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2章 発展競争

36話 畑仕事は任せてにゃ

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うにゃにゃーー!!っと、ウチは爪で土を掘り起こし畑を作っていくのにゃ。部下の子供もサンセットの部下たちも農具を使ってるから、ウチの勢いには勝てないのにゃよ。
皆が1つの畑を耕し終わる時、ウチは一人で3つも終わらせてるにゃ。今日も絶好調にゃと、視線がキョーカがいる山に向いた時、ウチはビックリしたにゃ。


「や、山が虹になってるのにゃ!?」


ウチが畑に夢中な間、頂上から麓まで七色で染まっていたのにゃ。こんな事が出来るのはジルにゃんだけと見上げてたら、その本人が手を振って歩いて来たのにゃ。
あれはなんにゃと聞いたのにゃけど、ジルにゃんは今後の為というだけにゃ、何でも観光名称にするとか言ってたにゃ。


「観光にゃんてしてられないのにゃよジルにゃん」

「今はそうだろうな、だけど平和になれば変わって来る、ここはそれを売りにする国になるんだ」


隣の国との船も、観光船にして行きたいと夢のような話をしてくれたのにゃ。ジルにゃんがそう言うなら、きっと未来はそうなるのにゃ。
うんうん頷いたウチは、昨日から植えているタネを畑に撒いて行ったのにゃ。昨日蒔いた畑には、もう双葉が伸びているのにゃよ。成長の早い大根にゃと、ウチはジルにゃんに収穫が楽しみなのを伝えたのにゃ。


「チャンミー楽しみにしているところ悪いけど、収穫はまだまだ先だ」

「え!?・・・どどどどうしてにゃ!?」


ジルにゃんが作る料理はとても美味しいのにゃ、大根がどれだけ美味しくなるのか楽しみだったのにゃよ。だけどジルにゃんに90日は掛かると言われ、ウチはがっかりにゃ。
双葉が生えているのに、どうしてそこまで掛かるにゃと質問をしたのにゃ、普通葉っぱが生えれば30日くらいで出来るのにゃ。


「葉っぱが出るのも早かったのにゃ、ジルにゃんどうしてそんなに掛かるのにゃよ」

「収穫だけならチャンミーの言ったように30日後には出来るんだ、だけど中身の味が良くない」


熟成させたいといけないとジルにゃんは言って来たのにゃが、野菜は取り立てが美味いのにゃよ、待っても変わらないのにゃ。
普通ならそうだと、ジルにゃんはここに来る前に収穫した大きなクルミをくれたのにゃ。受け取ったウチは、自分の頭くらいあるクルミを見てビックリしているにゃ。


「随分大きなクルミにゃね、これみたいに大きくしたいのにゃ?」

「チャンミーそうじゃないんだ、そのクルミはふたつに割れるから中身を見てくれ」

「割れば分かるにゃ?」


上と書いてある方をしっかりと上に向けて割るようにと、ジルにゃんは注意してきたのにゃが、中がクルミにゃんだから平気だと思ったのにゃよ。
そうじゃないと言われ、上の文字が書かれたクルミを上に向かって割ったのにゃ、そうしたら中から湯気が出てきたのにゃ。中には出来上がっているかつ丼が入っていたのにゃよ。


「にゃにゃっ!?」

「蓋の裏にスプーンが付いてるからな、それを使って食べて見ろ」

「う、うんにゃ~」


割った方の裏についていたスプーンを取り、ウチはかつ丼を一口食べたのにゃが、美味かったのにゃよ。
ジルにゃんは、大根も同じで割って中身を食べるのにゃと教えて来たのにゃ。味を良くするには栄養を土から取らないといけないから、まだまだ収穫には掛かるらしいにゃ。


「分かったのにゃけど、普通の大根じゃなかったのにゃね」

「それはそうだろう、この敷地じゃ普通に野菜を育てても焼け石に水だ」


確かにとウチも頷いたのにゃ、ウチたちが借りれたのは、25m角の畑が10個なのにゃよ。収穫できるまでの間は、クルミの料理を屋台に出して勝負するそうなのにゃ。
ある程度保存の効く料理だとジルにゃんは言ったにゃが、聞いた期間はある程度じゃないのにゃ、ウチは凄すぎて毛が逆立ったのにゃよ。


「開けにゃければ5年は持つとか、ほんとに食べられるのか心配にゃ」

「まぁ俺も食べた事ないからな、書物に書いてあるそのままを言っただけだ。ちなみに大根の方は1年だな」


それでも十分長いとウチは突っ込んでしまい、出来上がった料理がそんなに流れれば食料難は解消にゃ。種はジルにゃんしか作れないから、それだけでもすごい武器になるのにゃ。
大きいから旅先の荷物にはなるにゃが、それを引いても味も量も勝っているのにゃ。明日からの港の屋台は、きっとすごい人気になるのにゃね。


「今日の夕飯はこれになる、みんなの感想を期待してるぞ」

「分かったのにゃ・・・にゃけど、そんなに量があるのにゃ?」


ああその事かと、ジルにゃんはポケットから小さな瓶を出したのにゃ、瓶の上にはスイッチがあって、ジルにゃんが押して遠くに投げると【ボン】っと煙が発生したにゃ。煙が収まったその場所には大きなクルミが入った、とても大きなカゴが出てきたのにゃ、ウチはまたまたビックリして毛が逆立ったのにゃよ。


「ななな、なんにゃあれは!?」

「あれは収納カプセルと言って、家になったり馬車になったりする、とても便利なカプセルなんだよ」


いくつかのカプセルを投げて、実際に丸い家を建てたり、馬のいらない馬車を出してきて、今までで一番驚いたのウチは、もう尻尾までボサボサにゃよ。更にジルにゃんは、カプセルに戻す方法まで実演してきたのにゃ。小さなボタンを押すだけと、魔法じゃない事を強調させてきたのにゃ。


「これか広まれば野営の常識が変わるだろうな」

「それはそうにゃ、荷物がそんな小さな瓶1つとか、最強としか言えないのにゃ」

「ははは、最強とか言い過ぎだぞチャンミー」


いくらでも物を入れられる袋もあるとジルにゃんは笑っているにゃが、その内容は笑い事じゃないのにゃ。いくらでも作れるジルにゃんがそんな物を持っていたら、それこそ最強にゃとウチはさっきの最強を訂正したのにゃ。
今日は試食会だと、笑顔で街に向かうジルにゃんは、とてもキラキラしていたにゃ。きっと楽しい夕食になると、ウチも今から楽しみなのにゃ。
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