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義兄弟になりました
5話
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カーテンレールの上に隠した小型カメラは固定してあるため、一方向から俯瞰するようにしか見ることが出来なかった。声まで拾えたら最高なのだが、生憎とカーテンレールは遠すぎてマイクで音声を拾うことは難しい。そのうち高性能のマイクも仕込もうかと思ってはいるのだが。
本当に家庭内ストーカーは怖い。
雄哉の部屋の様子を窺えば、思った通り半裸状態の義兄が壁に向かって座り込んで上半身を揺すっている。
両親も義弟も不在に加え、アダルトショップからの荷物を受け取っているなら、きっと自慰をしているだろうと確信していたら案の定だった。
そもそも仕事部屋に籠もりがちな父親と二人暮らしだった雄哉は、自室に鍵を掛ける習慣やドアを閉める習慣がなかったらしい。倫や義母と一緒に暮らすようになっても、当初はその辺りは緩かった。
だから以前に倫がバイトで遅くなった深夜、偶然に義兄である雄哉が自慰に耽る姿をドアの隙間から覗くことが出来たのだ。
しかもイヤホンをしているらしく、喘ぐ声は本人が思うより大きく響いていたと気づかずにだ。
艶めかしい声に誘われて細く開いたドアを覗けば、ベッドに横たわって喘ぐジュリアス――ではなく、雄哉の姿があった。
しかも体を仰け反らせ、口から涎の糸を引きながら雄哉は“尻”を弄っていた。
男のオナニーといえば陰茎だが、そこではなく“尻”――。
ジュリアス似の義兄はアナルオナニー、つまりアナニー派だったのだ。
ゲイではない男性もアナニー好きは多く、嵌まる人間も多いと聞く。どうやら雄哉もその一人のようだ。
けれど倫にしてみれば、もはや男のアナニーではなく、ジュリアスが、義兄がエアタチに尻を責められ喘いでいるようにしか見えなかった。
オタクの妄想眼力で見えたエアタチは、最初はジュリアスのライバルだった。次にジュリアスの実弟になる。
それまではジュリアスと実弟の絡みはさほど興味が無かったのだが、倫はジュリアス似の雄哉と義兄弟になってからすっかり実弟×ジュリアス推し強硬派にチェンジしていた。
その次に見えたのは、自分が演じたボイスドラマのキャラクター。
しばらくは交互にそれらが見えていたのに、最近はキャラクターではなく倫自身が雄哉を責めているように見えるようになり、我ながら末期を自覚している。
「……義兄さん、今日もえっろ」
Tシャツの裾からはみ出る引き締まった尻の割れ目から、アナルバイブらしい物が確認できる。画面が小さくて分かりにくいが、おそらく電動で動かしているのだろう。
「それにしても、なんで壁に向かってんの?」
雄哉のオナニー定位置はベッドかパソコンチェアのどちらかだ。それなのに今日に限って壁に向かっているとは珍しいと倫は首を捻った。
「ん? んんん?」
倫は小さな矩形に顔を近づける。
画面の中で大きく痙攣し、腰を跳ねさせる雄哉の姿。おそらく気をやったのだと思われるが、ゆっくりと床に蹲って体をひくつかせる雄哉の顔があった場所に壁から生える一本の棒のような物。
小さい画像でもそれが陰茎を模した物だと分かった。
……………………。
倫はみしりと音が鳴るくらいにスマホを握りしめた。
つまり雄哉は壁に取り付けた擬似陰茎をしゃぶりながら擬似アナニーをしていたのだ。
なんというご褒美映像!
――早く帰りたいと心から願う倫だった。
帰って、録画した今の映像をスマホより大きなパソコン画面で再生画像を見つつ、自分も雄哉をオカズにオナニーしたい!。
そんな倫の願いという名の欲望が、何かを引き寄せたのかも知れない。
バイト先の都合で今夜は早上がりを告げられたのは、このすぐ後だった。
本当に家庭内ストーカーは怖い。
雄哉の部屋の様子を窺えば、思った通り半裸状態の義兄が壁に向かって座り込んで上半身を揺すっている。
両親も義弟も不在に加え、アダルトショップからの荷物を受け取っているなら、きっと自慰をしているだろうと確信していたら案の定だった。
そもそも仕事部屋に籠もりがちな父親と二人暮らしだった雄哉は、自室に鍵を掛ける習慣やドアを閉める習慣がなかったらしい。倫や義母と一緒に暮らすようになっても、当初はその辺りは緩かった。
だから以前に倫がバイトで遅くなった深夜、偶然に義兄である雄哉が自慰に耽る姿をドアの隙間から覗くことが出来たのだ。
しかもイヤホンをしているらしく、喘ぐ声は本人が思うより大きく響いていたと気づかずにだ。
艶めかしい声に誘われて細く開いたドアを覗けば、ベッドに横たわって喘ぐジュリアス――ではなく、雄哉の姿があった。
しかも体を仰け反らせ、口から涎の糸を引きながら雄哉は“尻”を弄っていた。
男のオナニーといえば陰茎だが、そこではなく“尻”――。
ジュリアス似の義兄はアナルオナニー、つまりアナニー派だったのだ。
ゲイではない男性もアナニー好きは多く、嵌まる人間も多いと聞く。どうやら雄哉もその一人のようだ。
けれど倫にしてみれば、もはや男のアナニーではなく、ジュリアスが、義兄がエアタチに尻を責められ喘いでいるようにしか見えなかった。
オタクの妄想眼力で見えたエアタチは、最初はジュリアスのライバルだった。次にジュリアスの実弟になる。
それまではジュリアスと実弟の絡みはさほど興味が無かったのだが、倫はジュリアス似の雄哉と義兄弟になってからすっかり実弟×ジュリアス推し強硬派にチェンジしていた。
その次に見えたのは、自分が演じたボイスドラマのキャラクター。
しばらくは交互にそれらが見えていたのに、最近はキャラクターではなく倫自身が雄哉を責めているように見えるようになり、我ながら末期を自覚している。
「……義兄さん、今日もえっろ」
Tシャツの裾からはみ出る引き締まった尻の割れ目から、アナルバイブらしい物が確認できる。画面が小さくて分かりにくいが、おそらく電動で動かしているのだろう。
「それにしても、なんで壁に向かってんの?」
雄哉のオナニー定位置はベッドかパソコンチェアのどちらかだ。それなのに今日に限って壁に向かっているとは珍しいと倫は首を捻った。
「ん? んんん?」
倫は小さな矩形に顔を近づける。
画面の中で大きく痙攣し、腰を跳ねさせる雄哉の姿。おそらく気をやったのだと思われるが、ゆっくりと床に蹲って体をひくつかせる雄哉の顔があった場所に壁から生える一本の棒のような物。
小さい画像でもそれが陰茎を模した物だと分かった。
……………………。
倫はみしりと音が鳴るくらいにスマホを握りしめた。
つまり雄哉は壁に取り付けた擬似陰茎をしゃぶりながら擬似アナニーをしていたのだ。
なんというご褒美映像!
――早く帰りたいと心から願う倫だった。
帰って、録画した今の映像をスマホより大きなパソコン画面で再生画像を見つつ、自分も雄哉をオカズにオナニーしたい!。
そんな倫の願いという名の欲望が、何かを引き寄せたのかも知れない。
バイト先の都合で今夜は早上がりを告げられたのは、このすぐ後だった。
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