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1章 誕生

14話 新たなボーナスモンスター

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「ダリア先生!武技で必ず攻撃が当たる物ってありますか?」


どうもアレシャスです。僕はあれから実直に鍛錬を積み、ダンジョンの攻略をしていました。そして今、とても大変な問題に遭遇していて、ダリアに助けを求めたんです。
僕の無駄遣いから1ヶ月、悔しさをぶつけるようにダンジョンの攻略に力を注いできた、僕の勢いを止めた問題、それは色違いのワタガシが出現して倒せなかった事に他なりません。


「攻撃を当てるだけならありますが、それはあまりおすすめしません。前に言ったように武技は一撃必殺の為にあり、闘気を上げれば、下級の物でも攻撃力があがり何倍にもなる。しかしアレシャス様の言っている武技は、普通の攻撃よりも威力は落ちてしまう代物です」


剣術の稽古でダリアから武技を教わる様になって、初級の【アタック】や【スラッシュ】を覚えた僕は、レベルの高いからダリアより遙かに強くなってしまっています。更に魔法も教わるようになった僕だけど、教わった物を全て使ったけどそいつは倒せなかった。背後から攻撃をしても全て避けられてしまうんだ。


「それでも良いから教えてよダリア先生」
「あれはそれほど必要だとは思えません、他の魔法とかの方がよろしいのでは?」


教えてもらえなさそうな空気を出してくるダリアに、これは説得しないとダメだと、僕は戦いにも色々ある事を語ったよ。


「相手の体勢を崩すのに使ったり、フェイントにも出来るよ。だから教えてよダリア」
「まぁそうまで言うのでしたら」


ダリアは嫌々ながらも教えてくれます。それは突き系の武技で【必中】と言うモノでした。僕は1週間を掛けて会得し今度こそと気合が入ります。
ダリアから教わる事は、ダンジョン攻略にとても役に立っています。中でも中級武技の【パワーブレイク】は、ダンジョン攻略に大きく貢献していて、ダリアにはほんとに感謝しているんだ。


「1週間、頑張りましたねアレシャス様」
「付き合ってくれてありがとダリア、今度埋め合わせするよ」
「あらあら、それは楽しみにしていますよ」


夜の方を期待してそうな顔をしてくるダリアだけど、僕は品物を渡す方を考えてる。ダリアに似合いそうな装飾品はネックレスとか腕輪が良いかもと考えます。
あれから更に色々あった僕は、もう裸でもキングクラスは倒せる強さになっていて、品物を交換しても余るほどのポイントがるんだよ。


「さて、いよいよあのワタガシを倒しまくれるぞ」


僕の最初の標的は黄色いワタガシで、こいつらは5階層目から出現するようになりました。白いワタガシは4階層から出てこなくなり、何かあると思ってダンジョンを改造して出現させることが出来たんだ。だけど今までの様に倒せなくて困っていた、壁で待ち伏せしても気付かれて逃げられるし、離れて魔法を撃っても避けられる。


「今の僕でも追いつけないとか、絶対あのキャラだよね」


101レベルの僕でも、追いつけない程だった黄色いワタガシは、ダリアから教わった【パワーブレイク】でなんとか倒せています。今回ダリアに教わった武技は、そいつ用ではなく次のやつに使うんだ。
ダンジョンをドンドン作っていて出るようになったそいつは、黄色ワタガシ100匹に1匹位の割合で出現し、1度だけ僕は見ているんだ。


「とりゃぁぁ【必中】」
「ピィー」


武技の試し打ちに黄色ワタガシを倒しながら、あいつが出現しないか待っています。でも流石に出現率が悪いので出てこない、これは持久戦になると、他のモンスターを倒して回ります。
そいつは銀色の毛を持つワタガシ、絶対に沢山の経験値を貰えると期待している存在です。


「銀色をしたワタガシ・・・僕の攻撃を弾き飛ばしたあいつに一撃を入れられれば、きっと更にレベルが上がるのに・・・早く出てきてよね!」
「ガウゥゥ~」


5階層目に設置したウルフを倒して、僕は一人叫んでいます。黄色ワタガシは経験値を5000くれるから、銀色はどれくらいになるのか、100レベルを超えて全然レベルが上がらなくなった僕は、とても楽しみにしてるんだ。
そして、しばらくウルフやウルフの上位種であるロックウルフを倒していると、ついに出ました。


「よし名前がない!出たよ、ついに出た!急がないと」


僕は急いで銀色ワタガシの進行方向に移動しました。途中のウルフたちは瞬殺し、ドロップ品を僕は拾わずに走り抜けます。


「回収頼んだよ」
「「「「「ワワ~ン」」」」」


モンスターを使役する事が出来るようになったから回収は任せてる。更にモンスター融合でそいつ等のレベル上限を上げ、モンスター育成ゲームのような事が出来るようになっているんだ。
モンスターたちが僕の代わりにアイテムを拾うと、アイテム欄に自動的に入ってくれて超便利です。更に他の階の戦闘をそいつらに任せていても、僕に経験値が入りレベルも上げ放題なんですよ。


「回収も戦闘も短縮出来てるのに、僕のレベルは5日に1度上がるかどうか。経験値がもっと欲しいよ」


それが今の僕だとため息が漏れます。モンスターたちは、白ワタガシ討伐を失敗することがあるから、僕が戦うよりは効率は悪いけど、ダンジョンポイントは入るから十分利益になってます。


「よし、みんな散開して」
「「「「「ワワ~ン」」」」」


僕の指示で5匹のコボルトたちが壁を囲んで配置に付きました。こいつらはドロップ品回収班以外にも戦闘も出来ます。他にも用途によってメンバーを変えていて、例えば攻撃重視であれば4階層を任せている、スライム騎士部隊と行動しますし、探索重視なら3階層に行ってるネコニンジャ部隊と一緒って感じです。


