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1章 生き甲斐
5話 みんなでカードを引こう
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朝になり、みんなの部屋をノックして入ったら、寝巻きのみんなが眠そうにベッドに座っていた。
「起きてるだけマシかな」
勇者PTの女子たちは、俺が抱き起こして仕度までやらなければ起きない。
それに比べれば、フラフラしながらでも寝巻きを脱いで着替えてくれるから、俺も朝食の準備が出来たんだ。
「まぁ、男の俺がいるのに着替えるのはどうかと思うがな」
俺としては、勇者PTの女子たちで見慣れているし、世話の掛かる娘みたいな感覚だった。
とは言え、注意はするべきなのは事実なので、テーブルに食事を並べながら指摘したよ。
「んにゃ?」
「裸じゃないみゃよアレシュ?」
「そうみーよ、下着みー」
「アレシュなら、裸を見ても良いにー」
「うん、大歓迎」
皆は既に受け入れる気満々だが、出会って間もない女性と交わる気にはならない。
皆は魅力的だから将来は分からないが、順序があると注意した。
「昨日も言ったが、自分を大切にしなさい」
「「「「「は~い」」」」」
「良い返事だ、じゃあ朝食にしよう」
皆でテーブルを囲むのも久しぶりで、勇者PTではバラバラだった。
準備も片付けも面倒で、インベントリがなかったら不可能だったと、食事を進めて皆が食べるのを眺めたよ。
「なんにゃアレシュ、アタシたちの顔に何か付いてるにゃ」
「いや、好き嫌いは無さそうだなと思っただけだ」
良い子たちばかりで本当に楽だから、本題を忘れニッコリとしてしまった。
しばらく見ていたが、さすがに恥ずかしいと言われたので、俺も本題に入る事にしたよ。
「さて、皆はこの街のダンジョンに挑戦しに来たのは間違いないよな?」
「それはそうにゃよアレシュ、それ以外にないのにゃ」
「まあそうだな、そこで俺のスキルが役に立つんだが、皆にも協力してほしい」
「あたいたちが出来る事なら、喜んで手伝うみゃ」
了承を貰ったので、朝食を片付けた後にテーブルにカードダスの機械を出したんだ。
モンスター・魔法・アイテム・装備・エネルギーの5種類がある事を伝え、レバーを引いて5枚入りよ袋を出してもらった。
「装備が2セットとモンスター・魔法・エネルギーが1セットか」
「それが昨日言っていた物にゃ?」
「そうだぞミニャル、袋の中にカードが入ってるんだが、色々と使えるんだ」
試しに、装備の袋を開けてカードの表面を見せると剣が描かれていたが、それがなに?っと質問された。
分かるように見せた状態で、俺は装備カードを使用する合い言葉【カード使用】と唱え、剣をデーブルに乗せたんだ。
「かかか、カードが本物になったのにゃ!」
「そういう事だミニャル、俺は本物になる魔法のカードを手に入れる事が出来るんだ」
「す、すごいにゃ」
本当に凄いと言ってくれるが、話にはまだ先があり、今日から新しい月が始まるからデイリー以外も引ける上、更にイベントも始まった事を伝えた。
俺が1レベルである理由もそれで、1日の引く回数を増やすには、1回につき500の経験値が必要だから、俺はイベントの時は何度も引いている事を話したんだ。
「つまり、アタシたちにもレベルを下げろって事にゃ?」
「そうじゃない、ミニャルたちは普通に強くなって構わないから、戦わない俺にも経験値が来る様にして欲しいんだ」
「なんだ、そんな事なら全然良いのにゃ」
イースズたちは嫌そうな顔をして来た事だったが、ミニャルたちは自分たちの経験値を使っても良いとまで言ってくれて、必要な時はお願いすることを約束した。
追加情報として、俺が1レベルであれば戦闘時に経験値の減少が無いとニヤリとして見せたんだ。
