33 / 72
奴隷調教はじめました
5話
しおりを挟む
雄哉の声に背中がぴしりと固まる。
虫のいい話だが――というか、自分の所行を顧みれば、どう考えても“いい話”になり得るとは思えないのだが、それでも好意を持つ相手から否定されたくなかった。
家庭内ストーカー、家庭内レイパーをやらかしても、雄哉に直接拒否する言葉を聞かされたら、心が折れるような気がする。
「……倫、は……その、軽蔑……しないのか――俺を?」
「ん?」
「……お前の、声で……いや、お前が声優って、知らなかったけど……それでもそれを聞きながら、人に言えないような自慰とかして……しかも、俺、ゲイだしさ……」
「んんん?」
「倫に、嫌われたら……」
「ま、待って待って義兄さん!?」
こんな状況でも多弁になる、リア充コミュお化けの雄哉。若干コミュ障な倫は慌てふためくしかない。
社交的で明るいはずの雄哉だが、どうも 自分で自分を罰するタイプでもあるらしい。
どう考えてもトータルで見れば、人としてギルティだったのは倫の方だ。
少なくとも雄哉はちょっと特殊な自慰をしていただけで、それを覗き見したり、レイプしたり、野外にまで連れ出した倫が100%悪い。
「違うから! 俺が義兄さんが好きで、それで義兄さんが俺の声でオナっているのを見て嬉しくなって、その、義兄さんがどうしても欲しくなっちゃって――えっと、やり過ぎて……ごめん……」
尻すぼみになる声に雄哉がゆっくりと振り向く。
端正な顔には戸惑いと羞恥と歓喜が綺麗に混ざり合っていた。
「なんで嬉しかったか、聞いてもいいか?」
聞いちゃう? 今ココで、それを聞いちゃう?
なんという天然の三次元初恋殺し。
二次元の初恋は間違いなくゲームキャラのジュリアスだが、三次元は初恋そのジュリアスに似た雄哉なのだ。
初恋お披露目って羞恥プレイ以外の何物でも無いのに、この天然は……。
羞恥プレイはさせる物であって自分でやる物じゃないと倫は思っているが、ここで言葉を誤魔化すのは悪手だと分かっていた。
「――義兄さんは、その……ずっと俺が好きだったゲームキャラに似ていて……」
ぽつりぽつりと恥とも思える胸の内を晒す。二次元萌えなど雄哉が理解してくれるか分からないのに、一度漏れた言葉は止まらない。
倫は洗いざらいを話すことに決めた。今まで誰に対しても伝える努力を怠ってきたが、雄哉にだけはちゃんと伝えようと、伝えられる努力を惜しまないと心で決める。
倫は雄哉の、雄哉は倫に伝えるべき言葉を話し続け、気がつけば夜が明けようとしていた。
そして。
気がつけば、カーセックスになだれ込んでいた。
この後、むちゃくちゃカーセックスした。
虫のいい話だが――というか、自分の所行を顧みれば、どう考えても“いい話”になり得るとは思えないのだが、それでも好意を持つ相手から否定されたくなかった。
家庭内ストーカー、家庭内レイパーをやらかしても、雄哉に直接拒否する言葉を聞かされたら、心が折れるような気がする。
「……倫、は……その、軽蔑……しないのか――俺を?」
「ん?」
「……お前の、声で……いや、お前が声優って、知らなかったけど……それでもそれを聞きながら、人に言えないような自慰とかして……しかも、俺、ゲイだしさ……」
「んんん?」
「倫に、嫌われたら……」
「ま、待って待って義兄さん!?」
こんな状況でも多弁になる、リア充コミュお化けの雄哉。若干コミュ障な倫は慌てふためくしかない。
社交的で明るいはずの雄哉だが、どうも 自分で自分を罰するタイプでもあるらしい。
どう考えてもトータルで見れば、人としてギルティだったのは倫の方だ。
少なくとも雄哉はちょっと特殊な自慰をしていただけで、それを覗き見したり、レイプしたり、野外にまで連れ出した倫が100%悪い。
「違うから! 俺が義兄さんが好きで、それで義兄さんが俺の声でオナっているのを見て嬉しくなって、その、義兄さんがどうしても欲しくなっちゃって――えっと、やり過ぎて……ごめん……」
尻すぼみになる声に雄哉がゆっくりと振り向く。
端正な顔には戸惑いと羞恥と歓喜が綺麗に混ざり合っていた。
「なんで嬉しかったか、聞いてもいいか?」
聞いちゃう? 今ココで、それを聞いちゃう?
なんという天然の三次元初恋殺し。
二次元の初恋は間違いなくゲームキャラのジュリアスだが、三次元は初恋そのジュリアスに似た雄哉なのだ。
初恋お披露目って羞恥プレイ以外の何物でも無いのに、この天然は……。
羞恥プレイはさせる物であって自分でやる物じゃないと倫は思っているが、ここで言葉を誤魔化すのは悪手だと分かっていた。
「――義兄さんは、その……ずっと俺が好きだったゲームキャラに似ていて……」
ぽつりぽつりと恥とも思える胸の内を晒す。二次元萌えなど雄哉が理解してくれるか分からないのに、一度漏れた言葉は止まらない。
倫は洗いざらいを話すことに決めた。今まで誰に対しても伝える努力を怠ってきたが、雄哉にだけはちゃんと伝えようと、伝えられる努力を惜しまないと心で決める。
倫は雄哉の、雄哉は倫に伝えるべき言葉を話し続け、気がつけば夜が明けようとしていた。
そして。
気がつけば、カーセックスになだれ込んでいた。
この後、むちゃくちゃカーセックスした。
31
お気に入りに追加
1,443
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる