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3章 平和への第一歩
61話 宣戦布告とおじいさんの心情
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「わたくし、我慢出来るか心配ですわメリーナ」
「その時は自分が抑えるっすよビクトール、ラリーファを見て落ち着くっす」
ふたりがそう言って私をジッと見てきました、ペルーロやミサーラにキャミカル、それにエリシアまでよ。私は今戦闘で着ているいつもの強化スーツと、防弾チョッキなのだから清楚とか綺麗からかけ離れています、みんながそれを見て安心したのよ。
私で精神を安定させないでよねってツッコミを入れたいわ。
「まぁフェーリアが、どれだけこの世界で力を持っているかの証よね」
そう愚痴を言っていると、相手が空から現れたわ、そして少し離れた所にも車が走ってる、ちょっとの差でフェーリアが先に着いたわね。
「初めまして、わたくしはフェーリアの長をしていますベサーファファと申します、後ろの者たちはわたくしの護衛ですわ、どうぞお気になさらずに」
フェーリアが空から5人降りてきて、先頭にいたキラキラ光るドレスを着たフェーリアが名乗ってくれたわ、この人が頂点なのねって思いながらも私たちも名乗りました、そしてそこでこの人の性格が分かったわ、何故なら自己紹介の途中で区切ってきたからです。
この人はフェーリア以外を対等と思う事は無いわ、下手をすると後ろのフェーリアたちも下に見ているかもしれない、そんな目をしているの、ビクトールをメリーナが抑えてますよ。
「わたくし、実に多忙な立場でして、あなたと長くお話をしたいのだけどそれは無理なの、よろしいかしら?」
ヒューマンであるメリーナたちの自己紹介が終わって直ぐに言ってきたわ、ペルーロたちが名乗ろうと前に出ようとして顔を見合ってしまっているわ。
私の堪忍袋が膨らみ始めたわ、切れる前に終わってくれるかしらね。
「そちらの協力関係の国の方がまだ来ていませんが、よろしいのですか?」
「何をおっしゃいますのラリーファファさん?我々はフェーリア、この世界の最高種ですよ、他の国の方が来たら待たせて置けばいいのです、さぁ早く案内してくださいな」
私はやれやれと思いながらも収納から畳を何枚も出しました、そしてお茶の道具も出して準備を始めたの、もちろん服は着物に変身よ、みんながいきなり服が変わって驚いているけど、今の強化スーツを甘く見過ぎよ、そう言ったナノテクを使ってるんだからね。
「さぁこちらに座ってください、今お茶を点てますわ」
私の説明を聞いてかなり動揺してみんなが動きません、私はお湯が沸くまで正座で待機ですが、かなりおしとやかにしていますよ。
「ちょっと待つさねあなた!?・・・ラリーファファさんどういうことですの?」
「ベサーファファさん、これはこういった飲み物ですよ、清楚でいいでしょ?」
そう言いながら私はお茶を点て始めました、シャカシャカと良い音を立てています、実は私ね、高校まで茶道部だったんですよ。
「そ、そう言った事ではなく、外で話をするというのですか、こんなホコリが舞ってそうな場所で」
「あらあらベサーファファさん、周りを見てください、芝生もしっかり整えてますし、桜が綺麗でしょ、こんな場所が『汚い』だなんて、ちょっと思考がおかしいのではなくて?」
私は少し毒を吐きました、だってこの場所は私が作った安息の場所なの、お昼寝もするしお弁当だって食べるわ、ここはみんなで楽しくお話をするとてもきれいな場所なのよ。
「あ、あなた!わたくしを誰だと思っていますの、フェーリアの頂点で世界の」
「ああはいはい、分かってますよぉ~でも、ここにはお話をしに来たのですよね?ベサーファファさんが招いてくれたのなら、それはもう素晴らしい場所に私たちを連れて行ってくれたんでしょうが、私たちにはこれが最大のおもてなしです、それが分からないとなると困りましたわねぇ」
私はワザとらしく困った感じを出しました、ビクトールやメリーナが笑いを堪えています、ベサーファファはかなりお怒りですよ。
「これが最高の場所だと言われますのね」
「そうですよベサーファファさん、この素晴らしい景色は何物にも代えられません」
「そうですか・・・ではもういいさね!もうあなたと話すことは無いさね、行くさね!」
そう言ってベサーファファさんたちは飛んで行ってしまったわ、狭い部屋でお茶とお菓子の方が良いとか、フェーリアってそんなに窮屈な場所が良いの?
