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2章 発展競争
27話 海岸の改革
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書類の用意を女性職員に頼んだ後、俺は船だけの話なのかと要求して見る、男性職員は他にもあるのかと良い食いつきを見せて来た。
まだ余裕があるなと、俺は海岸で行う作業を説明した。1つ2つまでは頷いて喜ぶ男性職員だったが、3つ4つ目と増えて行くと顔色が変わり、5つ目には止めて来た、執筆していた女性職員も書く手が止まってしまっていたぞ。
「どうした?」
「い、いえ・・・そんなに色々となされるのですか?」
「勿論だぞ、海を使ってないとか勿体ないからな」
本来は費用が掛かるのと人員の関係で1つずつの予定だったと口ずさみ、助かったと男性職員に笑顔をしてみる。相手は顔をヒクつかせているので、これ以上は無理なのが確認できた。
無理そうなら相談してくれと、俺の方から伝えると男性職員はホッとした感じを見せた、女性職員も手が動き始めたよ。
「作業が滞ってしまったら困るからな」
「そう言っていただけると助かります・・・もうし遅れました、わたくし商業ギルドの受付長をしております、シャークスと申します」
握手と自己紹介を貰ったので、俺たちも名乗る事にした。傭兵だと知ったシャークスは、もしや奇跡の馬車の傭兵団ですかと聞いて来る。
俺も隠しているわけではないので正直に答えたんだ、シャークスは凄く喜び再度の握手を求めて来た、女性職員は嬉しさのあまり声まで発していたぞ。
「これはほんとに頼もしいです、よろしくお願いしますジルベルト様」
「こちらこそだぞシャークス・・・そこでお願いがあるんだが、聞いてくれるか?」
突然のお願いだからかシャークスは凄く嫌そうだ、しかし難しい事じゃないと付け加え用件を伝え、シャークスはなるほどっと直ぐに了承の返事をくれた。
邪魔者の排除はそんなに簡単じゃない、キョーカがボソッと口にしたが、シャークスもそれだけ本気なんだろう。
「では、費用は5割という事で・・・人員はいかほど必要ですか?」
女性職員に修正を求めながら俺たちにも質問をしてくるシャークス、彼はなかなか出来る男の様で、俺としてはとても喜ばしい事だ。
船の製造は俺たちで行うとして、建物はシャークスの方でお願いした、建物は港と魚を卸す施設とするが、それと同時に塩を生成する建物だ。
「先ほども聞きましたが、ほんとに塩が作れるのですか?」
「これが一番の資金源だからな、勿論出来るぞ」
「そうですか・・・分かりました、邪魔者の排除は任せてください」
塩が作れれば、それだけでも国家予算並みの額を稼げ、更には浅瀬で海苔や貝を獲ったり、養殖用の囲いも作る。しばらくは収入にはならないが、未来の収入源として塩に負けない額を得られるだろう。
これが成功すればと、シャークスの顔が未来の想像をして満面の笑顔に変わっていく。それを見て、俺はまたお願いをする事を思い付く。この政策が成功した時、視察の王族と面会の約束をしてほしいと伝えた。
「それはお願いされるほどの事ではないですよジルベルト様、こちらもお願いしたいくらいです、何なら視察の最中もお願いしたい」
「それは願ってもないが、王族が来る前にもう一つやっておくことがあるぞシャークス」
まだあるのかと、シャークスは身構えたが答えは簡単で、俺が言いたいのはミンミントウ国の事だ。そこは隣国とは違ったとても友好を深めている国だ、こちらと足並みを揃えた方が絆は深まる。
話が国と大きくなったことで、シャークスは難しい顔をして来た。しかしそれは拒否権の無い案件だと、俺は強めに押して行く。
「良いかシャークス、俺たちが造船を隠している様に、国でも隠す物が出て来るだろう。塩は最有力だが、ミンミントウ国がそれを良しと思うかは相手次第だ」
「なるほど、その為に他の情報を提示して足並みを揃え、相手との仲を深めておくのですな」
「その通りだ、少しすれば俺たちの存在もバレるだろうし、そうなったら俺は向こうでも動かないといけなくなる、お互いに強みを持つのが国だからな」
