心を掴むのは冒険者の心得!だから俺は引退前に指導する。

まったりー

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3章 知名度戦争でもアゲアゲ

48話 再開された学園で

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ため息を付いた僕は、今日から休校が終わる魔法学園に向かっていました。


「貴族の子は家に帰って学園を辞めたのに、平民の僕にはそれすらも出来ない」


戦争が始まって大変だけど、僕には卒業して少しでも良い就職先を見つける事が先決で、休校中もしっかりと勉強していたんだ。
学園の寮から追い出されなくて助かったけど、始まると言っても今までと違うから心配で足取りも重かったんだ。


「友達だった商人の子も、全員学園を辞めて家に帰っちゃったし、どれだけ残ってるのかな~」


知ってる子が残ってる事を祈りつつ、僕は教室に入ったんだけど、そこにいたのは公爵様の娘様とその取り巻きの人たちで、僕は睨まれて慌ててしまったよ。
他の子はいなくて、いつもの席に着いたんだけど、最初の授業が始まる時間が迫って来ても誰も来ませんでしたよ。


「も、もしかして、このクラスで残ったのって僕たちだけなの?」


公爵様一人と取り巻きの人が3人で、20人いたのにここまで減って慌てました。
でも、授業の鐘が鳴っても先生が来なくて更に慌ててしまい、その後教室の扉を開けて入ってきたのは、僕の知ってるおじさんでビックリです。


「「「「「だれ?」」」」」
「君たちを教える事になった新人教師のリューブだ、これからよろしく頼むよ」
「「「「「よろしくお願いいたします」」」」」
「早速だが、一言言っておくぞ、君たちには戦争に参加してもらう」


え!っと、僕たちは声を揃えて驚き、取り巻きの一人【アシャラ】様がありえないと反論したよ。
後の二人、パーミュ様とシュシュ様も怒って叫んだので、それを抑えるためにロベリア様が止めたよ。


「何か事情があるのでしょう、それをまずお話しなさい新人教師」
「それもそうだな、簡単に言うと戦力が足りないのさ」
「あら、ワタクシがお母様から聞いてる話と違いますわね、圧勝していると聞きましたわよ」
「その考えで合っているが、俺の言っている戦力と言うのが特別部隊の事で、極秘になっているから知らないんだ」


そんな部隊に僕まで参加するのかと言いたかったけど、公爵様や子爵様の子供たちの話を止めるのはまずいから、発言する事はしないで黙って先生のお話しを聞いたよ。
特別部隊の説明が進み、キコウジュツと言うスキルを覚える事が分かって、僕はかなりドキドキしたんだ。


「キコウジュツ?聞いた事ありませんわね、アシャラあなたはどう?」
「自分もです、全然聞き覚えがありません」
「ちょっと教師、嘘言ってるんじゃないでしょうね」
「キャハハ、ロベリア様に嘘つくなんて、あの教師終わったね」


キコウジュツというのは僕も聞いた事が無かったけど、あの先生は有名PTの投稿者だから、僕は早く教えて欲しくてたまりません。
ワクワクが抑えてられず、僕は「金のタマゴ」っと呟いたんだけど、そんな小さな声にみんなが注目してきたよ。


「ほう、知ってる子がいたか」
「何よあいつ」
「あの子の名前はなんて言いましたかしら?」
「ロベリア様、彼は平民のアラサスです」


後ろの高い席で何やら言われてるけど、僕はワクワクしてそれどころじゃなかったんだ。
金のタマゴは、僕たち平民にとって希望の光であり、その映像を見て冒険者を目指そうと決めた子もいて、投稿されていた映像はとても勉強になっていたんだ。


「ご指導していただけるんですよね、ありがとうございます」
「お、おう、そう言ってくれると嬉しいが、まずは落ち着こうな」
「はい、失礼しました」


ここぞとばかりに喋った僕は、興奮を抑えてどんな授業になるのか期待してまったんだ。
村の友達に自慢しようと考えてたら、教室の移動が指示され、僕は勢い良く立ち上がったよ。


「ちょっと、何処に行くのよ教師」
「パーミュ君、俺の事は先生と呼んでくれるか」
「どっちでもいいでしょ、それより何処に行くのよ」
「次のクラスだよ、君たちの様に残ってるのは少ないから、1つずつ教室を回って集めるんだ」


講堂に集めてから話をすればいいのに、何でそれをしないんだろうっと思ったけど、あれだけの映像を投稿する人だから何かあるんだろうと黙って付いて行ったんだ。
そして、隣の教室に入ると思ったのに通り過ぎ、首を傾げてしまったよ。


「ちょっとちょっと、教室も分からないの?」
「キャハハ、バカなのこの教師」
「二人とも止さないか、おい教師どういう事だ」
「全員を集める訳じゃないのさ、俺が選んだクラスだけを集めるんだよ」