「変や人ね」
空を見て呟いていると、ちょっと古めかしい車が門から入ってきたわ、そして降りてきたのは黒髪の青年と、金髪ロングのメガネ美人でした。
「待たせたな・・・ん?何だかすごく場違いなところだが、ここで会ってるんだよなバミエラ」
「そうですねサエツグ様・・・でも綺麗な場所です」
車を降りたふたりはそう言って何だか落ち着いています、私は分かってるわねって思っちゃったわ。
「さぁお二人ともこちらにいらして、今お茶を入れましたのよ、みんなもこっちに来て座って座って」
私は畳をバシバシ叩いてみんなを誘ったわ、ちょっと作法的にはダメなんだけど、今はちょっと許してね。
「ではまず、お客さまのお2人から」
お茶を点て、早速二人に湯呑をすすっと勧めました、そしてサエツグって人は直ぐに飲んだのに、バミエラって人はかなり躊躇っています、見た目緑色で怖いわよね。
「結構なお手前だ」
私が笑顔でバミエラを見ていると、サエツグがそう言って畳に滑らせる感じで湯呑をこちらに押したわ、やっぱりって思ったわよ。
「やっぱりあなた、あっちの世界の人なのね」
「そっちもな」
サエツグと笑顔で語り合ったわ、神に会ったのねとか、軍師なんでしょ?とかね。みんなは分かってないようだから、ここからはちゃんと話すわ。
「それでねサエツグさん、私は平和に暮らしたくて戦ってるの、だからあまり争いはしたくない、あなたは話しが分かりそうだから言うけど、和平を結ばない?」
「なんだ聞いてないのか?」
私の話を聞いてサエツグがそう言ってきたわ、そして話してくれたのだけど、神であるあのおじいさんに、この世界を平和にしてほしいとサエツグは言われたんだけど、それを達成するには、ある種族を倒さないといけないらしいわ。
「それってもしかして」
「ああ、お察しの通りフェーリアだ、あの国が頂点にいる以上平和はあり得ない、何かに付けて攻撃してくる、だから俺は今まで準備してきたんだ、だから今の段階で和平はない」
「じゃ、じゃあ同盟を」
私はそこまで言って黙りました、サエツグの目が既に語っていたの『私と戦いたい』ってね。
その前に、もしもベサーファファが攻撃してきたら、それはもう大変なんて呼べる状態では無くなるのにね。
「分かったわ、もう言わない」
「どちらかが勝ったら、次はそこがフェーリアの国を相手にする、まぁ俺は負けないから俺たちだけどな」
そう言って立ち上がり、車に乗って行ってしまったわ、私はみんなのお茶を点てて考えています。
「ね、ねぇラリーファ、あれでよかったわん?」
「ペルーロ、戦いたいって言ってるんですもの、もうどうしようもないわ、これはあの国を倒すために必要な事なのよ」
私はサエツグの話を聞いて思ったわ、私がフェアリアとして生まれたのは、先の事を考えての事だったのよ、あのおじいさんは何百年も先の事まで考えていたんだわ、もしサエツグが負けても良いようにね。
「でも、知ってる人だったんじゃないのかわん?」
「うんそうね、だから私は全力で相手をする・・・そう、これはどちらかが最後の相手と戦う為の壁なのよ」
そう言ってペルーロにお茶を渡したわ、ペルーロはそれを飲んで苦くて舌を出して嫌がってたけど、これが美味しいのよって言っておきました。そして私はサエツグの目を信じたわ、どちらが餌になっても文句はないってね。
「その時は自分が抑えるっすよビクトール、ラリーファを見て落ち着くっす」
ふたりがそう言って私をジッと見てきました、ペルーロやミサーラにキャミカル、それにエリシアまでよ。私は今戦闘で着ているいつもの強化スーツと、防弾チョッキなのだから清楚とか綺麗からかけ離れています、みんながそれを見て安心したのよ。
私で精神を安定させないでよねってツッコミを入れたいわ。
「まぁフェーリアが、どれだけこの世界で力を持っているかの証よね」
そう愚痴を言っていると、相手が空から現れたわ、そして少し離れた所にも車が走ってる、ちょっとの差でフェーリアが先に着いたわね。
「初めまして、わたくしはフェーリアの長をしていますベサーファファと申します、後ろの者たちはわたくしの護衛ですわ、どうぞお気になさらずに」
フェーリアが空から5人降りてきて、先頭にいたキラキラ光るドレスを着たフェーリアが名乗ってくれたわ、この人が頂点なのねって思いながらも私たちも名乗りました、そしてそこでこの人の性格が分かったわ、何故なら自己紹介の途中で区切ってきたからです。
この人はフェーリア以外を対等と思う事は無いわ、下手をすると後ろのフェーリアたちも下に見ているかもしれない、そんな目をしているの、ビクトールをメリーナが抑えてますよ。
「わたくし、実に多忙な立場でして、あなたと長くお話をしたいのだけどそれは無理なの、よろしいかしら?」
ヒューマンであるメリーナたちの自己紹介が終わって直ぐに言ってきたわ、ペルーロたちが名乗ろうと前に出ようとして顔を見合ってしまっているわ。
私の堪忍袋が膨らみ始めたわ、切れる前に終わってくれるかしらね。
「そちらの協力関係の国の方がまだ来ていませんが、よろしいのですか?」
「何をおっしゃいますのラリーファファさん?我々はフェーリア、この世界の最高種ですよ、他の国の方が来たら待たせて置けばいいのです、さぁ早く案内してくださいな」
私はやれやれと思いながらも収納から畳を何枚も出しました、そしてお茶の道具も出して準備を始めたの、もちろん服は着物に変身よ、みんながいきなり服が変わって驚いているけど、今の強化スーツを甘く見過ぎよ、そう言ったナノテクを使ってるんだからね。
「さぁこちらに座ってください、今お茶を点てますわ」
私の説明を聞いてかなり動揺してみんなが動きません、私はお湯が沸くまで正座で待機ですが、かなりおしとやかにしていますよ。
「ちょっと待つさねあなた!?・・・ラリーファファさんどういうことですの?」
「ベサーファファさん、これはこういった飲み物ですよ、清楚でいいでしょ?」
そう言いながら私はお茶を点て始めました、シャカシャカと良い音を立てています、実は私ね、高校まで茶道部だったんですよ。
「そ、そう言った事ではなく、外で話をするというのですか、こんなホコリが舞ってそうな場所で」
「あらあらベサーファファさん、周りを見てください、芝生もしっかり整えてますし、桜が綺麗でしょ、こんな場所が『汚い』だなんて、ちょっと思考がおかしいのではなくて?」
私は少し毒を吐きました、だってこの場所は私が作った安息の場所なの、お昼寝もするしお弁当だって食べるわ、ここはみんなで楽しくお話をするとてもきれいな場所なのよ。
「あ、あなた!わたくしを誰だと思っていますの、フェーリアの頂点で世界の」
「ああはいはい、分かってますよぉ~でも、ここにはお話をしに来たのですよね?ベサーファファさんが招いてくれたのなら、それはもう素晴らしい場所に私たちを連れて行ってくれたんでしょうが、私たちにはこれが最大のおもてなしです、それが分からないとなると困りましたわねぇ」
私はワザとらしく困った感じを出しました、ビクトールやメリーナが笑いを堪えています、ベサーファファはかなりお怒りですよ。
「これが最高の場所だと言われますのね」
「そうですよベサーファファさん、この素晴らしい景色は何物にも代えられません」
「そうですか・・・ではもういいさね!もうあなたと話すことは無いさね、行くさね!」
そう言ってベサーファファさんたちは飛んで行ってしまったわ、狭い部屋でお茶とお菓子の方が良いとか、フェーリアってそんなに窮屈な場所が良いの?
