上 下
241 / 372
9章離れた場所

閑話 復讐者

しおりを挟む
「来たな」


俺の名はジェミニ、家名を捨てた者だ。

そう俺は復讐の為に生きている、すでに復讐対象だった3人の内2人は始末した、第3王子をうまく使ってな、だが最後の1人は王子を使うわけにはいかない。


「はぁっはぁっはぁっここまで来れば平気か・・・クソ!馬でもなければこの後の移動が出来んというのに」


「移動の必要はないぞジャイロス国王、お前はここで終わりだ」


「な!?何者だきさま!」


俺の最後の復讐対象はジェミルゴス王国の国王なんだ、だから復讐が完了した後第3王子が俺を始末するかもしれない、だから王子にはすでに復讐は終わり国を出ると言っておいた。


木の影から出てきて俺は国王に言ってやった、普通は後ろから攻撃して倒すのだろうが、それでは俺の気が収まらん。


「俺はジェミニという、お前に恨みを持つ者だ」


「お、お前など知らん」


国王が後ずさって言ってきた、そうか覚えてすらいないのか。


「こんな奴の為に俺たちはあんな目に会ったのか、はは」


こいつはそう言うやつだ、自分の都合の悪い事は何もしない、そして少し調べれば分かることをしないで切り捨てるんだ、俺の家もそれが原因で爵位をはく奪された。


「お前の顔など知るか、それにしても奇襲にしてはお粗末だな、1人で来るとは返り討ちに」


そう言いながら剣を抜いてきた、だが俺は今速度を上げてくれる指輪を2つ着けている、素早く動き剣を持っていた腕を切り落としてやった。


「お前なんて奇襲する必要がないって事が分かったか?」


「ぐっ俺の腕が・・・た、助けてくれ」


命乞いをしてきたが魔力を少し貯めている、逃げる準備をしているな、何かしてくるつもりだ。


「助けるわけないだろ、たとえこの国を差し出しても許せん!俺はこの時を待っていたんだ!!もう他の復讐対象はすでに始末した、お前で最後なんだよ!」


「くっくっくお喋りが過ぎるとその復讐も出来んぞ『ライトフラッシュ』」


国王が光魔法の玉を出して目くらましをしてきた、だが俺は情報でそれを使うことを知っていた、片目に闇魔法を事前に掛けている、国王は逃げずに隠し持っていた短剣で俺に切りかかってきている。


「見えてるんだぞ、はっ」


「ぐあっ!そ、そんなバカな!」


短剣を持っていた手を手首から切断してやった。


「これでお前もお終いだな」


「た、頼むたすけ」


「うるさいぞ!!俺たちの恨み思い知れ!」


心臓に剣を突き立て俺の復讐は終わった。


「くっくっく、やっとだやっと終わった、どうだジェヅ!簡単だっただろ!!あんな手紙をよこしやがって・・・これからどうするかな」


俺が国王に復讐出来たのは第3王子がクーデターを起こしたから出来たことだ、今頃は国王の椅子にふんぞり返っているだろう、あの王子は。

この後の事なんてあまり考えていない、今頃は国王の右腕である第1王子がコルル街を攻めているが帰ってくればどうなるか。

第3王子がクーデターを成功出来たのはこの国の主力がいなかったからだ、だが第1王子が帰ってきてクーデターの事を知ったら第3王子は勝てないだろう。

なにせ向こうは新兵器を大量に持っていて兵士長たちもいる、急ぎ守りを固めないといけないのに成功を祝って宴をしている始末だ。


「国王を逃がして何が成功なんだろうな、まぁそのおかげで俺がこの手で始末できたんだが、この国を出た方が無難だな」


恐らく俺の存在など誰も知らないだろう、国王が暗殺されていたことは知られるだろうがそれだけだ。


「何処かでひっそりと暮らすか、ははは貴族だった俺が落ちた物だな・・・くくく、はははははは」


俺は笑いながらこの国を出た、あてもなく、どこに行くでもなく。



《男が去った後、木の上で話すものたちがいた》


「チュチュン、結局行動に移してしまったチュンね」


「悲しいけどしかたないわ、主も言ってたでしょ、誰かが止めるか復讐を済ませないとどうしようもないって、後は時間が解決してくれることを願いましょ」


「了解チュン」


それから数日後第1王子と第3王子の戦いが始まり、第1王子が勝利を収めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

フェアリー軍師の天下取り、小さくたって頭脳はすごいんですよ!

まったりー
ファンタジー
主人公はeスポーツの作戦参謀を務めていた女性、ある時チーム仲間とケンカになり、帰り道に刺され命を落としてしまう、そこで神様に会うが間違いだと知らされる。 転生するしか方法は無いと知らされるが、それを希望しない主人公を見て、神は主人公が少しでも幸せに暮らせるように、安全地帯で暮らしている妖精種に転生してくれた、しかしそこで主人公は失敗してしまい追放されてしまいます。 外の世界は危険で戦いの絶えない場所、主人公は平和で安全な生活を送る為に奮闘します。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます

無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

異世界転生~チート魔法でスローライフ

リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

処理中です...