確かにとシャークスは納得して、次の定期船で書類と職員を送る事を提案してくる。やはり出来る男だと、俺はニコニコして書類にサインをした。
これで契約成立とシャークスと握手を交わし、シャークスは上の人達に伝える仕事があると、早速と言う感じで張り切ってくれた、俺たちも準備を急ぐと協力関係が出来上がったんだ。
「ジルベルト様、3ヶ月後が楽しみになってきましたよわたくし」
「それは良いんだが、俺たちとの接触はシャークスか、そちらの女性職員さんにしてくれ、正直大きすぎる政策だから漏洩が心配だ」
知らない奴がギルドから来たとか良くある詐欺の話だ、シャークスもそれには賛成して女性職員を紹介してくる。彼女はウィーメアと名乗って来て頭を下げてくれたが、今度から連絡係は彼女が主体だ。
彼女が紹介してきた職員なら他に者でもと許可を出す、しかし最初はシャークスが確認を取ってからとなり、信頼できる者を増やして行く。
「大きな事ですからね分かります」
「だがシャークス、仕事のし過ぎはダメだからな、他のギルドとの連携もよろしく頼むぞ」
「任せてくださいジルベルト様、行くぞウィーメア」
失礼しますとウィーメアが頭を下げ、俺たちよりも先に部屋を出て行った。シャークスが興奮しているのは分かるが、初めに飛ばし過ぎるとバテそうだな。
王族との顔合わせも期待できると、ふたりと共有したくて話題を振ったんだが、ふたりは嫌そうな顔をしていたんだ。
「ど、どうしたんだよそんな顔して」
「いやな、ジルベルトが女に手を出さないのって、これが理由だったのかなぁ~っと思ってな」
「そうだったら、ワタシはショックでミーシュに言えません」
何の話をしているのか、俺には最初から分からなかった。しかし頭をフル回転させて答えが浮かび上がり、そんな事は無いと焦って返したんだ。それでもふたりは信じてくれない為、俺は自分の心情を正直の告白した、俺を好きになってくれてる全員を相手になんて出来ないぞ。
「それは確かにそうだけどよ、特別な奴を作れば良いじゃんか」
「そ、そんな事出来るかよ!!あれだけアプローチしてくるんだぞ・・・キョーカはどうなんだよ、チャンミーたちと仲が良いけど、それ以外は聞かないぞ、どうやって対処しているんだよ」
俺があれだけ迫られる中、同じ男の顔の整ったキョーカにはそう言った感じが見られない、どうしてなんだよと突っ込んでしまった。
チャンミーとネーシュがブロックしていると、少し考えた後で答えて来たが、それでも俺は納得はしない。チャンミーは俺にもアプローチを掛けて来ているし、他の女子たちはそれを見て、更に俺に接触してくるんだ、それを見て何もしないわけがない。
「どうしてキョーカだけはそうなんだよ、俺よりも顔は綺麗だし強くてカッコいいだろう」
「そうだよなぁ~ははは・・・はぁ~」
キョーカがどうしてか凹み始める、そうなりたいのはこっちなんだが、どうしてそんな反応何だと今日は引かない俺は、何か秘策があるんだろうと肩を掴み押して聞いてみる。
それを聞いてサンセットは何かを言おうとしたが、それをキョーカが止めてしまう。そんなに言いたくないのかよっと、俺は少し怒ったんだ、ここにきて初めて怒ったかもしれないぞ。
「そんなに言えない事かよキョーカ、俺たちの仲ってその程度だったのか?」
「いやなぁ~今更言えないというか、言ったらお終いというかなぁ~」
「何だよそれ!!俺がそんな程度でお前を避ける訳ないだろ、教えてくれよ」
仲間だろ!親友だろう!!っと俺は攻めに攻め、そしてやっとキョーカが重い口を開いてくれた。俺は耳を傾けたが、信じられない答えを聞き、キョーカを上から下までジッと見てしまったよ。
だから嫌だったんだよと叫び、キョーカは走って部屋を出て行ってしまい、俺はそれを追いかける事が出来なかった。それを見てサンセットが追いかけてと叫んできたよ。
「サンセット、お前も知ってたのかよ」
「知らないのはあなただけですよジルベルト!!彼女はね、あなたの隣に立っていたくて言わなかったのよ、あなたの特別であり続けたかったの・・・でも、あなたのお願いを叶える為に告白したのよ」
男は二人だけだからと、俺は女子に言えない事もキョーカには相談していた。そう言えば、仲良くしていたのに風呂には一緒に入ったことはなかった。