「それは凄いにゃ」
「うん、ずっとレベルが上がりやすい」
「そういう事だ、だからガンガンダンジョンに挑戦するぞ」
俺もサポートすると約束をして、イースズたちの時よりも力を入れる事は確実だった。
勇者PTの時は、説明を聞いてくれなかったので装備とエネルギーしか使わず、アイテムカードも食事などの限定的な物だけだった。
「だからな、みんなにも出来れば使って欲しい」
「って言われても、モンスターのカードはどう使うのにゃ?」
「確かにみゃ、戦うのみゃ?」
「そうじゃない、罠の発見や採取で使うんだ」
「どういう事みゃ?」
罠は、匂いや空気の流れなどで見つける為、トーニャたちでも分かるらしいが、採取は最強と呼べる事が出来る。
採取場所では、一人1回採取が出来る光の玉に触って採取品を得るが、モンスターもその1人になるんだ。
「つ、つまり、人数が多くなるのみゃ?」
「そういう事だ、しかも戦闘でも使えて、俺がいるから経験値の心配もない」
「す、すごいのみゃ」
召喚した者に忠誠を誓っているモンスターたちをカードの続く限り召喚出来、頭もすごく良いから頼りになるとテンション高めに力説したよ。
更に、魔法カードにはバフやデバフの物もあり、サポートは任せろと胸を張ったんだ。
「それは頼もしいにゃが、アレシュの方が心配だにゃ」
「レベル1だと死んじゃうにー」
「それは一番困るみーよ」
「うん、とても困る」
みんなが心配してくれるが、そこは装備で補う事にしているので、ここで装備品の話に入った。
俺の出す装備品は特殊で、すべてにエネルギーカードが必要になるが、それだけに強力だった。
「試しにさっきの剣だが、今はエネルギーカードをセットしてないから鉄だよな?」
「そう見えるにゃ」
「じゃあエネルギーカードをセットするから、どう変わるのか見てろよ」
柄の部分にカードを置き、合言葉【設置】を唱えると、刃の部分が青く輝き始め、これがエネルギーカードをセットした状態と説明した。
最初だから何がどれだけ違うのか分かってないが、テーブルに剣先を置いて切れるか試してもらった。
「力を入れちゃだめだぞミニャル」
「それじゃ切れる訳ないのにゃよアレシュ」
「普通はそうだが、エネルギーカード【水】をセットしたウォーターソードとなったは一味違うぞ」
剣の刃が水の様に揺れて見えるが、それは高速で流れていて、剣先をテーブルに置いた瞬間、剣は抵抗なくテーブルが切ったんだ。
その切れ味は、持っていたミニャルも驚愕する程で、他のみんなも同様に全身の毛を逆立てて驚いたんだ。
「にゃにゃっ!!」
「凄いだろ、これが俺の使う装備だ」
「こんなに違うなら、勇者は凄く楽だったみゃ?」
「そうだろうな」
装備頼りの戦いをしていたのに、エネルギーカードを持たない商人と交代するとかありえないと俺は思ったよ。
何処かで買えると思っているのか、それともなくても平気と思っているのかもしれず、それを聞いたミニャルたちは笑っていたよ。
「こんなに違うにゃ、それはバカだにゃ」
「そうだな・・・そう言う訳だから、防具もそれなりの品だから俺の心配はいらないぞ」
心配してくれる気持ちは嬉しいので、そこはお礼の言葉を伝えた。
更にインベントリを持ってる事も伝えたから、勇者はどうして交代したのかと首を傾げてしまった。
「まぁ俺が邪魔だったんだろう」
「そうなのにゃ?」
「ああ、勇者イースズは女好きだからな、男の俺がいると嫌だったんだろう」
サポートをする為だけに召喚されたのに、無理やりこちらに来た俺は何なんだと言いたい。
しかし、ミニャルたちと出会えたから、これからは失った5年分は楽しもうと考えていた。
「だからな、みんなも楽しく冒険しような」
「出来るのにゃ?」
「出来るさ、俺が頑張るよ」
のんびりとは出来ないかもしれないが、楽しいというのは絶対に守ると誓った。
そして、その楽しいというのはみんなとの交流も入っていて、女好きのイースズの事は言えないかもと、皆の目を見てちょっと心配になったよ。
「起きてるだけマシかな」
勇者PTの女子たちは、俺が抱き起こして仕度までやらなければ起きない。
それに比べれば、フラフラしながらでも寝巻きを脱いで着替えてくれるから、俺も朝食の準備が出来たんだ。
「まぁ、男の俺がいるのに着替えるのはどうかと思うがな」
俺としては、勇者PTの女子たちで見慣れているし、世話の掛かる娘みたいな感覚だった。
とは言え、注意はするべきなのは事実なので、テーブルに食事を並べながら指摘したよ。
「んにゃ?」
「裸じゃないみゃよアレシュ?」
「そうみーよ、下着みー」
「アレシュなら、裸を見ても良いにー」
「うん、大歓迎」
皆は既に受け入れる気満々だが、出会って間もない女性と交わる気にはならない。
皆は魅力的だから将来は分からないが、順序があると注意した。
「昨日も言ったが、自分を大切にしなさい」
「「「「「は~い」」」」」
「良い返事だ、じゃあ朝食にしよう」
皆でテーブルを囲むのも久しぶりで、勇者PTではバラバラだった。
準備も片付けも面倒で、インベントリがなかったら不可能だったと、食事を進めて皆が食べるのを眺めたよ。
「なんにゃアレシュ、アタシたちの顔に何か付いてるにゃ」
「いや、好き嫌いは無さそうだなと思っただけだ」
良い子たちばかりで本当に楽だから、本題を忘れニッコリとしてしまった。
しばらく見ていたが、さすがに恥ずかしいと言われたので、俺も本題に入る事にしたよ。
「さて、皆はこの街のダンジョンに挑戦しに来たのは間違いないよな?」
「それはそうにゃよアレシュ、それ以外にないのにゃ」
「まあそうだな、そこで俺のスキルが役に立つんだが、皆にも協力してほしい」
「あたいたちが出来る事なら、喜んで手伝うみゃ」
了承を貰ったので、朝食を片付けた後にテーブルにカードダスの機械を出したんだ。
モンスター・魔法・アイテム・装備・エネルギーの5種類がある事を伝え、レバーを引いて5枚入りよ袋を出してもらった。
「装備が2セットとモンスター・魔法・エネルギーが1セットか」
「それが昨日言っていた物にゃ?」
「そうだぞミニャル、袋の中にカードが入ってるんだが、色々と使えるんだ」
試しに、装備の袋を開けてカードの表面を見せると剣が描かれていたが、それがなに?っと質問された。
分かるように見せた状態で、俺は装備カードを使用する合い言葉【カード使用】と唱え、剣をデーブルに乗せたんだ。
「かかか、カードが本物になったのにゃ!」
「そういう事だミニャル、俺は本物になる魔法のカードを手に入れる事が出来るんだ」
「す、すごいにゃ」
本当に凄いと言ってくれるが、話にはまだ先があり、今日から新しい月が始まるからデイリー以外も引ける上、更にイベントも始まった事を伝えた。
俺が1レベルである理由もそれで、1日の引く回数を増やすには、1回につき500の経験値が必要だから、俺はイベントの時は何度も引いている事を話したんだ。
「つまり、アタシたちにもレベルを下げろって事にゃ?」
「そうじゃない、ミニャルたちは普通に強くなって構わないから、戦わない俺にも経験値が来る様にして欲しいんだ」
「なんだ、そんな事なら全然良いのにゃ」
イースズたちは嫌そうな顔をして来た事だったが、ミニャルたちは自分たちの経験値を使っても良いとまで言ってくれて、必要な時はお願いすることを約束した。
追加情報として、俺が1レベルであれば戦闘時に経験値の減少が無いとニヤリとして見せたんだ。
「それは凄いにゃ」
「うん、ずっとレベルが上がりやすい」
「そういう事だ、だからガンガンダンジョンに挑戦するぞ」
俺もサポートすると約束をして、イースズたちの時よりも力を入れる事は確実だった。
勇者PTの時は、説明を聞いてくれなかったので装備とエネルギーしか使わず、アイテムカードも食事などの限定的な物だけだった。
「だからな、みんなにも出来れば使って欲しい」
「って言われても、モンスターのカードはどう使うのにゃ?」
「確かにみゃ、戦うのみゃ?」
「そうじゃない、罠の発見や採取で使うんだ」
「どういう事みゃ?」
罠は、匂いや空気の流れなどで見つける為、トーニャたちでも分かるらしいが、採取は最強と呼べる事が出来る。
採取場所では、一人1回採取が出来る光の玉に触って採取品を得るが、モンスターもその1人になるんだ。
「つ、つまり、人数が多くなるのみゃ?」
「そういう事だ、しかも戦闘でも使えて、俺がいるから経験値の心配もない」
「す、すごいのみゃ」
召喚した者に忠誠を誓っているモンスターたちをカードの続く限り召喚出来、頭もすごく良いから頼りになるとテンション高めに力説したよ。
更に、魔法カードにはバフやデバフの物もあり、サポートは任せろと胸を張ったんだ。
「それは頼もしいにゃが、アレシュの方が心配だにゃ」
「レベル1だと死んじゃうにー」
「それは一番困るみーよ」
「うん、とても困る」
みんなが心配してくれるが、そこは装備で補う事にしているので、ここで装備品の話に入った。
俺の出す装備品は特殊で、すべてにエネルギーカードが必要になるが、それだけに強力だった。
「試しにさっきの剣だが、今はエネルギーカードをセットしてないから鉄だよな?」
「そう見えるにゃ」
「じゃあエネルギーカードをセットするから、どう変わるのか見てろよ」
柄の部分にカードを置き、合言葉【設置】を唱えると、刃の部分が青く輝き始め、これがエネルギーカードをセットした状態と説明した。
最初だから何がどれだけ違うのか分かってないが、テーブルに剣先を置いて切れるか試してもらった。
「力を入れちゃだめだぞミニャル」
「それじゃ切れる訳ないのにゃよアレシュ」
「普通はそうだが、エネルギーカード【水】をセットしたウォーターソードとなったは一味違うぞ」
剣の刃が水の様に揺れて見えるが、それは高速で流れていて、剣先をテーブルに置いた瞬間、剣は抵抗なくテーブルが切ったんだ。
その切れ味は、持っていたミニャルも驚愕する程で、他のみんなも同様に全身の毛を逆立てて驚いたんだ。
「にゃにゃっ!!」
「凄いだろ、これが俺の使う装備だ」
「こんなに違うなら、勇者は凄く楽だったみゃ?」
「そうだろうな」
装備頼りの戦いをしていたのに、エネルギーカードを持たない商人と交代するとかありえないと俺は思ったよ。
何処かで買えると思っているのか、それともなくても平気と思っているのかもしれず、それを聞いたミニャルたちは笑っていたよ。
「こんなに違うにゃ、それはバカだにゃ」
「そうだな・・・そう言う訳だから、防具もそれなりの品だから俺の心配はいらないぞ」
心配してくれる気持ちは嬉しいので、そこはお礼の言葉を伝えた。
更にインベントリを持ってる事も伝えたから、勇者はどうして交代したのかと首を傾げてしまった。
「まぁ俺が邪魔だったんだろう」
「そうなのにゃ?」
「ああ、勇者イースズは女好きだからな、男の俺がいると嫌だったんだろう」
サポートをする為だけに召喚されたのに、無理やりこちらに来た俺は何なんだと言いたい。
しかし、ミニャルたちと出会えたから、これからは失った5年分は楽しもうと考えていた。
「だからな、みんなも楽しく冒険しような」
「出来るのにゃ?」
「出来るさ、俺が頑張るよ」
のんびりとは出来ないかもしれないが、楽しいというのは絶対に守ると誓った。
そして、その楽しいというのはみんなとの交流も入っていて、女好きのイースズの事は言えないかもと、皆の目を見てちょっと心配になったよ。
応援ありがとうございます!
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