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幕間③
Sの嗜み② 中
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「ン゛っ、ご゛っ……お、お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っっッ!」
誰かが言った。
男性向け同人誌におけるモブチンポは最強なのだと。
時に顔を出し、時に鼻と口だけ、時にのっぺらぼう、時に透明となる彼らだが、陰茎だけは存在感を消すことがない。なんなら顔にモブと描かれている適当さなのに、陰茎は血管まで浮くほどリアルに描き込まれたりする。
時に巨根、時にバケツ並の大量精液、時に断面図、時に「やっぱりチンポに勝てなかったよ……」と言わしめる最強なる伝家の宝刀。
それがモブチンポ。
もちろん倫はモブではなかった。モブどころかある意味では準主役だ。当然ながら栄えある主役はトナカイのエロコスで四つん這いなっている雄哉である。
――義兄さんが可愛すぎる事案。
まるで透明なモブの犯されているように尻を震わせる雄哉を見ながら、倫はにやけそうになる口元を慌てて手で隠した。たぶん、雄哉どころか親にも見せられない表情になっていることだろう。
でも倫は自分は悪くないと心で頷く。悪いのはエロ可愛いが過ぎる雄哉の方だ。
引き締まった雄哉の尻の谷間からひょこひょこ動くトナカイの短い尻尾。ゆるく回転しているのは雄哉の尻の動きだけが原因ではなく、肉の狭間からかすかに振動音が聞こえることから、肉の壁の中で動いているのがわかる。
だが電動の動きだけではなかった。
倫が半アンデッド状態に陥るまで仕事を頑張ったご褒美。それが通販で買った『性夜―クリスマス淫ナイト―』という、若干残念ネーミングなクリスマス仕様のアダルトグッズ詰め合わせセットの功績だ。
ニップルクランプでオーナメントを磁力で拾わせるセットも、トナカイコスも、電動バイブ付きトナカイの尻尾もすべてセット内のもの。コレを作った会社はいい意味で頭がおかしいと倫は想う。
センスも作り込みもマニアックさもおかしい――いいぞ、もっとやれ。
特に無駄に凝っているのがトナカイの尻尾だ。
トナカイ尻尾にアナルバイブ付きならよくあるアダルトグッズだろう。しかしそのアナルバイブ部分の形状が無駄に凝っていた。
凝ったバイブ部分は特殊形状で。クリスマスリースなどによくある松ぼっくりの形をしているのだ。
それもアカマツやゴヨウマツのようにずんぐりとした松ぼっくりではない。10センチは越える細長いドイツトウヒという種類の松ぼっくりだ。
魚の鱗に似ている凸凹した松かさだけでもバイブともなれば卑猥に見えるのに、松ぼっくり型のバイブを水に浸せば時間経過と共に松かさ部分が膨らみ開いていくのだ。
柔らかいとはいえ、体内でじっくりと疑似松かさが開けば、その刺激と圧迫感は脳髄を焼き切るような快楽を生むと取り扱い説明書には書いてあった。
今の雄哉がまさにその状態だ。
真っ赤なボールギャグから潰れた喘ぎと涎を零し、四つん這い状態で腰を上下に振ったり左右に揺らしたりと淫らに尻をうねらせる。
倫がその姿に既視感を覚えるのは、ジュリアス同人誌でよく見るモブレ――モブレイプのシーンを彷彿させるからだ。
崇高な騎士のジュリアスが半分体が透けたモブたちに犯され、笑われ、罵られてメス堕ちからのアヘ堕ちする流れは鉄板中の鉄板。
――コレ、薄い本でいっぱい見たヤツだ!
