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5章 2年1学期
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あたしは、可哀そうだと思って、アレシャスの相手をしようとしてる貴族を見たの。
「何も知らないって、ほんとに悲惨よね」
自分の時もそうだったと、アレシャスが色々文句を言われてるのを眺めていたの。
相手は、そんなアレシャスの態度にイライラしてて、見てられなかったわね。
「何とか言ったらどうだ白騎士ノヴァよ」
「そう言われましても、魔弾ガンは他国の品で、ダンジョンに必要だから仕入れているだけです」
「ほうほう、では認めるのだな」
「認めるも何も、それを使って反逆なんてしませんからね」
なんとも空気の違う会話が飛び交っていて、会場の人達はどうしたものかと戸惑っているわ。
わたしの誕生日が台無しになるのは嫌だけど、ほとんど終わりに近かったし、アレシャスのカッコイイところが見れそうで楽しみなのよ。
「しらを切りおってからに、こちらは十分証拠を持っておるのだぞ」
「そうですか?僕はあなたの方が怪しいと思っていますよロードネス殿」
相手の名を告げると、そいつはびくっとして1歩下がったわ。
そいつは、言いがかりだと言いたそうだったのだけど、アレシャスがそのまま喋り始めて止まらなかったの。
「姿を消したダンジョンヒューマンたちは、あなたの領地の港から見つかりましたし、獣魔たちはあちらの国の匂いを嗅ぎ付けてて、大人数が滞在した様だと報告してます」
「な、ななな何を言い出すかと思えば、匂いじゃと」
「それだけじゃないよロードネス殿。さっき言ってた魔弾ガンなんだけど、僕と違ってあなたの港では、最新式が沢山仕入れられてたんだよね。初期型を学園に配布した僕と違って、何処に搬送されたのか調べたら、何処かに消えてた」
アレシャスがそこまで言うと、何と男が剣を抜いたのよ。
会場の騎士たちが一斉に剣を抜いたけど、お母さまがそこで出て来たわ。
「ロードネス公爵、わたくしも調べているのよ。あなたがあちら側である事をね」
「な、何を言いますか女帝様、ワシは国の為に研究しようと」
「それなら、それにふさわしい研究機関に輸送されるはずよね?でも、運んだ場所は王都の近くの小さな村よ。そこがどんなところか知ってるわよね?」
そこは、こいつの領地の王都に一番近い村で、研究できる場所でもないし、目的は明らかだったのよ。
そして、そこから大量の武器が発見られたと、エメローネが告げて男を指差したわ。
それを見て、十騎士のメンバーが男を囲んだのよ。
「くっ!そうか、ワシをはめるつもりだな、これだから汚れた血は嫌なのだ」
「そう考えるのも良いけどさ、そもそも不敬なのはあなたなんだよロードネス殿。ここはね、シャルティル姫様のお祝いの席だよ」
「な、何がお祝いだ!これでも食らえ!!」
男の剣が変形して大きな銃になり、ワタシに向けてその引き金を引いたのよ。
銃からすごい音がして、魔法の弾がワタシに向かって沢山飛んできたのだけど、ワタシはそれを避ける事はしなかったわ。
「だってね、その必要はないもの。そうよね白騎士」
ワタシの前には、アレシャス以外もブルーや十騎士たちが集まってて、守ってくれたの。
「な、何故じゃ!?」
「そんなに驚く事かな?」
「ワシの持ってるこれは、連射式の最新式だぞ!弾の速度は、人が反応出来る速度ではない!もう一度じゃ!!」
男が再度引き金を引いて、また凄い音が響いたけど、今度はわたしではなく、男に近づくアレシャスが標的だったわ。
無数の魔法の弾は、アレシャスに向かって飛んだけど、アレシャスの手に握られ、弾はその威力を失ったわね。
「もう弾切れ?」
「そそそ、そんなバカな!?」
「これしきの威力じゃ、何発撃っても僕は倒せないよ」
「良い気になるなよ成り上がり者が、ワシが1人な訳がないじゃろう」
男は、他にもいる事を匂わせ、窓の外に視線を向けたのだけど、窓には何も見えず拍子抜けしたの。
それは男も誤算だったのか、どうして何も起きないとか言って来たわね。
「だからね、そんな事をさせるわけないでしょ。あなたがここに入れたのも、こちらの予定だったんだよ」
「そ、そんなバカな!?」
「まったく、楽しい余興にもならなかったね、皆さんお騒がせしました」
アレシャスは、会場のみんなとわたしに謝ってくれたのだけど、カッコイイ姿を見れてわたしは満足だったわ。
でも、その中で満足してない人が1人いて、その人が白騎士ノヴァを呼んだのよ。
「何でしょうかマリア様」
「ロードネスの領地が空くのは困るのよ、だから白騎士にロードネスの領地を任せたいの、受けてくれるかしら?」
「そ、それは突然ですね、ちょっと即答できかねますよ」
白騎士ノヴァは多忙で、使用人も持ってないと断って来たわ。
だけど、それだけでお母さまが納得するわけもなく、こちらで手配するとか言い出したわ。
そして、既にその人たちは雇われていたみたいで、会場に入って来たの。
「あ、あなた達は!?」
「あら、もしかして顔見知りかしら?」
「いえ、わたくしたちは知らないですね、そうですよね白騎士ノヴァ様」
なんだか怪しい返事をしているメイドが先頭で答えたのだけど、それを聞いてアレシャスは顔をヒクつかせていたわ。
もしかしたら、ほんとに知り合いなのかもしれないと、後で問いただす事を考えました。
「じゃあ良いかしら、彼女たちがあなたを補佐するわ」
「わ、分かりましたマリア様」
「うんうん、これで王都の守りは更に強固になったわ、これからもよろしくね白騎士ノヴァ」
「は、はい」
凄く暗い返事をしたアレシャスは、メイドたちをチラチラと見ていたわ。
後になって聞いたのだけど、彼女たちはアレシャスが訓練した施設のメイドたちで、雇う約束をしていた仲だそうなのよ。
アレシャスの事を何でも知ってる人達、これはワタシも仲良くなりたいと強く感じたわね。
「じゃあ、お祝いを続けましょうか」
「その前に女帝様、白騎士ノヴァ様に会わせたい人がいます、少しだけ退出を許可してもらえますか?」
「許可しますダリア、ゆっくりお話しなさい」
メイドさんが頭を下げると、アレシャスは嫌そうな顔をして付いて行き、帰って来た時は、目元が赤くなっていたわ。
何があったのかは聞けなかったけど、とても嬉しい事が起きたらしくて、我が生涯に一片の悔いなしとか言っていたわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご愛読ありがとうございます、まったりーです
これでこのお話は完結とさせていただきます。
次のお話も出来ましたらご愛読宜しくお願い致します。
「何も知らないって、ほんとに悲惨よね」
自分の時もそうだったと、アレシャスが色々文句を言われてるのを眺めていたの。
相手は、そんなアレシャスの態度にイライラしてて、見てられなかったわね。
「何とか言ったらどうだ白騎士ノヴァよ」
「そう言われましても、魔弾ガンは他国の品で、ダンジョンに必要だから仕入れているだけです」
「ほうほう、では認めるのだな」
「認めるも何も、それを使って反逆なんてしませんからね」
なんとも空気の違う会話が飛び交っていて、会場の人達はどうしたものかと戸惑っているわ。
わたしの誕生日が台無しになるのは嫌だけど、ほとんど終わりに近かったし、アレシャスのカッコイイところが見れそうで楽しみなのよ。
「しらを切りおってからに、こちらは十分証拠を持っておるのだぞ」
「そうですか?僕はあなたの方が怪しいと思っていますよロードネス殿」
相手の名を告げると、そいつはびくっとして1歩下がったわ。
そいつは、言いがかりだと言いたそうだったのだけど、アレシャスがそのまま喋り始めて止まらなかったの。
「姿を消したダンジョンヒューマンたちは、あなたの領地の港から見つかりましたし、獣魔たちはあちらの国の匂いを嗅ぎ付けてて、大人数が滞在した様だと報告してます」
「な、ななな何を言い出すかと思えば、匂いじゃと」
「それだけじゃないよロードネス殿。さっき言ってた魔弾ガンなんだけど、僕と違ってあなたの港では、最新式が沢山仕入れられてたんだよね。初期型を学園に配布した僕と違って、何処に搬送されたのか調べたら、何処かに消えてた」
アレシャスがそこまで言うと、何と男が剣を抜いたのよ。
会場の騎士たちが一斉に剣を抜いたけど、お母さまがそこで出て来たわ。
「ロードネス公爵、わたくしも調べているのよ。あなたがあちら側である事をね」
「な、何を言いますか女帝様、ワシは国の為に研究しようと」
「それなら、それにふさわしい研究機関に輸送されるはずよね?でも、運んだ場所は王都の近くの小さな村よ。そこがどんなところか知ってるわよね?」