トミルたちと同じで、俺が気づかなかっただけなのかと、謝る為に俺は部屋を出て走ったぞ。
まだ余裕があるなと、俺は海岸で行う作業を説明した。1つ2つまでは頷いて喜ぶ男性職員だったが、3つ4つ目と増えて行くと顔色が変わり、5つ目には止めて来た、執筆していた女性職員も書く手が止まってしまっていたぞ。
「どうした?」
「い、いえ・・・そんなに色々となされるのですか?」
「勿論だぞ、海を使ってないとか勿体ないからな」
本来は費用が掛かるのと人員の関係で1つずつの予定だったと口ずさみ、助かったと男性職員に笑顔をしてみる。相手は顔をヒクつかせているので、これ以上は無理なのが確認できた。
無理そうなら相談してくれと、俺の方から伝えると男性職員はホッとした感じを見せた、女性職員も手が動き始めたよ。
「作業が滞ってしまったら困るからな」
「そう言っていただけると助かります・・・もうし遅れました、わたくし商業ギルドの受付長をしております、シャークスと申します」
握手と自己紹介を貰ったので、俺たちも名乗る事にした。傭兵だと知ったシャークスは、もしや奇跡の馬車の傭兵団ですかと聞いて来る。
俺も隠しているわけではないので正直に答えたんだ、シャークスは凄く喜び再度の握手を求めて来た、女性職員は嬉しさのあまり声まで発していたぞ。
「これはほんとに頼もしいです、よろしくお願いしますジルベルト様」
「こちらこそだぞシャークス・・・そこでお願いがあるんだが、聞いてくれるか?」
突然のお願いだからかシャークスは凄く嫌そうだ、しかし難しい事じゃないと付け加え用件を伝え、シャークスはなるほどっと直ぐに了承の返事をくれた。
邪魔者の排除はそんなに簡単じゃない、キョーカがボソッと口にしたが、シャークスもそれだけ本気なんだろう。
「では、費用は5割という事で・・・人員はいかほど必要ですか?」
女性職員に修正を求めながら俺たちにも質問をしてくるシャークス、彼はなかなか出来る男の様で、俺としてはとても喜ばしい事だ。
船の製造は俺たちで行うとして、建物はシャークスの方でお願いした、建物は港と魚を卸す施設とするが、それと同時に塩を生成する建物だ。
「先ほども聞きましたが、ほんとに塩が作れるのですか?」
「これが一番の資金源だからな、勿論出来るぞ」
「そうですか・・・分かりました、邪魔者の排除は任せてください」
塩が作れれば、それだけでも国家予算並みの額を稼げ、更には浅瀬で海苔や貝を獲ったり、養殖用の囲いも作る。しばらくは収入にはならないが、未来の収入源として塩に負けない額を得られるだろう。
これが成功すればと、シャークスの顔が未来の想像をして満面の笑顔に変わっていく。それを見て、俺はまたお願いをする事を思い付く。この政策が成功した時、視察の王族と面会の約束をしてほしいと伝えた。
「それはお願いされるほどの事ではないですよジルベルト様、こちらもお願いしたいくらいです、何なら視察の最中もお願いしたい」
「それは願ってもないが、王族が来る前にもう一つやっておくことがあるぞシャークス」
まだあるのかと、シャークスは身構えたが答えは簡単で、俺が言いたいのはミンミントウ国の事だ。そこは隣国とは違ったとても友好を深めている国だ、こちらと足並みを揃えた方が絆は深まる。
話が国と大きくなったことで、シャークスは難しい顔をして来た。しかしそれは拒否権の無い案件だと、俺は強めに押して行く。
「良いかシャークス、俺たちが造船を隠している様に、国でも隠す物が出て来るだろう。塩は最有力だが、ミンミントウ国がそれを良しと思うかは相手次第だ」
「なるほど、その為に他の情報を提示して足並みを揃え、相手との仲を深めておくのですな」
「その通りだ、少しすれば俺たちの存在もバレるだろうし、そうなったら俺は向こうでも動かないといけなくなる、お互いに強みを持つのが国だからな」
確かにとシャークスは納得して、次の定期船で書類と職員を送る事を提案してくる。やはり出来る男だと、俺はニコニコして書類にサインをした。
これで契約成立とシャークスと握手を交わし、シャークスは上の人達に伝える仕事があると、早速と言う感じで張り切ってくれた、俺たちも準備を急ぐと協力関係が出来上がったんだ。
「ジルベルト様、3ヶ月後が楽しみになってきましたよわたくし」
「それは良いんだが、俺たちとの接触はシャークスか、そちらの女性職員さんにしてくれ、正直大きすぎる政策だから漏洩が心配だ」
知らない奴がギルドから来たとか良くある詐欺の話だ、シャークスもそれには賛成して女性職員を紹介してくる。彼女はウィーメアと名乗って来て頭を下げてくれたが、今度から連絡係は彼女が主体だ。
彼女が紹介してきた職員なら他に者でもと許可を出す、しかし最初はシャークスが確認を取ってからとなり、信頼できる者を増やして行く。
「大きな事ですからね分かります」
「だがシャークス、仕事のし過ぎはダメだからな、他のギルドとの連携もよろしく頼むぞ」
「任せてくださいジルベルト様、行くぞウィーメア」
失礼しますとウィーメアが頭を下げ、俺たちよりも先に部屋を出て行った。シャークスが興奮しているのは分かるが、初めに飛ばし過ぎるとバテそうだな。
王族との顔合わせも期待できると、ふたりと共有したくて話題を振ったんだが、ふたりは嫌そうな顔をしていたんだ。
「ど、どうしたんだよそんな顔して」
「いやな、ジルベルトが女に手を出さないのって、これが理由だったのかなぁ~っと思ってな」
「そうだったら、ワタシはショックでミーシュに言えません」
何の話をしているのか、俺には最初から分からなかった。しかし頭をフル回転させて答えが浮かび上がり、そんな事は無いと焦って返したんだ。それでもふたりは信じてくれない為、俺は自分の心情を正直の告白した、俺を好きになってくれてる全員を相手になんて出来ないぞ。
「それは確かにそうだけどよ、特別な奴を作れば良いじゃんか」
「そ、そんな事出来るかよ!!あれだけアプローチしてくるんだぞ・・・キョーカはどうなんだよ、チャンミーたちと仲が良いけど、それ以外は聞かないぞ、どうやって対処しているんだよ」
俺があれだけ迫られる中、同じ男の顔の整ったキョーカにはそう言った感じが見られない、どうしてなんだよと突っ込んでしまった。
チャンミーとネーシュがブロックしていると、少し考えた後で答えて来たが、それでも俺は納得はしない。チャンミーは俺にもアプローチを掛けて来ているし、他の女子たちはそれを見て、更に俺に接触してくるんだ、それを見て何もしないわけがない。
「どうしてキョーカだけはそうなんだよ、俺よりも顔は綺麗だし強くてカッコいいだろう」
「そうだよなぁ~ははは・・・はぁ~」
キョーカがどうしてか凹み始める、そうなりたいのはこっちなんだが、どうしてそんな反応何だと今日は引かない俺は、何か秘策があるんだろうと肩を掴み押して聞いてみる。
それを聞いてサンセットは何かを言おうとしたが、それをキョーカが止めてしまう。そんなに言いたくないのかよっと、俺は少し怒ったんだ、ここにきて初めて怒ったかもしれないぞ。
「そんなに言えない事かよキョーカ、俺たちの仲ってその程度だったのか?」
「いやなぁ~今更言えないというか、言ったらお終いというかなぁ~」
「何だよそれ!!俺がそんな程度でお前を避ける訳ないだろ、教えてくれよ」
仲間だろ!親友だろう!!っと俺は攻めに攻め、そしてやっとキョーカが重い口を開いてくれた。俺は耳を傾けたが、信じられない答えを聞き、キョーカを上から下までジッと見てしまったよ。
だから嫌だったんだよと叫び、キョーカは走って部屋を出て行ってしまい、俺はそれを追いかける事が出来なかった。それを見てサンセットが追いかけてと叫んできたよ。
「サンセット、お前も知ってたのかよ」
「知らないのはあなただけですよジルベルト!!彼女はね、あなたの隣に立っていたくて言わなかったのよ、あなたの特別であり続けたかったの・・・でも、あなたのお願いを叶える為に告白したのよ」
男は二人だけだからと、俺は女子に言えない事もキョーカには相談していた。そう言えば、仲良くしていたのに風呂には一緒に入ったことはなかった。
トミルたちと同じで、俺が気づかなかっただけなのかと、謝る為に俺は部屋を出て走ったぞ。
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