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1章 知名度アゲアゲ
13話 仕返し
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オレは今、クビにしたはずのジジィと向かい合ってギルドの応接室で座っていた。
「ちょっとぉ~なんであたいたちが呼ばれるのよぉ~」
「そうです、何も悪い事はしていないわよ」
「ライジングランサーの方々、静粛にお願いします、これはギルドからの正式な呼び出しですよ」
みんなが黙らされ、オレは仲間のはずのマリューナがあの男の横にいる事が気になって仕方なかった。
それが呼び出された理由なのだろうと、話が進むのを待ったんだが、マリューナとあの男の後ろに立つ子供たちに目がいったよ。
「可愛い子たちだな、オレの範囲外だが、将来綺麗になるだろうな」
その時は、俺が娶っても良いかと見ていたら、やっとギルドの職員が話を進めた。
その内容は、オレが1つ星冒険者に無理難題を命令したと言うモノだった。
「なんだそれは、そんなのPT内の問題だろう」
「ええそうです、ですのでマリューナさんがPTを脱退したいそうなので、承認してください」
「はっ?」
仲間になったばかりで、何故そうなると言い返したんだが、一人でダンジョンの探索をさせようとしたのは問題と言われてしまった。
しかもマリューナは魔術士であり、前衛がいないと死ぬのは確実だから、7つ星らしからぬ考えだと警告的に言われた。
「そう言われても、俺はマリューナに強くなるように言っただけだ」
「そうよ、ダンジョンに入ろうとしたのはその子の勝手じゃない」
「では、他に効率良くレベルを上げる方法はあるのですか?」
ダンジョン並みにというのが付け加えられるから、オレたちは何も言い返せなかった。
だからPTを抜ける事を決意し、ギルドが仲介役に入ってきて、オレは承認するしかなかったんだ。
「これで、マリューナさんはライジングランサーから脱退し、金の卵の一員です」
「ちょっと待てよ、どうしてここまでするんだ、本来冒険者がPTを抜ける時はギルドに知らせるだけだろう」
「ああそこですか、それはリューブさんの提案ですよ」
あのジジィの案と聞き、ジロっと睨んでやった。
リューブは、ニヤニヤしていてかなりイラっとしたが、今後近づくなと言う条件を付けて来た。
「オレが何かすると思っているのか」
「ああ思っているよケンスダ、お前の女グセの悪さは知ってるからな」
「そ、それは昔の話だ、今は7つ星になって心を入れ替えたんだ」
「ほう、早々にマリューナの純潔を奪ったのにか?」
痛い所を付かれ、俺は何も言い返せずに女性陣全員の視線を受けてしまった。
だが、無理やりした事は無いし、承諾は取っていたと返したよ。
「そう言って、仲間のミューンたちも口説いて毒牙に掛けたんだろう、そんな奴を信じられると思うのか?」
信用と言うのは、日ごろの行いが大切であり、オレにはそれが無いと断言された。
だから、ギルドを通して近づくなと注意され、それを破ったら罰を与えると忠告された。
「最悪奴隷落ちも覚悟してください」
「ふんっ!近づかなければ良いんだろう、オレだって田舎臭い女はごめんだね」
「なっ!」
「マリューナ落ち着け、あいつのいつもの手だよ」
リューブは、怒らせて相手から離れていく様に仕向けているとか言って来て、楽しんだ後だし、用済みだから何も言い返さなかったよ。
しかし、リューブがマリューナを慰める時、とても仲良くしているのはイラっと来たから、これで済ませる気はなかったよ。
「しかしな、マリューナがいなくなるとこちらも困る、その埋め合わせはしてくれるのか?」
「じゃあ言うがなケンスダ、マリューナの純潔と心の傷の代償が払えるのか?
