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12章最終決戦

249話 脱落した勇者

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「凶悪な魔王は死んだのか?カイ」


「そうです、なんでもどこかの騎士が倒したと」


只者ではないんだなその騎士ってのは、俺たちが5柱とか言う魔王の部下と戦ってる間に倒すなんてな。


「それでこれからどうする、国にでも帰るか?」


俺は全員を見渡した、嫁たちは既に頷いている、国でのんびり暮らすのもいいだろう。


「他の勇者様たちが東に向かっているそうです」


「それがなんだ?」


「いえ、なんでも強敵との戦いに挑みに行っていると」


カイが渋々って感じで言ってきた、強敵か俺なら勝てるだろうな。


「じゃあそこに行くか、どうせひま」


「ダメよ!?行ってはダメ!」


マコマコが大声を出してきた、どうしてそんなに慌ててるんだ。


「どうしてそこまで反対するマコマコ、いつもなら強者との戦闘は喜んで参加するのに」


「そ、そうですよマコマコ、マサル様とあなたの攻撃で倒せない者などいませんよ」


カイが俺を上げてきた、まぁ正直マコマコの魔法やゴーレムはすごいからな。


「カイ!あなたは知ってるのにどうして賛成してるの、見損なったわ」


マコマコがカイに激怒している、こんな二人は初めて見るな。


「どうしたんだ?カイ何を知っている、話せよ」


「そ、それは・・・そちらの3人が子供を授かっているんです」


俺は嫁たちを見た、凄く顔を赤くしている、ほんとなんだな。


「どうして3人は言わなかったんだ、そんな大切な事」


「そ、それは」


口を閉ざしているガージュを見ながらカカナがおどおどしていた、俺が反対すると思ってるのか?あんなにいつもしていればいつか来ることだろう、それに俺は嬉しい。


「お、俺たちは、マサル様の負担になりたくないっす」


大声でそう言ってポンデュが顔を手で隠している、恥ずかしいのか?


「だが子供がお腹にいるんじゃ戦えないだろう」


「あたいたち平気」


「あぁ~マサル様ガージュが言いたいのはですね、まだ分かってからそんなに経ってないんです、もう少ししたら危険ですけど、だから今のうちにマサル様と一緒に戦いたかったんです」


そうだったのか、顔を隠してポンデュも頷いている、今日の戦闘でも気になるような点はなかったからな。


「3人の好意もあったので僕も進めたんです、だからごめんよマコマコ」


「カイはみんなの事を考えてくれたんだな、そう言う事だマコマコ」


そう言ったんだが、どうしてかまだ怒っている、どうしてだ?


「カイ!嘘はつかないでよ、あなたそんな人じゃ無いわ、マサルの事や皆の事をすごく大切にしていたじゃない、それなのにどうして進める方に行くのよ、絶対何かあるでしょ」


カイの顔を見たが明らかに動揺している、何かあるんだな。


「話てくれカイ、そうじゃないと俺はお前をPTから外さないといけなくなる」


「そ、それは・・・分かりました、本国のジラール大臣に言われたんです、他の勇者と一緒に戦闘に参加しろと」


ジラール、あの聖女の横にいつもいる髭モジャか。


「僕は言ったんですよ、体調が良くないメンバーがいるから戦闘には参加できないって、でも支援位は出来るだろうから戦場には向かえと言われて」


「なるほどな、そして最悪イカルガだけでも無事に戻ってくるようにしたいと」


「!?」


カイが驚いている、知らないと思ったのか?あれだけ聖女の眼が変われば誰でもわかるだろう、知らんのはイカルガだけだ。


「すみませんマサル様」


「いやいいさ・・・だがハッキリした、戦闘には参加しない、そして国にも帰らないぞ!」


このまま国に戻っても反逆罪とか言われそうだからな、魔王を討伐した勇者何てどっちかだろ?俺は悪い方だ。


「しかし、マサル様は3人を気遣っただけです、さすがに反逆罪は」


「可能性ある、あのジラールなら」


ガージュが言ってきた、俺の知らないところで何かあったんだな。


「もしかしてガージュもだったの?私もあの大臣に言われたんです、奴隷風情がって」


カカナもなのか、じゃあポンデュもか?