そういう事かっと、僕は選ばれた事をちょっと嬉しく思っていたけど、平民の僕でも出来るのかと心配だった。
でも、金のタマゴで活躍してる子たちは、僕と同い年で凄く強くなっていくから、すっごく期待したんだ。


「ちょっと、何処まで行くのよ」
「もう最後の教室だね」
「っと言う事は、2つのクラスだけですの?」
「そういう事だ、入るぞ」


先生が先頭で教室に入り、僕は最後だったんだけど、中にいた人たちを見て興奮がまた戻ってきたんだ。
教壇に立っていたのは、リューブ先生の弟子の子である金の卵で、生徒が20人近くいたのに僕はそっちには目を向けられなかった。


「金のタマゴPTだ、本物だよ」


その場で握手を求めたかったけど、リューブ先生が席に着くように言ってきたので、オロオロしながら適当に空いてる席に座りました。
そして、集められた理由をもう一度話し、僕たちは選ばれた存在だと言われたんだ。


「それはもういい、早く本題に入れよ、要は戦争の道具にしたいんだろう」
「君は・・・そうか、君がサリーヌ様の言っていた子供か」
「あの女と一緒にするな、ボクは王族だぞ」
「悪いんだがなイバラス君、爵位なんて学園では関係ないんだよ」


魔法学園ではそう言っていて、建前なのは誰でも知っていたけど、リューブ先生が言うと本当になりそうでドキドキだった。
元国王様の第一夫人の息子であるイバラス様は、怒りながら先生を睨んでいたけど、先生は気にしないで話を進めたよ。


「そう言う訳で、訓練をしてもらうんだが、君たちが戦争に参加する頃にはもう終わっている」
「ど、どういう事ですの?」
「そのままの意味だよロベリア君、君たちには平和の象徴として戦争に参加してもらうのさ」


そういう事かっと、頭の良いロベリア様は納得したけど、僕もそういう事かっと納得したんだ。
金のタマゴと同じように、僕たちを先導者にしたいんだと思い、訓練が楽しみになった。


「それでは、分かった所で始めるんだが、一応聞くが辞めたい奴はいるか?」


そんな事を思う人はいないと思ったんだけど、イバラス様は付き合ってられないと言って立ち上がったんだ。
本来なら、イバラス様の取り巻きも一緒に立つんだけど、誰も立たなくてイバラス様は戸惑ったよ。


「おい、どうしたシャバラ」
「イバラス様、オレは家から言われてるんです、だから辞める訳にはいきません」
「そんな、おいガレオ」
「イバラス様、自分もダメなんっす」


誰一人イバラス様に付いて行かない様で、イバラス様は泣きそうな顔をして教室を出て行ってしまった。
本当ならリューブ先生が止めるのが当たり前なんだけど、そんな事は無く僕たちの授業を始めると言ってくれた。


「それでは、19人で気功術を覚えてもらうから、目を閉じて集中してくれ」


僕は直ぐに目を閉じて集中したんだけど、僕以外は何やら先生に文句を言っていて、何で素直に言う事を聞けないのかと疑問だったよ。
でも、僕は他人に構っている暇はないし、そもそもあの金の卵を指導している人に習える機会なんてないから、必死だったよ。


「って、もう出来たんだけど・・・良いのかな?」


身体の中にある魔力に似た力を感じ取れて、僕は未だに言い合いをしている先生に視線を向けました。
他の生徒は始まってもいないのに、こんなに簡単なものなのかとちょっと不安になったけど、そんな僕に金の卵のエルフの二人が近づいて来てドキドキだったよ。


「ななな、何でしょうか?」
「君」
「もう出来てる」
「「「「「え」」」」」


教室の全員から視線を向けられ、僕は緊張してカチコチになってるのを気にしないで、エルフのお二人がリューブ先生に報告してくれて、凄いと褒めて貰えたんだ。
そんなに簡単なのかっと、生徒たちも文句を言うのを辞めて目を閉じて集中し始めたんだけど、1時間目で出来たのは僕だけだったよ。


「それでは、2時限目も同じようにするから、30分休憩したらまたここに集まるようにな」


先生たちが教室を出ると、唯一出来る様になった僕の周りに生徒が集まり、どうやるのかコツを聞かれたよ。
でも、僕も自然と出来たし、こんなにみんなに話しかけられたことが無くて、ドキドキして何も言えなかったんだ。


「皆さん、ちょっと落ち着きましょう、彼が驚いていますわよ」
「そ、それもそうですね」
「それで、アラサスだったわね、どうやるのですかワタクシにおしえてくださいまし」
「ろ、ロベリア様・・・僕は、ただ静かに集中してただけなんです」


その一言で、ロベリア様が納得し、集中する大切さを語りだし、他の生徒もそれで納得してくれた。
それからの僕は、クラスで注目されるようになり、ロベリア様に目を掛けてもられるようになったんだよ。
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ご愛読ありがとうございます、まったりーです。
さて、ファンタジー大賞ももう直ぐ終わりますので、次の投稿から2話ずつにしたいと思います。
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