55 / 72
コスプレ調教はじめました
4話
しおりを挟む
倫が予約した二間続きの部屋の一つはシティホテルを思わせる無難な作りで、もう一つはシチュエーションに特化した部屋だった。
そのSMホテルはあらゆるシチュエーションを想定し個人客を楽しませる一面と、アダルトビデオのセット代わりに使用される一面があり、それゆえに撮影に耐え得るだけのクオリティを有していた。
だからだろう。
先ほどから雄哉の呼吸が忙しないのは――。
石壁の部屋の明度は低く、明かりと言えば古めかしいランプや燭台に置かれた蝋燭くらいしかない。汚れて見える床と、古めかしい単純な作りの椅子や机。
石壁から垂れ下がる鎖やこれ見よがしに掛けられた鞭や、演出上の拷問器具。
部屋に隅には木材と革で作られた木馬まである。
まさに中世の石牢という雰囲気だった。
「……は、……は……ぁ……ッ」
部屋の雰囲気に飲まれた雄哉が体の疼きに負けて、艶めかしく腰砕けになって座り込んでしまった。
自分の腕を抱いて石床そっくり作られた床に尻を着いた雄哉の胸に背後から腕を廻したのは倫だ。
「ね? いいでしょ、ココ? 鎖に繋いで、逃げられなくして、いっぱいいっぱい愛してあげるね? ――分かったか、メス豚奴隷が」
雄哉の胸に手を添えただけの倫の掌に、尖った肉の棘が当たる。いやらしい刺激に倫は目を細めて密やかに笑う。
それは言葉だけで勃起した雄哉の乳首だった。
「へえ? よく似合うよ。そういう豚を選ぶ恥ずかしい着こなしは淫乱にしかできないからな?」
声優である倫が喉を痛めないように普段使用するマスクは白い不織布性だ。だがこの部屋に入った倫のマスクは、彼の細い顎に密着する黒のシームレスタイプで、その風貌がどこか拷問吏のように雄哉は見えてしまう。
そんな倫の視線に晒された雄哉は所在なさげに石壁の前に立って視線を下に向けていた。
「スケベ衣装が似合うじゃないか? なぁ?」
芝居がかった冷ややかな口調は、雄哉が最も好きな声で。
何度もその声で淫らな自慰に耽った快楽を容易く思い出し、甘く冷たい声に腰が捩れてしまった。
雄哉が着ているのは、ジュリアスというゲームキャラの衣装を魔改造したもの。
綺麗な筋肉が乗った胸筋を見せつけるように胸の部分は紫色のシースルーで、ぷっくりと勃起した乳首が丸見えにして存在を主張する。
ズボン部分は正面からみればあまり変化はないが、後ろ向けば尻の割れ目に沿って股割れ状態になった形のよい尻が、みちりと肉をはみ出させていた。
「ほら、アクセサリーだ」
俯き加減の雄哉の首に掛けられたのは、飾り縄で装飾された首輪だった。まるで縄を首に巻いているように見える首輪へリード代わりの荒縄を繋げば、まさに捕らわれて堕ちた騎士という風合いだ。
首に繋いだ縄を引けば、鼻を鳴らして雄哉が蹌踉めく。
「モタモタするなッ! 早く来い!」
倫がぐいっと縄を引いて雄哉を導いたのは、親指ほどの太さがある荒縄の束が乗った木製の机の傍だった。
そのまま雄哉の体を押して天板に上半身が俯せになるようにしてから、倫が机にあった荒縄の束を引き寄せて雄哉の顔に押しつける。荒縄の固くちくりとした感触に雄哉の呼吸はますます荒くなった。
「性処理にしか使えないグズに仕事をやろう。この縄を使って結び目を作れ。どんな大きさでも、幾つ作っても構わない。――お前がそれに跨がってケツを振って歩くために使うんだからな? 好きなように作れよ、ド淫乱」
ひゅっと雄哉の呼吸が乱れた。
頬に感じる荒縄の束。それに瘤のような結び目を作って跨がり、股間を刺激するように尻を振って歩く――それはどんな刺激で、どんな屈辱だろう。
それを思うだけで、荒縄に伸びる自分の指の動きを止められなかった。
*************************************************
あれ?縄責めは他の話でやる予定だったのに……
