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2章 戦争の第一歩
56話 進化の兆し
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「う~ん、なんか体がかゆいのよねぇ」
どうもラリーファです、私は今砦の作戦会議に出席しています、身体をポリポリかいているのは気にしないでね、最近妙に痒いの。
「それで、まずは前方の兵士を倒し砦に戻ってきます」
「何を悠長な!メリーナ殿、このままでは包囲され身動きが取れなくなりますぞ」
今回初参加の部隊長が意見してきています、本国から来た伯爵家のオキシダルトって男なんですが、同じように援軍としてきた分隊長も頷いているわ。
「落ち着いてくださいオキシダルト伯爵、こちらもただ包囲される気はありません、その為の前線部隊攻撃です」
メリーナが説明を始めました、前進してくる部隊がいると言う事はそこは穴が開きます、そして私たちがそこに攻撃をして倒すと、相手は焦り守っている兵士が穴の部分に伸びます、そうすれば段々包囲が薄くなっていく、攻城戦で大変なことの1つです。
「前進してきた部隊などと言っておらんで、そこを突破口に他の部隊もやってしまえ!敵は倒せるときに倒す、戦いの基本だろうが」
伯爵がそう言って腕を組んでふんぞり返ってます、きっとメリーナの事を「小娘は戦いを知らない!」とか思ってるんでしょうね。
でも、ここで戦いを知らない人はいないわ、私がしっかりと指導しているからね。
「それではこちらの部隊の被害が大きくなります、ここは守りを固めるのが鉄則ですよ」
「ふん!話にならん、ご自慢の航空部隊もいるではないか、さっさと敵を殲滅してしまえばいいではないか!」
そう言われたので、どうしてビクトールたちを使わないのかを話したりして宥めているわ、航空部隊を使えば確かに倒せるの、でもこの戦いは倒すためにしてるわけじゃない。大国なら別だけれど、後で仲間になる小中国が相手だからそんな事出来ないわ。
「この人たちバカだわん」
「そうウサ、ただ突っ込む事しか考えないとか、ボアの様ウサ」
ペルーロとミサーラが聞こえないように言っていますが、私たちは作戦を知ってるから分かるのよ、この人たちには教えていないわ、何故ならば、ちょっと怪しいのよねこの伯爵と分隊長。
「航空部隊は魔力を使い疲労が高く、持久戦では使えんと申すか」
「そうです、航空部隊が一撃離脱しているのはそう言った理由です、あれは最後の手段であり、わたくしたちの切り札です、もし打ち取られでもしたら大変な損害です、訓練もすごく時間がかかるんですよ」
「もうよいわ!ったく・・・それならば儂たちも出撃させんか、どうして砦待機なのだ!」
こうしてまた振り出しです、この会議はそんな事を話し合う為に開いているわけじゃないのよ、もう敵が近くまで来てるから決まっている作戦で戦う、その際の注意点を再確認する会議なの、少しの綻びがあると大変だからね、それなのについ先日来たこの人たちに引っ掻き回されてるのよ。
「先ほども言いましたが、オキシダルト殿たちはここに到着したばかり、兵も疲れているでしょうし」
「儂の兵たちはそんなに軟ではないわ!そうであろうアージェント」
「はっ!おっしゃる通りです、皆戦いたくて仕方ないと申しております」
分隊長もそう言って怒ってるわ、これで3回目ね、そろそろ諦めてくれないとビクトールたちが我慢できなくなるわよ。
仕方ないからメリーナに目配せして予定変更よ。
「分かりました、では前進してきた部隊の討伐は任せます。でもそのまま突撃はしないでください、こちらの合図を確認したら撤退ですからね」
「分かれば良いのだ、では儂たちは準備をする」
そう言って退出していったわ、ほんと力押ししか知らない人達ね。