「俺も言われたっす、でも俺は鼻で笑ってやったっすよ」


そう言いながら少し目が赤いな。


「そうか・・・済まなかったなガージュ、カカナ、ポンデュ」


俺は3人を抱きしめた、つらい思いをさせていたんだな、俺は奴隷とは思っていないが周りはそうじゃないと言う事だろう、首輪もしてないから情報で知らないと分からないはずなんだがな。


「決まりね、みんな私の実家に来なさい、守ってあげるわ」


マコマコがそう言ってきた、実家ってどこだ?妖精の国って事か?


「実家って何処にあるんですかマコマコ」


「その情報はまだ話せないわカカナ、さぁどうするマサル」


何処なんだろうか、ガージュたちは俺に委ねてくれているからカイを見たんだが、凄く悩んでいるな。


「俺たちはかまわないが、遠いんじゃないのか?3人の体を考えると長距離の移動は控えたいな」


「ああそれは平気よマサル、飛空艇で行くからね、数時間で着いちゃうわ」


おお!?飛空艇か、ゲームで見たことあるぞこの世界にもあるんだな、とても楽しみだ。


「そ、そんな物をどうしてマコマコが、君はいったい何者なんだ」


「カイ、それよりもここから先はあなたが付いてくるかで対応は違うのよ、気を付けて答えなさい『ゴレゴレ召喚戦闘態勢』さぁ国を捨てて私たちと来るか、あるいは」


マコマコがゴレゴレを出し戦闘態勢だ、確かにカイは国の騎士だからな、俺たちと来るならば国を捨てなければいけない、だが来ないのであれば少なくとも時間稼ぎの為に寝てもらわないとダメだろう。


「僕は・・・僕は」


「なに迷ってるの簡単じゃない、私たちと来れば楽しい生活が待ってるのよ、でも国に帰ったら裏切り者として見られて辛い生活が待ってるわ」


マコマコがカイの近くを飛びながら話している、それだけを見ると誘惑しているように聞こえるな。


「だが僕は国を捨てるわけには」


「あらいいの?誰も婿に貰ってくれないし、嫁ぎ先にだって選んでくれないわよ」


カイの顔の前で止まって追い打ちだな、そろそろ最後の決め手を言うんだろうな。


「うぅ~しかしだな」


「私たちとくればあの約束は確実よ、それでもダメなの?」


「本当かマコマコ!?」


すごい食いついたな、まぁ内容は大体分かる、俺たちと一緒にいたんだそりゃきつかったよな、だから俺は何度も言ったんだぞ。


「もちろん何人でも良いわよ、それに暮らすのだってみんなで冒険者をするも良し、剣の先生になるも良しよ、なんでも選べるわ」


「わかった行く!絶対行くぞ僕は」


最後のは言い過ぎじゃないか?向こうのあくどい商売をしている奴みたいな文句だったぞ。


「じゃあみんなで行きましょ、この後すぐが良いわ、悪い奴が聞いてるかもしれないからね」


マコマコが窓を指差して言ってきた、そんな奴がいるのかと思ったがきっと言ってるだけだな。


「おお!これが飛空艇か・・・案外小さいな」


「それはそうよ小型の物だし、街の中に降りるのにそんなに大きな物は使えないでしょ」


確かにな、それにその言い方だと大きいのもあるんだな、ほんとにマコマコは何者なんだ。


「じゃあ出発するわね、運転しっかりねシー」


「お任せください、マコっマコさま」


どうしてか途中名前を区切った、まあいいか・・・それよりも。


「カイ見過ぎだぞ、ああいった強めの性格の女はあまりそういった目で見ない方が良い」


「ま、まままマサル様!僕はべ、別に」


分かり易過ぎだ、まぁ応援はしてやるよ、どうせ向こうで暮らすんだからな。
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