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1章 誕生
9話 変わってきた日常
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「ダリア質問!」
ダリアたちも落ち着き、安定してダンジョンに入る様になって1週間が経ちました。レベルも3に上がりポイントも溜まって来て、そろそろ次の段階に進もうと考えていて、その為にモンスターの強さを確認したくて質問しました。
正直、スライムの強さがあまり理解できてません。そんな中でゴブリンを設置するのは自殺行為だと考えていて、小部屋を設置するか、下の階層を作るかで迷っているわけです。
ショートソードだけで対処するのではなく、ダリアにおねだりして注文した革の盾が届くのを待つのも手で、他にもレベルが5になってからとか、色々思い付く中での質問です。
「何か分からない事でもありましたか?」
「今の授業の所じゃないんだけど、疑問に思っている事なんだよダリア。あのね、スライムって強さ的にはどれくらいなのかな?ゴブリンの半分とか、数値を知りたいんだ」
今戦っているのは緑のスライムで通称グリーンスライムと言います。核を壊せれば簡単に倒せる相手とされていて、子供でも倒せる弱いモンスターなんだけど、僕はそんな相手に最初は苦戦した。だから3レベルに上がり、ほとんどの数値が300になった今の僕が対処できるのかを確認したいんですよ。
「数値ですか?」
「うん、前にも教えてもらったんだけど、いまいち分かってないんだ」
MPに至っては500ずつ上がっていて、1500まで到達しています。今後魔法も使いたいと考えているけど、まずは出来る事からとダリアの答えを待ちます。ダリアは勉強熱心だと感心して、黒板に文字を刻み始めたよ。
「モンスターの強さは、表を見て貰うのが早いです。教科書の最後を見てください」
黒板の文字はその後の補足に使うんだと、教科書を開いてみます。そこにはスライムやゴブリンの他に人の絵が描かれていて、絵の下には数値が記載されていました。
8歳と書かれた人種の絵の下には50と書かれていて、成人していて武器を持っている人種の絵には200、スライムが子供と同じで50でゴブリンが150の記載がありました。
「さて、数値を見て貰えば分かると思いますが、ゴブリンの平均数値は150です。個体差はありますが、大体こんな感じですね」
黒板に書いた補足は武器や防具のプラスの例で、スキルも少し記されていました。だから僕はスライムに勝てたのかと、背中がヒヤッとしてきました。
でも僕の元の数値は大体100でした、子供が50となると変じゃないかと疑問が生まれます。それに答えたのは黒板の文字を刻み終えた、ダリアの補足の言葉でしたよ。
「この数値はあくまでも目安と思っていた方が良いです。例えば1レベルの大人は100となっていますが、一般人である大人が200の冒険者に勝てないかと言えばそうではありません」
状況や相性で数値は意味をなさないのがダリアさんの解説で分かったよ。子供が50とされる理由も、ステータス以上に不測の事態に弱いからだった、同じ50のスライムに苦戦したのも、納得して頷いたんだ。
「これで分かる通り、この数値はあくまでも目安で、武器が違っただけでも変わります」
ダリアに言われ、僕はまたなるほどって納得です。つまり今の僕は子供に毛の生えた程度の強さしか持ってないんだ。
木の剣から普通のショートソードに持ち変え、防具も運動着から革の鎧にしているけど、まだまだゴブリンを相手には出来ない、数値がそれを物語っていると方針が決まったね。
「じゃあ、僕を良く知ってるダリアから見て、ゴブリンを僕が倒すにはどれくらいの装備が必要かな?」
「それは、普通の物では無理ですね」
「え!?」
僕はちょっと確認の為に聞いてみた質問だったけど、ダリアの答えを聞いてびっくりです。
つまり、1レベルの僕では何をしても勝てないと言う事で、スキルや武技やレベルを上げてから挑戦して下さいと言ってくれたよ。
「ですがアレシャス様」
「分かってるよダリア、僕の本業は結婚活動って言うんでしょ、でも強い人に惹かれることもあるんじゃないの?」
ニヤニヤ笑顔で言って見ると、予想通りダリアは顔を赤くしてきます。最近揶揄う余裕の出来た僕ですけど、まだまだだったと気を引き締めます。
ダリアの好みは知ってますから、こうしているととても可愛いくて、ギャップ萌えを体験しています。そして、しばらく勉強は脱線してダリアの雑談は続き、小さい子の背伸びをしている姿が可愛いとか、怒っているのに可愛く見えるとか、いつもの会話が聞けてその内に昼食になりました。
