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快楽調教はじめました
3話
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目も耳も口も体も全ての自由が塞がれ、雄哉は自分が何者なのか分からなくなる。
快楽を受け入れるだけの肉の皿か筒になったような馬鹿げた錯覚さえした。
けれど、それでいい。それで、よかった。
自分の動きや予想の範囲ではなく、相手の動きと予想できない快楽の波が押し寄せて理性を飲み込んでいく。
BLのボイスドラマの内容は誇張しているのだと思った。事実そうなのだろうが、それに近い扱いと気持ちよさに雄哉は考えることを放棄する。
ただ陰茎を、チンポだけを考えていたい。
「ん、ぁ……ひぃ、んッ……ち、んぽ……もっと……ぉッッ」
何度イッたのか、イっている途中にもイキ続ける絶頂の連続に、いつの間にかボールギャグが外されていた事にさえ気づかなかった。
欲望しか吐かなくなった雄哉の口を呼吸ごと奪われる。
呼吸を奪ったものが自分を犯す何者かの口だと分からないまま、入り込んできた舌を躊躇なく受け入れて絡め、混ざり合った唾液を飲み込んでいく。
そのまま男が雄哉に覆い被さってきた。こんな事をする男だ。もっと大男なのかと思ったが、密着した体は意外に細く若い感じがした。
目覚めて最初に頭に浮かんだ言葉は“夢”だった。
妄想が過ぎて見せた夢なのだと。
そうでなければ、あんな非現実的なことが起こり得るはずがないと。
鉛を飲んだような重い体をのろのろと起こす。下半身は痺れて感覚が無かったが、脳はそれ以上に痺れて現状が把握できないでいる。
起き上がった拍子に、雄哉の胸から何かが落ちた。
それは黒いアイマスクと赤いボールギャグ。
「――!!」
瞬間、呼吸が止まった。
夢ではなかったのだ――あの快楽は。
ずいぶん久しぶりに思える自室の様子は、特に荒らされた様子がなかった。違いがあるとしたら、ドアに貼られたA4サイズの白い紙。
そこに書かれた文字は、ベッドからでも読める大きさだった。
“気持ちよかった? また今度”
その文字に射精のしすぎて痛くなった陰茎がまた疼く。
“また今度”
つまりは、再びあの快楽を受けられると言うこと。
短い文字を読み込み咀嚼して理解した途端、雄哉の体に走ったのは恐怖ではなく歓喜だった。
連絡はその夜に来た。
見知らぬアドレスからのメールだ。しかもメールは一方的で、雄哉が返信しようとしても届かない。おそらくブロックされているのだろう。
メールアドレスの流失でも、一方的であっても構わなかった。“また今度”があるのなら。
届いたメールの内容は、「明日夜八時。マスク、口枷、イヤホンの犯された時を同じ格好で、玄関で全裸のまま尻を向けて待て」だった――。
快楽を受け入れるだけの肉の皿か筒になったような馬鹿げた錯覚さえした。
けれど、それでいい。それで、よかった。
自分の動きや予想の範囲ではなく、相手の動きと予想できない快楽の波が押し寄せて理性を飲み込んでいく。
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ただ陰茎を、チンポだけを考えていたい。
「ん、ぁ……ひぃ、んッ……ち、んぽ……もっと……ぉッッ」
何度イッたのか、イっている途中にもイキ続ける絶頂の連続に、いつの間にかボールギャグが外されていた事にさえ気づかなかった。
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そのまま男が雄哉に覆い被さってきた。こんな事をする男だ。もっと大男なのかと思ったが、密着した体は意外に細く若い感じがした。
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起き上がった拍子に、雄哉の胸から何かが落ちた。
それは黒いアイマスクと赤いボールギャグ。
「――!!」
瞬間、呼吸が止まった。
夢ではなかったのだ――あの快楽は。
ずいぶん久しぶりに思える自室の様子は、特に荒らされた様子がなかった。違いがあるとしたら、ドアに貼られたA4サイズの白い紙。
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“気持ちよかった? また今度”
その文字に射精のしすぎて痛くなった陰茎がまた疼く。
“また今度”
つまりは、再びあの快楽を受けられると言うこと。
短い文字を読み込み咀嚼して理解した途端、雄哉の体に走ったのは恐怖ではなく歓喜だった。
連絡はその夜に来た。
見知らぬアドレスからのメールだ。しかもメールは一方的で、雄哉が返信しようとしても届かない。おそらくブロックされているのだろう。
メールアドレスの流失でも、一方的であっても構わなかった。“また今度”があるのなら。
届いたメールの内容は、「明日夜八時。マスク、口枷、イヤホンの犯された時を同じ格好で、玄関で全裸のまま尻を向けて待て」だった――。
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