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2章 クラン
32.1話(ノーム回6) 先生に黙って
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「イマール急げよ!」
僕はイマール、サンク郎先生に指導されている生徒です、そして僕たちは今夏休みを利用してダンジョンに来ています、というのも教育を受けて4年、あと1年で卒業なんです、自分たちがどこまで通用するか試してみたいんですよ。
「待ってよイマゴロ、そんなに急ぐと疲れちゃう、イマニとイマエなら平気だって」
僕たちのPTは4人です、僕とイマニで前衛をしてイマゴロが中衛、そしてイマエが後衛です、僕たちは生徒の中でもとても優秀って言われてて、試験でダンジョン10階まで最短で行ってるんです。
「ダンジョンの前で待ち合わせなんだ、もう来てるかもしれねぇだろ」
「そうだけど、疲れてたらダンジョン探索は出来ないよ、ここは慎重に行こうよ」
イマゴロがやっと歩きだしたよ、僕たちの目的はダンジョンの先なんだ、授業では10階までしか行かせてくれなかったからね、今日は20階まで行くつもりなんだよ。
「でもよ、どうして授業じゃ10階までなんだろうな、あんなの弱くてつまらねぇよ」
イマゴロが歩きながら聞いてきたよ、確かに僕もそう思った、モンスターが小さい奴らばかりであれじゃ学校で訓練してるのと変わらないよ。
「安全にレベルを上げる目的なんじゃないかな、あれのおかげで10レベルになったしね」
「まぁそうかもな・・・お!二人がいるぜイマール」
話ながらダンジョンの入り口が近づくと二人の人が見えたんだ、イマニとイマエですね。
「遅いわよふたりとも」
イマニが怒ってるよ、でも待ち合わせの時間丁度だよ。
「そうなの、待ち過ぎてつまらなかったの」
「わりぃなイマエ、じゃあ行こうぜ」
イマエが頬を膨らませて言ってきたのでイマゴロが謝ってました、僕も当然謝りましたよ、悪くないけどね。
「じゃあ速攻で10階まで行くわよ、覚悟は良いわね」
イマニがどうしてか急いでいます、まぁ10階までなら急いでも問題はないです、何度も来ていますからね。
「よーし魔法いくぜ『ライトニング』」
「イマエも行くの『アイシクルシャワー』」
イマゴロとイマエが戦闘モグラの大軍を魔法で倒してくれました、僕とイマニは魔法の範囲外にいたモグラを倒し素材を回収です。
「イマールまだ鞄は平気か?」
「うんイマゴロ、授業の時に比べてモンスターは多いけど、まだ余裕あるよ」
授業の時よりもかなり多いです、おかげでちょっとした連携の崩れでダメージを受けてしまっています。
「よーしやっと11階に続く階段よ、みんな良いわね」
イマニが階段前で張り切ってます、ここからは僕たちの未体験エリアですからね、楽しみなのは分かるよ。
「さてどんな敵がいるのかしら・・・って戦闘モグラじゃない!」
イマニが階段を降りて正面にいる敵を見てがっかりしてます、後ろを見るとイマゴロとイマエもです、まぁ僕も同じ感じですけどね。
「たりゃー!とりゃー」
怒ってイマニがモグラに突撃してます、今は正面の2匹だけなので問題ありませんが、他に来ないか気を付けないとですね。
「でも来ないからいいかな・・・イマニあまり張り切るとバテるよ」
「平気よイマール、これくらいなんてことないわ」
まぁ戦闘モグラですからね・・・でもイマニの攻撃は力が入っていました、それで倒れてたけど動いていた、その後すぐ動かなくなってはいたけど少しタフな気がする、気のせいですかね。
「くそ!どうして俺のライトニングで死なねぇんだ、イマエお前も撃てよ」
僕たちは18階まで来て苦戦し始めています、どうしてか敵が強くなっていて今まで一撃だったのが、そうではなくなってきて数もどんどん増えていったんです。
「ダメなの今はMPがないの!それにハチが邪魔なの」
