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2章 戦争の第一歩
50話 大国との初戦
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「おおーいるいる、これは絶景だわねぇ~」
私は今、ペルーロとミサーラを連れ、仮設砦にぜんぜん見えない、砦の見張り台にいます、一瞬で作ったその砦に平原から敵の大軍が歩いているんですよ。
「数はどれくらいわん?」
「きっと5万はいると思うウサ」
ふたりが言っているように相当な大軍です、数は私のシールドロボで調べたけど、10万ね。
「本来はこれだけで中規模国を余裕で制圧できる数だわ、相手は相当お怒りね・・・まぁこっちもそうだから、ここに来る前にほとんどがいなくなってもらうけどね」
私のつぶやきを聞いて二人が頷いています、歩くだけの歩兵や速度が少し早い騎馬兵なんて、近づかなければどうと言う事は無いのよ。この戦いはフェンドール国が傘下に入れと強引に言ってきたことから始まったの、普通は相手が怖くて断ることはしないわ、でも相手の要求がひどすぎたのよ、降伏宣言ねあれは。
だから私たちは戦うことにしたの、国王とかを説得するのは簡単だったわ、何せ戦姫が私たちには付いてるもの。
「魔法士部隊は詠唱開始!」
私は新たに作ったマジックメガホンで声を拡張させ、壁の上に並んでいる魔法兵に伝え準備してもらいました、長い杖を銃の様に構えている魔法兵たちには、長距離狙撃魔法を使って騎馬兵を狙ってもらうんです、これはわたしのシルフィートスを使った銃の前段階ね、これで狙撃スキルを習得してもらい、次は強力なシルフィートス銃を使ってもらうのよ。
でもその前にやることがあります。
「長距離砲撃開始っ!」
私の合図で、砦にある大型の大砲が火を吹きました、これは外壁でも使っている大砲を更に大きくした物で、空に向かって撃ち出す長距離砲よ、もちろんこれは普通の弾ね、風魔法と火薬の力で飛ばしています。
そして相手はまだ10キロ地点、まだまだここを視認できないし到達もしないわ、それだけここの砦は索敵能力に優れているのよ。
「すごいわん!兵士が吹っ飛んでるわんよ」
ペルーロがシールドカメラの映像を見て喜んでるわ、兵士の列が何も出来ず、何が起きたのかも分からない内に吹っ飛びちりぢりになっていますよ、砲撃が始まった事で相手が焦り、騎馬兵が移動を早めました、私は余裕で見ているわ。
「相手もこの距離で攻撃をしてくるとは思ってなかったでしょうね、魔法も届かないし・・・さぁそろそろよ」
歩兵が砲撃を受けながら進んでいると、先頭で騎馬兵が左右に分かれたのが見えました、これは門がその方向に見えるからですね、そしてそれは私の思うつぼです、騎馬兵たちは狙いやすい様に直線上になってしまっているの。
「すごいウサ!予定通りウサ、さすがラリーファ」
「まぁね、先頭の騎馬兵を狙って狙撃開始っ!」
魔法兵たちが狙撃を開始しました、敵騎馬兵たちはどんどん倒れています、距離はまだ4キロ地点、それでも騎馬兵を確実に狙撃しています、これも練習の成果です。
「威力はそれほどでもないはずわん、なのに兵士が動かなくなって馬から落ちてるわん、どうしてわん?」
ペルーロが自分が標的になった時のダメージを思い出し「何であれしきで」って顔しています、ペルーロが受けた時は普通のシルフィートスでした、あれなら誰もが「痛い」ってくらいの威力です。
「それはそうよペルーロ、人はね頭を怪我すると動けなくなるの、それはどう頑張っても無理なほど致命傷よ」
兵士のレベルが高ければ、シルフィートスが貫通はしないかもしれないけど、私が考案した回転式シルフィートスは貫通させるのに特化しています、どんな物も貫通しますよ。
なにせ、あの自然災害にまでされてほったらかしだった、あの鳥を打ち抜いた魔法だものね。
「さて、この後相手はどうするのかしらね」
「ラリーファが言ってた通りになるウサ?」
大抵の上官は撤退を考えないわ、これだけ遠くから攻撃されてやられてるのにね、これで相手の力量が分かると言うモノよ。
「そうねミサーラ、今撤退を指示してない時点で無能確定よ、今後の為に減らしておきましょ」
