70 / 132
3章 1年1学期後半
70話 夏休みの計画
しおりを挟む
「っと言うわけで、明日はみんなでリゾートダンジョンに行こうと思うんだ」
「そうね、うんそれがいいわ」
僕は今、孤児院の応接室でティアに勢いを付けて提案しています。
ほかにも、魔導具を作るのに魔法屋に行くとか色々話したんだけど、ティアの元気が無く、上の空な返事が返ってきます。
「ねぇシャンティ、どうしたのかなティア、元気がなさすぎるよ」
「そうなんです、どうしてか最近ずっとこうなんです」
ティアの隣に座っているシーラさんにも聞いたんだけど、ため息を付いて分からないって言ってきました。
その言い方は知ってそうなんだけど、教えてくれない様子で、誰か教えてよっとみんなに視線を飛ばしますが、僕の視線を避けて来た。
「仕方ない、ティアどうしたのさ、元気のない君はらしくないよ」
「うん、そうなんだけどね、ちょっと時間が掛かるのよ」
下を向きながらそう言われてしまい、時間で解決しようと放置が決まりました。
でもね、それはいつもの僕ならと言うのが前提であり、今話している内容ではそうも行かず、テンション高めに指摘します。
「しっかりしてよティア、明日から楽しいことが待ってるんだよ、僕に出来ることは手伝うから元気を出してよ」
僕は空気を読まず、立ち上がってティアの肩に手を置き伝えます。
シーラさんたちはおでこを押さえ下を向き、シャンティがため息を付いたのも気づかずに、さぁ立ってよとティアに声掛けをしてしまった。
それを聞いたティアはキッと睨んできて、僕は始めてやばい空気を感じ取れたんだ。
「ティア?」
「あなたが貴族だからいけないのよ!もうっ勝手にしてっ!」
ティアが怒鳴って立ち上がり、部屋を出ていってしまいました。
僕が貴族なのは仕方のないことなんだけど、それでどうしてティアが落ち込んでるのかが分かりません。
「あのぉ~シーラさん、僕は何かしてしまったんですかね?」
一番理由の知ってそうなシーラに聞いてみると、シーラも少し怒ってる感じで僕を睨んで来た。
「アレシャス様・・・いえ、ここはあえてアレシャス君と呼ばせてもらうわ」
「は、はい」
前置きで君呼びを強調してきたこの空気は、説教が始まる予感がして、僕はその場で正座を始めます。
「あなたは貴族だから分からないかもしれないけど、ティアちゃんの事をどう思ってるのか聞かせてほしいわね」
かなりお怒りの様で、腕を組んでかなり迫力があります。
ここで嘘を言ったら殺されるんじゃないかと言った迫力で、僕は生唾ゴクリと飲んで答えましたよ。
「孤児院の事を任せている仲間です」
「そう言ったことを聞いてるんじゃんないのよっ!」
テーブルを叩いて怒られ、ビクッと身体を震わせたよ。
しっかりと答えたつもりなんですけど、どこが違うのでしょう。
「アレシャス様、シーラさんはティアの事を好きなのかを聞いてるんですよ、私も気になります」
横に立っていたシャンティまでが怒っているようで、僕の方を向いて座って迫ってきます。
こんな空気で誤魔化す答えは出せませんから、僕は深呼吸をして覚悟を決めましたよ。
「それはもちろん好きだよ」
「「「「「だからそれじゃないのよ!!」」」」」
好きだって答えたのに、ここにいる全員に怒鳴られました。
シャンティはため息を付き、シーラさんなんて頭を抱えだしたよ。
「何が違うんですか、みんなのことが好きなのは本当です。元気な姿を見るとほっとするんだよ」
「その好きとは違うのよアレシャス君・・・それともあなたが言ってるのは、愛玩動物を見てるって方かしら?」
シーラさんにそう言われ、僕はティアのさっきの言葉を思い出していました。
つまり貴族はそういった扱いをするということで、平民や他種族を仕事の部下をメデていると思われたんだ。
「違いますっ!!僕は仲間として好きなんです、けしてペットなんて思ってません!」
「そうなのね・・・言い過ぎたみたいねごめんなさい」
シーラさんは直ぐに理解してくれたみたいで謝ってくれますが、ティアもそう思っているのが問題で、僕は大変な事をしていたと理解しました。
これからどうしようと悩んだけど、そんなの決まってます。
「あの子相当悩んでいるわ、だからしっかりと答えてあげてほしいの」