「まったく困ったものですわ、メリーナ災難でしたわね」
ビクトールがメリーナをねぎらっています、メリーナの後ろに立っているキャミカルは頷き、メリーナに新しいお茶を出してくれたわ。
「ほんとっす、いい迷惑っす」
今回砦に到着した部隊は、本国からの援軍という話ですが正直迷惑です、こちらの部隊だけで充分なのに兵器は出し惜しみしなくてはいけない物が出てきました、きっと出世を焦ってる者たちなんでしょう、それか他の要因が考えられます。
「でも、このまま作戦を言わなくて済みそうで良かったですわね」
「そうっすね、それだけは知られないようにしないとダメっす、出来ればボロボロになって戻って来てくれれば、その後の手間が省けるっすけどね」
みんながビクトールとメリーナに賛成して頷いているわ、あの人たちはひょっとしたら敵のスパイじゃないかという疑念があります、なので情報をあまり教えられません。
相手の防衛線が薄くなり、後ろに控えているあの国の部隊が見えたらビクトールたちが攻撃をします、それが知られると永遠に出てきませんからね。
「本国が焦るのも分かるっす、3か月という期限を2か月で攻めて来たっすからね、ほんとにそれだけなら問題ないっす」
メリーナの言うように、ほんとに本国からの援軍なら問題はないの、でも私たちの作戦を聞きたがるし、兵士の装備やレベルなども調べているわ、そして最後に作戦をかき回そうとした、かなり怪しいのよね。
「まぁ今回の戦いで分かるでしょ、ああ痒い」
体を掻いて、私は最後にしようと思って声を掛けたわ、メリーナたちもそれが分かり最終確認を始めたの、みんな準備万端ですよ。
「では、前進してきた部隊の討伐隊が変更になりましたが、それ以外は変更なしっす、良いっすねラリーファ」
「ええ、それで良いわメリーナ、今回から本隊で行う作戦はあなたに任せる、最終試験だと思って頑張ってね」
この2か月、私はかなりみんなを強化しました、これからは部隊の数がもっと増え、リーダーを任せられる人が必要よ、それに一番近いのはやっぱり最初にいたメンバーよね。
「わかってるっす、でも自分に出来るっすかね?」
「自信を持ってよメリーナ、あなたならやれるわ」
メリーナは授業でかなり成績が良いのよ、みんなも受けてるんだけど、なかなか難しいみたいで進んでいないわ。
「分かってるっすけどね・・・では各時準備をお願いするっす」
メリーナの掛け声でみんなが準備を始めました、あの人達の実力はいかほどか、とても不安ですね。
「ペルーロ、今回は私砦に籠るわ」
私の体調がなにか変なのと不測の事態を考え、私は今回砦にいる事にしました、メリーナも心配だしね。
って言うのは建前で、このままだとペルーロとミサーラに迷惑なのよ、今の私は戦いに集中できないわ。
「どうしたわん?」
「何だか体がおかしいのよ、だんだん痒さが増してる、体調に変化はないけど、でも何か変だわ」
そう言っている間にも、どんどんと痒さが増しているわ、それに変なの、体を掻くと皮膚がポロポロと取れていってるわ、こんなこと初めてよ。
「ラリーファ?」
「私、どうしちゃったのかな?」
体を掻くと今までで一番大きな皮膚が取れたわ、そして段々体にひびが入って行ったの、でも取れた部分をよく見ると皮膚じゃなかったわ、似てる物を考えるとあれが浮かびました。
「これって繭に似てる?・・・まずいわ!?ペルーロ!メリーナに言っておいて、全力で攻めちゃダメって、良いわね!」
わたしがそう言うと、羽から糸が出てきてしまったの、私がジッとしてなかったから羽が待っててくれたんだわ、でももうそれも限界みたいで、このままじゃ私は繭になってしまうわ。
「ラリーファ!?それは何わん!」
「これは繭よ、私は大人になる為にこれに入ったことがあるわ、でも今度はなんでなのか分からない、このままじゃ私抜きで戦わないといけなくなるの、だからペルーロ!全力は出すなと伝えて絶対よ!」