「な、何だと」
「それはそうだろう、お前はダマして奪ったんだ、その償いはしないといけないよな?」
それを無しにして、この後お互い接触しないだけで済ませてやると、リューブは偉そうに言って来た。
そんなリューブの横では、マリューナが熱い視線を憎たらしいリューブに送っていて、俺は怒りが収まらなくなり決闘を申し込んだよ。
「ケンスダさん、それはギルドが容認できません」
「どうしてだブレイス、冒険者の問題解決は決闘が普通だろう」
「そうですが、今回の場合はそうもいきませんよ、リューブさんが負けるなら新たな仲間を紹介するだけですが、純潔や心の傷は戻せませんから、この場合契約違反になったケンスダさんは奴隷落ちですよ」
「オレが負ける訳ねぇだろう、これは仲間を奪った奴への仕返しなんだよ」
正直な話、7つ星のオレたちなら直ぐに仲間は見つかるだろう、だからこれはリューブを痛めつける為の決闘だった。
リューブが賛成する訳が無いから、挑発する為にも後ろのガキたちへの文句も加え、戦わせる方向に持って行ったんだ。
「俺の事をとやかく言うなら平気だが、家の子たちを悪く言うのは許せない、莫大な賠償金を貰うか、奴隷に落ちて反省してもらうよ」
「ふんっ!やれるモノならやってみろよジジィ」
「ちょっと、ケンスダ待ちなさいよ」
流石にミューンたちが止めてきたが、俺も引けないからやる事は決定だった。
ギルドの訓練場に場所を変え、オレの相棒ライジングジャベリンを振り回して見せた。
「今ならなかった事にしてやるぞリューブ、死にたくはないだろう」
「それはこっちのセリフだケンスダ、それにずっと言いたかったんだが、お前のその槍、どうしてジャベリンなんだ?」
「な、なんだとっ!」
「PT名がランサーなんだ、ランサーを使えよな」
痛い所を突かれたオレは、リューブを黙らせる為にジャベリンの突き攻撃を繰り出した。
本来ならそれで終わりのはずなのに、リューブがそれを避けて来て、距離を取って笑ってきたよ。
「な、何が可笑しい」
「いやな、相変わらず動きが単調だと思ってな」
「うるさいっ!お前の指図は受けない」
「そうだな、だからお前は俺をクビにしたんだよな」
PTメンバーだけに女性を留めろと注意してきたが、俺には関係なかったし、余計なお世話だとトリプルスラストを放った。
リューブは余裕で避けて来て、どうして当たらないのだと叫んでしまったよ。
「まだ分からないのかケンスダ、お前が弱いからだよ」
「なんだと、オレが弱いだと」
「そうだよ、お前は弱いんだ、7つ星で最弱だな」
試験に受かったのはたまたまで、その後の精進次第だったとか言ってきたよ。
また説教かと、オレは闘気を溜め最強の一撃の準備に入った。
「これを使えば、お前は跡形もなくなる、降参するなら今だぞ」
「ラストスイングか、確かにそれを受ければ跡形もなくなるだろうが、当たらなければ良いんだよ」
「それはどういうっ!」
リューブは、いきなり姿を消して来て、何処に行ったのかと舞台を見まわした。
しかし、あの男の姿は見えないから、逃げたのだと叫んでやった。
「悪いが、俺は逃げてないぞ」
「ど、何処にいる、姿を見せろ」
「見えないのは、お前が弱いからだ、家の子たちは見えているぞ」
「な、なんだと」
舞台の下で応援していたガキたちに視線を向けると、確かに舞台の真ん中を見ていて、そこにいると思って槍を繰り出した。
しかし、槍に手ごたえはなく、そのまま振り回して当たるのを期待した。
「このっ!何処だ」
「もういい、降参するんだケンスダ」
「断る、オレは負けてない」
「そうかよ、じゃあ負けてもらうしかないな」
俺の目の前にリューブが急に現れ、腹に衝撃を受けて俺の意識はなくした。
次に目覚めた時、俺は牢屋の中にいたんだ。
「俺は負けたのか」
「そうだよ、あんたは負けてここにいるんだ」
「あんたは・・・ミューンたちはどうなった」
「生憎だが、見張り番のオレには関係ないな」
見張り番は、金を寄越せと手をくいくいとさせて要求してきたから、ポケットの金を出そうとして、ポケット自体が無い事に気付いたんだ。