「いつも怒ってるから気づきませんでした。でもそうですね、しっかりと答えます・・・ですので、ティアを連れてきてもらえますか?」
シーラさんが僕の答えを聞き、ソファーからずれ落ちました「そこは追いかけるものでしょ」って言いたそうでしたが、僕が手を合わせお願いしたので立ち上がって部屋を出てくれましたよ。
「アレシャス君、あれは無いわよ」
「効率を考えたんですよロジーナさん」
「ヘタレ」
「あのあの、ダメですよネムほんとの事でもそんな事言ったら」
僕は違うと全力で否定しました。どこにいるか分からないティアを僕が探すより、よく知ってるシーラさんの方が適任だと思ってのお願いでした。
好きと言ってくれるティアに、僕からしっかりと自分の気持ちを伝える。たとえそれで断られてもです。
「アレシャス様、どう答えるつもりですか?」
「シャンティは知ってるでしょ貴族の結婚の事、僕が地方の領地を手に入れて、のんびりと過ごしていてもそれは変わらない」
僕が良くても、ティアが必ず傷つくから言わなかった。
でもそれを決めるのは彼女だし、それを支えるのも僕の役目だったんだ。
「獣人の間では浮気になるでしょ、番として認めてない相手が屋敷に来るんだからさ。だから言いたくなかったんだ」
「気持ちには気付いていたんですね」
「まぁね」
ツンデレが分からないわけありません。
だからそれを話して付いてきてくれるか、彼女の気持ちを聞く事が大事だと、やっと覚悟を決めました。
「ついて行くと言ったら、アレシャス様はティアを妻にするのですか?」
「どうかな?形だけの夫婦なんて嫌だろうから・・・僕としては、お互いをもっと知ってからの方が良いとは思ってる」
ティアの事だってその方が良いんだ、地方に行ってからこんなはずじゃなかったとか、傷つくことはないんだ。
シャンティは、そうですかっと一言返して来て、僕はもしかしてと気になってしまい、冗談風に聞いちゃったんだよ。
「もしかしてシャンティもとか?」
「そうですね、私も一緒に行きたいです」
「はいっ?」
凄く決意に満ちた目で言われ、僕は訳が分からなくなりました。
つまり、シャンティも僕の事を好きって事で良いのか、真剣な顔をしてるシャンティに聞いちゃったよ。
「僕なんかで良いの?」
「なんかではないです、アレシャス様だから付いて行きたいんです」
シャンティの目は助けただけでそんな気持ちになっている感じで、ティアもそうなんだと思ったよ。
しっかりと伝えて現実を教えようと、僕は嫌われる覚悟をした。
「シャンティ、僕なんかに付いてきても、たどり着くのは地方の何もない田舎暮らしだよ?」
「はい!」
「目標が地方貴族なのに、そこにたどり着くまではかなり過酷な道だし、たどり着いても女性の貴族が来るかもしれないんだよ?」
「それでもです、私はアレシャス様の計画を知っていますし、メイドとして元からそのつもりでした。でもティアを見てて、私も一緒が良いと思ったんです」
妾と言われても財産目当てと噂されても良いと、なんだか凄いことを言い出すシャンティに、僕は何も言い返せなくなりました。
獣人は一夫多妻制の所が多いと聞きましたけど、それでも付いて来ると言う事は、それだけの覚悟があると理解しました。
「シャンティ、君の気持ちは分かったよ。でも、まずはお互いをもっと良く知ることから始めようね」
「はい!アレシャス様」
すごく輝いた目をして尻尾まで振ってくるシャンティには、さすがの僕も覚悟を決めましたよ。
撫でられるのがよほど嬉しいんでしょうけど、結婚活動以外も僕には問題はあるんだ。
「ムクロスにしかまだ教えてない僕の秘密。モンスターたちを使役している事もそうだけど、人を殺めていると分かったら、きっとみんなは躊躇うよ」
小声の僕の言葉も聞こえないほど、シャンティは嬉しそうにしてくれます。
でも、何とかできなかったのかと、僕でもそれに押しつぶされそうになって後悔してるんだ。
「お待たせ・・・って、これはどういった状況なのかしら?」
僕がシャンティの頭を撫でてヨシヨシとしていると、シーラさんがしょげているティアを連れてきてくれました。
今の状況が分からないのも無理なかったので、僕はそのままで説明しました。
ティアはシャンティと同じで、付いて来ると言ってくれて、予定の夏休み計画を進めたんです。
「そうね、うんそれがいいわ」
