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露出調教はじめました
5話
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夜風が過敏になった肌を舐める。
雄哉が居るのは、公園内のアスレチック施設にある。丸太と木材で作られた物見櫓のような遊具だった。
遊具の高さは全長3メートルほど。ジグザグに組まれた梯子を登れば、2メートル付近で箱型をした三畳ほどのスペースがある。降りるにはその梯子を使うか、左側にある滑り台で降りるかだ。
子供が喜びそうな遊具だが安全面を考慮してか、転落防止に箱型スペース部分の四方は、高さが1メートルほどの木の壁でぐるりと囲ってあった。
地上からの絶妙の高さやスペースの狭さ、そして隠れることが出来る壁の配置は、子供なら秘密基地のように感じるだろう。
――事実、秘密には持って来いだ。
今は子供ではなく、大人が秘めた遊びに使用しているのだが。
壁に背中を預け、床に腰を下ろして雄哉は震えていた。
比較的安全な自宅ではなく、誰の耳目があるかも分からない野外で視覚と聴覚を塞ぐと堪らない恐怖を感じる。
なにしろ誰かが梯子を使っても気づけないし、誰かが目の前に立っていても分からない。それが雄哉が待つ相手ならともかく、全く見知らぬ誰かがここへ登り、目隠しをしている雄哉を見つけたらどうなるのだろう。
怖い。
怖いのに――興奮する。
ふと気配を感じた。
視覚も聴覚も役に立たないが、自分の近くに体温の余波を感じたのだ。
見えない瞳を上に向ける。……誰なのかと恐怖に引き攣っていた頬を滑らかな掌が撫でて吐息が漏れた。
彼だ。彼が来てくれたのだ。
歓喜で疼く肉体が、かろうじて頭に残っていた理性を蕩けさせていく。彼の気配だけでこんなにも淫らな生き物になるように作り替えられた。
「……ふぅ、ぅんッ……」
突然、下顎を掴まれて口を塞がれ、アイマスクの中で瞠目してしまう。
塞いだのは相手の唇。開き気味だった雄哉の唇の形を舌が舐め、それが口を開けという合図なのではないかと従えば、ぬるりと舌が入ってきた。
クチュクチュと絡み合う舌と、イヤホンから流れる声優の言葉責め。
残念だったのは、今の状況と言葉責めの台詞が合っていないことか。
これがあの声のまま、行動と言葉が伴った責めだったら雄哉の理性は完全に破壊されてしまうから、ある意味よかったのかも知れない。
「……ふ、っ……う、ぅぅ……」
柔らかい舌が雄哉の敏感な口腔内を弄り、むず痒いような痺れに体は期待でどんどん熱くなる。
呼吸まで貪られる快楽に雄哉は耽溺しそうになった。
男の手が雄哉の体を弄ってくるが、唇ほど性的な感触はなかった。むしろ何かを探しているようで――。
雄哉のチノパンのポケットにあった音楽プレイヤーや引き抜かれ、ぶつんとイヤホンから流れていた声が途切れた。再生を停止したというより、イヤホンを音楽プレイヤーから引っこ抜いた、そんな感じだった。
唇が離れ、耳に入れたままのイヤホンから遠くかすかな物音がする。その音を精査する前に、再び音楽プレイヤーが再生させられたが、それは雄哉の持ち物ではなかった。相手が持ってきた別の音楽プレイヤーにイヤホンだけを差し替えたらしい。
流れてくる声は、雄哉が好きな声優に少し似せた音声合成ソフトの声だった。
『淫乱。尻は疼いたか?』
雄哉が居るのは、公園内のアスレチック施設にある。丸太と木材で作られた物見櫓のような遊具だった。
遊具の高さは全長3メートルほど。ジグザグに組まれた梯子を登れば、2メートル付近で箱型をした三畳ほどのスペースがある。降りるにはその梯子を使うか、左側にある滑り台で降りるかだ。
子供が喜びそうな遊具だが安全面を考慮してか、転落防止に箱型スペース部分の四方は、高さが1メートルほどの木の壁でぐるりと囲ってあった。
地上からの絶妙の高さやスペースの狭さ、そして隠れることが出来る壁の配置は、子供なら秘密基地のように感じるだろう。
――事実、秘密には持って来いだ。
今は子供ではなく、大人が秘めた遊びに使用しているのだが。
壁に背中を預け、床に腰を下ろして雄哉は震えていた。
比較的安全な自宅ではなく、誰の耳目があるかも分からない野外で視覚と聴覚を塞ぐと堪らない恐怖を感じる。
なにしろ誰かが梯子を使っても気づけないし、誰かが目の前に立っていても分からない。それが雄哉が待つ相手ならともかく、全く見知らぬ誰かがここへ登り、目隠しをしている雄哉を見つけたらどうなるのだろう。
怖い。
怖いのに――興奮する。
ふと気配を感じた。
視覚も聴覚も役に立たないが、自分の近くに体温の余波を感じたのだ。
見えない瞳を上に向ける。……誰なのかと恐怖に引き攣っていた頬を滑らかな掌が撫でて吐息が漏れた。
彼だ。彼が来てくれたのだ。
歓喜で疼く肉体が、かろうじて頭に残っていた理性を蕩けさせていく。彼の気配だけでこんなにも淫らな生き物になるように作り替えられた。
「……ふぅ、ぅんッ……」
突然、下顎を掴まれて口を塞がれ、アイマスクの中で瞠目してしまう。
塞いだのは相手の唇。開き気味だった雄哉の唇の形を舌が舐め、それが口を開けという合図なのではないかと従えば、ぬるりと舌が入ってきた。
クチュクチュと絡み合う舌と、イヤホンから流れる声優の言葉責め。
残念だったのは、今の状況と言葉責めの台詞が合っていないことか。
これがあの声のまま、行動と言葉が伴った責めだったら雄哉の理性は完全に破壊されてしまうから、ある意味よかったのかも知れない。
「……ふ、っ……う、ぅぅ……」
柔らかい舌が雄哉の敏感な口腔内を弄り、むず痒いような痺れに体は期待でどんどん熱くなる。
呼吸まで貪られる快楽に雄哉は耽溺しそうになった。
男の手が雄哉の体を弄ってくるが、唇ほど性的な感触はなかった。むしろ何かを探しているようで――。
雄哉のチノパンのポケットにあった音楽プレイヤーや引き抜かれ、ぶつんとイヤホンから流れていた声が途切れた。再生を停止したというより、イヤホンを音楽プレイヤーから引っこ抜いた、そんな感じだった。
唇が離れ、耳に入れたままのイヤホンから遠くかすかな物音がする。その音を精査する前に、再び音楽プレイヤーが再生させられたが、それは雄哉の持ち物ではなかった。相手が持ってきた別の音楽プレイヤーにイヤホンだけを差し替えたらしい。
流れてくる声は、雄哉が好きな声優に少し似せた音声合成ソフトの声だった。
『淫乱。尻は疼いたか?』
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