イマエがそう言ってボウガンを撃ち、空を飛んでるハチ型の敵に応戦しています、でも矢が当たっても弾かれて倒すまでにはいたっていません、今は僕とイマニで防いでいますがどんどん間合いを詰められています、このままではやられてしまうかもしれないよ。
「イマニ向こうに小道がある、僕が敵を引き寄せるからみんなを連れてそこに入って!」
「分かったわイマゴロ聞いたわね、イマエ行くわよ!」
僕の指示でみんなが小道に走りました、僕はスキルの挑発を使って敵を引き寄せて時間稼ぎです。
「いいぞもっと来い、くらえ最後の魔法『サンドストーム』」
モンスターたちを引き寄せたので、僕の残りのMP全てを使って広範囲土魔法を使いました、そして敵が動けないうちに僕も小道に入ったんです。
「イマール無事ね」
「はぁっはぁっはぁっ・・・うんなんとかねイマニ、でもあの魔法は1分で効果が切れるんだ、まだ終わってないよ」
この道はどうやら行き止まりみたいです、でも数がいてもここなら少数を相手に出来ます、ここならしのげるはずです。
「イマエとイマゴロは魔力回復に専念だよ、イマニ準備は良い」
「ええ、最後になんてさせないわ、こんなところで負けてなるものですか」
そうだよ、僕たちはもっと先に進むんだ、こんなところで死ぬわけにはいかないんだよ。
「く、来るよ」
僕とイマニは武器を構えました、そして影が見えてきたので二人で攻撃したんです。
「おっと!?まだまだ元気だね」
「「へ!?」」
僕とイマニは変な声を出してしまったよ、だって僕たちの攻撃を両手で受け止めてる人が立ってたんだ、モンスターじゃないんだよ。
「ダメじゃないか君たち、学校を卒業するまでは奥に進んじゃダメって言われてたでしょ」
僕たちの武器を放してくれて説教を受けました、でも僕とイマニは顔を見合ってしまっています、ここに僕たち以外がいるはずないんです、僕たちは調べて大人の探索隊がダンジョンを出る次の日を狙ったんだ、あと2日は誰も来ないそのはずなんですよ。
「あ、あのあなたは何者ですか?」
「僕の事は良いんだよ!反省してるのかい、してないね、そんな事じゃダメでしょ」
何者なのか聞いたら余計怒られました、でも不思議な人です、僕たちと同じなのに何だか変なんです、それにここに来れたって事はさっきのモンスターたちを倒してきたって事です、一人であの数を倒すって相当強いですよ。
「「すみませんでした」」
「反省したならそれでいいよ、でもね命は一つなんだ決して無駄にしてはいけないよ、いいね」
「「はい」」
僕とイマニの頭を撫でてくれました、さっきまですごく怖い顔していたのに笑顔を見せてくれたんです、それがすごく嬉しそうで見惚れてしましたよ。
「じゃあ回復したら先に進むよ」
「「え!?」」
僕とイマニは驚いてしまいました、だって帰ると思ったんです、それなのに進むってどういうことですか。
「だってここからじゃ戻るよりも進んだ方がはやいんだ、ボスを倒せば戻れるんだよ」
「ボスって・・・私たちで倒せるのかしら」
イマニがすごく不安そうです、僕もですよ、だって普通の戦闘モグラで勝てないんだよ、ボスとなるともっと強いんだ。
「大丈夫、君たちは先を急ぎ過ぎただけ、しっかりと休憩を取っていつもの動きが出来るようにするんだ、はいこれ飲んで」
僕たちに瓶を配ってくれました、どうやらポーションみたいです。
「良いねしっかりいつもの連携をするんだ、じゃあ行くよ」
「「「「はい」」」」
みんなで返事をして僕たちは進みました、そしてしばらく戦闘してあの人が休憩を挟んだんです。
「おいイマール、あの人誰だよ」
「僕に聞かないでよイマゴロ、イマニもう一度聞いてみてよ」
僕はイマニに聞いてもらおうとしたんですけど、何故かウットリした目をしてあの人を見てました。
「ちょっとイマニ聞いてるの」
「ふぇっ?何かしらイマール」
イマニの反応を見て僕とイマゴロはダメだと思いましたよ、だって目が何だか変なんです、これはあれです。
「じゃあそろそろ出発するよ」
「はい!」
あの人が立ち上がったのでイマニが一番に返事をして立ち上がりました、あれはあの人に恋をしてしまったんです。
「どうするよイマール」
