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1章 生き甲斐
15話 トカゲとの生活
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「二人とも、オイラが変わろうか?」
朝になって、早々にサイカルとドールソが悲鳴を上げたので、オイラは助けに入ったけど、サイドンが早く食べたいって顔をしてふたりを見てた。
腕をこれでもかってほどに伸ばし、腰を引いてる二人がキャベツを差し出すけど、全然届かないからサイドンがノシノシ近づくんだが、二人は結局下がってしまうんだ。
「どどど、ドールソ、早く食べさせなさいよ」
「さ、サイカルだって下がってるでしょ」
「いいい、良いから、早くして」
サイドンに食べさせないと自分たちの朝食も食べれないのに、どうしてそこまで怖がるのか分からねぇから、オイラが結局代わったんだが、朝食の後はそうもいかない。
二人はサイドンを連れて散歩に出ないといけないが、心配だからオイラも同行することになったんだ。
「にしても、サイドンはゆっくりだな」
走るとそれなりに早いらしいが、首輪から伸びてる紐を持ってる二人が引っ張ってるから、おそらくあれ以上にはならない。
呆れた状態で付いて行き、街を通らずに丘を一周したんだが、何もしてないのに二人はかなり疲れていたよ。
「なぁ二人とも、この後ブラシで洗ってやるんだぞ、そろそろ慣れるよ」
「「無理っ!」」
「そんな力一杯否定するなって」
どれだけ苦手なんだよっとブラシを二人に渡して、オイラは水を加工石から出してサイドンにかけてやったんだ。
キャベツをあげる時と一緒で、2人は引き腰のままでブラッシングをしていき、すっげぇ時間をかけてた。
「何がそんなに嫌なんだよ」
「だって、ツルツルしてるし」
「あの顔がイヤ」
「顔って、可愛いだろう」
オイラの言葉に、二人がすっげぇ嫌そうな顔をしてきて、サイドンをオイラが撫でたら更に「うぇ~」とか言ってきた。
サイドンはプニプニしてて気持ちが良いのに、二人はそれも嫌だと言ってきたんだ。
「だけどよ、慣れないと先に進めないんだろ?」
「そうだけど・・・生理的に無理なのよ」
「うん、僕もダメ」
「あまり時間をかけると、ベルトロン兄ちゃんが強硬手段に出るぜ」
二人がゾッとしたのか冷や汗を出し始めたが、それが起きない道理が無い事から、二人がやっと一本の指でサイドンをツンツンしたんだ。
一歩前進と言えなくもないが明らかに嫌がっていて、前進したのかと思ってしまう一歩だ。
「うぇ~プニプニしてる~」
「鱗がちょっと硬い~」
「しっぽはもっと硬いんだぜ、触ってみろよ」
「「そこは無理」」
二人が拒否した理由は、尻尾が急に振られて動くからで、動かない背中しか触れてない。
昼食までしばらくこのまま触って貰ったんだが、サイドンは日向ぼっこが出来て嬉しそうだ。
「こんなにのんびりとした時間なのに、ふたりには地獄の時間なんだろうな」
サイカルとドールソは、サイドンが動くたびにビクっとしてきて、冒険者って大変だなぁ~と思ったんだ。
実はオイラも蜘蛛が苦手で、モンスターにその種類がいるから、きっとベルトロン兄ちゃんは克服するように言って来るんだ。
「こんな風に蜘蛛と一緒にいたら、オイラ死んじゃうかもな」
それだけ苦手だから、二人が嫌がってる気持ちが分かって協力してるんだ。
未来の自分にならないよう、オイラは別の道を行こうと決めてて、料理屋をしようと思ってるんだ。
「その時には加工石を使うから、ベルトロン兄ちゃんに許可を貰わないといけないけど、きっと許可してくれるよな」
屋敷から依頼を受けて、今は街にいる兄ちゃんを思って視線を向けたけど、今日はどんな依頼を受けたのか話を聞くのが楽しみだった。
だけどな、昼食の時間で二人に変化が出てきたんだ。
「ほ、ほらサイドン」
「うぇ~嫌だけど、こっちも食べなさい~」
ほんの少しだけど、二人がサイドンに近づけるようになったんだ。
相変わらず嫌がってて腰も引けてるけど、最初よりは全然マシになり、サイドンもご飯が食べれて嬉しそうだ。
「1日目でこれなら、克服も早いかもな」
「そ、そうでもないよ」
「そうよ、すっっっごく我慢してるのよ」
「それは見れば分かる」
でもな、餌をあげられるようになっただけで、初めてこれを見れば誰でも苦手と分かる姿勢だ。
変化はあったし、戦えるくらいと言う条件なら、苦手なままでもダンジョンに行くかもしれないんだ。
「そう考えると、さすがベルトロン兄ちゃんって事だな」
食べさせるのを済ませて、オイラたちも昼食に入ったんだが、これがあったと二人がイヤな顔が復活した。
今日の昼食はトカゲの姿焼きで、それ以外も分からない様にトカゲの肉が使われてる。
「二人が姿焼きを食べなくても、既に食べてるんだよなぁ」
朝食のハムもトカゲの肉だったが、二人は美味そうに食べていた。
知らないと言うのは怖いものだが、慣れる為には必要って事だから、冒険者は大変と改めて思ったぜ。
「オイラは、絶対にならねぇ」
絶対に嫌だと、ベルトロン兄ちゃんが戻ってきたら、料理の勉強をしようと決めた。
こんな思いは誰もしたくないと言うのもあるし、オイラたち子供の意見は全員一致だ。
「っというわけで、加工石を使って出す屋台の料理を何にするか、考えて売らねぇとな」
新しくて数を作れる料理【クレープ】を考えていた。
小麦の生地にクリームやフルーツを乗せるから、甘味の少ないここなら絶対に売れると思ってるんだ。
「問題は、フルーツの補充なんだよなぁ」
ベルトロン兄ちゃんが補充してくれるらしいが、他でも仕入れる道を確保しておきたい。
商人とのつながりを作っておきたいから、今度どこかで話を持ち掛けたいが、ベルトロン兄ちゃんが有名になったから、気を付ける必要が出たんだ。
「有名人はつらいんだよなぁ」
オイラたちもちゃんと前進してて、ベルトロン兄ちゃんのおかげなのが頼もしかった。
兄ちゃんの名前を出せば、それだけで相手は警戒してくるから、その反応で有利に運べるし、本当に頼もしかった。
「あとは場所だが、中央通りが良いけど、あそこはなぁ」
さすがに無理がある事は分かっていて、他の道を考えているが、ダンジョンの入り口から離れると売れないんだ。
最初は他の道に屋台を建てて、料理の腕を磨く考えでいたオイラだったけど、サイカルとドールソの様に努力しようと思ったぜ。
「まぁ、蜘蛛は嫌だけどな」
そればかりは嫌だと、昼食を食べ終わった二人とサイドンの元に向かった。
そして、がんばってはいるんだが、まだまだ掛りそうなふたりを見て、難しいなと思ったな。
朝になって、早々にサイカルとドールソが悲鳴を上げたので、オイラは助けに入ったけど、サイドンが早く食べたいって顔をしてふたりを見てた。
腕をこれでもかってほどに伸ばし、腰を引いてる二人がキャベツを差し出すけど、全然届かないからサイドンがノシノシ近づくんだが、二人は結局下がってしまうんだ。
「どどど、ドールソ、早く食べさせなさいよ」
「さ、サイカルだって下がってるでしょ」
「いいい、良いから、早くして」
サイドンに食べさせないと自分たちの朝食も食べれないのに、どうしてそこまで怖がるのか分からねぇから、オイラが結局代わったんだが、朝食の後はそうもいかない。
二人はサイドンを連れて散歩に出ないといけないが、心配だからオイラも同行することになったんだ。
「にしても、サイドンはゆっくりだな」
走るとそれなりに早いらしいが、首輪から伸びてる紐を持ってる二人が引っ張ってるから、おそらくあれ以上にはならない。
呆れた状態で付いて行き、街を通らずに丘を一周したんだが、何もしてないのに二人はかなり疲れていたよ。
「なぁ二人とも、この後ブラシで洗ってやるんだぞ、そろそろ慣れるよ」
「「無理っ!」」
「そんな力一杯否定するなって」
どれだけ苦手なんだよっとブラシを二人に渡して、オイラは水を加工石から出してサイドンにかけてやったんだ。
キャベツをあげる時と一緒で、2人は引き腰のままでブラッシングをしていき、すっげぇ時間をかけてた。
「何がそんなに嫌なんだよ」
「だって、ツルツルしてるし」
「あの顔がイヤ」
「顔って、可愛いだろう」
オイラの言葉に、二人がすっげぇ嫌そうな顔をしてきて、サイドンをオイラが撫でたら更に「うぇ~」とか言ってきた。
サイドンはプニプニしてて気持ちが良いのに、二人はそれも嫌だと言ってきたんだ。
「だけどよ、慣れないと先に進めないんだろ?」
「そうだけど・・・生理的に無理なのよ」
「うん、僕もダメ」
「あまり時間をかけると、ベルトロン兄ちゃんが強硬手段に出るぜ」
二人がゾッとしたのか冷や汗を出し始めたが、それが起きない道理が無い事から、二人がやっと一本の指でサイドンをツンツンしたんだ。
一歩前進と言えなくもないが明らかに嫌がっていて、前進したのかと思ってしまう一歩だ。
「うぇ~プニプニしてる~」
「鱗がちょっと硬い~」
「しっぽはもっと硬いんだぜ、触ってみろよ」
「「そこは無理」」
二人が拒否した理由は、尻尾が急に振られて動くからで、動かない背中しか触れてない。
昼食までしばらくこのまま触って貰ったんだが、サイドンは日向ぼっこが出来て嬉しそうだ。
「こんなにのんびりとした時間なのに、ふたりには地獄の時間なんだろうな」
サイカルとドールソは、サイドンが動くたびにビクっとしてきて、冒険者って大変だなぁ~と思ったんだ。
実はオイラも蜘蛛が苦手で、モンスターにその種類がいるから、きっとベルトロン兄ちゃんは克服するように言って来るんだ。
「こんな風に蜘蛛と一緒にいたら、オイラ死んじゃうかもな」
それだけ苦手だから、二人が嫌がってる気持ちが分かって協力してるんだ。
未来の自分にならないよう、オイラは別の道を行こうと決めてて、料理屋をしようと思ってるんだ。
「その時には加工石を使うから、ベルトロン兄ちゃんに許可を貰わないといけないけど、きっと許可してくれるよな」
屋敷から依頼を受けて、今は街にいる兄ちゃんを思って視線を向けたけど、今日はどんな依頼を受けたのか話を聞くのが楽しみだった。
だけどな、昼食の時間で二人に変化が出てきたんだ。
「ほ、ほらサイドン」
「うぇ~嫌だけど、こっちも食べなさい~」
ほんの少しだけど、二人がサイドンに近づけるようになったんだ。
相変わらず嫌がってて腰も引けてるけど、最初よりは全然マシになり、サイドンもご飯が食べれて嬉しそうだ。
「1日目でこれなら、克服も早いかもな」
「そ、そうでもないよ」
「そうよ、すっっっごく我慢してるのよ」
「それは見れば分かる」
でもな、餌をあげられるようになっただけで、初めてこれを見れば誰でも苦手と分かる姿勢だ。
変化はあったし、戦えるくらいと言う条件なら、苦手なままでもダンジョンに行くかもしれないんだ。
「そう考えると、さすがベルトロン兄ちゃんって事だな」
食べさせるのを済ませて、オイラたちも昼食に入ったんだが、これがあったと二人がイヤな顔が復活した。
今日の昼食はトカゲの姿焼きで、それ以外も分からない様にトカゲの肉が使われてる。
「二人が姿焼きを食べなくても、既に食べてるんだよなぁ」
朝食のハムもトカゲの肉だったが、二人は美味そうに食べていた。
知らないと言うのは怖いものだが、慣れる為には必要って事だから、冒険者は大変と改めて思ったぜ。
「オイラは、絶対にならねぇ」
絶対に嫌だと、ベルトロン兄ちゃんが戻ってきたら、料理の勉強をしようと決めた。
こんな思いは誰もしたくないと言うのもあるし、オイラたち子供の意見は全員一致だ。
「っというわけで、加工石を使って出す屋台の料理を何にするか、考えて売らねぇとな」
新しくて数を作れる料理【クレープ】を考えていた。
小麦の生地にクリームやフルーツを乗せるから、甘味の少ないここなら絶対に売れると思ってるんだ。
「問題は、フルーツの補充なんだよなぁ」
ベルトロン兄ちゃんが補充してくれるらしいが、他でも仕入れる道を確保しておきたい。
商人とのつながりを作っておきたいから、今度どこかで話を持ち掛けたいが、ベルトロン兄ちゃんが有名になったから、気を付ける必要が出たんだ。
「有名人はつらいんだよなぁ」
オイラたちもちゃんと前進してて、ベルトロン兄ちゃんのおかげなのが頼もしかった。
兄ちゃんの名前を出せば、それだけで相手は警戒してくるから、その反応で有利に運べるし、本当に頼もしかった。
「あとは場所だが、中央通りが良いけど、あそこはなぁ」
さすがに無理がある事は分かっていて、他の道を考えているが、ダンジョンの入り口から離れると売れないんだ。
最初は他の道に屋台を建てて、料理の腕を磨く考えでいたオイラだったけど、サイカルとドールソの様に努力しようと思ったぜ。
「まぁ、蜘蛛は嫌だけどな」
そればかりは嫌だと、昼食を食べ終わった二人とサイドンの元に向かった。
そして、がんばってはいるんだが、まだまだ掛りそうなふたりを見て、難しいなと思ったな。
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