「今日の夕食は何かなマーナス」
「はい、今日はメローナシープの腸詰めと、アレシャス様が作った農園のトマトを使ったスープになります」
凄く生き生きとして答えてくれたのは、いつものメンツのマーナスです。最初は大変だった結婚活動の訓練も、今では楽しいお喋りの時間に変わっていて、今日も練習が楽しみとふたりは嬉しそうに話してきます。マーナスとリーナの様な同姓愛者はここには沢山いて、僕はそれに挟まれるから楽でいいんだよ。
「そうなんだね、腸詰めはこの前作ったあれかなリーナ?」
「そうですよアレシャス様、ハーブを入れた特別な物でとても香りが良いです」
どんなことにも対応できる男性貴族、ここで色々してきた僕はそれを達成できているとダリアも喜んでいて、色々な性癖の相手にも対応してた。最初は出来たら良いねって程度だったけど、僕は立派に成し遂げてるよ。
「リリシャに、いつもありがとうって言っておいてね」
「わかっていますよアレシャス様、リリシャも喜びますわ」
マーナスが笑顔で答えてくれますが、まだまだ仲良く出来てないメイドさんはいます。人見知りの料理人リリシャの様に、結婚活動の訓練に参加してないメイドさんがいて、会う事がとても少ない人達なんだ。
ここには総勢30人のメイドさんがいて、僕が相手をするのは20名となっています。最初に全員と思っていた時が懐かしいと思いつつ、僕は二人と別室に向かい訓練を済ませ、やっとの事で部屋に戻ってきました。
「さぁ、お楽しみのダンジョンです」
ショートソードとお鍋のフタ、それと革のブーツに手袋に鎧を装備してちょっとしょんぼりしているんです。レベルを上げるには、経験値を1000溜めないと普通はレベルが上がらない。
「500で済むのにまだまだとか、ほんとにスライムって弱いよね」
半分で済んでる自分はチートでラッキーっと喜んでいた時があった。だけどそれは今日の授業で油断はダメだと分かったんだ。
レベルアップに必要な数値は10レベル毎に変動します。10レベルまでは1つ上げるのに1000必要で、11からは2000と倍になり、21からは更に4000と必要で大変なのが分かった。
「能力が100ずつ上がるから強くなった感はあるし、僕は半額で済んでるからまだ良いんだけど・・・ダンジョンポイントと同じでもっと欲しいね」
今持ってるダンジョンポイントは、最初に残った300から増えて25400Pです。これは最初と比べると多いと思うでしょうけど、正直少ないと思っています。今の僕のダンジョンにはまだ部屋が存在しないし、それを作ったら直ぐになくなっちゃう。
そこで僕は凄く悩んでいたわけで、ダンジョンの中を歩きグリーンスライムを剣で倒しながら、今日はそれの対処をしたいと思っています。
「ダンジョンをどんなに広くしても、通路だけじゃグリーンスライムしか出てこないのも分かった。ゲームとの違いも検証したし、ほんとに今日は楽しみだね」
ワクワクしながらグリーンスライムの掃除を急ぎ、400m四方になっているダンジョンを走り抜けたんだ。
もっと広くして更に部屋を作っていくか、階層を下にのばしダンジョンを深くするか悩んでいたけど、ダリアさんのおかげで方針が決まったと、お礼の念を飛ばしておきました。
「階層でモンスターを固定出来るのは、ポイントが減らなくて転生者のチート様様だと思ってたけど、やっぱりデメリットも大きかったね」
階層でモンスターを固定した場合、他の種類のモンスターが設置出来ませんでした。更にダンジョンの難易度を上げなければノーマルクラスしか生まれず、正直飽きてしまっていたんだ。
「階層召喚の解除は出来るけど、解除と再設置の考えると勿体ない」
モンスターの階層召喚は解除も出来る事は分かっていたけど、だからこそ部屋を設置して他のスライム系モンスターの出現を期待していた。だけど僕は下に階層を増やす事を決めたんだ。
「ゴブリンを使わず、弱いモンスターを設置したレベル上げが一番だよ。更にポイントもゲットできるから、1階には部屋を作って強さの検証をする、これが一番だね!」
グリーンスライムを全部倒し終わったところで答えを出しました。2階層に設置するのはラビットで、更に僕は攻めに転じた。レベルが3に上がったことでダンジョンボーナスポイントが7ポイントに増え、更に???だった欄もいくつか見えるようになっていたんだ。
〈ダンジョンボーナスポイント〉5→7
・所持ダンジョン数1
・モンスター出現率1
・モンスター覚醒率1
・ドロップ率1(新)
・宝箱出現率1(新)
・???
・???
・???
etc
ダンジョンゲームに良くあるモノが見える様になり、僕はちょっと割り振りをしてみようと考えた。召還スピードに1つ振り、30分だったモンスター召還を15分に短縮です。これは弱いモンスターを設置した本当の狙いでもあって、ついでにドロップ率にも1つ振り2に上げます。
今までは3分の1くらいの確率でスライムからドロップしてたけど、これで半分になるのかと楽しみです。
「さて、ボーナス割り振りをして方向性も決まった。部屋に戻って早速ダンジョンの増設をしようかな・・・あれ?」
ダンジョンの増設は誰も入っていない時にしか出来ません。なのでダンジョンボーナスポイントだけを割り振っていて、帰還の門と言うダンジョンから即時帰還できる門を出そうとダンジョン画面を出した時、いないはずの赤点がある事に気がついたんだ。
「おかしいな?いつも通りで48匹倒しているはずなんだけど、短縮されたにしても早すぎる。経験値を見る限り数を間違っているわけじゃって!?なんだよこいつ!」
僕は画面を見ながら悩んでいると、そのモンスターが壁をすり抜け隣の通路に入ったのが分かりました。最初は通路通りに進んでいたけど、正体不明のそいつはずっとまっすぐに進んでいるんです。
これは僕の知ってるグリーンスライムじゃない!?ダンジョンゲームをしていなくても、誰でも分かる現象が起きたと緊張しました。
「もうすぐここにくる、どんな奴なのか確認だけしよう。もし強そうだったら、帰還の門に飛び込めば良いんだ」
門は既に自分の後ろに出してあります。僕は武器を構えてモンスターを待ち、そいつは壁を抜けて来た。僕は腰を低くして戦闘態勢を取りますが、相手を見て少し力が抜けたんだ。
「なにあの白い小さなもじゃもじゃ?・・・綿飴?それとも」
僕がじっと見ていたからでしょうか?白いもじゃもじゃがこちらに気づき毛を逆立てたんです。そして凄い勢いで逃げていきました。
僕は速さよりも、アイツの存在の事で頭がいっぱいだった。あれはスライムではないのは確実で、どうして存在しているのかと疑問しか生まれてこなかったんだ。
「なんだったんだろう、スライムではないよね」
画面を確認したけど、そいつは一直線に移動をしてて、そのモンスターの反応は消えてしまった。とりあえず、明日ダリアさんに聞くことにして部屋に戻り、階層の増設を始めたんですよ。
ダリアたちも落ち着き、安定してダンジョンに入る様になって1週間が経ちました。レベルも3に上がりポイントも溜まって来て、そろそろ次の段階に進もうと考えていて、その為にモンスターの強さを確認したくて質問しました。
正直、スライムの強さがあまり理解できてません。そんな中でゴブリンを設置するのは自殺行為だと考えていて、小部屋を設置するか、下の階層を作るかで迷っているわけです。
ショートソードだけで対処するのではなく、ダリアにおねだりして注文した革の盾が届くのを待つのも手で、他にもレベルが5になってからとか、色々思い付く中での質問です。
「何か分からない事でもありましたか?」
「今の授業の所じゃないんだけど、疑問に思っている事なんだよダリア。あのね、スライムって強さ的にはどれくらいなのかな?ゴブリンの半分とか、数値を知りたいんだ」
今戦っているのは緑のスライムで通称グリーンスライムと言います。核を壊せれば簡単に倒せる相手とされていて、子供でも倒せる弱いモンスターなんだけど、僕はそんな相手に最初は苦戦した。だから3レベルに上がり、ほとんどの数値が300になった今の僕が対処できるのかを確認したいんですよ。
「数値ですか?」
「うん、前にも教えてもらったんだけど、いまいち分かってないんだ」
MPに至っては500ずつ上がっていて、1500まで到達しています。今後魔法も使いたいと考えているけど、まずは出来る事からとダリアの答えを待ちます。ダリアは勉強熱心だと感心して、黒板に文字を刻み始めたよ。
「モンスターの強さは、表を見て貰うのが早いです。教科書の最後を見てください」
黒板の文字はその後の補足に使うんだと、教科書を開いてみます。そこにはスライムやゴブリンの他に人の絵が描かれていて、絵の下には数値が記載されていました。
8歳と書かれた人種の絵の下には50と書かれていて、成人していて武器を持っている人種の絵には200、スライムが子供と同じで50でゴブリンが150の記載がありました。
「さて、数値を見て貰えば分かると思いますが、ゴブリンの平均数値は150です。個体差はありますが、大体こんな感じですね」
黒板に書いた補足は武器や防具のプラスの例で、スキルも少し記されていました。だから僕はスライムに勝てたのかと、背中がヒヤッとしてきました。
でも僕の元の数値は大体100でした、子供が50となると変じゃないかと疑問が生まれます。それに答えたのは黒板の文字を刻み終えた、ダリアの補足の言葉でしたよ。
「この数値はあくまでも目安と思っていた方が良いです。例えば1レベルの大人は100となっていますが、一般人である大人が200の冒険者に勝てないかと言えばそうではありません」
状況や相性で数値は意味をなさないのがダリアさんの解説で分かったよ。子供が50とされる理由も、ステータス以上に不測の事態に弱いからだった、同じ50のスライムに苦戦したのも、納得して頷いたんだ。
「これで分かる通り、この数値はあくまでも目安で、武器が違っただけでも変わります」
ダリアに言われ、僕はまたなるほどって納得です。つまり今の僕は子供に毛の生えた程度の強さしか持ってないんだ。
木の剣から普通のショートソードに持ち変え、防具も運動着から革の鎧にしているけど、まだまだゴブリンを相手には出来ない、数値がそれを物語っていると方針が決まったね。
「じゃあ、僕を良く知ってるダリアから見て、ゴブリンを僕が倒すにはどれくらいの装備が必要かな?」
「それは、普通の物では無理ですね」
「え!?」
僕はちょっと確認の為に聞いてみた質問だったけど、ダリアの答えを聞いてびっくりです。
つまり、1レベルの僕では何をしても勝てないと言う事で、スキルや武技やレベルを上げてから挑戦して下さいと言ってくれたよ。
「ですがアレシャス様」
「分かってるよダリア、僕の本業は結婚活動って言うんでしょ、でも強い人に惹かれることもあるんじゃないの?」
ニヤニヤ笑顔で言って見ると、予想通りダリアは顔を赤くしてきます。最近揶揄う余裕の出来た僕ですけど、まだまだだったと気を引き締めます。
ダリアの好みは知ってますから、こうしているととても可愛いくて、ギャップ萌えを体験しています。そして、しばらく勉強は脱線してダリアの雑談は続き、小さい子の背伸びをしている姿が可愛いとか、怒っているのに可愛く見えるとか、いつもの会話が聞けてその内に昼食になりました。
「今日の夕食は何かなマーナス」
「はい、今日はメローナシープの腸詰めと、アレシャス様が作った農園のトマトを使ったスープになります」
凄く生き生きとして答えてくれたのは、いつものメンツのマーナスです。最初は大変だった結婚活動の訓練も、今では楽しいお喋りの時間に変わっていて、今日も練習が楽しみとふたりは嬉しそうに話してきます。マーナスとリーナの様な同姓愛者はここには沢山いて、僕はそれに挟まれるから楽でいいんだよ。
「そうなんだね、腸詰めはこの前作ったあれかなリーナ?」
「そうですよアレシャス様、ハーブを入れた特別な物でとても香りが良いです」
どんなことにも対応できる男性貴族、ここで色々してきた僕はそれを達成できているとダリアも喜んでいて、色々な性癖の相手にも対応してた。最初は出来たら良いねって程度だったけど、僕は立派に成し遂げてるよ。
「リリシャに、いつもありがとうって言っておいてね」
「わかっていますよアレシャス様、リリシャも喜びますわ」
マーナスが笑顔で答えてくれますが、まだまだ仲良く出来てないメイドさんはいます。人見知りの料理人リリシャの様に、結婚活動の訓練に参加してないメイドさんがいて、会う事がとても少ない人達なんだ。
ここには総勢30人のメイドさんがいて、僕が相手をするのは20名となっています。最初に全員と思っていた時が懐かしいと思いつつ、僕は二人と別室に向かい訓練を済ませ、やっとの事で部屋に戻ってきました。
「さぁ、お楽しみのダンジョンです」
ショートソードとお鍋のフタ、それと革のブーツに手袋に鎧を装備してちょっとしょんぼりしているんです。レベルを上げるには、経験値を1000溜めないと普通はレベルが上がらない。
「500で済むのにまだまだとか、ほんとにスライムって弱いよね」
半分で済んでる自分はチートでラッキーっと喜んでいた時があった。だけどそれは今日の授業で油断はダメだと分かったんだ。
レベルアップに必要な数値は10レベル毎に変動します。10レベルまでは1つ上げるのに1000必要で、11からは2000と倍になり、21からは更に4000と必要で大変なのが分かった。
「能力が100ずつ上がるから強くなった感はあるし、僕は半額で済んでるからまだ良いんだけど・・・ダンジョンポイントと同じでもっと欲しいね」
今持ってるダンジョンポイントは、最初に残った300から増えて25400Pです。これは最初と比べると多いと思うでしょうけど、正直少ないと思っています。今の僕のダンジョンにはまだ部屋が存在しないし、それを作ったら直ぐになくなっちゃう。
そこで僕は凄く悩んでいたわけで、ダンジョンの中を歩きグリーンスライムを剣で倒しながら、今日はそれの対処をしたいと思っています。
「ダンジョンをどんなに広くしても、通路だけじゃグリーンスライムしか出てこないのも分かった。ゲームとの違いも検証したし、ほんとに今日は楽しみだね」
ワクワクしながらグリーンスライムの掃除を急ぎ、400m四方になっているダンジョンを走り抜けたんだ。
もっと広くして更に部屋を作っていくか、階層を下にのばしダンジョンを深くするか悩んでいたけど、ダリアさんのおかげで方針が決まったと、お礼の念を飛ばしておきました。
「階層でモンスターを固定出来るのは、ポイントが減らなくて転生者のチート様様だと思ってたけど、やっぱりデメリットも大きかったね」
階層でモンスターを固定した場合、他の種類のモンスターが設置出来ませんでした。更にダンジョンの難易度を上げなければノーマルクラスしか生まれず、正直飽きてしまっていたんだ。
「階層召喚の解除は出来るけど、解除と再設置の考えると勿体ない」
モンスターの階層召喚は解除も出来る事は分かっていたけど、だからこそ部屋を設置して他のスライム系モンスターの出現を期待していた。だけど僕は下に階層を増やす事を決めたんだ。
「ゴブリンを使わず、弱いモンスターを設置したレベル上げが一番だよ。更にポイントもゲットできるから、1階には部屋を作って強さの検証をする、これが一番だね!」
グリーンスライムを全部倒し終わったところで答えを出しました。2階層に設置するのはラビットで、更に僕は攻めに転じた。レベルが3に上がったことでダンジョンボーナスポイントが7ポイントに増え、更に???だった欄もいくつか見えるようになっていたんだ。
〈ダンジョンボーナスポイント〉5→7
・所持ダンジョン数1
・モンスター出現率1
・モンスター覚醒率1
・ドロップ率1(新)
・宝箱出現率1(新)
・???
・???
・???
etc
ダンジョンゲームに良くあるモノが見える様になり、僕はちょっと割り振りをしてみようと考えた。召還スピードに1つ振り、30分だったモンスター召還を15分に短縮です。これは弱いモンスターを設置した本当の狙いでもあって、ついでにドロップ率にも1つ振り2に上げます。
今までは3分の1くらいの確率でスライムからドロップしてたけど、これで半分になるのかと楽しみです。
「さて、ボーナス割り振りをして方向性も決まった。部屋に戻って早速ダンジョンの増設をしようかな・・・あれ?」
ダンジョンの増設は誰も入っていない時にしか出来ません。なのでダンジョンボーナスポイントだけを割り振っていて、帰還の門と言うダンジョンから即時帰還できる門を出そうとダンジョン画面を出した時、いないはずの赤点がある事に気がついたんだ。
「おかしいな?いつも通りで48匹倒しているはずなんだけど、短縮されたにしても早すぎる。経験値を見る限り数を間違っているわけじゃって!?なんだよこいつ!」
僕は画面を見ながら悩んでいると、そのモンスターが壁をすり抜け隣の通路に入ったのが分かりました。最初は通路通りに進んでいたけど、正体不明のそいつはずっとまっすぐに進んでいるんです。
これは僕の知ってるグリーンスライムじゃない!?ダンジョンゲームをしていなくても、誰でも分かる現象が起きたと緊張しました。
「もうすぐここにくる、どんな奴なのか確認だけしよう。もし強そうだったら、帰還の門に飛び込めば良いんだ」
門は既に自分の後ろに出してあります。僕は武器を構えてモンスターを待ち、そいつは壁を抜けて来た。僕は腰を低くして戦闘態勢を取りますが、相手を見て少し力が抜けたんだ。
「なにあの白い小さなもじゃもじゃ?・・・綿飴?それとも」
僕がじっと見ていたからでしょうか?白いもじゃもじゃがこちらに気づき毛を逆立てたんです。そして凄い勢いで逃げていきました。
僕は速さよりも、アイツの存在の事で頭がいっぱいだった。あれはスライムではないのは確実で、どうして存在しているのかと疑問しか生まれてこなかったんだ。
「なんだったんだろう、スライムではないよね」
画面を確認したけど、そいつは一直線に移動をしてて、そのモンスターの反応は消えてしまった。とりあえず、明日ダリアさんに聞くことにして部屋に戻り、階層の増設を始めたんですよ。
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