「変や人ね」
空を見て呟いていると、ちょっと古めかしい車が門から入ってきたわ、そして降りてきたのは黒髪の青年と、金髪ロングのメガネ美人でした。
「待たせたな・・・ん?何だかすごく場違いなところだが、ここで会ってるんだよなバミエラ」
「そうですねサエツグ様・・・でも綺麗な場所です」
車を降りたふたりはそう言って何だか落ち着いています、私は分かってるわねって思っちゃったわ。
「さぁお二人ともこちらにいらして、今お茶を入れましたのよ、みんなもこっちに来て座って座って」
私は畳をバシバシ叩いてみんなを誘ったわ、ちょっと作法的にはダメなんだけど、今はちょっと許してね。
「ではまず、お客さまのお2人から」
お茶を点て、早速二人に湯呑をすすっと勧めました、そしてサエツグって人は直ぐに飲んだのに、バミエラって人はかなり躊躇っています、見た目緑色で怖いわよね。
「結構なお手前だ」
私が笑顔でバミエラを見ていると、サエツグがそう言って畳に滑らせる感じで湯呑をこちらに押したわ、やっぱりって思ったわよ。
「やっぱりあなた、あっちの世界の人なのね」
「そっちもな」
サエツグと笑顔で語り合ったわ、神に会ったのねとか、軍師なんでしょ?とかね。みんなは分かってないようだから、ここからはちゃんと話すわ。
「それでねサエツグさん、私は平和に暮らしたくて戦ってるの、だからあまり争いはしたくない、あなたは話しが分かりそうだから言うけど、和平を結ばない?」
「なんだ聞いてないのか?」
私の話を聞いてサエツグがそう言ってきたわ、そして話してくれたのだけど、神であるあのおじいさんに、この世界を平和にしてほしいとサエツグは言われたんだけど、それを達成するには、ある種族を倒さないといけないらしいわ。
「それってもしかして」
「ああ、お察しの通りフェーリアだ、あの国が頂点にいる以上平和はあり得ない、何かに付けて攻撃してくる、だから俺は今まで準備してきたんだ、だから今の段階で和平はない」
「じゃ、じゃあ同盟を」
私はそこまで言って黙りました、サエツグの目が既に語っていたの『私と戦いたい』ってね。
その前に、もしもベサーファファが攻撃してきたら、それはもう大変なんて呼べる状態では無くなるのにね。
「分かったわ、もう言わない」
「どちらかが勝ったら、次はそこがフェーリアの国を相手にする、まぁ俺は負けないから俺たちだけどな」
そう言って立ち上がり、車に乗って行ってしまったわ、私はみんなのお茶を点てて考えています。
「ね、ねぇラリーファ、あれでよかったわん?」
「ペルーロ、戦いたいって言ってるんですもの、もうどうしようもないわ、これはあの国を倒すために必要な事なのよ」
私はサエツグの話を聞いて思ったわ、私がフェアリアとして生まれたのは、先の事を考えての事だったのよ、あのおじいさんは何百年も先の事まで考えていたんだわ、もしサエツグが負けても良いようにね。
「でも、知ってる人だったんじゃないのかわん?」
「うんそうね、だから私は全力で相手をする・・・そう、これはどちらかが最後の相手と戦う為の壁なのよ」
そう言ってペルーロにお茶を渡したわ、ペルーロはそれを飲んで苦くて舌を出して嫌がってたけど、これが美味しいのよって言っておきました。そして私はサエツグの目を信じたわ、どちらが餌になっても文句はないってね。
応援ありがとうございます!
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