私がそう言ったタイミングで繭に覆われました、そして意識を無くしたの。
どうもラリーファです、私は今砦の作戦会議に出席しています、身体をポリポリかいているのは気にしないでね、最近妙に痒いの。
「それで、まずは前方の兵士を倒し砦に戻ってきます」
「何を悠長な!メリーナ殿、このままでは包囲され身動きが取れなくなりますぞ」
今回初参加の部隊長が意見してきています、本国から来た伯爵家のオキシダルトって男なんですが、同じように援軍としてきた分隊長も頷いているわ。
「落ち着いてくださいオキシダルト伯爵、こちらもただ包囲される気はありません、その為の前線部隊攻撃です」
メリーナが説明を始めました、前進してくる部隊がいると言う事はそこは穴が開きます、そして私たちがそこに攻撃をして倒すと、相手は焦り守っている兵士が穴の部分に伸びます、そうすれば段々包囲が薄くなっていく、攻城戦で大変なことの1つです。
「前進してきた部隊などと言っておらんで、そこを突破口に他の部隊もやってしまえ!敵は倒せるときに倒す、戦いの基本だろうが」
伯爵がそう言って腕を組んでふんぞり返ってます、きっとメリーナの事を「小娘は戦いを知らない!」とか思ってるんでしょうね。
でも、ここで戦いを知らない人はいないわ、私がしっかりと指導しているからね。
「それではこちらの部隊の被害が大きくなります、ここは守りを固めるのが鉄則ですよ」
「ふん!話にならん、ご自慢の航空部隊もいるではないか、さっさと敵を殲滅してしまえばいいではないか!」
そう言われたので、どうしてビクトールたちを使わないのかを話したりして宥めているわ、航空部隊を使えば確かに倒せるの、でもこの戦いは倒すためにしてるわけじゃない。大国なら別だけれど、後で仲間になる小中国が相手だからそんな事出来ないわ。
「この人たちバカだわん」
「そうウサ、ただ突っ込む事しか考えないとか、ボアの様ウサ」
ペルーロとミサーラが聞こえないように言っていますが、私たちは作戦を知ってるから分かるのよ、この人たちには教えていないわ、何故ならば、ちょっと怪しいのよねこの伯爵と分隊長。
「航空部隊は魔力を使い疲労が高く、持久戦では使えんと申すか」
「そうです、航空部隊が一撃離脱しているのはそう言った理由です、あれは最後の手段であり、わたくしたちの切り札です、もし打ち取られでもしたら大変な損害です、訓練もすごく時間がかかるんですよ」
「もうよいわ!ったく・・・それならば儂たちも出撃させんか、どうして砦待機なのだ!」
こうしてまた振り出しです、この会議はそんな事を話し合う為に開いているわけじゃないのよ、もう敵が近くまで来てるから決まっている作戦で戦う、その際の注意点を再確認する会議なの、少しの綻びがあると大変だからね、それなのについ先日来たこの人たちに引っ掻き回されてるのよ。
「先ほども言いましたが、オキシダルト殿たちはここに到着したばかり、兵も疲れているでしょうし」
「儂の兵たちはそんなに軟ではないわ!そうであろうアージェント」
「はっ!おっしゃる通りです、皆戦いたくて仕方ないと申しております」
分隊長もそう言って怒ってるわ、これで3回目ね、そろそろ諦めてくれないとビクトールたちが我慢できなくなるわよ。
仕方ないからメリーナに目配せして予定変更よ。
「分かりました、では前進してきた部隊の討伐は任せます。でもそのまま突撃はしないでください、こちらの合図を確認したら撤退ですからね」
「分かれば良いのだ、では儂たちは準備をする」
そう言って退出していったわ、ほんと力押ししか知らない人達ね。
「まったく困ったものですわ、メリーナ災難でしたわね」
ビクトールがメリーナをねぎらっています、メリーナの後ろに立っているキャミカルは頷き、メリーナに新しいお茶を出してくれたわ。
「ほんとっす、いい迷惑っす」