僕は今、孤児院の応接室でティアに勢いを付けて提案しています。
ほかにも、魔導具を作るのに魔法屋に行くとか色々話したんだけど、ティアの元気が無く、上の空な返事が返ってきます。
「ねぇシャンティ、どうしたのかなティア、元気がなさすぎるよ」
「そうなんです、どうしてか最近ずっとこうなんです」
ティアの隣に座っているシーラさんにも聞いたんだけど、ため息を付いて分からないって言ってきました。
その言い方は知ってそうなんだけど、教えてくれない様子で、誰か教えてよっとみんなに視線を飛ばしますが、僕の視線を避けて来た。
「仕方ない、ティアどうしたのさ、元気のない君はらしくないよ」
「うん、そうなんだけどね、ちょっと時間が掛かるのよ」
下を向きながらそう言われてしまい、時間で解決しようと放置が決まりました。
でもね、それはいつもの僕ならと言うのが前提であり、今話している内容ではそうも行かず、テンション高めに指摘します。
「しっかりしてよティア、明日から楽しいことが待ってるんだよ、僕に出来ることは手伝うから元気を出してよ」
僕は空気を読まず、立ち上がってティアの肩に手を置き伝えます。
シーラさんたちはおでこを押さえ下を向き、シャンティがため息を付いたのも気づかずに、さぁ立ってよとティアに声掛けをしてしまった。
それを聞いたティアはキッと睨んできて、僕は始めてやばい空気を感じ取れたんだ。
「ティア?」
「あなたが貴族だからいけないのよ!もうっ勝手にしてっ!」
ティアが怒鳴って立ち上がり、部屋を出ていってしまいました。
僕が貴族なのは仕方のないことなんだけど、それでどうしてティアが落ち込んでるのかが分かりません。
「あのぉ~シーラさん、僕は何かしてしまったんですかね?」
一番理由の知ってそうなシーラに聞いてみると、シーラも少し怒ってる感じで僕を睨んで来た。
「アレシャス様・・・いえ、ここはあえてアレシャス君と呼ばせてもらうわ」
「は、はい」
前置きで君呼びを強調してきたこの空気は、説教が始まる予感がして、僕はその場で正座を始めます。
「あなたは貴族だから分からないかもしれないけど、ティアちゃんの事をどう思ってるのか聞かせてほしいわね」
かなりお怒りの様で、腕を組んでかなり迫力があります。
ここで嘘を言ったら殺されるんじゃないかと言った迫力で、僕は生唾ゴクリと飲んで答えましたよ。
「孤児院の事を任せている仲間です」
「そう言ったことを聞いてるんじゃんないのよっ!」
テーブルを叩いて怒られ、ビクッと身体を震わせたよ。
しっかりと答えたつもりなんですけど、どこが違うのでしょう。
「アレシャス様、シーラさんはティアの事を好きなのかを聞いてるんですよ、私も気になります」
横に立っていたシャンティまでが怒っているようで、僕の方を向いて座って迫ってきます。
こんな空気で誤魔化す答えは出せませんから、僕は深呼吸をして覚悟を決めましたよ。
「それはもちろん好きだよ」
「「「「「だからそれじゃないのよ!!」」」」」
好きだって答えたのに、ここにいる全員に怒鳴られました。
シャンティはため息を付き、シーラさんなんて頭を抱えだしたよ。
「何が違うんですか、みんなのことが好きなのは本当です。元気な姿を見るとほっとするんだよ」
「その好きとは違うのよアレシャス君・・・それともあなたが言ってるのは、愛玩動物を見てるって方かしら?」
シーラさんにそう言われ、僕はティアのさっきの言葉を思い出していました。
つまり貴族はそういった扱いをするということで、平民や他種族を仕事の部下をメデていると思われたんだ。
「違いますっ!!僕は仲間として好きなんです、けしてペットなんて思ってません!」
「そうなのね・・・言い過ぎたみたいねごめんなさい」
シーラさんは直ぐに理解してくれたみたいで謝ってくれますが、ティアもそう思っているのが問題で、僕は大変な事をしていたと理解しました。
これからどうしようと悩んだけど、そんなの決まってます。
「あの子相当悩んでいるわ、だからしっかりと答えてあげてほしいの」
「いつも怒ってるから気づきませんでした。でもそうですね、しっかりと答えます・・・ですので、ティアを連れてきてもらえますか?」
シーラさんが僕の答えを聞き、ソファーからずれ落ちました「そこは追いかけるものでしょ」って言いたそうでしたが、僕が手を合わせお願いしたので立ち上がって部屋を出てくれましたよ。
