1 / 10
0話
しおりを挟む
脳がぐずぐずに溶けそうなほどの快楽を大巳は味わっていた。
バーで知り合った三十路の男。少し冷たい雰囲気が後腐れのない関係で終われそうで丁度いい。
大巳は情というものがいささか希薄だ。その情の薄さが周囲に見抜かれ、なかなか芽の出ない生活を強いられている訳だが。
一夜限りの快楽に身を任せるのは好きだが、そこに恋情を交えてしまうことにどうも抵抗がある。SNSや電話で拘束されるのは嫌いだし、こまめに連絡を入れるのも面倒くさい。
約束なんて以ての外だ。
次の約束を希望する奴なんて願い下げだ。その場限りの快楽でいい。名前を知ることすら必要ない。
それで良かったし、そうするつもりだった。
大巳は売れないアイドル研究生だ。本来なら周辺は身綺麗にしなくては…ならないのだが、同好の士が集まる歓楽街で蛇淫として知られていた。ようはアイドルらしい見た目に反して性慾が強いのだ。
大巳は金を貰って肉体と快楽を提供することに忌避感はない質だった。枕営業もやれと言われればやれるだろう。ただそこに至るまで大巳のアイドル性が至らないだけだ。
出番や役を競うための枕営業も、そもそも出番や役を得る声が掛かっていないのでは意味がない。
自己評価は高い方の大巳は世間の見る目がないと思っているし、自分は不幸体質だと言い訳までしている。
だが今日は幸運や金運の証とされる珍しいアルビノの蛇を見かけた。アルビノの蛇など珍しい。
だからこそ今夜は金回りのいい相手に巡り会えるだろうと期待していた。
少し冷たい雰囲気のある男の誘いに乗ったときは、自分の財布を太らせてくれるはずだとほくそ笑んだほどだ。
「……ン゛ぁッ、あ゛ッ、ふか……ふか、イ゛イ゛……ッ、ち、ン゛ッぽ……ッ、ふか、い゛イィぃイィ゛ッっ……イくっイくっイ゛イ゛イ゛グゥぅぅぅ!」
ごちゅんと結腸へ、萎えることを知らない亀頭がぶち当たった。結腸にちんぽキスされていると泣きながら、大巳は何度も何度も絶頂を迎えていた。
ぐるんと白目を剥き、大巳は結腸まで詰まった肉の兇器に責められて意識を失いかける。
だが大きく逞しい肉の槍に脳天まで貫くような快楽を教えられ、その刺激が強すぎて失神することさえ許されない。
いや、気持ちがいいだとか快楽に浸るとか、そんな言葉など薄っぺらく思える衝撃は、突かれるたびに新たな快楽を生む。深い場所から腰を引かれて、男の剛直で内壁を挽き殺されては絶頂を繰り返す。
快楽は脱皮する蛇のように、何度も何度も生まれ変わって終わりが見えてこない。
大巳が顔を埋めた枕は、涙と唾液でぐっしょりと濡れていた。カクカクと振りたくる腰も尻も自分の意志で抑えられなっていた。
深く抉ってくる肉の槍の操られ、制御でない体は快楽を溜め込むしかできない。
もっと欲しい、もっと頂戴と泣き叫んで何時間経ったのか。
あらゆる角度と体位で翻弄されつつ、ただ肉欲を受けるだけの肉袋と化した大巳の脳裏には、なぜか鎌首を擡げた白蛇の姿が浮かんでいた。
バーで知り合った三十路の男。少し冷たい雰囲気が後腐れのない関係で終われそうで丁度いい。
大巳は情というものがいささか希薄だ。その情の薄さが周囲に見抜かれ、なかなか芽の出ない生活を強いられている訳だが。
一夜限りの快楽に身を任せるのは好きだが、そこに恋情を交えてしまうことにどうも抵抗がある。SNSや電話で拘束されるのは嫌いだし、こまめに連絡を入れるのも面倒くさい。
約束なんて以ての外だ。
次の約束を希望する奴なんて願い下げだ。その場限りの快楽でいい。名前を知ることすら必要ない。
それで良かったし、そうするつもりだった。
大巳は売れないアイドル研究生だ。本来なら周辺は身綺麗にしなくては…ならないのだが、同好の士が集まる歓楽街で蛇淫として知られていた。ようはアイドルらしい見た目に反して性慾が強いのだ。
大巳は金を貰って肉体と快楽を提供することに忌避感はない質だった。枕営業もやれと言われればやれるだろう。ただそこに至るまで大巳のアイドル性が至らないだけだ。
出番や役を競うための枕営業も、そもそも出番や役を得る声が掛かっていないのでは意味がない。
自己評価は高い方の大巳は世間の見る目がないと思っているし、自分は不幸体質だと言い訳までしている。
だが今日は幸運や金運の証とされる珍しいアルビノの蛇を見かけた。アルビノの蛇など珍しい。
だからこそ今夜は金回りのいい相手に巡り会えるだろうと期待していた。
少し冷たい雰囲気のある男の誘いに乗ったときは、自分の財布を太らせてくれるはずだとほくそ笑んだほどだ。
「……ン゛ぁッ、あ゛ッ、ふか……ふか、イ゛イ゛……ッ、ち、ン゛ッぽ……ッ、ふか、い゛イィぃイィ゛ッっ……イくっイくっイ゛イ゛イ゛グゥぅぅぅ!」
ごちゅんと結腸へ、萎えることを知らない亀頭がぶち当たった。結腸にちんぽキスされていると泣きながら、大巳は何度も何度も絶頂を迎えていた。
ぐるんと白目を剥き、大巳は結腸まで詰まった肉の兇器に責められて意識を失いかける。
だが大きく逞しい肉の槍に脳天まで貫くような快楽を教えられ、その刺激が強すぎて失神することさえ許されない。
いや、気持ちがいいだとか快楽に浸るとか、そんな言葉など薄っぺらく思える衝撃は、突かれるたびに新たな快楽を生む。深い場所から腰を引かれて、男の剛直で内壁を挽き殺されては絶頂を繰り返す。
快楽は脱皮する蛇のように、何度も何度も生まれ変わって終わりが見えてこない。
大巳が顔を埋めた枕は、涙と唾液でぐっしょりと濡れていた。カクカクと振りたくる腰も尻も自分の意志で抑えられなっていた。
深く抉ってくる肉の槍の操られ、制御でない体は快楽を溜め込むしかできない。
もっと欲しい、もっと頂戴と泣き叫んで何時間経ったのか。
あらゆる角度と体位で翻弄されつつ、ただ肉欲を受けるだけの肉袋と化した大巳の脳裏には、なぜか鎌首を擡げた白蛇の姿が浮かんでいた。
1
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説



飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!

皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる