした。
余りの惨めさに涙が浮かぶが、その涙の成分は半分以上が自分が無価値だと思い知れた歪んだ喜びだ。
ぐっと男の腰が突き出され、賢人の鼻先が男の陰毛に触れる。
射精する瞬間、男は何も言わなかった。嬲る言葉も嘲笑もない。
トイレを使うときに便器に向かって語りかける奇行など誰もしないように、男にとって賢人の口に射精することは文字通り日常的な排泄と代わらないのだ。
「……ん、ぶ……っ」
射精をするだけしたら、さっさと男は腰を引いてジーンズのファスナーを上げて身支度を整えてしまう。単にトイレを使っただけ。その態度の淡泊さに賢人の体は疼くばかりだった。
「ほらよ、肉便器野郎。これがお前だよ」
無価値な存在に成り下がり、口に残る精液の味に酩酊しそうになっていた賢人の目前に晒されたのは、ポラロイドカメラで撮った写真だ。デジタル画像が残らないタイプの機種はこういったプレイでも悪用されにくく、その場でのみプリントアウトできるのはこの状況では最適なアイテムだった。
「……あ、ぅ……」
目の前にあるポラロイドの写真。
小便器に座り、大股開きで拘束された賢人に威厳も尊厳もない。
ただの性処理に使われるだけの道具、それだけだった。
何よりも“メス豚”“淫乱家畜”“使用済み精液便所”“チンポ大好き”“チンポ待ち”“使用制限無し”“無料開放コキ穴コチラ→”など、卑猥な言葉を体に書かれ、擬似精液ローションを掛けられた姿は、まさに薄汚れた公衆便所のようだった。
「……ッ! ……っ、ふ……ッ!! ん゛ーーーッッ!!」
日常とはかけ離れた世界。規律からはみ出した自分。正しくある必要も無い場所。
自分が望んだ世界に浸り、溺れそうになりながら、脳が沸騰したように賢人は絶頂していた。
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