「これでダメなら、会心の方になるけど・・・お願いだよ成功して」


大きな斧を持ったラビットマンが武技の【大振りアックス】を覚えてて、会心の一撃が出せる。ゲームでは定番のレベル上げに期待しているんです。
他にも背中に乗って戦えるウルフ機動部隊と共にしたり、補助魔法や攻撃魔法を使えるネコマジシャン部隊を使って、ちょっと1人で戦いたくなったりと、僕の戦いは少々変わって来た。


「これで倒せれば、ラビットやケットシーをモフってお祝いだね」


ネコが少々多いのは僕がネコ派だからで、たまに一緒に寝てモフリまくっていますよ。


「今だっ!武技【必中】」


僕の装備も色々変わっていて、鎧は鉄一式にして剣は刀を使ってる。それと言うのも、子供の僕じゃ力がどうしても弱くなるんだ。ステータスの数値としては高いのに、マイナス補正が付いているのか斬り倒すまでにはいかない。


「ピギィー」
「良しっ!倒したぞー」


僕を強くしてくれたのは剣ではなく刀で、まだまだ業物じゃないけど、折る事はなくなった。
和洋中の部屋を作ったのはみんなの服の為だったけど、思わぬ副産物が手に入ったとそれを知った時は嬉しかった。


「さてさて、ドロップ品は何かな?」


見事に銀色ワタガシを倒し消滅させ、どんな砂糖が入っているのか楽しみにします。黄色ワタガシからドロップしたのはザラメで、今回は角砂糖でしたよ。
そしてステータスを確認して目標が達成できて喜んだ。今使っている刀は侍ラビットのモノだったけど、やっと出たレアな刀を折りたくなくて、剣術スキルが4に上がるのを待っていたんだ。


「やっとあれが使える、待っていたよ」


楽しみにしていたあの綺麗な刀を使えると、アイテム欄から取り出し鞘から引き抜いた。綺麗な刃が光ってて吸い込まれそうになったよ。


「5階層のウルフボス、侍ウルフのレアドロップ品の名刀ムラマサ。早く使ってみたいね」


一度屋敷で使って見た時、僕の腕でも岩をスパスパっと切ったんだ。あれは凄いと思ったし、同時に自分の実力の無さを悔やんだよ。
だからムラマサに似合う腕になりたくて、その時から剣を振って振って振りまくってきた。


「ダリアに変な目で見られても、剣から刀に変えて使い続けたからかな、スキル以上に伝わって来るね」


良く分からないけど、鞘から抜いた時に力を感じたんだ。これが業物に備わる力なのかもしれないと、僕はこれに相応しい男を目指したくなった。
銀色ワタガシを倒した以上に、経験値が一気に1万手に入った事よりも、刀を使える方が嬉しかった。元日本人とか関係なく、僕は力を手に入れてうれしかった。


「だけど暴走してるわけじゃない、これが妖刀とか魔剣との違いなのかもしれない」


妖刀ではない刀で良かったと、ムラマサに頬をスリスリします。そして、ここから僕もある覚悟を決めます、今までずっと嘘を付いていたあの人たちに本当の事を話すんだ。
聞かれたら話す、それは付け加えるけど誤魔化す事はしたくない。その為のプレゼントも用意して、僕は今日帰ろうと思います。でもその前にとダンジョンステータスを出して確認します。


「1450万P、これなら作ってるあれに10万Pのあれを添えて皆に配れる」


アイテム交換録の未練、あれを活用してみんなに色々奉仕したけど、お詫びの品として用意したくて、ポイントを更に振って8階の宝石店を出したんだ。
言葉も勿論伝えるけど、今までずっと嘘を言ってたからそれくらいの品は必要と、僕はちょっと怖くなっています。色々な事が出来る様になっても、人の気持ちを見る事は出来ません、変える事も出来ないから許して貰えるのか心配なんだ。


「僕の誠心誠意の品、きっと分かってもらえるよね」


ダンジョンには色々な使い方がある。ボーナスポイントを使ってダンジョンを複数使って試したけど、その中には細工師が行うような作業も入ってた。もっと強い武器を作りたいのと同じ様に、みんなに喜んでほしくて頑張っていた。
これで許して貰えるなら、僕はポイントを使い次に進める。今まであまり使わなかったのは、自分の力だけで謝罪したかったからで、ポイントを使って出した物だけを渡したくなかった。それは謝罪にならないと僕が思っていたからだね。


〈ダンジョンボーナスポイント〉117
・所持ダンジョン数4
・モンスター出現率2
・モンスター覚醒率2
・ドロップ率2
・宝箱出現率2
・アイテム交換録8
・モンスター使役5
・モンスター融合2
・通路強化2
・部屋強化3
・移動設備強化2
・階層強化2
・ログ機能1
・???
・???
・???
etc


まだetcがあるダンジョンボーナスポイント。だから余計自分も頑張らないといけない気になったんだ。人は楽をしたらそれに飲まれる生き物で、ダメになるからね。
そうならない為に僕は努力を続ける覚悟はある、何よりダンジョンの攻略の為にも頑張るんだっと、話に夢中になってしまった僕をジッと見ていたワンコたちに謝罪したよ。


「さてみんな、ダンジョン探索を進めよう!」
「「「「「ワワ~ン!」」」」」


僕のかけ声にコボルトたちが片手を上げて賛成してくれました。こうやって誰かが答えてくれるのはとても喜ばしい事で、ますますやる気が出てきます。
ダリアたちともそう言った仲になりたい、そう思って4時間たっぷりとダンジョン探索を頑張りました。
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