「アレシャス君、あれは無いわよ」
「効率を考えたんですよロジーナさん」
「ヘタレ」
「あのあの、ダメですよネムほんとの事でもそんな事言ったら」
僕は違うと全力で否定しました。どこにいるか分からないティアを僕が探すより、よく知ってるシーラさんの方が適任だと思ってのお願いでした。
好きと言ってくれるティアに、僕からしっかりと自分の気持ちを伝える。たとえそれで断られてもです。
「アレシャス様、どう答えるつもりですか?」
「シャンティは知ってるでしょ貴族の結婚の事、僕が地方の領地を手に入れて、のんびりと過ごしていてもそれは変わらない」
僕が良くても、ティアが必ず傷つくから言わなかった。
でもそれを決めるのは彼女だし、それを支えるのも僕の役目だったんだ。
「獣人の間では浮気になるでしょ、番として認めてない相手が屋敷に来るんだからさ。だから言いたくなかったんだ」
「気持ちには気付いていたんですね」
「まぁね」
ツンデレが分からないわけありません。
だからそれを話して付いてきてくれるか、彼女の気持ちを聞く事が大事だと、やっと覚悟を決めました。
「ついて行くと言ったら、アレシャス様はティアを妻にするのですか?」
「どうかな?形だけの夫婦なんて嫌だろうから・・・僕としては、お互いをもっと知ってからの方が良いとは思ってる」
ティアの事だってその方が良いんだ、地方に行ってからこんなはずじゃなかったとか、傷つくことはないんだ。
シャンティは、そうですかっと一言返して来て、僕はもしかしてと気になってしまい、冗談風に聞いちゃったんだよ。
「もしかしてシャンティもとか?」
「そうですね、私も一緒に行きたいです」
「はいっ?」
凄く決意に満ちた目で言われ、僕は訳が分からなくなりました。
つまり、シャンティも僕の事を好きって事で良いのか、真剣な顔をしてるシャンティに聞いちゃったよ。
「僕なんかで良いの?」
「なんかではないです、アレシャス様だから付いて行きたいんです」
シャンティの目は助けただけでそんな気持ちになっている感じで、ティアもそうなんだと思ったよ。
しっかりと伝えて現実を教えようと、僕は嫌われる覚悟をした。
「シャンティ、僕なんかに付いてきても、たどり着くのは地方の何もない田舎暮らしだよ?」
「はい!」
「目標が地方貴族なのに、そこにたどり着くまではかなり過酷な道だし、たどり着いても女性の貴族が来るかもしれないんだよ?」
「それでもです、私はアレシャス様の計画を知っていますし、メイドとして元からそのつもりでした。でもティアを見てて、私も一緒が良いと思ったんです」
妾と言われても財産目当てと噂されても良いと、なんだか凄いことを言い出すシャンティに、僕は何も言い返せなくなりました。
獣人は一夫多妻制の所が多いと聞きましたけど、それでも付いて来ると言う事は、それだけの覚悟があると理解しました。
「シャンティ、君の気持ちは分かったよ。でも、まずはお互いをもっと良く知ることから始めようね」
「はい!アレシャス様」
すごく輝いた目をして尻尾まで振ってくるシャンティには、さすがの僕も覚悟を決めましたよ。
撫でられるのがよほど嬉しいんでしょうけど、結婚活動以外も僕には問題はあるんだ。
「ムクロスにしかまだ教えてない僕の秘密。モンスターたちを使役している事もそうだけど、人を殺めていると分かったら、きっとみんなは躊躇うよ」
小声の僕の言葉も聞こえないほど、シャンティは嬉しそうにしてくれます。
でも、何とかできなかったのかと、僕でもそれに押しつぶされそうになって後悔してるんだ。
「お待たせ・・・って、これはどういった状況なのかしら?」
僕がシャンティの頭を撫でてヨシヨシとしていると、シーラさんがしょげているティアを連れてきてくれました。
今の状況が分からないのも無理なかったので、僕はそのままで説明しました。
ティアはシャンティと同じで、付いて来ると言ってくれて、予定の夏休み計画を進めたんです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
124
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる