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2章 戦争の第一歩

32話 お金を貰いに

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「おおお、お待たせしました!?どどど、どうぞこちらにお越しください」


私たちは傭兵ギルドに着いて、ギルドの職員に奥に行くように言われています、でも私たちはちょっと行く気にはなってないわ。

何故ならば、今私たちはヒューマンの傭兵たち100人に襲われたからです、最初に確認の為と言って、受付嬢が奥に入ったのを見て一斉に襲ってきたの、あれが合図だから、この受付嬢もグルと見るのが当たり前だわ、もちろん傭兵たちはコテンパンにしたわよ、まだペルーロも私もヒューマンの傭兵の襟をつかんで殴る体勢でいます、ミサーラは盾で叩きつけたりしているの、オロオロしていた時に比べると、なかなかやるようになったわ。


「悪いけど、まだ残ってる奴らがいるわ、それが終わるまで待ってちょうだい、ホイっと」


掴んでいたヒューマンの男を蹴り飛ばして私は言いました、受付嬢はガクガクしていますが、まだ50人位はいるのよ、それに受付嬢も共犯の可能性がある以上、信用できないからもっと恐怖に怯えてもらうわ。


「お前たちそこまでだ!」


私たちが再び暴れだし、戦意喪失している傭兵たちを倒していると、2階からそんな声が聞こえたわ、私は見上げたんだけど、赤い髪の男性が立っていたの、髪が腰まで伸びていてトゲトゲしてる、筋肉も相当で格好を見ただけで怖そうね。

まぁ私には関係ないけどね。


「それは私たちに言ってるの?それとも、このふざけた事をして来たこいつら?」


座りこんで動けない傭兵たちを睨んで私は言いました、でも2階の男性は全員って言ったのよ、私たちも入っていることにちょっとイラッてしたわ。でも止めてあげたわよ、とりあえずね。


「それで、あなたはどなたで、私たちになんの用かしら?」


2階から降りてきた男性に私は聞きました、ペルーロたちを下がらせ私の後ろに着くようにも合図したわ、相手の出方を見て陣形を組んだの、その間に蹴散らした男どもは端っこに移動していたわ。


「ほう、オレを見ても引かないか、なかなか度胸があるな名前を聞いて良いかな?」

「悪いんだけど、何処の誰か分からない人に名乗る名前は無いわ、聞きたいならそっちから名乗ってくれるかしら?」


相手は威圧をしてきていません、でもどことなく威圧感はあるの、なのでちょっと強気な態度を取ったわ、話し合いは出来るのか分からないわね。


「ふむ、それもそうだな、オレはここのギルドを統括しているアレンだ」

「そう、あなたがギルドマスターって事ね、私はラリーファファよ」


私は素直に名乗り、ペルーロたちも紹介したの、相手はちょっと笑顔ではあるけど、まだまだ油断できない状況ね。


「それで、この騒ぎは何なのだ?どうして傭兵たちは戦っていた」


ギルマスが職員たちを見渡して聞いてます、でも顔を逸らすだけで誰も答えないわ、私はそれを見てなるほどって思ったのよ。他種族の時間指定はギルマスは知らない、この襲撃も職員が勝手にやったことで、それを知られると大変なことになるんだわ。


「誰も何も言わないのか、そなたらはどうだ?」

「簡単よ、他種族が偉そうな顔をしているのが気に入らないんだそうよ、だから待ち構えて襲ってきたの、私たちの実力も知らないで間抜けよねぇ」


まだ無傷の傭兵たちを睨んでおいたわ、それに職員たちもね。それを見てギルマスはかなり顔色を変えたわよ。


「それはすまない事をした、この落とし前はオレが付ける」

「そうしてくれると助かるわ、じゃあ私たちは素材の代金を貰ったら帰るわね」


受付に飛びながら言ったら、受付嬢がビクッてしたわ、それを見て私は察知したのよ。あの数の傭兵を使ったんですもの、私たちが負けると思っていて用意してないんだわ、それか焦り様は、その報酬を使ってしまったのかもね。

でも私は容赦しないわよ。


「ねぇ、早くしてくれるかしら?」

「そそ、それは・・・その」


共犯であろう受付嬢に聞いたのだけど、やはりって感じです、そしてオドオドしているので私はテーブルを足で押しつぶしたわ、今回はテーブル全体を押しつぶす感じね、床もかなりボロボロでテーブルはひしゃげてるわね。


「早くしてくださる?まさか使ってしまってありません、とか言わないわよね?」

「ひっ!?」


私に睨まれたから受付嬢が悲鳴をあげたわ、これでは話が進まないので、私はギルマスの方を向いたの、ギルマスはどういうことかと思っているので説明したわよ。


「そうだったのか、オレは聞いていないな、オーフェルどういうことだ?」

「そ、それが・・・その」


女性を名前で呼んでかなり怒っているわ、さっきとは比べ物にならないわね。

あれでギルマスは普通だったのが驚きね。


「これは話を聞けそうもないな、ラリーファファと言ったか、すまないが素材の代金は夕方に取りに来てくれるか?」

「まぁ仕方ないわね、私たちも用意してくれるなら問題ないわ、こいつらも少しは懲りたでしょ」


周りの男と受付嬢たちを睨み、私たちはギルドを後にしました、ペルーロたちは買い物が楽しみみたいで嬉しそうよ。


「ペルーロはこっちのジャケットが似合うわね」

「そうウサね、それにはこっちのズボンウサ、ペルーロ着てみるウサ」


服屋に着いて、まずはワンコのお着替えです、もう何着も着替えているのでペルーロはかなりぐったりしていますよ。


「もういいよふたりとも、どうせここでしか着ないんだからさ」

「「ダメ!?」」


私たちの声が揃いペルーロは諦めたようです、そして着替え終わって疲れたペルーロを椅子に座らせ、今度の標的はミサーラです、私は色々着せましたよ。


「やっぱりヒラヒラのスカートよねぇ」

「う、ウサ」


ピンクのワンピースとかも着せてみました、凄く似合うわ、ペルーロが何て言うかすごく気になるけど、今は白くなっているし後でね。


「でも、ウチは動きやすい方が良いウサ、この半ズボンとジャケット、良いと思うウサ」


そう言って選んだ物はペルーロに買った服の1つと色違いです、ズボンは違いますが一緒のが良いのね。


「じゃあそっちも買いましょ、いくらあっても良いんだからね、さぁお会計よ」


お店の人にお金を渡し、私たちは食事をしたりと楽しい王都散策が出来ました、屋台などの軽めに食べれる物がなかったのは、ちょっと寂しかったけど楽しかったわ、っと頭で考えた時、冷静になった私はハッとしたのよ。


「しまったわ、二人にデートを楽しんでもらえばよかった、服の事で頭がいっぱいだったわね」


ちょっと反省しながら、後ろで手を繋いで歩いている二人を見ました、私がいてもいなくてもあんな感じだけど、失敗でした。

そう思いながら私たちはギルドに向かったわ、夕食はメリーナの屋敷で取る予定なのよ。


「傭兵ギルドへようこそにゃ、どういったご用件でしょうかにゃ?」


夕方に訪れたギルドは、何処を見ても他種族の人達ばかりでした、受付の人は可愛いネコミミの女性です、三毛猫のような髪の毛に耳、尻尾は先端だけクイクイと動いていて、とても可愛いですね。


「ラリーファファって言いますがギルドマスターはいますか?約束をしてるんですけど」

「ラリーファファ様にゃ?・・・もしかして朝に暴れたっていう」


私はそれに頷いたわ、ペルーロたちもね、それを見てニャンコさんは笑顔になって2階に上がって行ったわ、受付の後ろにある階段を登って行ったからそっちでも行けるのね。


「同じギルドでもこんなに違うんだね、何だか驚きだよ」

「そうウサね、みんなとても安心してるウサ」


周りを見渡すと、みんなが笑顔で話し合ったり依頼を見たりしています、これが朝と同じ場所なんて信じられないです、そしてその数名は朝にメリーナの屋敷の門で見た顔がいますよ。


「こうやって見ると平和な感じだから、私が連れて行かなくても良いかもって思うのよねぇ・・・でも現実は違う、いやだわ」


王都の散策していてもたまにいたのよ、ペルーロたちが楽しそうだから気にしないフリをしたけど、ああいった視線は嫌よね。


「お待ちしてもうしわけないにゃ、奥でマスターが待ってますのにゃ」


笑顔のニャンコさんに案内され、私たちは奥に進みました。
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