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12章学園大会

295話 予選

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私の名前はケイト・フォンアルブス


ケイト
「あ!アイリさんだ」


私はケイイチさんたちがいる方に手を振って応援してくれたことに感謝しました、それ以外にもあがり症だった私をこんな大舞台に立てるようにしてくれたことにもです。


ケイト
「行きます『ストーンウォール』『ライトニング』『エアーサイクロン』」


開始の合図があったので落ち着いて初級魔法を唱え、ストーンウォールで大きな板を作り、その上にライトニングで光の線を並べ、その板を操作して回転させエアーサイクロンで回転を補強し高速で回しました。

なんとかケイイチさんが教えてくれた光の絵が動いています。

私がホッとしていると、なにやら観客が騒ぎだしています、なんででしょう?。


司会者
「こ、これは!・・・変わった物を作りましたね、解説のトイトイさんどうですか?」

トイトイ
「いやいやアリピノさん、どうですかではないですよ、今ケイト選手は魔法を3つ唱えていましたよ」

アリピノ
「え!」


司会者さんたちが何か騒いでいますが合図があったので魔法を終了させました。


ケイト
「こんなに落ち着いて大勢の人の前にいるなんて、何だか不思議な感じ」


私あがり症だったんですよ。

そしてアルブス商会の会長の娘なんです、まあ会長の娘ですが上に姉が一人います、なので後は継ぎません。


ですが父の計らいで学園を卒業したら、店を一つ貰い一人で生計を立てる予定です。

それが凄く嫌でした。


審判A
「つ、次の選手!」


審判の人が次の人を呼んでいます、でもまだ司会者さんたちが話てますけどいいのかな?


次の選手
「は、はうぅ~」

ケイト
「ごめんね、落ち着いて頑張ってね」


私は次の子の肩を軽く叩いて見送りました、私にはこれくらいしかできません。


ケイト
「誰かに自分から声を掛けるなんてね、ふふふ」


私は他人と話すのが苦手でした、すぐに緊張して喋れなくなります、そんな自分を私は嫌いでした。

まあ商会の後を継ぐのも嫌でしたし、店をやるのも嫌でしたよ、だってこんな私が人の上に立つなんて考えられませんよ。


ケイト
「ほんとあの時ヴェル様に声を掛けていただいてよかった」


私が店の事を暗くなって考えていた一年生の時です、学園でこの国の王女様ヴェルティナ様に私は出会いました。


ヴェルティナ
「あなた可愛いですわね、私と一緒に授業を受けなさいですわ」


私が転んで教本を拾っていると、ヴェルティナ様が私の顔を見てそう言ってきました、突然の事で頭が追い付きませんでしたが強引に教室に引っ張って行かれ、そのまま流れで仲良くなり愛称で呼んでいいとまで言われました。

二年生になると私と同じような感じでヴェル様が何処かから連れてきた子たちが増えていき、戦闘訓練でも連携が取れるようになるほど親しくなりました。


ヴェルティナ
「何ですってもう一度言ってごらんなさいですわ」


ある日、他のクラスの男の子とヴェル様が口論になりました、たしかどこかの国の伯爵の子供だったと思います。


伯爵の子
「ああ何度でも言ってやるよ、それだけ急に強くなったのはズルをしたからだろう、どんな手を使った金か?魔道具か?」

ヴェルティナ
「ズルではありませんわ、ちゃんと指導していただいていますわ」


私は知っています、ヴェル様はズルをする人ではないです!急に強くなったのはある人に指導してもらったのだと、ヴェル様が教えてくれました。

私は大声で言いたかったですが声が出ませんでした、ヴェル様の後ろで震えているだけです。


伯爵の子
「ふん!そんなわけないだろう、それがほんとなら学園で指導して見せろ」

ヴェルティナ
「そ、それは」

伯爵の子
「ほら見ろ出来ないではないか、やはりズルだろうが!ズルをするくらいなら威張るんじゃない大人しくしておれ、目障りだ!行くぞ」


男の子が廊下を歩いて行きました、私は憎かったです、ヴェル様の前に出て守れなかった自分にです。

どうして私はこうなのでしょう、人の前に出ようとすると緊張して何も出来なくなってしまいます。

それから数日後にヴェル様を指導してくれた方を学園の臨時教師として迎え入れました。


ヴェルティナ
「良いですか、みんな聞いてくださいまし、ケイイチは凄まじく強いのですわ」


授業でその方と会えたのですがすぐに模擬戦をすることになり、ヴェル様がみんなを集め話してくれました。


ネスティ
「ほんとですか、いったいどれほどですか?」

ケーラ
「そうですよヴェル様、凄まじいだけじゃ分かりませんよ、それに私たちで一斉に掛かれば倒せますって」

ヴェルティナ
「それは絶対してはダメですわ、瞬殺されますわよ」


ヴェル様がそう言ってきました、7人で攻撃して瞬殺されるって。


ヘキル
「それはホントに人ですかヴェル様、いくら子供でも7人が一斉に攻撃して倒せないなんて、騎士の隊長格並みですよ」

バニラ
「そうですよ、それにヴェル様は強いじゃないですか、それでもダメなんですか?」

ヴェルティナ
「ええそうですわ、皆さんこのことは他の人に喋ってはいけませんよ、彼は」


私たちはそれを聞いて驚いてしばらく喋れませんでした。


ネスティ
「ク、クリスタルの鎧を蹴りで壊した!?」

ディル
「ま、まっさかぁー」


みんなが信じていませんがヴェル様は真剣です。


ネスティ
「マジですか⁉︎」

ヴェルティナ
「ほんとの事ですわ、分かりましたねそれほどの方なのですケイイチは、ですから作戦を立てて戦いますわよ」


私たちは作戦を聞き、今まで以上に集中して戦いました、結果一撃も当てられませんでした、それもケイイチさん(様付けしたら、さん呼びするように言われました)は息一つ切らしていませんでしたよ。

授業でケイイチさんが教え始め、伯爵の子供は何も言ってこなくなりました、しかし今度は、自分の国が一番強いと言ってきて学園大会で勝負しろと言ってきました、それもヴェル様を挑発する言い方でです。


ケイイチ
「むかつくなそいつ、(サーニャンとフルーティアを嫌な目で見てくるしクソ・・)」


最後の方は聞こえませんでしたが怒っていることは確かでした、顔が少し怖かったです、いつも笑顔な人が怒るとあんな感じなんですね(ぶるぶる)。


それからは大会に向けて私たちを指導してくれて、スキルやレベル上げをしてくれました・・・凄く過酷でしたけどね。





ヴェルティナ
「お帰りですわケイト、最高の魔法でしたわよ」

ケイト
「ありがとうございますヴェル様」

ヘキル
「次は僕だね、早く全力で魔法を使いたいよ」

バニラ
「まだ早いわよヘキル、これは予選なんだからケイイチさんの言った通りにしなさい」


途中で会ったジルチさんもしばらくして帰ってきて3年生チームとも話ました、どうやら魔法を成功させたみたいです。

ジルチさんは確か氷の魔法が得意でケイイチさんが氷で出来たお城を作ろうと言っていました。

きっと私の混合魔法のように他にもすごい物を入れてるんでしょうね。



魔法芸術の予選が終わり結果が発表され、私とジルチさんが予選を通過し、その後みんなも予選に出て突破しました。
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