そこは、こいつの領地の王都に一番近い村で、研究できる場所でもないし、目的は明らかだったのよ。
そして、そこから大量の武器が発見られたと、エメローネが告げて男を指差したわ。
それを見て、十騎士のメンバーが男を囲んだのよ。
「くっ!そうか、ワシをはめるつもりだな、これだから汚れた血は嫌なのだ」
「そう考えるのも良いけどさ、そもそも不敬なのはあなたなんだよロードネス殿。ここはね、シャルティル姫様のお祝いの席だよ」
「な、何がお祝いだ!これでも食らえ!!」
男の剣が変形して大きな銃になり、ワタシに向けてその引き金を引いたのよ。
銃からすごい音がして、魔法の弾がワタシに向かって沢山飛んできたのだけど、ワタシはそれを避ける事はしなかったわ。
「だってね、その必要はないもの。そうよね白騎士」
ワタシの前には、アレシャス以外もブルーや十騎士たちが集まってて、守ってくれたの。
「な、何故じゃ!?」
「そんなに驚く事かな?」
「ワシの持ってるこれは、連射式の最新式だぞ!弾の速度は、人が反応出来る速度ではない!もう一度じゃ!!」
男が再度引き金を引いて、また凄い音が響いたけど、今度はわたしではなく、男に近づくアレシャスが標的だったわ。
無数の魔法の弾は、アレシャスに向かって飛んだけど、アレシャスの手に握られ、弾はその威力を失ったわね。
「もう弾切れ?」
「そそそ、そんなバカな!?」
「これしきの威力じゃ、何発撃っても僕は倒せないよ」
「良い気になるなよ成り上がり者が、ワシが1人な訳がないじゃろう」
男は、他にもいる事を匂わせ、窓の外に視線を向けたのだけど、窓には何も見えず拍子抜けしたの。
それは男も誤算だったのか、どうして何も起きないとか言って来たわね。
「だからね、そんな事をさせるわけないでしょ。あなたがここに入れたのも、こちらの予定だったんだよ」
「そ、そんなバカな!?」
「まったく、楽しい余興にもならなかったね、皆さんお騒がせしました」
アレシャスは、会場のみんなとわたしに謝ってくれたのだけど、カッコイイ姿を見れてわたしは満足だったわ。
でも、その中で満足してない人が1人いて、その人が白騎士ノヴァを呼んだのよ。
「何でしょうかマリア様」
「ロードネスの領地が空くのは困るのよ、だから白騎士にロードネスの領地を任せたいの、受けてくれるかしら?」
「そ、それは突然ですね、ちょっと即答できかねますよ」
白騎士ノヴァは多忙で、使用人も持ってないと断って来たわ。
だけど、それだけでお母さまが納得するわけもなく、こちらで手配するとか言い出したわ。
そして、既にその人たちは雇われていたみたいで、会場に入って来たの。
「あ、あなた達は!?」
「あら、もしかして顔見知りかしら?」
「いえ、わたくしたちは知らないですね、そうですよね白騎士ノヴァ様」
なんだか怪しい返事をしているメイドが先頭で答えたのだけど、それを聞いてアレシャスは顔をヒクつかせていたわ。
もしかしたら、ほんとに知り合いなのかもしれないと、後で問いただす事を考えました。
「じゃあ良いかしら、彼女たちがあなたを補佐するわ」
「わ、分かりましたマリア様」
「うんうん、これで王都の守りは更に強固になったわ、これからもよろしくね白騎士ノヴァ」
「は、はい」
凄く暗い返事をしたアレシャスは、メイドたちをチラチラと見ていたわ。
後になって聞いたのだけど、彼女たちはアレシャスが訓練した施設のメイドたちで、雇う約束をしていた仲だそうなのよ。
アレシャスの事を何でも知ってる人達、これはワタシも仲良くなりたいと強く感じたわね。
「じゃあ、お祝いを続けましょうか」
「その前に女帝様、白騎士ノヴァ様に会わせたい人がいます、少しだけ退出を許可してもらえますか?」
「許可しますダリア、ゆっくりお話しなさい」
メイドさんが頭を下げると、アレシャスは嫌そうな顔をして付いて行き、帰って来た時は、目元が赤くなっていたわ。
何があったのかは聞けなかったけど、とても嬉しい事が起きたらしくて、我が生涯に一片の悔いなしとか言っていたわ。
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ご愛読ありがとうございます、まったりーです
これでこのお話は完結とさせていただきます。
次のお話も出来ましたらご愛読宜しくお願い致します。
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