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4章召喚された者たち

66話 本当は

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俺の名前は竜崎 サイガ17歳だ、俺は学校の帰りにいつものバスに乗って家に帰るところだった。

急に辺りが光に包まれて気が付いたら、少し薄暗い部屋で周りには黒い服を着た奴らが立っていた。


???
「あの、ここはどこですか?」


一番前にいた違う学校の制服を着た学生の女が黒い服を着た奴に尋ねていた。


???
「ようこそ召喚されし勇者様」


学生の女が返事が無くて下を向いていたら、黒い服を着た奴らの中から違う服を着た男が前に出てきてそう言ってきた、勇者?俺たちがか?

そんな風に思いながら周りを見ると、同じ高校の学生が二人いた、一人はオドオドして今の状況に困惑しているようだったが、もう一人は期待に満ちた目をしていた。

こいつは今の状況を知っているのか?


サイガ
「おい、同じ学校だよな、お前この状況に嬉しそうだが分かるのか?」

学校が同じな男子
「え!まあ、はい」


歯切れの悪い返事だな、まあいい。


サイガ
「そうか、俺は3年の竜崎サイガだ、ちょっと説明してくれ」


俺たちは小声で話しながら同じ学校の男子、箱崎 健吾に説明させた。


サイガ
「なるほどな、勇者召喚か」

健吾
「はい、でもまだ確定じゃないですよ、あの子が向こうの人と話してくれてますから、もう少し情報が欲しいですね」

サイガ
「ああ、じゃあ分かったら俺に知らせてくれ健吾」


俺が健吾にこの訳の分からん状況を聞いていると、一番前の女の話が終わったらしく移動がはじまった。

部屋に付いてそれぞれ椅子に座るように言われた、あの女は一番前に座ったよ、俺と健吾それともう一人、緑川玲は距離を取って座った。

緑川は健吾が今の状況を説明できると俺が教えて仲間に加えた。


黒服の男
「勇者様方、私たちを、この国レイグリッドを救ってください、お願いします」


何を言ってるんだこいつは、っと俺は思ったが健吾はガッツポーズを取っていた。


サイガ
「おい健吾、嬉しそうだが分かったのか」

健吾
「はい、間違いなく勇者召喚です、僕たちは異世界に来ました」


健吾の話では俺たちは地球じゃないどこかに飛ばされたと言っていた、俺が健吾の話を頭の中で整理していると健吾がブツブツ言いだした。


健吾
「サイガさん!やりましたよステータスが見れます、ステータスオープンって言ってみてください」


俺は良く解らなかったが言って見た。


サイガ
「何だ?この画面は、これがなんだって言うんだ健吾」

健吾
「地球と違って能力値や職業が見れるんですよ、ほら僕は格闘士だそうです」


健吾が自分の出した画面を見せてきた確かにそう書いてあった、俺も自分の画面を見た。


名前 竜崎 サイガ
年齢 17
種族 人種
職業 勇者
レベル 1
HP  2000
MP  1000
ATK 1000
DEF 1000
INT 1000
AGL 1000

称号
召喚されし者
勇者

スキル

言語理解 
無限収納 


健吾
「すごいですねサイガさん、勇者ですよ、いいなぁー、能力値だって僕の2倍もあるじゃないですか」

サイガ
「そうなのか?良く解らんが、それで他に注目する箇所は無いか?健吾」

健吾
「そうですねー、言語理解と無限収納は説明できますけど、それ以外にスキルがないのはたぶん、バグなのかもしれません、もしくはさっきから説明してるあの人たちが召喚したからじゃないかと思います」


健吾の説明で言語理解はあらゆる言語が分かるという物だった、もう一つの無限収納は物を入れておける空間を自在に出せると言っていた。


サイガ
「なるほど、玲はどうだ職業はなんだ?」


「私は魔法使いって書いてあります」


何だかRPGみたいだな、俺たちが自分のステータスを見ていたら向こうの話がまとまったようで一人一人ステータスを確認する様だった。


サイガ
「おい健吾に玲、俺たちは一番最後に並ぶぞ」

健吾
「どうしてですかサイガさん?一番前に並びましょうよ、注目されますよー」

サイガ
「バカ、あの女みたいに周りの面倒なんか見てられるか、俺が向こうの男に話をつけるから二人は俺の後ろだ」

健吾
「確かにそうですね、分かりました」


「分かったわ、それとさっきあの男の人、ヘンリックって名乗っていたわよ」

サイガ
「名前なんかどうだっていいが分かった、それとこれからは他の連中とは距離を取るぞ」

二人が頷いた、よしよし従順だな、俺たちは最後に並び一人一人のステータスをヘンリックが聞いている、おかげで俺たち以外は職業無しの平民なのが分かった。


ヘンリック
「次は君だよ、さあステータスオープンって言ってごらん」

サイガ
「それはさっき確認した、少し話がしたい周りに気付かれないようにしてくれ」


ヘンリックが少し考えたあと頷いたので俺は更に忠告した。


サイガ
「それと俺のステータスを見ても驚くな、驚くと気づく奴がいるかもしれないからな」


ヘンリックが驚いた顔をしたが頷いたから解ったのだろう、頼むぞリアクションをするなよ、俺は周りを見ていて分かっていた、健吾と同じように喜んでいた女がいたのだ、幸いそいつも能力は低くステータスを確認したら下を向いていた。

俺はステータスを出してヘンリックに見せた。


ヘンリック
「こ、これは」


ステータスを確認して少し声が大きくなったヘンリックの口を手で塞いで周りを見たが皆下を向いていた、どうやら平気なようだな。


サイガ
「わかったかヘンリック、俺は勇者だ後ろの二人も勇者ではないが戦闘職だ、それで提案がある」

ヘンリック
「な、何でしょうか?」


・俺はこのまま召喚された連中と一緒にいて行動する事。

・勇者だというのはしばらく伏せる事。


これはヘンリックもすぐに了承した、なんでもここの王は使えないらしく黙っていないと隠しておけなくなると怒っていた、愚痴をこぼすほど使えないのかここの王は・・・まあいい、なかなか使える奴だなヘンリックは。


ヘンリック
「分かりました、どうか我々を助けてください」

サイガ
「ああ、任せておけ、だが裏切るなよ」


俺とヘンリックとの密談が済んで健吾と玲のステータスを確認し、今後の説明をヘンリックがして解散した。

俺たちは他の奴らが部屋から出たのを確認してヘンリックとこれからの事を話し合った。

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