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12章最終決戦

251話 援軍

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「くっやってくれる、まさか空のモンスターをこれだけ出してくるとは、ベルズ平気か」


「ああ我は平気だ、他の場所も問題ない、ここら辺に集中しているようだ」


ベルズがこれほどの実力だったとはな、驚きだ、それにまだ全力ではない。


「ま、魔王様壁が」


余の部下がそう言った直後、数か所の壁が崩壊したのが見えた。


「くそ!空を意識し過ぎたか、ベルズ撤退だ!」


壁が破られたのだ、これではここを維持できない、そう思った直後崩壊した場所に向かって武技が飛ぶのを見た。


「あの武技は虎口破か、誰だ」


虎口破にしては威力が高かった様に見えたな、もしや。


「間に合ったか、ミルドラスゴーン!我たちは一度引くぞ」


「む、何故だ援軍が来たなら押し返すために余たちも」


そう言っていると遠くから魔法の矢や玉が飛んできて余たちの上空を飛び空のモンスターたちが全て吹き飛んだ。


「なんという数だ!?あれがすべて魔法なのか、信じられん」


「だろうな、だが援軍の攻撃だぞ、それに見てみろ」


ベルズの指差す方を見ると、壁が直っていた。


「そ、そんなバカな!?さっきまであれだけ崩れていたのだぞ、どうなっているんだ」


「何を言っているんだ?一夜で作れたんだぞ、部分的ならすぐだろう、さぁ行くぞ」



ベルズが休憩する為の簡易拠点に向かって行った。


「まおうしゃま、へいきでしゅか」


「ああ、少し信じられんだけだ、余はベルズに戦争を仕掛けなくて良かったと、心底思うぞ」


あの時ここのダンジョンマスターが邪魔をしなければ、直ぐにでもベルズの領地を攻撃する予定だった、念願のスキルを手に入れているのだからな、だがこの戦力と戦っていたかと思うと背筋が凍る。


「待たせたなベルズ殿」


簡易拠点に着くと牛の魔族が立っていた、この者なかなかの強者だな。


「ご苦労であったブルモスト」


「ベルズこの者が先ほどの援軍か?」


ベルズが頷きブルモストが胸に手を当て跪いた、余が魔王と分かるのだろう。


「お初にお目にかかる、マコッチ様の突撃部隊を任されているブルモストだ、部隊長はもう一人いるのだが、その者は今空の戦闘中だブルルゥ」


「なるほど、では来た時に紹介をしてもらおう、それでベルズ、被害はどうなっている、今回はかなりまずいだろう」


あれほど攻められたのだ、かなりの被害だろう。


「もう少しでジェネルイが戻って来る、まあ1万といったとこだろう」


1万か、戦死者がそれほど出たのでは怪我人は更に増えるな、これは援軍が来ても前のようにはいかんな。


「ベルズ様、戻りました」


「ジェネルイ、それで被害はどうだ」


「はっ負傷者1万と51名です」


ベルズも頷いている、どうして死者数を言わないんだ?


「おいベルズ、死者数はどうした、余たちに隠す必要はないだろう」


「何を言っている、出ていないぞ」


「「は?」」


余とペルテは変な声を出してしまった、出ていない?あの激しい戦いでか。


「負傷したら速やかに運んでいたんだ、知らなかったのか?」


「空の敵に気を取られていたのか・・・ではまた壁で戦えるな」


「そうなる、だが少し違うぞ、今度は壁から先に進み、奴のダンジョン領域手前まで行く、そしてそこに陣を張る」


そうかついに進軍か、ブルモストが来たからだな。


「だが陣を張ったらそこが攻められるぞ、あれだけの数のモンスターを相手に守り切れるのか?」


「ブルルゥーそれは平気だベルズ殿の配下殿よ、ワシの部隊は5000万いるからな」


余をベルズの部下といったぞこいつ。


「余を知らんのかブルモストとやら」


「ん!知らんな、弱音を吐いていたから魔王ではないのだろ?そう言えばベルズ殿北の魔王殿は何処だ?まだ戦場か?」


ベルズが困った顔をしている、こやつ余に向かって暴言を吐くとは。


「余が北の魔王だ!控えろブルモスト」


「む、そうだったか、弱き者だと思ったのだが?・・・(そうかワシが強くなり過ぎたのか、それならあ奴にも)」


最後の方は聞こえないほどの声だった、だが謝罪がない、気に入らないな。


「武器を取れブルモスト!余を愚弄した罪、万死に値する」


「ブルルゥ~いいだろう、ベルズ殿それで良いかな?」


「ああしょうがない、だが殺すなよ」


ベルズまでもが・・・いいだろう腕の一本で許してやるつもりだったが、粉々にしてくれる。


「謝るのなら今のうちだぞブルモスト、余は」


「言葉が多いのが弱きものだと言っている、早く掛かって来い」


斧を構えてブルモストが言ってきた、こやつまたしても。


「後悔するなよ、はぁっ」


それから1時間斬り合った、いや余が一方的にやられただけにも見えたかもしれん。


「ぐっなんという強さが、どうしてお前の様な奴が魔王を名乗っていない」


「北の魔王よ、そなたは世間を知らなすぎる、世の中にはな上には上がいるのだ、ワシなどよりも上の者など腐るほどいるぞ、そら丁度帰って来た」


ブルモストが向いた方を余はフラフラになりながら見た、白い鎧の者が飛んできていた。


「ブルモスト!何をやってるのですか」


「うぅすまぬビラ殿、この者がどうしてもと言うものだから」


「言い訳をするなど許せませんね、ちょっと地下に行きますよ!」


ブルモストが、余をあれだけ圧倒したブルモストがすごく怯えている。


「す、すまぬビラ殿!?それだけは許してくれ」


「安心しなさい、この戦いがあるのです、短縮して5時間にしてあげますよ」


「ひ!?」


ブルモストが青い顔をしだした、一体どんなことが待っているのだ、それに地下とはどこの事だ。


「さぁ行きましょう」


「い、いやだー!?もう説教はいやだー!!」


ブルモストの腕を掴んで引きずって歩いている、あれほどの巨体を片手で。


「すみませんベルズ殿、しばらく我々は引きます、部下は今攻め込んでいるので予定はそのままでお願いします」


「あ、ああそうか・・・それならまぁよろしく頼む」


ベルズまで青くなっている、一体何があるのだ。


「マコッチ様の為ですからね、ああそれと、そこの北の魔王さんでしたか」


「う、うむ」


「あなた時と場所を考えなさい、今回は許しますが次はありませんからね、休憩場で休みしっかり反省しなさい」


休憩場?何処にそんな物があるんだ?


「ベルズ殿もゆっくりお休みください、ではこれで」


白い鎧の者がブルモストを掴んだまま飛んで行った。


「一体何者なのだベルズ」


「う、うむ、マコッチの部下とだけ言っておく、ミルドラスゴーン次は無い、我も説明するからまずは食事だ」


ベルズたちがゆっくり拠点の中心部に歩いて行った。


「マコッチとはいったい・・・だが敵に回すのは控えるべきだな、あれほどの部下がいるのだ」


余はそう思いベルズたちの後を追った、あの鎧の者やブルモストの強さにも驚いたが、食事のうまさには敵わないと思ったぞ、それに風呂と寝床にもだ。


《そして次の日》


「ベルズ!どうしてこの4日間余たちは休憩をしなかったのだ、これほどの待遇ありえんだろう」


「何を言っている、王が先頭に立たないでどうする、(だからいやだったんだ)我たちは休まず4日くらい平気だろう、今後もそのつもりだ」


くっ余たちの体は確かにそれ位余裕だ、しかしあの施設の物は使いたい・・・だが今この食卓には余の部下たちとベルズたち(ジェネルイとゴウファン)、最後にブルモスト(かなり暗くなっている)と白い鎧の者がいる。

これ以上何か不満を言うとあの白い鎧の者が何をしてくるか分からん。


「では頂こうか」


ベルズの言葉で食事が始まり、白い鎧の者の腹が開いた。


「ええ頂きましょう」


「ブホォー!?」


余はスープを噴き出してしまったよ、鎧の者の胸が開きある種族が飛んだのだ!ブルモストが恐れる者があの種族だったと誰が想像する、見ているのに信じられん。


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ご愛読ありがとうございます、まったりーです。

12章が終わり次から閑話となります、数は7話です。
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