今回砦に到着した部隊は、本国からの援軍という話ですが正直迷惑です、こちらの部隊だけで充分なのに兵器は出し惜しみしなくてはいけない物が出てきました、きっと出世を焦ってる者たちなんでしょう、それか他の要因が考えられます。
「でも、このまま作戦を言わなくて済みそうで良かったですわね」
「そうっすね、それだけは知られないようにしないとダメっす、出来ればボロボロになって戻って来てくれれば、その後の手間が省けるっすけどね」
みんながビクトールとメリーナに賛成して頷いているわ、あの人たちはひょっとしたら敵のスパイじゃないかという疑念があります、なので情報をあまり教えられません。
相手の防衛線が薄くなり、後ろに控えているあの国の部隊が見えたらビクトールたちが攻撃をします、それが知られると永遠に出てきませんからね。
「本国が焦るのも分かるっす、3か月という期限を2か月で攻めて来たっすからね、ほんとにそれだけなら問題ないっす」
メリーナの言うように、ほんとに本国からの援軍なら問題はないの、でも私たちの作戦を聞きたがるし、兵士の装備やレベルなども調べているわ、そして最後に作戦をかき回そうとした、かなり怪しいのよね。
「まぁ今回の戦いで分かるでしょ、ああ痒い」
体を掻いて、私は最後にしようと思って声を掛けたわ、メリーナたちもそれが分かり最終確認を始めたの、みんな準備万端ですよ。
「では、前進してきた部隊の討伐隊が変更になりましたが、それ以外は変更なしっす、良いっすねラリーファ」
「ええ、それで良いわメリーナ、今回から本隊で行う作戦はあなたに任せる、最終試験だと思って頑張ってね」
この2か月、私はかなりみんなを強化しました、これからは部隊の数がもっと増え、リーダーを任せられる人が必要よ、それに一番近いのはやっぱり最初にいたメンバーよね。
「わかってるっす、でも自分に出来るっすかね?」
「自信を持ってよメリーナ、あなたならやれるわ」
メリーナは授業でかなり成績が良いのよ、みんなも受けてるんだけど、なかなか難しいみたいで進んでいないわ。
「分かってるっすけどね・・・では各時準備をお願いするっす」
メリーナの掛け声でみんなが準備を始めました、あの人達の実力はいかほどか、とても不安ですね。
「ペルーロ、今回は私砦に籠るわ」
私の体調がなにか変なのと不測の事態を考え、私は今回砦にいる事にしました、メリーナも心配だしね。
って言うのは建前で、このままだとペルーロとミサーラに迷惑なのよ、今の私は戦いに集中できないわ。
「どうしたわん?」
「何だか体がおかしいのよ、だんだん痒さが増してる、体調に変化はないけど、でも何か変だわ」
そう言っている間にも、どんどんと痒さが増しているわ、それに変なの、体を掻くと皮膚がポロポロと取れていってるわ、こんなこと初めてよ。
「ラリーファ?」
「私、どうしちゃったのかな?」
体を掻くと今までで一番大きな皮膚が取れたわ、そして段々体にひびが入って行ったの、でも取れた部分をよく見ると皮膚じゃなかったわ、似てる物を考えるとあれが浮かびました。
「これって繭に似てる?・・・まずいわ!?ペルーロ!メリーナに言っておいて、全力で攻めちゃダメって、良いわね!」
わたしがそう言うと、羽から糸が出てきてしまったの、私がジッとしてなかったから羽が待っててくれたんだわ、でももうそれも限界みたいで、このままじゃ私は繭になってしまうわ。
「ラリーファ!?それは何わん!」
「これは繭よ、私は大人になる為にこれに入ったことがあるわ、でも今度はなんでなのか分からない、このままじゃ私抜きで戦わないといけなくなるの、だからペルーロ!全力は出すなと伝えて絶対よ!」
私がそう言ったタイミングで繭に覆われました、そして意識を無くしたの。
応援ありがとうございます!
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