倫の心は荒ぶり興奮の渦に巻き込まれていく。
だから興奮のまま倫は、モブたちが言うようなセリフを雄哉が好きな口調で悶える声で言ってやるのだ。
雄哉が、もっともっと興奮するように。
「交尾中の雌豚みてえにヘコヘコ尻を振りやがって……ほら、チンポが欲しけりゃ、その発情ケツでチンポって文字を書いてみろ!」
雄哉が磁石で床に落ちたオーナメントを拾っていた姿と同様に、まるで磁石で吸い寄せられたように形の良い尻たぶに向かって倫の掌が向かっていく。いかにも叩いて欲しいと言わんばかりの弾力のある雄哉の尻。
尾てい骨に響く打擲に雄哉が堪らず先走りを噴かせながら仰け反った。
「う゛ッッ、ぶぐう゛ぅぅぅぅッッ!」
潰れた悲鳴と共に金属が外れる音が聞こえた。
快楽で体を揺すり続けたせいか、見れば右側のニップルクランプが勢いよく外れて床に落ちていくところだった。
小さな金属とはいえ、挟み込んでいた乳首は外れた衝撃で真っ赤に腫れ、それがいかほどの刺激だったのか、ボールギャグの穴から泡混じりの大量の唾液が溢れたことで分かる。
衝撃で痙攣する雄哉の尻が、小刻みに震えながらも左から右に線を引くように動き始めた。
腰を一度振り、次は腰を上げて短く縦に、そのまま半円描くようにすれば、それは“ち”と読める。
トナカイの尻尾を揺らしながら尻を振る姿は、倫の言葉に従って“ちんぽ”と尻で文字を書こうとしているのだ。
――やだ、俺の義兄さん、尊い。
「チンポ欲しさにプライドも恥もねえんだな? さすがは発情メス豚だ! ほら、もっとケツを振ってちんぽって書き続けろ! チンポが欲しけりゃもっと必死になって尻で媚びろよ!」
尻の中の松ぼっくり型のバイブは、ゆるゆると松かさが開いているだろう。ボコボコとした突起が内臓を擦る刺激は堪らないはずだ。動くたびに刺激され、その刺激で体が痙攣するのに懲りずに動き出す。
あまりに必死な姿。
でも雄哉はもっともっと必死に倫を求めなくてはならない。
求めて求めて求め続けるほど、倫の愛情が濃く深くなっていくのだから。
****************************************************************
あと一回続きます。……もう成人式終わったの時期なのに……
誰かが言った。
男性向け同人誌におけるモブチンポは最強なのだと。
時に顔を出し、時に鼻と口だけ、時にのっぺらぼう、時に透明となる彼らだが、陰茎だけは存在感を消すことがない。なんなら顔にモブと描かれている適当さなのに、陰茎は血管まで浮くほどリアルに描き込まれたりする。
時に巨根、時にバケツ並の大量精液、時に断面図、時に「やっぱりチンポに勝てなかったよ……」と言わしめる最強なる伝家の宝刀。
それがモブチンポ。
もちろん倫はモブではなかった。モブどころかある意味では準主役だ。当然ながら栄えある主役はトナカイのエロコスで四つん這いなっている雄哉である。
――義兄さんが可愛すぎる事案。
まるで透明なモブの犯されているように尻を震わせる雄哉を見ながら、倫はにやけそうになる口元を慌てて手で隠した。たぶん、雄哉どころか親にも見せられない表情になっていることだろう。
でも倫は自分は悪くないと心で頷く。悪いのはエロ可愛いが過ぎる雄哉の方だ。
引き締まった雄哉の尻の谷間からひょこひょこ動くトナカイの短い尻尾。ゆるく回転しているのは雄哉の尻の動きだけが原因ではなく、肉の狭間からかすかに振動音が聞こえることから、肉の壁の中で動いているのがわかる。
だが電動の動きだけではなかった。
倫が半アンデッド状態に陥るまで仕事を頑張ったご褒美。それが通販で買った『性夜―クリスマス淫ナイト―』という、若干残念ネーミングなクリスマス仕様のアダルトグッズ詰め合わせセットの功績だ。
ニップルクランプでオーナメントを磁力で拾わせるセットも、トナカイコスも、電動バイブ付きトナカイの尻尾もすべてセット内のもの。コレを作った会社はいい意味で頭がおかしいと倫は想う。
センスも作り込みもマニアックさもおかしい――いいぞ、もっとやれ。
特に無駄に凝っているのがトナカイの尻尾だ。
トナカイ尻尾にアナルバイブ付きならよくあるアダルトグッズだろう。しかしそのアナルバイブ部分の形状が無駄に凝っていた。
凝ったバイブ部分は特殊形状で。クリスマスリースなどによくある松ぼっくりの形をしているのだ。
それもアカマツやゴヨウマツのようにずんぐりとした松ぼっくりではない。10センチは越える細長いドイツトウヒという種類の松ぼっくりだ。
魚の鱗に似ている凸凹した松かさだけでもバイブともなれば卑猥に見えるのに、松ぼっくり型のバイブを水に浸せば時間経過と共に松かさ部分が膨らみ開いていくのだ。
柔らかいとはいえ、体内でじっくりと疑似松かさが開けば、その刺激と圧迫感は脳髄を焼き切るような快楽を生むと取り扱い説明書には書いてあった。
今の雄哉がまさにその状態だ。
真っ赤なボールギャグから潰れた喘ぎと涎を零し、四つん這い状態で腰を上下に振ったり左右に揺らしたりと淫らに尻をうねらせる。
倫がその姿に既視感を覚えるのは、ジュリアス同人誌でよく見るモブレ――モブレイプのシーンを彷彿させるからだ。
崇高な騎士のジュリアスが半分体が透けたモブたちに犯され、笑われ、罵られてメス堕ちからのアヘ堕ちする流れは鉄板中の鉄板。
――コレ、薄い本でいっぱい見たヤツだ!
倫の心は荒ぶり興奮の渦に巻き込まれていく。
だから興奮のまま倫は、モブたちが言うようなセリフを雄哉が好きな口調で悶える声で言ってやるのだ。
雄哉が、もっともっと興奮するように。
「交尾中の雌豚みてえにヘコヘコ尻を振りやがって……ほら、チンポが欲しけりゃ、その発情ケツでチンポって文字を書いてみろ!」
雄哉が磁石で床に落ちたオーナメントを拾っていた姿と同様に、まるで磁石で吸い寄せられたように形の良い尻たぶに向かって倫の掌が向かっていく。いかにも叩いて欲しいと言わんばかりの弾力のある雄哉の尻。
尾てい骨に響く打擲に雄哉が堪らず先走りを噴かせながら仰け反った。
「う゛ッッ、ぶぐう゛ぅぅぅぅッッ!」
潰れた悲鳴と共に金属が外れる音が聞こえた。
快楽で体を揺すり続けたせいか、見れば右側のニップルクランプが勢いよく外れて床に落ちていくところだった。
小さな金属とはいえ、挟み込んでいた乳首は外れた衝撃で真っ赤に腫れ、それがいかほどの刺激だったのか、ボールギャグの穴から泡混じりの大量の唾液が溢れたことで分かる。
衝撃で痙攣する雄哉の尻が、小刻みに震えながらも左から右に線を引くように動き始めた。
腰を一度振り、次は腰を上げて短く縦に、そのまま半円描くようにすれば、それは“ち”と読める。
トナカイの尻尾を揺らしながら尻を振る姿は、倫の言葉に従って“ちんぽ”と尻で文字を書こうとしているのだ。
――やだ、俺の義兄さん、尊い。
「チンポ欲しさにプライドも恥もねえんだな? さすがは発情メス豚だ! ほら、もっとケツを振ってちんぽって書き続けろ! チンポが欲しけりゃもっと必死になって尻で媚びろよ!」
尻の中の松ぼっくり型のバイブは、ゆるゆると松かさが開いているだろう。ボコボコとした突起が内臓を擦る刺激は堪らないはずだ。動くたびに刺激され、その刺激で体が痙攣するのに懲りずに動き出す。
あまりに必死な姿。
でも雄哉はもっともっと必死に倫を求めなくてはならない。
求めて求めて求め続けるほど、倫の愛情が濃く深くなっていくのだから。
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