俺は今、装備を着けてない状態で、服も奴隷が着る様な薄い布切れだったんだ。
「これじゃあ、まるで奴隷じゃないか」
「なんだ、兄ちゃん気づいてなかったのか、兄ちゃんは装備を全て売っても足りなかったから奴隷に落ちたんだよ」
「そんなバカな、俺の仲間がくれば返せるばずだ、頼む連絡してくれ」
みんななら俺を助けに来てくれると期待したんだが、見張りの兵士は無理と直ぐに返して来た。
何でも、ここに俺が入れられた時、3人の女が関係を否定したらしく、もう連絡するなと注意されたんだ。
「そんな、俺は捨てられたのか」
「やっと分かったようだな兄ちゃん」
「そんな、頼むから連絡して見てくれ」
「まだ分かってないのか、兄ちゃんのPTはもう無いんだよ」
PTが解散した事をハッキリと告げられ、俺はその場に崩れるように膝を付いたよ。
誰も助けてくれないのが分かり、俺はすべてを失ってしまったを理解してしまったんだ。
「まぁそう気を落とすなよ兄ちゃん、奴隷として働くのも良いぞ」
見張りの兵に笑って言われ、俺は力が抜けてその場に倒れてしまった。
生きる力を失った俺は、その後奴隷としてどこかに運ばれたが、もうどうでも良かったよ。
「ちょっとぉ~なんであたいたちが呼ばれるのよぉ~」
「そうです、何も悪い事はしていないわよ」
「ライジングランサーの方々、静粛にお願いします、これはギルドからの正式な呼び出しですよ」
みんなが黙らされ、オレは仲間のはずのマリューナがあの男の横にいる事が気になって仕方なかった。
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しかもマリューナは魔術士であり、前衛がいないと死ぬのは確実だから、7つ星らしからぬ考えだと警告的に言われた。
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だからPTを抜ける事を決意し、ギルドが仲介役に入ってきて、オレは承認するしかなかったんだ。
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「ちょっと待てよ、どうしてここまでするんだ、本来冒険者がPTを抜ける時はギルドに知らせるだけだろう」
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あのジジィの案と聞き、ジロっと睨んでやった。
リューブは、ニヤニヤしていてかなりイラっとしたが、今後近づくなと言う条件を付けて来た。
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「ああ思っているよケンスダ、お前の女グセの悪さは知ってるからな」
「そ、それは昔の話だ、今は7つ星になって心を入れ替えたんだ」
「ほう、早々にマリューナの純潔を奪ったのにか?」
痛い所を付かれ、俺は何も言い返せずに女性陣全員の視線を受けてしまった。
だが、無理やりした事は無いし、承諾は取っていたと返したよ。
「そう言って、仲間のミューンたちも口説いて毒牙に掛けたんだろう、そんな奴を信じられると思うのか?」
信用と言うのは、日ごろの行いが大切であり、オレにはそれが無いと断言された。
だから、ギルドを通して近づくなと注意され、それを破ったら罰を与えると忠告された。
「最悪奴隷落ちも覚悟してください」
「ふんっ!近づかなければ良いんだろう、オレだって田舎臭い女はごめんだね」
「なっ!」
「マリューナ落ち着け、あいつのいつもの手だよ」
リューブは、怒らせて相手から離れていく様に仕向けているとか言って来て、楽しんだ後だし、用済みだから何も言い返さなかったよ。
しかし、リューブがマリューナを慰める時、とても仲良くしているのはイラっと来たから、これで済ませる気はなかったよ。
「しかしな、マリューナがいなくなるとこちらも困る、その埋め合わせはしてくれるのか?」
「じゃあ言うがなケンスダ、マリューナの純潔と心の傷の代償が払えるのか?