「まぁ良いんじゃないかな、好きになるのに許可は要らないよ、それよりもあの人が何者なのかだよ」
僕たちを助けてくれたし、その後の戦闘も指示を出してくれて的確です、悪い人ではないと思うんですけど、街では見たことないと思います。
「大きい扉なの」
かなり進んですごく大きな扉の前まで来ました、きっとここがボスの部屋なんです。
「さぁいよいよだよ、休憩したら入るから十分休むようにね」
あの人が食事を用意してくれています、強くて料理まで出来るんですね。
「あの、助けていただきありがとうございました」
僕は料理を囲んでいるので今が聞く時だと思ってお礼を言いました、僕の後にイマゴロたちも頭を下げましたよ。
「まだ早いと思うけど、どういたしまして」
「ほんとに助かりました、あのままだったら僕たちはいまごろ」
僕はその先を言えませんでした、だって乗り切れたとは思えないからです。
「そう思えるなら良かった、反省をして次に生かすんだよ」
「はい・・・あの、あなたは何者なんですか?どうしてあそこにいたんですか」
僕がそう聞いたらすごく困った顔をしています、聞いちゃまずかったのかな。
「すみません、聞いたらまずい事でしたか」
「そう言うわけじゃないんだけど、どういったら良いのか分からないんだ、名前はバイトっていうんだよ」
バイトさんですか、聞いたことないですね、まぁ僕たちも街の人全員を知ってるわけじゃないですけど、今あの街の人口は10万人はいますからね。
「じゃあそろそろ行くよイマール」
「はい」
僕は名前を呼ばれて反射的に返事をしました、でも僕たちはバイトさんに名乗ってません、それなのにどうして知ってたんでしょう、そんな疑問を感じながらボスを倒したんです。
「やった、やったよイマール!」
「バイトさんがいたからだよイマニ、ありがとうございますバイトさん」
僕たちがお礼を言ったらすごく照れていました、何だか不思議な人です、最初はあんなに怖いと思ったのに一緒にいると安心します、何なんでしょうね。
「あれで転移出来るのか」
イマゴロが指を差した先には転移ポートフィアがあります、授業で教えて貰った通りですね。
「やったの、地上に戻って来れたの!」
イマエが喜んでピョンピョン飛び上がってます、イマニとイマゴロも安心したのか座り込んでしまいましたね。
「ここからは平気だね、じゃあ僕はこれで」
「ありがとうございましたバイトさん」
僕たちはバイトさんに手を振って別れました、そして改めてお礼をしたくてバイトさんを探すため、街で色々な人に聞いたんですが、誰もバイトさんを知りませんでした。
「誰も知らないの」
「どうなってるんだ?イマールどう思うよ」
「僕に聞かれても分からないよ、バイトさんが帰った方角は確かにこっちだった、それなのに知ってる人がいないっておかしいよね」
人が多いので知らない人ばかりに当たっているのかもしれませんが、それにしてもあれだけの実力の人を知らないのはおかしいです、まるでここには住んでいないような、そんな感じです。
「もしかしてさ、バイト様って神様だったんじゃないかな」
「「「はい?」」」
イマニが突然変なことを言ってきました、そんなはずないでしょ。
「だって私たちダンジョンに勝手に入ったのよ誰も知らないはずじゃない、それなのに一人で助けに来てくれた、それって学校で教わった神様でもないと出来ないでしょ」
イマニにそう言われて僕たちは何も言えなくなりました、確かに僕たちは誰にも言ってません、それに誰にも怒られることがありませんでした、普通はバイトさんが学校に言って説教されると思ったのにです。
「確かに大人は誰も知らないって可能性はあるな」
「でしょイマゴロ、普通だったら怒られるどころじゃないわ、下手をしたら二度と探索者になれなくなってたかも、それなのにあれから2週間何もなしよ、これってそう言う事じゃない」
僕たちはバイトさんを探すのをやめ神様だと思う事にしました、きっと無謀なことをしていた僕たちを叱りに来てくれたんです、それを無駄にしない為にも僕たちは頑張ると誓ったんです。
僕はイマール、サンク郎先生に指導されている生徒です、そして僕たちは今夏休みを利用してダンジョンに来ています、というのも教育を受けて4年、あと1年で卒業なんです、自分たちがどこまで通用するか試してみたいんですよ。
「待ってよイマゴロ、そんなに急ぐと疲れちゃう、イマニとイマエなら平気だって」
僕たちのPTは4人です、僕とイマニで前衛をしてイマゴロが中衛、そしてイマエが後衛です、僕たちは生徒の中でもとても優秀って言われてて、試験でダンジョン10階まで最短で行ってるんです。
「ダンジョンの前で待ち合わせなんだ、もう来てるかもしれねぇだろ」
「そうだけど、疲れてたらダンジョン探索は出来ないよ、ここは慎重に行こうよ」
イマゴロがやっと歩きだしたよ、僕たちの目的はダンジョンの先なんだ、授業では10階までしか行かせてくれなかったからね、今日は20階まで行くつもりなんだよ。
「でもよ、どうして授業じゃ10階までなんだろうな、あんなの弱くてつまらねぇよ」
イマゴロが歩きながら聞いてきたよ、確かに僕もそう思った、モンスターが小さい奴らばかりであれじゃ学校で訓練してるのと変わらないよ。
「安全にレベルを上げる目的なんじゃないかな、あれのおかげで10レベルになったしね」
「まぁそうかもな・・・お!二人がいるぜイマール」
話ながらダンジョンの入り口が近づくと二人の人が見えたんだ、イマニとイマエですね。
「遅いわよふたりとも」
イマニが怒ってるよ、でも待ち合わせの時間丁度だよ。
「そうなの、待ち過ぎてつまらなかったの」
「わりぃなイマエ、じゃあ行こうぜ」
イマエが頬を膨らませて言ってきたのでイマゴロが謝ってました、僕も当然謝りましたよ、悪くないけどね。
「じゃあ速攻で10階まで行くわよ、覚悟は良いわね」
イマニがどうしてか急いでいます、まぁ10階までなら急いでも問題はないです、何度も来ていますからね。
「よーし魔法いくぜ『ライトニング』」
「イマエも行くの『アイシクルシャワー』」
イマゴロとイマエが戦闘モグラの大軍を魔法で倒してくれました、僕とイマニは魔法の範囲外にいたモグラを倒し素材を回収です。
「イマールまだ鞄は平気か?」
「うんイマゴロ、授業の時に比べてモンスターは多いけど、まだ余裕あるよ」
授業の時よりもかなり多いです、おかげでちょっとした連携の崩れでダメージを受けてしまっています。
「よーしやっと11階に続く階段よ、みんな良いわね」
イマニが階段前で張り切ってます、ここからは僕たちの未体験エリアですからね、楽しみなのは分かるよ。
「さてどんな敵がいるのかしら・・・って戦闘モグラじゃない!」
イマニが階段を降りて正面にいる敵を見てがっかりしてます、後ろを見るとイマゴロとイマエもです、まぁ僕も同じ感じですけどね。
「たりゃー!とりゃー」
怒ってイマニがモグラに突撃してます、今は正面の2匹だけなので問題ありませんが、他に来ないか気を付けないとですね。
「でも来ないからいいかな・・・イマニあまり張り切るとバテるよ」
「平気よイマール、これくらいなんてことないわ」
まぁ戦闘モグラですからね・・・でもイマニの攻撃は力が入っていました、それで倒れてたけど動いていた、その後すぐ動かなくなってはいたけど少しタフな気がする、気のせいですかね。
「くそ!どうして俺のライトニングで死なねぇんだ、イマエお前も撃てよ」
僕たちは18階まで来て苦戦し始めています、どうしてか敵が強くなっていて今まで一撃だったのが、そうではなくなってきて数もどんどん増えていったんです。
「ダメなの今はMPがないの!それにハチが邪魔なの」
イマエがそう言ってボウガンを撃ち、空を飛んでるハチ型の敵に応戦しています、でも矢が当たっても弾かれて倒すまでにはいたっていません、今は僕とイマニで防いでいますがどんどん間合いを詰められています、このままではやられてしまうかもしれないよ。
「イマニ向こうに小道がある、僕が敵を引き寄せるからみんなを連れてそこに入って!」
「分かったわイマゴロ聞いたわね、イマエ行くわよ!」
僕の指示でみんなが小道に走りました、僕はスキルの挑発を使って敵を引き寄せて時間稼ぎです。
「いいぞもっと来い、くらえ最後の魔法『サンドストーム』」
モンスターたちを引き寄せたので、僕の残りのMP全てを使って広範囲土魔法を使いました、そして敵が動けないうちに僕も小道に入ったんです。
「イマール無事ね」
「はぁっはぁっはぁっ・・・うんなんとかねイマニ、でもあの魔法は1分で効果が切れるんだ、まだ終わってないよ」
この道はどうやら行き止まりみたいです、でも数がいてもここなら少数を相手に出来ます、ここならしのげるはずです。
「イマエとイマゴロは魔力回復に専念だよ、イマニ準備は良い」
「ええ、最後になんてさせないわ、こんなところで負けてなるものですか」
そうだよ、僕たちはもっと先に進むんだ、こんなところで死ぬわけにはいかないんだよ。
「く、来るよ」
僕とイマニは武器を構えました、そして影が見えてきたので二人で攻撃したんです。
「おっと!?まだまだ元気だね」
「「へ!?」」
僕とイマニは変な声を出してしまったよ、だって僕たちの攻撃を両手で受け止めてる人が立ってたんだ、モンスターじゃないんだよ。
「ダメじゃないか君たち、学校を卒業するまでは奥に進んじゃダメって言われてたでしょ」
僕たちの武器を放してくれて説教を受けました、でも僕とイマニは顔を見合ってしまっています、ここに僕たち以外がいるはずないんです、僕たちは調べて大人の探索隊がダンジョンを出る次の日を狙ったんだ、あと2日は誰も来ないそのはずなんですよ。
「あ、あのあなたは何者ですか?」
「僕の事は良いんだよ!反省してるのかい、してないね、そんな事じゃダメでしょ」
何者なのか聞いたら余計怒られました、でも不思議な人です、僕たちと同じなのに何だか変なんです、それにここに来れたって事はさっきのモンスターたちを倒してきたって事です、一人であの数を倒すって相当強いですよ。
「「すみませんでした」」
「反省したならそれでいいよ、でもね命は一つなんだ決して無駄にしてはいけないよ、いいね」
「「はい」」
僕とイマニの頭を撫でてくれました、さっきまですごく怖い顔していたのに笑顔を見せてくれたんです、それがすごく嬉しそうで見惚れてしましたよ。
「じゃあ回復したら先に進むよ」
「「え!?」」
僕とイマニは驚いてしまいました、だって帰ると思ったんです、それなのに進むってどういうことですか。
「だってここからじゃ戻るよりも進んだ方がはやいんだ、ボスを倒せば戻れるんだよ」
「ボスって・・・私たちで倒せるのかしら」
イマニがすごく不安そうです、僕もですよ、だって普通の戦闘モグラで勝てないんだよ、ボスとなるともっと強いんだ。
「大丈夫、君たちは先を急ぎ過ぎただけ、しっかりと休憩を取っていつもの動きが出来るようにするんだ、はいこれ飲んで」
僕たちに瓶を配ってくれました、どうやらポーションみたいです。
「良いねしっかりいつもの連携をするんだ、じゃあ行くよ」
「「「「はい」」」」
みんなで返事をして僕たちは進みました、そしてしばらく戦闘してあの人が休憩を挟んだんです。
「おいイマール、あの人誰だよ」
「僕に聞かないでよイマゴロ、イマニもう一度聞いてみてよ」
僕はイマニに聞いてもらおうとしたんですけど、何故かウットリした目をしてあの人を見てました。
「ちょっとイマニ聞いてるの」
「ふぇっ?何かしらイマール」
イマニの反応を見て僕とイマゴロはダメだと思いましたよ、だって目が何だか変なんです、これはあれです。
「じゃあそろそろ出発するよ」
「はい!」
あの人が立ち上がったのでイマニが一番に返事をして立ち上がりました、あれはあの人に恋をしてしまったんです。
「どうするよイマール」
「まぁ良いんじゃないかな、好きになるのに許可は要らないよ、それよりもあの人が何者なのかだよ」
僕たちを助けてくれたし、その後の戦闘も指示を出してくれて的確です、悪い人ではないと思うんですけど、街では見たことないと思います。
「大きい扉なの」
