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4章召喚された者たち
62話 商談後のギルドマスター
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僕は商業ギルドのギルドマスターをしているダンショウ・カミバリ。
実を言うと貴族だ。
カミバリ家の三女で家を継がないからいつもダンショウと名乗っている。
それを知っているのは商業ギルドの副ギルドマスターだけだ。
昨日冒険者ギルドから使いが来て、明日以降の昼過ぎに商談をしたいという冒険者を連れて、副ギルドマスターのミレーネさんが来店すると連絡があった。
普通は明日以降の昼過ぎという、曖昧で時間を決めていない約束は受けないんだけど、冒険者ギルドとは仲もいいし、今の時期は暇なので受けることにした。
そして今日の昼来店してきた。
冒険者の男性は20歳を超えていなさそうな青年で、もう一人は獣人の少女だった。
!!何だか髪が艶々してないかな?何を使ったらそうなるのか教えてほしいね?・・・そういえば、ミレーネさんの髪も同じだね。
僕は頭の中で思考を巡らせながら冒険者二人に向かって自己紹介をした。
あ!?これは僕が女だとわかってないね・・・僕はよく男と間違われる。
髪を長くすれば分かるのかもしれないけど、僕は癖毛で伸ばすと朝が大変だからいつも短めにしているのさ。
ちょっとイラっとしたけど、営業スマイルは崩さないよ。
商談の内容は、香りの良い石鹸とシャンプーという髪用の石鹸だった。
うん?商品は分かったけど、値段知らないの?うーん、試してるのかな?分かりにくいなーこの人。
取り合えず試してから値段を決めようかな、取り分だけ決めちゃおっと。
僕たちは場所と名前だけだから普通は2割貰うんだけど、さて彼はどれだけ値切って来るかな?
いやな商人は1割しかくれない者も少なくないんだよねー、がめついってくらいだよほんと。
あれ!?取り分を値切ることもしないの?もしかして、規定の取り分も解らないんじゃないのかなー?
説明した方が良いのかな?僕はミレーネさんの方を見たけど目が合うと顔を横に振っていたから必要ないのかな?
まあこっちとしても助かるけどね、規定で決まった取り分で契約してくれるならさ。
僕が顔に出さないように呆れていると、こっちで試す用の品以外に僕とコウリョウに5個もくれた。
それもタダで、商人の間ではタダより怖い物はないと言われるくらい、タダで物は普通渡さない、ちょっと警戒したけど、それ以外に更に化粧水も1本ずつくれた。
あれ?化粧水を僕にくれるなんて、僕を男と思ってないのかな~?
コウリョウも驚いているよ、あの顔は絶対!僕を男だと思って対応していたもんねー・・・そのはずなんだけど、うぅ~ん読めない人だな~。
商談が終わり、3人が部屋を出たのでコウリョウと今回の事を話し合ったんだ。
ダンショウ
「どう思う?コウリョウ」
コウリョウ
「はい、あれは絶対マスターを男だと思っていましたね」
ダンショウ
「!?そっちじゃないよ!」
コウリョウ
「し、失礼しました」
ダンショウ
「まあ~いいけどさぁ~僕もそう思ってたからねぇ~~それでさ、この商品どう思う?」
コウリョウ
「あの二人を見る限り、素晴らしい商品だと思います」
ダンショウ
「だよね!あれを見たら使いたくなるよね」
コウリョウ
「はい・・・あの、ギルドのお風呂を準備しましょうか?」
ダンショウ
「いや、まだいいよ、夜まで我慢するさ・・・それで値段なんだけど、コウリョウならどれ位にする?」
コウリョウ
「そうですねー、あの効果を見ていないとして、香りの良い石鹸は、普通の物より少し高くして大銅貨2枚、シャンプーは大銅貨3枚でしょうか」
ダンショウ
「効果を知らない場合はそんなとこだろうね、でもあの変わり様を見ると、初めから高くしても売れるね、これはさ」
コウリョウ
「たしかにそうですね」
ダンショウ
「まあそこは、次の商談の時に相手も巻き込んで話し合おうか、後は、これだよね」
コウリョウ
「ですね!?あの効果の物を持ってきた者が、普通の化粧水を渡すはずがありませんから」
ダンショウ
「そうだね!?いやー、色々面白い人だねぇ~あの人、ケイイチさんって言っていたっけ?次に会うのが楽しみだねぇ~」
コウリョウ
「そうですね、冒険者ギルドに使いを出して、試供品を受け取ってまいります」
ダンショウ
「うん、よろしくねー、僕は書類の整理をしてるからね、それとさ、商品を試す人員も集めておいてね」
コウリョウ
「畏まりました」
コウリョウが部屋を出て行ったので僕は書類仕事をしながら思考を巡らせてニヤニヤしてた。
ダンショウ
「むふふぅ~~夜が楽しみだなーー今日は早く帰ろっと」
ケイイチが渡した石鹸とシャンプーと化粧水は普通の物だった。
しかし日本の物を異世界に出した時、効果にブーストが掛かっていたのだ。
その日の夜
ダンショウ・コウリョウ・選抜された人が、石鹸とシャンプーを使い、体から香水を使ったような香りと艶々の髪に驚き、更に化粧水を貰ったミレーネ・ダンショウ・コウリョウの肌が信じられないくらい回復し、その後質問攻めに合うのだった。
更にさらに、次の日の朝、いつもは癖毛で準備が大変なダンショウが、ぼさぼさになっていない髪(癖毛がなくなったわけではない)を見て驚くのだった。
実を言うと貴族だ。
カミバリ家の三女で家を継がないからいつもダンショウと名乗っている。
それを知っているのは商業ギルドの副ギルドマスターだけだ。
昨日冒険者ギルドから使いが来て、明日以降の昼過ぎに商談をしたいという冒険者を連れて、副ギルドマスターのミレーネさんが来店すると連絡があった。
普通は明日以降の昼過ぎという、曖昧で時間を決めていない約束は受けないんだけど、冒険者ギルドとは仲もいいし、今の時期は暇なので受けることにした。
そして今日の昼来店してきた。
冒険者の男性は20歳を超えていなさそうな青年で、もう一人は獣人の少女だった。
!!何だか髪が艶々してないかな?何を使ったらそうなるのか教えてほしいね?・・・そういえば、ミレーネさんの髪も同じだね。
僕は頭の中で思考を巡らせながら冒険者二人に向かって自己紹介をした。
あ!?これは僕が女だとわかってないね・・・僕はよく男と間違われる。
髪を長くすれば分かるのかもしれないけど、僕は癖毛で伸ばすと朝が大変だからいつも短めにしているのさ。
ちょっとイラっとしたけど、営業スマイルは崩さないよ。
商談の内容は、香りの良い石鹸とシャンプーという髪用の石鹸だった。
うん?商品は分かったけど、値段知らないの?うーん、試してるのかな?分かりにくいなーこの人。
取り合えず試してから値段を決めようかな、取り分だけ決めちゃおっと。
僕たちは場所と名前だけだから普通は2割貰うんだけど、さて彼はどれだけ値切って来るかな?
いやな商人は1割しかくれない者も少なくないんだよねー、がめついってくらいだよほんと。
あれ!?取り分を値切ることもしないの?もしかして、規定の取り分も解らないんじゃないのかなー?
説明した方が良いのかな?僕はミレーネさんの方を見たけど目が合うと顔を横に振っていたから必要ないのかな?
まあこっちとしても助かるけどね、規定で決まった取り分で契約してくれるならさ。
僕が顔に出さないように呆れていると、こっちで試す用の品以外に僕とコウリョウに5個もくれた。
それもタダで、商人の間ではタダより怖い物はないと言われるくらい、タダで物は普通渡さない、ちょっと警戒したけど、それ以外に更に化粧水も1本ずつくれた。
あれ?化粧水を僕にくれるなんて、僕を男と思ってないのかな~?
コウリョウも驚いているよ、あの顔は絶対!僕を男だと思って対応していたもんねー・・・そのはずなんだけど、うぅ~ん読めない人だな~。
商談が終わり、3人が部屋を出たのでコウリョウと今回の事を話し合ったんだ。
ダンショウ
「どう思う?コウリョウ」
コウリョウ
「はい、あれは絶対マスターを男だと思っていましたね」
ダンショウ
「!?そっちじゃないよ!」
コウリョウ
「し、失礼しました」
ダンショウ
「まあ~いいけどさぁ~僕もそう思ってたからねぇ~~それでさ、この商品どう思う?」
コウリョウ
「あの二人を見る限り、素晴らしい商品だと思います」
ダンショウ
「だよね!あれを見たら使いたくなるよね」
コウリョウ
「はい・・・あの、ギルドのお風呂を準備しましょうか?」
ダンショウ
「いや、まだいいよ、夜まで我慢するさ・・・それで値段なんだけど、コウリョウならどれ位にする?」
コウリョウ
「そうですねー、あの効果を見ていないとして、香りの良い石鹸は、普通の物より少し高くして大銅貨2枚、シャンプーは大銅貨3枚でしょうか」
ダンショウ
「効果を知らない場合はそんなとこだろうね、でもあの変わり様を見ると、初めから高くしても売れるね、これはさ」
コウリョウ
「たしかにそうですね」
ダンショウ
「まあそこは、次の商談の時に相手も巻き込んで話し合おうか、後は、これだよね」
コウリョウ
「ですね!?あの効果の物を持ってきた者が、普通の化粧水を渡すはずがありませんから」
ダンショウ
「そうだね!?いやー、色々面白い人だねぇ~あの人、ケイイチさんって言っていたっけ?次に会うのが楽しみだねぇ~」
コウリョウ
「そうですね、冒険者ギルドに使いを出して、試供品を受け取ってまいります」
ダンショウ
「うん、よろしくねー、僕は書類の整理をしてるからね、それとさ、商品を試す人員も集めておいてね」
コウリョウ
「畏まりました」
コウリョウが部屋を出て行ったので僕は書類仕事をしながら思考を巡らせてニヤニヤしてた。
ダンショウ
「むふふぅ~~夜が楽しみだなーー今日は早く帰ろっと」
ケイイチが渡した石鹸とシャンプーと化粧水は普通の物だった。
しかし日本の物を異世界に出した時、効果にブーストが掛かっていたのだ。
その日の夜
ダンショウ・コウリョウ・選抜された人が、石鹸とシャンプーを使い、体から香水を使ったような香りと艶々の髪に驚き、更に化粧水を貰ったミレーネ・ダンショウ・コウリョウの肌が信じられないくらい回復し、その後質問攻めに合うのだった。
更にさらに、次の日の朝、いつもは癖毛で準備が大変なダンショウが、ぼさぼさになっていない髪(癖毛がなくなったわけではない)を見て驚くのだった。
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