「な、何だと」
「それはそうだろう、お前はダマして奪ったんだ、その償いはしないといけないよな?」
それを無しにして、この後お互い接触しないだけで済ませてやると、リューブは偉そうに言って来た。
そんなリューブの横では、マリューナが熱い視線を憎たらしいリューブに送っていて、俺は怒りが収まらなくなり決闘を申し込んだよ。
「ケンスダさん、それはギルドが容認できません」
「どうしてだブレイス、冒険者の問題解決は決闘が普通だろう」
「そうですが、今回の場合はそうもいきませんよ、リューブさんが負けるなら新たな仲間を紹介するだけですが、純潔や心の傷は戻せませんから、この場合契約違反になったケンスダさんは奴隷落ちですよ」
「オレが負ける訳ねぇだろう、これは仲間を奪った奴への仕返しなんだよ」
正直な話、7つ星のオレたちなら直ぐに仲間は見つかるだろう、だからこれはリューブを痛めつける為の決闘だった。
リューブが賛成する訳が無いから、挑発する為にも後ろのガキたちへの文句も加え、戦わせる方向に持って行ったんだ。
「俺の事をとやかく言うなら平気だが、家の子たちを悪く言うのは許せない、莫大な賠償金を貰うか、奴隷に落ちて反省してもらうよ」
「ふんっ!やれるモノならやってみろよジジィ」
「ちょっと、ケンスダ待ちなさいよ」
流石にミューンたちが止めてきたが、俺も引けないからやる事は決定だった。
ギルドの訓練場に場所を変え、オレの相棒ライジングジャベリンを振り回して見せた。
「今ならなかった事にしてやるぞリューブ、死にたくはないだろう」
「それはこっちのセリフだケンスダ、それにずっと言いたかったんだが、お前のその槍、どうしてジャベリンなんだ?」
「な、なんだとっ!」
「PT名がランサーなんだ、ランサーを使えよな」
痛い所を突かれたオレは、リューブを黙らせる為にジャベリンの突き攻撃を繰り出した。
本来ならそれで終わりのはずなのに、リューブがそれを避けて来て、距離を取って笑ってきたよ。
「な、何が可笑しい」
「いやな、相変わらず動きが単調だと思ってな」
「うるさいっ!お前の指図は受けない」
「そうだな、だからお前は俺をクビにしたんだよな」
PTメンバーだけに女性を留めろと注意してきたが、俺には関係なかったし、余計なお世話だとトリプルスラストを放った。
リューブは余裕で避けて来て、どうして当たらないのだと叫んでしまったよ。
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「そうだよ、お前は弱いんだ、7つ星で最弱だな」
試験に受かったのはたまたまで、その後の精進次第だったとか言ってきたよ。
また説教かと、オレは闘気を溜め最強の一撃の準備に入った。
「これを使えば、お前は跡形もなくなる、降参するなら今だぞ」
「ラストスイングか、確かにそれを受ければ跡形もなくなるだろうが、当たらなければ良いんだよ」
「それはどういうっ!」
リューブは、いきなり姿を消して来て、何処に行ったのかと舞台を見まわした。
しかし、あの男の姿は見えないから、逃げたのだと叫んでやった。
「悪いが、俺は逃げてないぞ」
「ど、何処にいる、姿を見せろ」
「見えないのは、お前が弱いからだ、家の子たちは見えているぞ」
「な、なんだと」
舞台の下で応援していたガキたちに視線を向けると、確かに舞台の真ん中を見ていて、そこにいると思って槍を繰り出した。
しかし、槍に手ごたえはなく、そのまま振り回して当たるのを期待した。
「このっ!何処だ」
「もういい、降参するんだケンスダ」
「断る、オレは負けてない」
「そうかよ、じゃあ負けてもらうしかないな」
俺の目の前にリューブが急に現れ、腹に衝撃を受けて俺の意識はなくした。
次に目覚めた時、俺は牢屋の中にいたんだ。
「俺は負けたのか」
「そうだよ、あんたは負けてここにいるんだ」
「あんたは・・・ミューンたちはどうなった」
「生憎だが、見張り番のオレには関係ないな」
見張り番は、金を寄越せと手をくいくいとさせて要求してきたから、ポケットの金を出そうとして、ポケット自体が無い事に気付いたんだ。
俺は今、装備を着けてない状態で、服も奴隷が着る様な薄い布切れだったんだ。
「これじゃあ、まるで奴隷じゃないか」
「なんだ、兄ちゃん気づいてなかったのか、兄ちゃんは装備を全て売っても足りなかったから奴隷に落ちたんだよ」
「そんなバカな、俺の仲間がくれば返せるばずだ、頼む連絡してくれ」
みんななら俺を助けに来てくれると期待したんだが、見張りの兵士は無理と直ぐに返して来た。
何でも、ここに俺が入れられた時、3人の女が関係を否定したらしく、もう連絡するなと注意されたんだ。
「そんな、俺は捨てられたのか」
「やっと分かったようだな兄ちゃん」
「そんな、頼むから連絡して見てくれ」
「まだ分かってないのか、兄ちゃんのPTはもう無いんだよ」
PTが解散した事をハッキリと告げられ、俺はその場に崩れるように膝を付いたよ。
誰も助けてくれないのが分かり、俺はすべてを失ってしまったを理解してしまったんだ。
「まぁそう気を落とすなよ兄ちゃん、奴隷として働くのも良いぞ」
見張りの兵に笑って言われ、俺は力が抜けてその場に倒れてしまった。
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