かなり進んですごく大きな扉の前まで来ました、きっとここがボスの部屋なんです。
「さぁいよいよだよ、休憩したら入るから十分休むようにね」
あの人が食事を用意してくれています、強くて料理まで出来るんですね。
「あの、助けていただきありがとうございました」
僕は料理を囲んでいるので今が聞く時だと思ってお礼を言いました、僕の後にイマゴロたちも頭を下げましたよ。
「まだ早いと思うけど、どういたしまして」
「ほんとに助かりました、あのままだったら僕たちはいまごろ」
僕はその先を言えませんでした、だって乗り切れたとは思えないからです。
「そう思えるなら良かった、反省をして次に生かすんだよ」
「はい・・・あの、あなたは何者なんですか?どうしてあそこにいたんですか」
僕がそう聞いたらすごく困った顔をしています、聞いちゃまずかったのかな。
「すみません、聞いたらまずい事でしたか」
「そう言うわけじゃないんだけど、どういったら良いのか分からないんだ、名前はバイトっていうんだよ」
バイトさんですか、聞いたことないですね、まぁ僕たちも街の人全員を知ってるわけじゃないですけど、今あの街の人口は10万人はいますからね。
「じゃあそろそろ行くよイマール」
「はい」
僕は名前を呼ばれて反射的に返事をしました、でも僕たちはバイトさんに名乗ってません、それなのにどうして知ってたんでしょう、そんな疑問を感じながらボスを倒したんです。
「やった、やったよイマール!」
「バイトさんがいたからだよイマニ、ありがとうございますバイトさん」
僕たちがお礼を言ったらすごく照れていました、何だか不思議な人です、最初はあんなに怖いと思ったのに一緒にいると安心します、何なんでしょうね。
「あれで転移出来るのか」
イマゴロが指を差した先には転移ポートフィアがあります、授業で教えて貰った通りですね。
「やったの、地上に戻って来れたの!」
イマエが喜んでピョンピョン飛び上がってます、イマニとイマゴロも安心したのか座り込んでしまいましたね。
「ここからは平気だね、じゃあ僕はこれで」
「ありがとうございましたバイトさん」
僕たちはバイトさんに手を振って別れました、そして改めてお礼をしたくてバイトさんを探すため、街で色々な人に聞いたんですが、誰もバイトさんを知りませんでした。
「誰も知らないの」
「どうなってるんだ?イマールどう思うよ」
「僕に聞かれても分からないよ、バイトさんが帰った方角は確かにこっちだった、それなのに知ってる人がいないっておかしいよね」
人が多いので知らない人ばかりに当たっているのかもしれませんが、それにしてもあれだけの実力の人を知らないのはおかしいです、まるでここには住んでいないような、そんな感じです。
「もしかしてさ、バイト様って神様だったんじゃないかな」
「「「はい?」」」
イマニが突然変なことを言ってきました、そんなはずないでしょ。
「だって私たちダンジョンに勝手に入ったのよ誰も知らないはずじゃない、それなのに一人で助けに来てくれた、それって学校で教わった神様でもないと出来ないでしょ」
イマニにそう言われて僕たちは何も言えなくなりました、確かに僕たちは誰にも言ってません、それに誰にも怒られることがありませんでした、普通はバイトさんが学校に言って説教されると思ったのにです。
「確かに大人は誰も知らないって可能性はあるな」
「でしょイマゴロ、普通だったら怒られるどころじゃないわ、下手をしたら二度と探索者になれなくなってたかも、それなのにあれから2週間何もなしよ、これってそう言う事じゃない」
僕たちはバイトさんを探すのをやめ神様だと思う事にしました、きっと無謀なことをしていた僕たちを叱りに来てくれたんです、それを無駄にしない為にも僕たちは頑張ると誓ったんです。
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*無断転載、無断翻訳を禁止します。
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