上流階級はダンジョンマスター!?そんな世界で僕は下克上なんて求めません!!

まったりー

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2章 1年1学期前半

25話 僕たちの6日間攻略その4

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そこは、ゴツゴツとした岩が山の様にそびえ立つフロアになっています。もちろん本当の山もありますが、草木は存在しなくて岩だらけです。


「さぁみんな、今遠くに見える山が今回の相手だよ、名前はマウンテン・ラオドラゴン」
「あ、あれでゴザルか?」
「我が主、あれは流石に」


全長10000m身の丈5000mはある超大型のドラゴンが今回の相手で、四足歩行のソイツは、ズシンズシンと地響きを鳴らし、山の様な岩を踏み砕きながら歩いています。
みんなはその振動と音を聞いて、スイリュウの時よりもビビっていますよ。


「まぁやって見れば分かるよ。空を飛べる火龍5体とリザードマンとリビングメンバーは空から攻撃、僕たちは前足を攻めるよ」


大きな奴は足元がお留守になる、そんなセオリーで足の攻撃と空部隊の顔攻撃が主流といった作戦です。
戦闘開始と山を駆け降りる僕たちだけと、近づいて見ると本当にデカいと見上げてしまった。


「こ、こんな足を斬れるニャ?」
「まるでどこかの塔だニャ~」


皆で見上げて攻撃に入れない僕たち、それだけ強大な足で片足だけでも直径100mはある。


「こ、これは本当に規格外だね」


多少の攻撃も固い皮膚で跳ね返してくるんじゃないかと、誰も攻撃が出来ないでいるんだ。
これは大変だと、僕は気合を入れて刀を抜き先頭になって斬りかかったんだ、見事にかすり傷にもならない程度の傷が刻まれたよ。


「でも斬れなくはない、みんな怖がらないで!僕たちは強い」
「そ、そうニャね」
「行くでワフ」


こうして僕たちと前足の死闘が始まったんだ。相手は一歩動くだけで地震の様な振動を起こし、その度にみんながしりもちを付いてしまう。


「くっ遊ばれている以前に、相手にもされてない感じだよ」


そんな気持ちは、頭を攻撃している空部隊も同じだったんだ。
息を切らせてしまう程の時間が経った時、休憩の為に火魔法で合図をしてそれを聞きました。


「こ、これは参ったね」


左足隊と空部隊は攻撃をしても相手にされず落ち込んでいました。とてもつらい戦いをして来たらしく、みんなの復活した自信が無くなってしまったよ。


「拙者たちは弱いのでゴザルかな?」
「分かるよその気持ち、僕たちもそうだったしね」
「そうニャ、だけどダメージにはなってるニャから、これからにゃよ」


全然相手にされなかったのは小手調べの間だけ、これからが本番だよっと、変形して動力満タンのゴーレムたちに合図を送ります。


「みんな落ち込まないで、まだ武技も使ってないでしょ、これからだよ」


鬼神たちも火龍たち空部隊も、まだまだ本気ではなく、普通の攻撃だけでどれほどのダメージを与えられるのかを見極めていたんだ。


「ニャー【ツインスラッシュ】ニャー」
「こっちも、武技【スラッシュ】」


僕たちは初級の武技を使い始め、さっきとは比べ物にならないダメージを与える事が出来た。
皮膚をえぐり肉を深く切り裂き、さすがにバランスを崩すだろうと見定めた僕たちは、やっと相手にされたと理解したんだ。


「傷が治って行くウサ」
「ちょ、超回復ニャ」


マウンテン・ラオドラゴンはスキルを使い始め、足が浮いたタイミングで傷がたちまちに治っていき、何事も無かったかの様に着地する。
手が出せない位置で回復され、これは作戦の変更が必要かと、空の戦いに目を向けます。


「空はダメージが残ってる感じだね」


ゴーレムの遠距離支援が加わり、回復の時間を与えてなかった。
これはあれの出番かもっと、収納から新たな刀を出したんだ。それはあの有名な斬鉄剣で僕の切り札だね。


「まだ使いこなせてないけど、みんなっ!!ジャンプして膝を狙うよっ!スキル【跳躍】」


いくら大きくても相手は生物です。間接を狙えば、きっとバランスを崩して倒れると考え、僕たちは狙いを膝に変更して、100m以上の高さにある膝の攻撃に向かった。


「ウサウサ~余裕ウサー」
「ピョン、ピョンだピョン」


ラビットマンたちはスキルを使わなくてもそれくらいの跳躍が出来て、ケットシーたちは木に登る様にしがみついてる。ウルフとコボルトは、空中を蹴ってジャンプしていた。
僕はみんなとタイミングを合わせ早速刀を抜いたんだ。


「吸い込まれそうな直刃、未完成でも行くよ【斬鉄剣】」


斬鉄剣の刃から50mは切断出来たけど、それではマウンテン・ラオドラゴンは膝を付かない。
完全に切断出来ないのは、僕が未熟だからで、まだまだだなぁ~っと悔やみます。


「「「「「ウサウサ~」」」」」


そんな僕をカバーしてくれるのは、やっぱり仲間のみんなで、僕の斬りつけた場所を集中して攻撃してくれた。


「よしっ!これなら足を斬れる!!」


僕はそう思って疑わなかった。でも、マウンテン・テオドラゴンがしっかりとした攻撃をして無い事に気づいてなかったんだ。


「これならって!?ヤバっ!!みんな散開防御体勢」


マウンテン・ラオドラゴンの体に光が宿り始めたのを見て、いち早く指示を出しみんなは守りを固めた。それがなかったら、僕たち足元組みは全滅してたかもしれない。


「光の玉?これなら斬ってしまえば」


マウンテン・ラオドラゴンは無数の光の玉を僕たちに飛ばして来た。僕は刀で斬る選択をしたけど、硬くて斬れなかった。
そのまま玉に押し込まれ吹き飛ばされたんだ。


「何だよあの球!斬れないし弾く事も出来なかった、みんなは平気かな?」


岩の山から這い上がり、瓦礫をどかして僕はみんなの確認をしました。
あれしきではみんなもやられたりしませんが、吹き飛ばされたからダメージは心配です。


「みんなは」
「ウ~サっ!怒ったウサ」
「仕返しするニャー!」


僕の心配は、みんなの元気な姿を見て杞憂に終わり、ホッとしてこれからの向上を感じた。
空部隊も健在で、旋回しながら魔法や火の玉を撃って戦っている様で、僕たちも早く戦線に戻ろうと走り出したんだ。


「マスター次はどうするニャ?」


僕は再度前足に向かって走ると宣言したけど、その直後にマウンテン・ラオドラゴンが足踏みを強くして来た。
足元に寄るなと言ってるみたいで、地団駄を踏んでる様に見え、僕は足元の攻撃を諦めたんだ。


「みんなついて来て、作戦変更だ」


その理由は激しい足踏み以外にもあって、あの光の球を常時背中から出し始めたからなんだ。
走っている僕たちにも球は飛んで来て避けるのが大変なんだよ。


「球を避けるなら、出て来るところを攻める」
「「「「「にゃるほど~」」」」」


ケットシーたちが納得して球を避けますが、ラビットマンたちがどうやって背中に乗るのかと突っ込んできます。
ジャンプしても膝に到達するくらいで、高さが全然足りないのは分かっていますから当然です。


「も、もしかしてニャ?」
「まさかウサよね?」


あれしかないと、走る方向は高台だった。その場所に向かう途中、みんなは予想していたみたいだけど、それが危険な事だと分かったのか、段々と怖がり始めたよ。


「ゴレムス!投石機に変形して僕たちを奴の背中に投げるんだ」
「ゴゴ!」
「「「「「やっぱりニャ~~」」」」」
「「「「「嫌だウサ~~」」」」」

あの高さに飛ぶにはそれしか方法は無いんだ。僕が最初に行くと叫び投石機の上に乗って見せ、ちょっと怖いけどみんなの見本になったんだ。


「ゴレムス頼んだよ」
「ゴゴ、リョウカイ」
「みんな、怖かったら来なくても良い。だけど下で攻撃を続けるんだよ」


残りのゴーレムたちに乗ろうとする子はまだいないけど、僕が飛ぶのを見て勇気を出し乗り込んだのがチラッと見え、左足戦闘部隊もこちらに気付いて向かって来ていたんだ。


「正攻法じゃダメなのは分かった、さぁ第二ラウンドだ。みんなの勇気も戻って来たしね」


悲鳴を上げて飛んで来るみんなに大声を掛け僕は走り出した。目標は背中を通り火龍たちが攻撃をしている、マウンテン・ラオドラゴンの頭です。


「マウンテン・ラオドラゴンを倒すには、もう頭を落とすしかない」


足を切断出来なかった僕たちは空のメンバーに加わる。僕たち全員のすべてを頭を支えてる首にぶつけるしかないと思ったんだ。


「これでダメなら、潔く撤退する。訓練を積んでまた挑戦だ」


タイダルスイリュウの時は、ズルズルと理由を付けて無理をしました。コンコンのおかげで成功したけど、あれは僕のせいでみんなに無理をさせたんだ。
だから今度は後悔のない様に最速で全力をぶつける。僕たちの連携を見せてやるよ。
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