47 / 79
2章 戦争の第一歩
閑話 訓練?
しおりを挟む
「それじゃまず、この車輪の着いた板に乗って走って見て下さい」
どうもラリーファファです、私は今ビクトールが連れてきたお嬢様たちの指導をしています、みんなにはちょっと特殊な戦闘要員になってもらう為に訓練を開始したんです。
「こ、この、いたたっ!」
「いやあぁー!誰か止めてぇぇー!」
ビクトール率いるお嬢様たちがプロテクターを着け、スケボーに苦戦しています、ビクトールはさすがと言った感じでスイスイ走ってるわ、これを見るとミサーラも特別だったんだと思い知ります、これが出来ないと先に進めません。
「っと言う事で、1週間が経ちました。みんなやっとスケボーに乗れるようになったわね」
私は自分のウイングシールドに乗って頷いています、お嬢様たちが使うのはちょっと細長い空飛ぶ盾で、今はほんのちょっと浮いてるだけね。
「みんなの魔力がもう少しあれば、ミサーラみたいに2つの盾で飛ぶことも出来るんだけど、高高度で長距離を飛ぶし、これの方が安定するのよねぇ」
空飛ぶスノーボードの様でカッコいいんです、そしてそのためのバランス感覚をみんなに身に付けて貰いました、もちろん自動でも動くので落ちてもボードが勝手に移動してくれます。
「ビクトールくらい扱えれば何とかなったのにね」
「わたくしは例外ですわよラリーファ、傭兵に頼んで外のモンスターを倒していましたもの」
ビクトールのレベルは22で、なかなかの強さです、今嬉しそうに話していますが、傭兵たちが逃げだすくらいの荒行をこなしていたみたいです。
「だからその歳であんなに強いのね」
「ですわね、だから早くこのウイングボードで戦ってみたいですわ」
ビクトールにも既にボードを渡しています、それを手に持ちスリスリしているの、私はそれを見てガッカリするだろうなぁって思っています。
みんなの戦いは接近戦じゃないのよ。
「嫌ですわ!遠距離からの魔法弾攻撃なんて、わたくしの趣味ではありませんわよ!」
お嬢様たちにボードを配り、早速バズーカやランチャーなどを持たせて説明したんです、そうしたら予想通りビクトールが嫌がっています、恐らく騎馬兵と同じように空で戦うと思っていたのでしょう。
「仕方ないでしょビクトール、空に敵なんていないのよ、いるのは地上なの」
「そ、それなら!地上に降りて戦いますわよ、空から攻めればすぐに倒せますわ」
当然の様に言っていますが、それも作戦には入ります、でもそれは奇襲や突撃と言う事で損害が出やすいので却下です、それを聞きビクトールは頬を膨らませているわ。
「聞き分けなさいビクトール、あなた達は切り札よ、そんな簡単に負傷されても困るわ」
「切り札?」
ビクトールがそう言って不思議そうです、お嬢様たちもです、私はこの子たちには戦姫の様な存在になってほしいんです、兵士を集めるのにも必要だし、敵が逃げてくれるわ。
「だからね、出来るだけ地上でも戦ってもらうから低空飛行の練習よ、さぁ行くわよ」
私を先頭に、森を低空で飛ぶ練習です、みんなには強化スーツを着てもらいヘルメットも装着しました、木に当たっても大怪我はしません。
「ぎゃあぁー!」
「うげっ」「ぎゃっ」
「こ、こわいですぅ~」
森までの道は高度を上げて慣れてもらったのだけど、みんな空を飛べて嬉しそうな顔をしていました。でも森に入り、お嬢様たちの表情は一変して恐怖に染まっています、木にぶつかったり、お互い避けれずに接触したり、木に当たらないように速度を遅くしてヨロヨロと飛んだりです。
「まだまだ実戦には使えないわね、ミサーラが出来るから簡単だと思ったのだけど、ビクトールくらいしか出来てないわ、獣人は運動神経抜群だったって事ね」
スイスイ飛んでいるのはビクトールだけです、ステータスも関係しているでしょうが、それを引いてもさすがと言えます、これは早速地上での戦いの訓練ですね。
「っと言う事でビクトール、行くわよ」
「望むところですわ、行きますわよ!」
低空での高速戦闘が始まりました、木を避け接触時に【ガキン】と良い音をさせてビクトールの剣と私の盾がぶつかっています。
「さすがねビクトール、じゃあこれならどうかしら?」
私は新しい武器、手裏剣シールドを2つ飛ばしました、ビクトールがそれを剣で落としていますが、操作しているのでまた直ぐに戦わせています。
「ふむふむ、ビクトールでも当てるのが難しいと、となると自動運転はあれくらいで行けるわね」
殺傷能力が高すぎるので、銃と同じくまだまだ使えませんが、総力戦などでは使うつもりです。
「さてお嬢様たち、疲れてる所申し訳ないけど、ライフルの練習よ」
「「「「「は~い」」」」」
森の深い場所までみんなで来て、地上に降りて射撃練習です、目標はもちろんモンスターですね、私とビクトールは二人で戦っている時に既に倒して(巻き添え)ますので見張りです。
「しっかりと狙ってね、ライラ」
「は、はいラリーファファ殿」
金髪を短くしたボーイッシュなお嬢様に指示して魔法銃を構えてもらっています、他のお嬢様も既に構えていて、その先には6mはあるモンスターがいるんです、わたしたちの目標は腕が6本あるクマ、シックスハンドグリズリーでランクはSです。弾はもちろんシルフィートスの弾です、これはカリーサに頼んだ筒の正体ですね、空の薬莢を作ってもらったのよ、それを砦で動けない人を使い、魔法弾に生産したんです、今も街では筒を作ってもらっています。
「将来はランチャーとかの方も外に頼みたいわねって、当たったかしらライラ?」
「は、はい・・・多分?」
銃声が小さくて聞こえず、弾が飛んだのも速くて見えないのでみんなが首を傾げています、シックスハンドグリズリーが声もなく倒れたので余計です、これが上達すれば当たったかが分かるようになるのだけど、それはもっと練習しないとね。
「さぁみんな、次はちょっと大変よ、ビクトールもこれを持って」
奥にいたダイガーファングという大きなトラなどを狙撃して、ある程度レベルと狙撃スキルを上げた私たちは、今日の仕上げに取り掛かりました、みんなに持たせたのはショットガンです。
「ラリーファ、さっきの武器とどう違いますの?形が違うだけでは?」
「ビクトールが分からないのも仕方ないわ、さっきまでのは遠距離用、これは近距離用なのよ」
みんなには空以外も戦ってもらいます、接近戦では普通の剣を使ってもらう予定ですが、強さを強調するのならこれは必須でしょう。
「って事なの、ここでは練習しないけど、最初に渡したバズーカとかも同じ感じよ」
高威力の武器は局地戦です、砦や街などを攻める時に使う予定です、そしてショットガンの目標はちょっと小さめのモンスターです。
「話は分かりましたわ・・・でもモンスターが見当たりませんが?」
ビクトールたちが周りを見回しているけど見えないようです、私もまだ見えないわもう少し森の外側です。私たちは少し森を歩き、目標を視認しました。
「あれが最後の敵よ」
私が指を差すとビクトールたちは顔を青くしています、モンスターを見て怖いんでしょう。
「リトルスパイダーの皆さんで~す、さぁ向こうはこちらを見つけたわよ、早く構えて!弾の装填を忘れないように仲間に当てない様に離れてぇー」
直ぐに指示を出し、みんなを等間隔に並べました、そして私サイズの蜘蛛たち(500匹くらい?)が突撃してきています。
「こ、来ないでえ~!」
「嫌だあぁー!」
みんなからの悲鳴などを聞きながら、私はシールドを30個出して見張っています、フレンドリーファイアの対策なので私から蜘蛛の攻撃はしません。この戦いは1時間続き、蜘蛛を倒した所でみんなが倒れたわ。
「恐怖と緊張が切れたかしら?まぁ頑張ったわよね」
シールドを追加で出してみんなを運びながら、頑張ってねって労ったわ、ビクトールは先頭で楽しそうに空を飛んでるけど、この子たちの英雄ぶりで今後が決まるのよ。
「クモコワイ、クモコワイ」
「モサモサした手が、手がぁぁ~」
砦に着いてベッドにお嬢様たちを運ぶと、みんながうなされている感じでした、トラウマにならなければ良いのですが、これくらいの恐怖は克服してもらわないと戦争は戦えません、ほんとに頑張ってね。
どうもラリーファファです、私は今ビクトールが連れてきたお嬢様たちの指導をしています、みんなにはちょっと特殊な戦闘要員になってもらう為に訓練を開始したんです。
「こ、この、いたたっ!」
「いやあぁー!誰か止めてぇぇー!」
ビクトール率いるお嬢様たちがプロテクターを着け、スケボーに苦戦しています、ビクトールはさすがと言った感じでスイスイ走ってるわ、これを見るとミサーラも特別だったんだと思い知ります、これが出来ないと先に進めません。
「っと言う事で、1週間が経ちました。みんなやっとスケボーに乗れるようになったわね」
私は自分のウイングシールドに乗って頷いています、お嬢様たちが使うのはちょっと細長い空飛ぶ盾で、今はほんのちょっと浮いてるだけね。
「みんなの魔力がもう少しあれば、ミサーラみたいに2つの盾で飛ぶことも出来るんだけど、高高度で長距離を飛ぶし、これの方が安定するのよねぇ」
空飛ぶスノーボードの様でカッコいいんです、そしてそのためのバランス感覚をみんなに身に付けて貰いました、もちろん自動でも動くので落ちてもボードが勝手に移動してくれます。
「ビクトールくらい扱えれば何とかなったのにね」
「わたくしは例外ですわよラリーファ、傭兵に頼んで外のモンスターを倒していましたもの」
ビクトールのレベルは22で、なかなかの強さです、今嬉しそうに話していますが、傭兵たちが逃げだすくらいの荒行をこなしていたみたいです。
「だからその歳であんなに強いのね」
「ですわね、だから早くこのウイングボードで戦ってみたいですわ」
ビクトールにも既にボードを渡しています、それを手に持ちスリスリしているの、私はそれを見てガッカリするだろうなぁって思っています。
みんなの戦いは接近戦じゃないのよ。
「嫌ですわ!遠距離からの魔法弾攻撃なんて、わたくしの趣味ではありませんわよ!」
お嬢様たちにボードを配り、早速バズーカやランチャーなどを持たせて説明したんです、そうしたら予想通りビクトールが嫌がっています、恐らく騎馬兵と同じように空で戦うと思っていたのでしょう。
「仕方ないでしょビクトール、空に敵なんていないのよ、いるのは地上なの」
「そ、それなら!地上に降りて戦いますわよ、空から攻めればすぐに倒せますわ」
当然の様に言っていますが、それも作戦には入ります、でもそれは奇襲や突撃と言う事で損害が出やすいので却下です、それを聞きビクトールは頬を膨らませているわ。
「聞き分けなさいビクトール、あなた達は切り札よ、そんな簡単に負傷されても困るわ」
「切り札?」
ビクトールがそう言って不思議そうです、お嬢様たちもです、私はこの子たちには戦姫の様な存在になってほしいんです、兵士を集めるのにも必要だし、敵が逃げてくれるわ。
「だからね、出来るだけ地上でも戦ってもらうから低空飛行の練習よ、さぁ行くわよ」
私を先頭に、森を低空で飛ぶ練習です、みんなには強化スーツを着てもらいヘルメットも装着しました、木に当たっても大怪我はしません。
「ぎゃあぁー!」
「うげっ」「ぎゃっ」
「こ、こわいですぅ~」
森までの道は高度を上げて慣れてもらったのだけど、みんな空を飛べて嬉しそうな顔をしていました。でも森に入り、お嬢様たちの表情は一変して恐怖に染まっています、木にぶつかったり、お互い避けれずに接触したり、木に当たらないように速度を遅くしてヨロヨロと飛んだりです。
「まだまだ実戦には使えないわね、ミサーラが出来るから簡単だと思ったのだけど、ビクトールくらいしか出来てないわ、獣人は運動神経抜群だったって事ね」
スイスイ飛んでいるのはビクトールだけです、ステータスも関係しているでしょうが、それを引いてもさすがと言えます、これは早速地上での戦いの訓練ですね。
「っと言う事でビクトール、行くわよ」
「望むところですわ、行きますわよ!」
低空での高速戦闘が始まりました、木を避け接触時に【ガキン】と良い音をさせてビクトールの剣と私の盾がぶつかっています。
「さすがねビクトール、じゃあこれならどうかしら?」
私は新しい武器、手裏剣シールドを2つ飛ばしました、ビクトールがそれを剣で落としていますが、操作しているのでまた直ぐに戦わせています。
「ふむふむ、ビクトールでも当てるのが難しいと、となると自動運転はあれくらいで行けるわね」
殺傷能力が高すぎるので、銃と同じくまだまだ使えませんが、総力戦などでは使うつもりです。
「さてお嬢様たち、疲れてる所申し訳ないけど、ライフルの練習よ」
「「「「「は~い」」」」」
森の深い場所までみんなで来て、地上に降りて射撃練習です、目標はもちろんモンスターですね、私とビクトールは二人で戦っている時に既に倒して(巻き添え)ますので見張りです。
「しっかりと狙ってね、ライラ」
「は、はいラリーファファ殿」
金髪を短くしたボーイッシュなお嬢様に指示して魔法銃を構えてもらっています、他のお嬢様も既に構えていて、その先には6mはあるモンスターがいるんです、わたしたちの目標は腕が6本あるクマ、シックスハンドグリズリーでランクはSです。弾はもちろんシルフィートスの弾です、これはカリーサに頼んだ筒の正体ですね、空の薬莢を作ってもらったのよ、それを砦で動けない人を使い、魔法弾に生産したんです、今も街では筒を作ってもらっています。
「将来はランチャーとかの方も外に頼みたいわねって、当たったかしらライラ?」
「は、はい・・・多分?」
銃声が小さくて聞こえず、弾が飛んだのも速くて見えないのでみんなが首を傾げています、シックスハンドグリズリーが声もなく倒れたので余計です、これが上達すれば当たったかが分かるようになるのだけど、それはもっと練習しないとね。
「さぁみんな、次はちょっと大変よ、ビクトールもこれを持って」
奥にいたダイガーファングという大きなトラなどを狙撃して、ある程度レベルと狙撃スキルを上げた私たちは、今日の仕上げに取り掛かりました、みんなに持たせたのはショットガンです。
「ラリーファ、さっきの武器とどう違いますの?形が違うだけでは?」
「ビクトールが分からないのも仕方ないわ、さっきまでのは遠距離用、これは近距離用なのよ」
みんなには空以外も戦ってもらいます、接近戦では普通の剣を使ってもらう予定ですが、強さを強調するのならこれは必須でしょう。
「って事なの、ここでは練習しないけど、最初に渡したバズーカとかも同じ感じよ」
高威力の武器は局地戦です、砦や街などを攻める時に使う予定です、そしてショットガンの目標はちょっと小さめのモンスターです。
「話は分かりましたわ・・・でもモンスターが見当たりませんが?」
ビクトールたちが周りを見回しているけど見えないようです、私もまだ見えないわもう少し森の外側です。私たちは少し森を歩き、目標を視認しました。
「あれが最後の敵よ」
私が指を差すとビクトールたちは顔を青くしています、モンスターを見て怖いんでしょう。
「リトルスパイダーの皆さんで~す、さぁ向こうはこちらを見つけたわよ、早く構えて!弾の装填を忘れないように仲間に当てない様に離れてぇー」
直ぐに指示を出し、みんなを等間隔に並べました、そして私サイズの蜘蛛たち(500匹くらい?)が突撃してきています。
「こ、来ないでえ~!」
「嫌だあぁー!」
みんなからの悲鳴などを聞きながら、私はシールドを30個出して見張っています、フレンドリーファイアの対策なので私から蜘蛛の攻撃はしません。この戦いは1時間続き、蜘蛛を倒した所でみんなが倒れたわ。
「恐怖と緊張が切れたかしら?まぁ頑張ったわよね」
シールドを追加で出してみんなを運びながら、頑張ってねって労ったわ、ビクトールは先頭で楽しそうに空を飛んでるけど、この子たちの英雄ぶりで今後が決まるのよ。
「クモコワイ、クモコワイ」
「モサモサした手が、手がぁぁ~」
砦に着いてベッドにお嬢様たちを運ぶと、みんながうなされている感じでした、トラウマにならなければ良いのですが、これくらいの恐怖は克服してもらわないと戦争は戦えません、ほんとに頑張ってね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
264
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる