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コスプレ調教はじめました
2話
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遠くから歓声と拍手が聞こえる。
コスプレ衣装を自前の洋服に着替えながら、雄哉はぼんやりとその音を聞いていた。
騎士のような衣装の下は、肩甲骨が剥き出しになるタイプのタンクトップで色は黒。体の線に沿ったそれは綺麗な肩甲骨と背筋のうねりを余すところなく見せつける。バランス良く引き締まった体は男のセックスアピールを感じさせるが、その肉体のアピール方向が違うと知って居るのは義弟だけだ。
誰が分かるだろう。
しなやかな筋肉に覆われた体は。義弟に調教されて淫らな肉に変わり果てているなどと。
下腹に貼られた『淫乱奴隷』の文字はみえないが、タンクトップが捲れて卑猥な文字が見えないよう雄哉は細心の注意を払って着替えていた。
それにしても着替え中にもそこかしこでヒソヒソされるのはどうしたことか。
被害妄想だと分かっていても、淫らな自分の本性を嘲笑されているみたいで落ち着かない。散々注目されて、最後はまるで視姦されている気分だった。
浅ましい自分自身を見られている――そんな恐怖と高揚感。
実際は雄哉を見ながら『ジュリアスのナマ着替え……尊い……』と言われているなど知る由もないのだが。
事前に倫に習った通りに衣装を畳み、キャリーケース詰めて更衣室から足早に出たのは、そういった囁きと視線に体が反応しそうになったからだ。
散々人に見られたせいだろう。雄哉の洗練された妄想力は今日も絶好調で、倫に言われて買ってきたゲームキャラの薄い本の内容が、いつの間にが自分に置き換えられている。
妄想は偉大。しかし体の方は妄想だけでは納得せず体の奥芯には劣情が燻り、油断すれば肉体が如実に反応しそうになっていた。
いくら被虐傾向があるとはいえ、さすがに大勢の人間の前で興奮した体や勃起状態を見せるつもりはなかった。
それよりも雄哉の頭を占めるのは倫だ。
ちゃんと倫が望む格好をしたし、倫の言われた通りにした。恥ずかしいのも耐えたし、朝からずっと禁欲してきた。
だから、欲しい。
倫から、ご主人様から、ご褒美が欲しい。
「義兄さん」
背後から声を書けられて心臓と股間が爆発しそうになった。
振り向くと同時にメールの着信音。着信音を無視して待ち侘びた義弟を見れば、倫の目線がメールを読めと促しているようで、寂しがる視線をむりやり外してスマホをタップした。
『いやらしい目で見られて興奮しただろう? 淫乱な尻を慰めてくれるチンポを物色していたか?』
「人が多くて義兄さん疲れたでしょ? いろいろ見て回って物色できた?」
『乳首もチンポもガッチガチ。見せつけて歩いて、チンポに跨がって座ってケツを振りたいんだろうが、ド淫乱』
「歩き疲れて足もガッチガチじゃない? どうする? どこか座れる場所で休む?」
『チンポしゃぶって、チンポでケツハメされて、もうスケベ尻が疼いてるんじゃないか? チンポ無しで生きていけないチンポ狂いだもんな?』
「……ね、どうする?」
『どうされたいか、言ってみろ。ご主人様のチンポが欲しいならちゃんと相応しい言葉で話せ、メス豚が』
メールと義弟の顔を行き来する雄哉の顔の変化は、もう倫には分かってしまうだろう。
雄哉が、メス顔になっていると――。
笑い声や賑やかに大勢の人間が行き交う場所で、倫のスマホにメールが届いた。
「……今夜は、家に帰らず……倫と、話、たい……」
『今夜は一晩中発情したメス豚を使って、ご主人様のおチンポ汁を存分に排泄して下さい。……買ってきた本みたいなメス豚になりたいです』
コスプレ衣装を自前の洋服に着替えながら、雄哉はぼんやりとその音を聞いていた。
騎士のような衣装の下は、肩甲骨が剥き出しになるタイプのタンクトップで色は黒。体の線に沿ったそれは綺麗な肩甲骨と背筋のうねりを余すところなく見せつける。バランス良く引き締まった体は男のセックスアピールを感じさせるが、その肉体のアピール方向が違うと知って居るのは義弟だけだ。
誰が分かるだろう。
しなやかな筋肉に覆われた体は。義弟に調教されて淫らな肉に変わり果てているなどと。
下腹に貼られた『淫乱奴隷』の文字はみえないが、タンクトップが捲れて卑猥な文字が見えないよう雄哉は細心の注意を払って着替えていた。
それにしても着替え中にもそこかしこでヒソヒソされるのはどうしたことか。
被害妄想だと分かっていても、淫らな自分の本性を嘲笑されているみたいで落ち着かない。散々注目されて、最後はまるで視姦されている気分だった。
浅ましい自分自身を見られている――そんな恐怖と高揚感。
実際は雄哉を見ながら『ジュリアスのナマ着替え……尊い……』と言われているなど知る由もないのだが。
事前に倫に習った通りに衣装を畳み、キャリーケース詰めて更衣室から足早に出たのは、そういった囁きと視線に体が反応しそうになったからだ。
散々人に見られたせいだろう。雄哉の洗練された妄想力は今日も絶好調で、倫に言われて買ってきたゲームキャラの薄い本の内容が、いつの間にが自分に置き換えられている。
妄想は偉大。しかし体の方は妄想だけでは納得せず体の奥芯には劣情が燻り、油断すれば肉体が如実に反応しそうになっていた。
いくら被虐傾向があるとはいえ、さすがに大勢の人間の前で興奮した体や勃起状態を見せるつもりはなかった。
それよりも雄哉の頭を占めるのは倫だ。
ちゃんと倫が望む格好をしたし、倫の言われた通りにした。恥ずかしいのも耐えたし、朝からずっと禁欲してきた。
だから、欲しい。
倫から、ご主人様から、ご褒美が欲しい。
「義兄さん」
背後から声を書けられて心臓と股間が爆発しそうになった。
振り向くと同時にメールの着信音。着信音を無視して待ち侘びた義弟を見れば、倫の目線がメールを読めと促しているようで、寂しがる視線をむりやり外してスマホをタップした。
『いやらしい目で見られて興奮しただろう? 淫乱な尻を慰めてくれるチンポを物色していたか?』
「人が多くて義兄さん疲れたでしょ? いろいろ見て回って物色できた?」
『乳首もチンポもガッチガチ。見せつけて歩いて、チンポに跨がって座ってケツを振りたいんだろうが、ド淫乱』
「歩き疲れて足もガッチガチじゃない? どうする? どこか座れる場所で休む?」
『チンポしゃぶって、チンポでケツハメされて、もうスケベ尻が疼いてるんじゃないか? チンポ無しで生きていけないチンポ狂いだもんな?』
「……ね、どうする?」
『どうされたいか、言ってみろ。ご主人様のチンポが欲しいならちゃんと相応しい言葉で話せ、メス豚が』
メールと義弟の顔を行き来する雄哉の顔の変化は、もう倫には分かってしまうだろう。
雄哉が、メス顔になっていると――。
笑い声や賑やかに大勢の人間が行き交う場所で、倫のスマホにメールが届いた。
「……今夜は、家に帰らず……倫と、話、たい……」
『今夜は一晩中発情したメス豚を使って、ご主人様のおチンポ汁を存分に排泄して下さい。……買ってきた本みたいなメス豚になりたいです』
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