騎馬兵はどんどん減っています、でも撤退の合図は相手から出ません、本来ならここで敵兵を救出するのですけど、相手は大国なので戦力はまだまだいます、だからなるべく減らさないといけないの。
「なんだか悲しいわん」
ペルーロが悲しそうな顔をしているわ、ミサーラがすぐに慰める為に寄り添ってるけど、私もそう思うわ。
「だから戦争なんてしちゃいけないのよ、それなのに力があるからって強引に交渉をしてきた、これから同じことがどんどん起きるけど、二人は平気?」
ふたりは頷いているけど、ちょっと自信がないみたい。私も同じだけど二人よりは区切りをつけてるわ、他の兵士たちもきっとそう言った思いの人はいます、こちらの兵士は全部集めても5万いるかどうか、全然余力はあまりありません、それが続くともう勝てません。なので私は防御に力を入れてないの、大きな都市にはしっかりと兵器を渡して少数で防衛しているわ、でも数が違うから持ちこたえるのがせいぜいです、その後は私たちの強みの速度で救援に向かい瞬殺します。
「ほんとなら防衛の兵器も最新にしたいのに、情報が漏れるからそれも出来ないのよね・・・さぁふたりとも!下に行って突撃の準備よ」
もうほとんどの騎馬兵は倒れていますが相手は撤退をする気はないようです、こちらが砲撃をしないから歩兵が進軍してきているんですよ、きっと相手は騎馬兵に集中しているとでも思っているんでしょう、私たちはそれに備え突撃しました、相手は既にガタガタです。
「これは指示だけしか出てないわね、大人数で動いてるだけの塊なんて蹴散らしちゃいましょ・・・ペルーロやって!」
「了解わん!わおおおぉぉぉぉーーーん!!」
私の合図でペルーロが雄叫びを上げました、そして私もそれに合わせ威圧を上乗せしました、敵兵はそれを聞いて後ろに下がり動けなくなったわ。私は追い打ちとばかりに新しく覚えた召喚魔法を使い、巨大なゴーレムを4体出し戦わせたわ、更に空に花火を打ち上げ合図をしたの、これは左右で隠れていたビクトールたちの突撃開始の合図ね。
「こ、こんなの勝てるわけねぇ」
「に、にげろおぉぉー」
しばらく戦闘をしていると、敵兵がさすがに逃げ始めました、私たちはそのタイミングを待っていたので突撃します、狙いは一番奥にいる大将です。
「あの馬が怪しいウサ」
「そうだねミサーラ、急ごう」
ミサーラの操るシールドに乗って兵士たちをすり抜けると、前方に馬に乗った鎧の奴らが何やら言い争っています、4人の内1人が金色をした鎧なのでいかにもです、ミサーラが指を差した者は、まさにその金色の鎧の者で、ペルーロがシールドから降りてそこに向かって走りだしたわ、私は肩に乗っているので右手を上げ応援しています。
「ええい!何故逃げている、早く兵をもどさんか!」
「申し訳ありません、直ちに」
そんな偉そうな声を聞いて私たちは相手の前に立ちました、相手は剣も抜かずにふんぞり返ってますよ。
「何者だきさまら、わしを誰だと思っておるか!わしは」
「ああ~良いからそう言うの、あなたが誰だろうとここで打ち取るのは変わらないわ、早く剣を抜きなさいよ」
私は手をヒラヒラさせて宣言したわ、よく見たら太ってて戦いが出来るとは思えない体格よ、他の兵は剣を抜いたのに、その男はまだなにか言ってるわ。
「どうしますウサ?こいつウザいウサ」
シールドを防御態勢10個浮かせて、ミサーラが後ろでかなりイライラし始めました、相手が他種族ごときとか、何か罵声を言ってきてるんです、ペルーロもやれやれって顔しているわ、私もやれやれって感じでその男に飛んで近づいたの。
「な、なんだ手乗り妖精ではないか、一体なにを」
「あなたもういいわ、ほっ!」
私は太った男の胸に手を当てて闘気を送り込みました、その衝撃は男の胸を貫通し大きな穴が開いたの。
「な、なんだこれは!?」
「頭は相手に送らないといけないのよね、いやだわ」
穴の開いたお腹を押さえてる男に手刀を当てたわ、男の頭は首から切断されたの、私はちょっとだけ触って収納にしまいました、こういった事をしなくても済むようにしたいわね。
「終わったわん?」
「ええペルーロ、そっちも収納にしまうわね」
他の3人はペルーロたちが始末しました、そいつらは首だけではなくそのまま収納にしまいました、これで私たちの勝利が決まり遠くで勝どきが上がっています、逃げている兵はおよそ3万、半数以上を倒したことになるわ、普通それだけの損害を受けたら降伏を考えるけど、相手はそうじゃない、私はこの後も進軍を指示しました。
私は今、ペルーロとミサーラを連れ、仮設砦にぜんぜん見えない、砦の見張り台にいます、一瞬で作ったその砦に平原から敵の大軍が歩いているんですよ。
「数はどれくらいわん?」
「きっと5万はいると思うウサ」
ふたりが言っているように相当な大軍です、数は私のシールドロボで調べたけど、10万ね。
「本来はこれだけで中規模国を余裕で制圧できる数だわ、相手は相当お怒りね・・・まぁこっちもそうだから、ここに来る前にほとんどがいなくなってもらうけどね」
私のつぶやきを聞いて二人が頷いています、歩くだけの歩兵や速度が少し早い騎馬兵なんて、近づかなければどうと言う事は無いのよ。この戦いはフェンドール国が傘下に入れと強引に言ってきたことから始まったの、普通は相手が怖くて断ることはしないわ、でも相手の要求がひどすぎたのよ、降伏宣言ねあれは。
だから私たちは戦うことにしたの、国王とかを説得するのは簡単だったわ、何せ戦姫が私たちには付いてるもの。
「魔法士部隊は詠唱開始!」
私は新たに作ったマジックメガホンで声を拡張させ、壁の上に並んでいる魔法兵に伝え準備してもらいました、長い杖を銃の様に構えている魔法兵たちには、長距離狙撃魔法を使って騎馬兵を狙ってもらうんです、これはわたしのシルフィートスを使った銃の前段階ね、これで狙撃スキルを習得してもらい、次は強力なシルフィートス銃を使ってもらうのよ。
でもその前にやることがあります。
「長距離砲撃開始っ!」
私の合図で、砦にある大型の大砲が火を吹きました、これは外壁でも使っている大砲を更に大きくした物で、空に向かって撃ち出す長距離砲よ、もちろんこれは普通の弾ね、風魔法と火薬の力で飛ばしています。
そして相手はまだ10キロ地点、まだまだここを視認できないし到達もしないわ、それだけここの砦は索敵能力に優れているのよ。
「すごいわん!兵士が吹っ飛んでるわんよ」
ペルーロがシールドカメラの映像を見て喜んでるわ、兵士の列が何も出来ず、何が起きたのかも分からない内に吹っ飛びちりぢりになっていますよ、砲撃が始まった事で相手が焦り、騎馬兵が移動を早めました、私は余裕で見ているわ。
「相手もこの距離で攻撃をしてくるとは思ってなかったでしょうね、魔法も届かないし・・・さぁそろそろよ」
歩兵が砲撃を受けながら進んでいると、先頭で騎馬兵が左右に分かれたのが見えました、これは門がその方向に見えるからですね、そしてそれは私の思うつぼです、騎馬兵たちは狙いやすい様に直線上になってしまっているの。
「すごいウサ!予定通りウサ、さすがラリーファ」
「まぁね、先頭の騎馬兵を狙って狙撃開始っ!」
魔法兵たちが狙撃を開始しました、敵騎馬兵たちはどんどん倒れています、距離はまだ4キロ地点、それでも騎馬兵を確実に狙撃しています、これも練習の成果です。
「威力はそれほどでもないはずわん、なのに兵士が動かなくなって馬から落ちてるわん、どうしてわん?」
ペルーロが自分が標的になった時のダメージを思い出し「何であれしきで」って顔しています、ペルーロが受けた時は普通のシルフィートスでした、あれなら誰もが「痛い」ってくらいの威力です。
「それはそうよペルーロ、人はね頭を怪我すると動けなくなるの、それはどう頑張っても無理なほど致命傷よ」
兵士のレベルが高ければ、シルフィートスが貫通はしないかもしれないけど、私が考案した回転式シルフィートスは貫通させるのに特化しています、どんな物も貫通しますよ。
なにせ、あの自然災害にまでされてほったらかしだった、あの鳥を打ち抜いた魔法だものね。
「さて、この後相手はどうするのかしらね」
「ラリーファが言ってた通りになるウサ?」
大抵の上官は撤退を考えないわ、これだけ遠くから攻撃されてやられてるのにね、これで相手の力量が分かると言うモノよ。
「そうねミサーラ、今撤退を指示してない時点で無能確定よ、今後の為に減らしておきましょ」
騎馬兵はどんどん減っています、でも撤退の合図は相手から出ません、本来ならここで敵兵を救出するのですけど、相手は大国なので戦力はまだまだいます、だからなるべく減らさないといけないの。
「なんだか悲しいわん」
ペルーロが悲しそうな顔をしているわ、ミサーラがすぐに慰める為に寄り添ってるけど、私もそう思うわ。
「だから戦争なんてしちゃいけないのよ、それなのに力があるからって強引に交渉をしてきた、これから同じことがどんどん起きるけど、二人は平気?」
ふたりは頷いているけど、ちょっと自信がないみたい。私も同じだけど二人よりは区切りをつけてるわ、他の兵士たちもきっとそう言った思いの人はいます、こちらの兵士は全部集めても5万いるかどうか、全然余力はあまりありません、それが続くともう勝てません。なので私は防御に力を入れてないの、大きな都市にはしっかりと兵器を渡して少数で防衛しているわ、でも数が違うから持ちこたえるのがせいぜいです、その後は私たちの強みの速度で救援に向かい瞬殺します。
「ほんとなら防衛の兵器も最新にしたいのに、情報が漏れるからそれも出来ないのよね・・・さぁふたりとも!下に行って突撃の準備よ」
もうほとんどの騎馬兵は倒れていますが相手は撤退をする気はないようです、こちらが砲撃をしないから歩兵が進軍してきているんですよ、きっと相手は騎馬兵に集中しているとでも思っているんでしょう、私たちはそれに備え突撃しました、相手は既にガタガタです。
「これは指示だけしか出てないわね、大人数で動いてるだけの塊なんて蹴散らしちゃいましょ・・・ペルーロやって!」
「了解わん!わおおおぉぉぉぉーーーん!!」
私の合図でペルーロが雄叫びを上げました、そして私もそれに合わせ威圧を上乗せしました、敵兵はそれを聞いて後ろに下がり動けなくなったわ。私は追い打ちとばかりに新しく覚えた召喚魔法を使い、巨大なゴーレムを4体出し戦わせたわ、更に空に花火を打ち上げ合図をしたの、これは左右で隠れていたビクトールたちの突撃開始の合図ね。
「こ、こんなの勝てるわけねぇ」
「に、にげろおぉぉー」
しばらく戦闘をしていると、敵兵がさすがに逃げ始めました、私たちはそのタイミングを待っていたので突撃します、狙いは一番奥にいる大将です。
「あの馬が怪しいウサ」
「そうだねミサーラ、急ごう」
ミサーラの操るシールドに乗って兵士たちをすり抜けると、前方に馬に乗った鎧の奴らが何やら言い争っています、4人の内1人が金色をした鎧なのでいかにもです、ミサーラが指を差した者は、まさにその金色の鎧の者で、ペルーロがシールドから降りてそこに向かって走りだしたわ、私は肩に乗っているので右手を上げ応援しています。
「ええい!何故逃げている、早く兵をもどさんか!」
「申し訳ありません、直ちに」
そんな偉そうな声を聞いて私たちは相手の前に立ちました、相手は剣も抜かずにふんぞり返ってますよ。
「何者だきさまら、わしを誰だと思っておるか!わしは」
「ああ~良いからそう言うの、あなたが誰だろうとここで打ち取るのは変わらないわ、早く剣を抜きなさいよ」
私は手をヒラヒラさせて宣言したわ、よく見たら太ってて戦いが出来るとは思えない体格よ、他の兵は剣を抜いたのに、その男はまだなにか言ってるわ。
「どうしますウサ?こいつウザいウサ」
シールドを防御態勢10個浮かせて、ミサーラが後ろでかなりイライラし始めました、相手が他種族ごときとか、何か罵声を言ってきてるんです、ペルーロもやれやれって顔しているわ、私もやれやれって感じでその男に飛んで近づいたの。
「な、なんだ手乗り妖精ではないか、一体なにを」
「あなたもういいわ、ほっ!」
私は太った男の胸に手を当てて闘気を送り込みました、その衝撃は男の胸を貫通し大きな穴が開いたの。
「な、なんだこれは!?」
「頭は相手に送らないといけないのよね、いやだわ」
穴の開いたお腹を押さえてる男に手刀を当てたわ、男の頭は首から切断されたの、私はちょっとだけ触って収納にしまいました、こういった事をしなくても済むようにしたいわね。
「終わったわん?」
「ええペルーロ、そっちも収納にしまうわね」
他の3人はペルーロたちが始末しました、そいつらは首だけではなくそのまま収納にしまいました、これで私たちの勝利が決まり遠くで勝どきが上がっています、逃げている兵はおよそ3万、半数以上を倒したことになるわ、普通それだけの損害を受けたら降伏を考えるけど、相手はそうじゃない、私はこの後も進軍を指示しました。
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