そのSMホテルはあらゆるシチュエーションを想定し個人客を楽しませる一面と、アダルトビデオのセット代わりに使用される一面があり、それゆえに撮影に耐え得るだけのクオリティを有していた。
だからだろう。
先ほどから雄哉の呼吸が忙しないのは――。
石壁の部屋の明度は低く、明かりと言えば古めかしいランプや燭台に置かれた蝋燭くらいしかない。汚れて見える床と、古めかしい単純な作りの椅子や机。
石壁から垂れ下がる鎖やこれ見よがしに掛けられた鞭や、演出上の拷問器具。
部屋に隅には木材と革で作られた木馬まである。
まさに中世の石牢という雰囲気だった。
「……は、……は……ぁ……ッ」
部屋の雰囲気に飲まれた雄哉が体の疼きに負けて、艶めかしく腰砕けになって座り込んでしまった。
自分の腕を抱いて石床そっくり作られた床に尻を着いた雄哉の胸に背後から腕を廻したのは倫だ。
「ね? いいでしょ、ココ? 鎖に繋いで、逃げられなくして、いっぱいいっぱい愛してあげるね? ――分かったか、メス豚奴隷が」
雄哉の胸に手を添えただけの倫の掌に、尖った肉の棘が当たる。いやらしい刺激に倫は目を細めて密やかに笑う。
それは言葉だけで勃起した雄哉の乳首だった。
「へえ? よく似合うよ。そういう豚を選ぶ恥ずかしい着こなしは淫乱にしかできないからな?」
声優である倫が喉を痛めないように普段使用するマスクは白い不織布性だ。だがこの部屋に入った倫のマスクは、彼の細い顎に密着する黒のシームレスタイプで、その風貌がどこか拷問吏のように雄哉は見えてしまう。
そんな倫の視線に晒された雄哉は所在なさげに石壁の前に立って視線を下に向けていた。
「スケベ衣装が似合うじゃないか? なぁ?」
芝居がかった冷ややかな口調は、雄哉が最も好きな声で。
何度もその声で淫らな自慰に耽った快楽を容易く思い出し、甘く冷たい声に腰が捩れてしまった。
雄哉が着ているのは、ジュリアスというゲームキャラの衣装を魔改造したもの。
綺麗な筋肉が乗った胸筋を見せつけるように胸の部分は紫色のシースルーで、ぷっくりと勃起した乳首が丸見えにして存在を主張する。
ズボン部分は正面からみればあまり変化はないが、後ろ向けば尻の割れ目に沿って股割れ状態になった形のよい尻が、みちりと肉をはみ出させていた。
「ほら、アクセサリーだ」
俯き加減の雄哉の首に掛けられたのは、飾り縄で装飾された首輪だった。まるで縄を首に巻いているように見える首輪へリード代わりの荒縄を繋げば、まさに捕らわれて堕ちた騎士という風合いだ。
首に繋いだ縄を引けば、鼻を鳴らして雄哉が蹌踉めく。
「モタモタするなッ! 早く来い!」
倫がぐいっと縄を引いて雄哉を導いたのは、親指ほどの太さがある荒縄の束が乗った木製の机の傍だった。
そのまま雄哉の体を押して天板に上半身が俯せになるようにしてから、倫が机にあった荒縄の束を引き寄せて雄哉の顔に押しつける。荒縄の固くちくりとした感触に雄哉の呼吸はますます荒くなった。
「性処理にしか使えないグズに仕事をやろう。この縄を使って結び目を作れ。どんな大きさでも、幾つ作っても構わない。――お前がそれに跨がってケツを振って歩くために使うんだからな? 好きなように作れよ、ド淫乱」
ひゅっと雄哉の呼吸が乱れた。
頬に感じる荒縄の束。それに瘤のような結び目を作って跨がり、股間を刺激するように尻を振って歩く――それはどんな刺激で、どんな屈辱だろう。
それを思うだけで、荒縄に伸びる自分の指の動きを止められなかった。
*************************************************
あれ?縄責めは他の話でやる予定だったのに……
54
お気に入りに追加
1,443
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる