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英雄王
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僕は勇者として、ここまでやってきた。仲間とともに。
そしてついに魔王のクビを討ち取った。
僕は勇者王。民はそれを信じてる。今は夢に浸ってる。
僕は勇者王。幻想の時は1ヶ月もないだろう。
僕は勇者王。ほんのひと時の民の夢。
勇者になった日、覚えている。
怒り狂う民たちのこと。
初めてともに戦う仲間と飲み明かした夜、覚えている。
理想と平和について熱く語り合ったこと。
魔王のクビを討ち取った日、忘れられない。
早く、早く殺してくれ。そう告げた魔王の憔悴した顔と怒り狂う民の声。
あぁ、僕は勇者になったその日から運命は残酷だったんだ。あの日、魔王を討ち取ったとしても、魔王に返り討ちにされたとしても。だから僕は魔王のクビを刎ねた。民の声に乗せられるままに、期待に応えた。その時点でもう僕には意思はなかったんだろうな。
「では、議会を始めます。」
「あぁ、頼む。」
「今日の陳情はこちらです。」
国を治めるためには議会が開かれる。予算や行政、法律等。
「スクナイ村からの陳情で、村の山が先日の嵐で土砂崩れを起こしたので、救援物資と復興費がほしいとのこと。」
「いや、でもタスウ町が…」
「おい、ホド村だって…」
「ハラヘッタ島のことを忘れたのか!」
今日も議会は大荒れ。僕はより犠牲の少ない選択を迫られる。
一つの命だって大切に思ってる。命はすべて尊い。平等であるはずなのに、守ることができない僕はなんて無力だろう。平等である命たちを天秤にかける毎日。
歯を食いしばり、心を痛め選んだ少ない犠牲ももう少ないとは言えないほど見殺した僕に、残酷にも民の夢は覚めてしまった。
僕は魔王。民はそれを信じて疑わない。
僕は魔王。幻想の勇者が誕生したらしい。
僕は魔王。早く解放してくれ。
そしてついに魔王のクビを討ち取った。
僕は勇者王。民はそれを信じてる。今は夢に浸ってる。
僕は勇者王。幻想の時は1ヶ月もないだろう。
僕は勇者王。ほんのひと時の民の夢。
勇者になった日、覚えている。
怒り狂う民たちのこと。
初めてともに戦う仲間と飲み明かした夜、覚えている。
理想と平和について熱く語り合ったこと。
魔王のクビを討ち取った日、忘れられない。
早く、早く殺してくれ。そう告げた魔王の憔悴した顔と怒り狂う民の声。
あぁ、僕は勇者になったその日から運命は残酷だったんだ。あの日、魔王を討ち取ったとしても、魔王に返り討ちにされたとしても。だから僕は魔王のクビを刎ねた。民の声に乗せられるままに、期待に応えた。その時点でもう僕には意思はなかったんだろうな。
「では、議会を始めます。」
「あぁ、頼む。」
「今日の陳情はこちらです。」
国を治めるためには議会が開かれる。予算や行政、法律等。
「スクナイ村からの陳情で、村の山が先日の嵐で土砂崩れを起こしたので、救援物資と復興費がほしいとのこと。」
「いや、でもタスウ町が…」
「おい、ホド村だって…」
「ハラヘッタ島のことを忘れたのか!」
今日も議会は大荒れ。僕はより犠牲の少ない選択を迫られる。
一つの命だって大切に思ってる。命はすべて尊い。平等であるはずなのに、守ることができない僕はなんて無力だろう。平等である命たちを天秤にかける毎日。
歯を食いしばり、心を痛め選んだ少ない犠牲ももう少ないとは言えないほど見殺した僕に、残酷にも民の夢は覚めてしまった。
僕は魔王。民はそれを信じて疑わない。
僕は魔王。幻想の勇者が誕生したらしい。
僕は魔王。早く解放してくれ。
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