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1章 旅立ちの一歩

10話 教育

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これは街に行ったらまたまた大変そう、そこから固めないとダメかもっと思いました、平和で安全な場所は自分で作る所からだわ。


「私が指導してあげても良いわよ」

「ほんとわん!?」

「ええ、だからあなたがリーダーになって見なさい、私は補佐をするわ」


そう言ったら「えー」って顔してすごく不満そうです、でもワンコ君、尻尾がフリフリしているわ、これは希望を持ったのでしょう。


「獣人のPTで、獣人はあなたなんだから、リーダーはあなたよ、良いわね」

「分かりましたわん・・・でも、どうすればいいのか分からないわん」

「まずはそうね・・・私をあなたのPTに入れる所から始めましょ、何かそう言った組織とか場所があるんでしょ?」


ゲームでも組合とか、冒険者の酒場が定番よね、まずはそこからスタートよ。


「わんわん、傭兵ギルドに行けばPTを組めるわん、身分証代わりにもなるわんよ」

「うんうん、じゃあそこに行って作りましょ・・・ちなみに私、お金持ってないし、世間の事まったく知らないから、リーダーが教えてね、その代わり途中で遭遇したモンスター討伐は任せなさい」


胸をポンッと叩き言いました、言わなかったけど私レベルが上がったみたいなの、相当強くなってる感じです、あの鷹を倒してから体がすごく軽い感じています、固定した対戦車ライフルも片手で軽々よ。


「よ、よろしくわん」

「じゃあ、申請出来る場所に案内してねペルーロ」


ペルーロの肩に乗って、私はペルーロの垂れているミミに抱きつきモフモフしました。「ふわふわで気持ち良いわ」って思ったけど、そうじゃなくてがっかり。

ゴワゴワしてて毛並みは悪いし、少し臭ったの、きっと洗ってないんだわ、なんて勿体ないって直ぐに洗いたくなったわ。


「わかったわん・・・けどあの、ミミをそんなに触らないでほしいわんラリーファファ、くすぐったいんだわん」

「ラリーファで良いわよペルーロ、じゃあちょっと話しながら行きましょ」


こうしてケモミミから離れた私は、ペルーロの肩で指を差してゴーサインです、ちなみにミミを触らないってお願いはスルーです、洗ったらモフモフしないなんてあり得ないものね、約束は出来ないわよ。


「硬貨の種類は6種類で、銅貨が一番下の硬貨だよ、その次は四角い穴が中心に空いてる角銅貨、次が銀貨に角銀貨、角銀貨は四角い穴が空いてるんだ」


歩きながらペルーロ君に教えてもらいました、お金とか、今向かっている場所の話ね。銅と銀の硬貨は良く使われるから、分かりやすい様に同じ作りになっているそうです、刻まれている模様は、この世界の草の植物でアロエみたいでした。

そして、皆さんも気になってるかもですが、ペルーロ君の喋り方が変ですよね、私も気にしています。


「じゃあ、銅貨1枚が10メリーって事なのね」

「うんそうそう、10枚で次の角銅貨1枚と同じ価値だよ、そんで金貨とエメル大金貨ってのがその上にあるんだ、まぁ僕は見たことないけどね」


ペルーロがこれまた語尾を無くして話しています、私が気になって聞いてみたら、なんでも犬獣人の方言のようなモノらしいわ、あまり出ないようにしているそうです、さっきは焦っていて出ちゃってたとテレていました。

だから今は直しちゃったのよ、あの方が可愛いのにね・・・っと話を戻しまして、硬貨の整理をしましょう、つまりはこんな感じの価値になるみたいです。


・銅貨1枚10メリー
・角銅貨1枚100メリー
・銀貨1枚1000メリー
・角銀貨1枚1万メリー
・金貨1枚10万メリー
・エメル大金貨1枚100万メリー


って事で、金貨とエメル大金貨の模様は植物の花が書かれているそうですよ、そして今向かっているのはアーボラって街で、私が向かっていた場所でした。


「さっきの平原ウルフは、1匹で角銅貨5枚になるんだ」

「ふ~ん・・・じゃあ、あまり強いモンスターじゃなかったのね」


私は500メリーと考え、直ぐにそう答えたわ、ペルーロがしょんぼりしちゃったの、弱いモンスターに負けたのねって言われた感じになったからです。


「ごめんねペルーロ、でも武器を持ってなかったんだもの、しょうがないわよ」

「それはそうだよ、僕は格闘士だよ!自分の体が武器だもん」


そう言って腰を下げ、足を前後に広げて構えを取ったわ、つまりパンチやキックで戦うのね、それに爪も使うのかもしれません、指を伸ばした時爪が出ていたわ。


「獣人らしい戦い方でカッコいいわね・・・じゃあ、これを使ってさらにカッコ良くなってよ」


私は自分でも使っているグローブを渡しました、自衛隊でも使ってるグローブですごく頑丈なの、まぁ少し改造して強化してます、これで殴れば、あのウルフは確実に倒せるわ。

ペルーロに渡すとグローブの大きさがみるみる変わり、ペルーロに丁度いい大きさになったの、開発している時に服なんかはそうなると分かっていたけど、すごく便利ね。


「これってなに?手袋?」

「ナックルガードよペルーロ、手にはめて見て、拳は痛めないし攻撃力が高いのよ」


ペルーロが大きさの変わったグローブを手につけて、手を開いたり握ったりして感触を確かめてるわ、でも尻尾で喜んでるのが分かるわね。


「何だか変わった材質だけど、良いのかな?」

「良いのよ沢山あるから気にしないで、もしウルフが来たらそれで殴って見なさい、きっと倒せるわ」


私は街がある方より少し左側を見て指差したわ、その先にはウルフが2匹いるんです。


「や、やってみるわん」

「うんうん、私は空から見てるわ、危なかったら加勢するから頑張って」


私はペルーロの頭よりも少し高めに飛んでライフルを構えたわ、ペルーロがライフルを見て驚いているけど、私サイズの銃で驚いてたら今後は大変よって伝えたわ。


「だぁったりゃーー!」

「うんうん、やっぱりペルーロなかなかやるじゃない」


ペルーロがウルフのお腹を拳で一撃して、相手は動かなくなったわ、残りの1匹も危なげなく飛び蹴りで倒したのよ。

私はこうなると予想していたわ、彼がさっき逃げている時、動きは悪くなかったの、複数だと背中から攻撃され戦えなかったんだと、私は予想したわ、誰かが後ろを守り攻撃の邪魔さえされなければ十分戦えるのよ。

でもあれは、私が今なにをしていたのか分かってないわね。


「ほんとに倒せたよ、やったよラリーファ!」

「良かったわペルーロ、私の援護が必要だと思ったけど要らなかったわね、なかなかやるじゃないのペルーロ、よしよし」


ペルーロの肩に乗り、私はヨシヨシと耳を撫でて褒めました、さっきは嫌がっていたけど、すごく嬉しそうに尻尾を振ってるわ、なかなか可愛いわね。

これで毛並みがフワフワなら、もっと良いのに・・・街に行ったら絶対に洗ってあげないとね。


「でも、ラリーファは収納を持ってるんだね、羨ましいよ」


私が倒したウルフをしまっていると、ペルーロが羨ましいそうな顔して言ってきたわ、ペルーロが言うには、やはりそれほど持ってる人がいないそうです。そして収納は、スキルのレベルで入れられる量や、追加効果があるそうで、時間が経過しないとか、暖かい物は冷めないとか説明してくれたわ。

私の収納はレベルが無いのだけど、そこは内緒ね。
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