23 / 79
1章 旅立ちの一歩
21話 戦闘開始
しおりを挟む
「じゃあ行くわよ」
私はまず、空から敵の位置を確認するため飛びました、そして森を上から見てゴブリンの集落は直ぐに見つかり、無線でペルーロたちに知らせたわ、私は上から指示を出す係りよ。
『良いわねふたりとも、目標は集落の一番奥、大きな建物の中にいるゴブリンだけよ、そいつの頭と胸の魔核を二人で同時に打ち抜くんだからね』
『分かってるよラリーファ、今家に入った』
『がが、頑張ります』
上から見ても、姿を消したふたりが扉を開けているのが見えました、私が見えるのは赤外線スコープで見てるからですよ、普通では扉が勝手に開いたと思うはずです。そしてしばらくしてペルーロたちが出てきました、音もたてないで済ませたようです。
『終わったわね、じゃあ予定通り集落の北側で集合よ』
『う、うん分かったけど・・・あのさラリーファ、あそこで寝てたの、ゴブリンロードだったんだけど、こんなに簡単に倒して良かったのかな?』
ペルーロからの通信を聞いて私は『倒したんだからいいんじゃない』って思ったわ、だって奇襲なんてそんな物よね。でも私はロードと聞いて、ちょっと考えを変え索敵を使ってみたの、他にも頭の良い奴がいそうだものね。
「名前の分からないのが沢山いるわ、これはまずいわね『ふたりとも予定変更よ、ちょっとそこで待機してて、私が少し集落を調べるわ』」
ふたりの了解の返事を聞いて、私も透明になって降下したの、そして調べて分かったけど、キングが2匹にウォーリアーやメイジなどの上位種が50匹ずついたわ。
そしてこれが一番の問題です、どうやら近くの村が襲われていたみたいなの、娘たちが10人囚われていたわ、まだ手を付けてない人もいるみたいだから襲ったばかりね、この人たちを街に連れて行くにはあれしかないわ。
『そ、そんな!?ウチに出来るでしょうか?』
『平気よミサーラ、さっきのイメージを大切にするの、その人たちは座ってるだけでいいんだからね、じゃあ行くわよ』
私の作戦は、救出した人をミサーラの操るウイングシールドで運び、一緒に逃げるという作戦です、そうすれば敵は怒って追いかけて来るわ、作戦に気づきそうな上位種たちは、さっき仕掛けたシルフィートス爆薬で仕留めます、その爆発で更にゴブリンたちは混乱して統率が取れずに突撃するのよ。
「って、もう気付いて爆発しちゃったわ」
下ではかなりの爆発が起きています、それが合図となりゴブリンたちは大騒ぎです、私は更に空から爆弾を投下しました、もちろん捕まった人達の援護で拡散させて落としてるわ、ペルーロたちが捕まっていた人たちをシールドに乗せて運び始めたから成功よ。
「ミサーラも20個はさすがにゆっくりの移動ね、キングと上位種たちは・・・うん、倒せてるわね、じゃあ私は本格的な援護をしましょ、ペルーロたちに近づき過ぎた奴は怪我じゃすまないわよぉ~」
空からシールド土台の大型ライフルを構え、ペルーロたちの後を追っているゴブリンを狙撃しました、相手は興奮していて味方がやられてもお構いなしで追いかけてるわ、やはり頭の良い奴がいないと楽で良いわね。そして森を抜ける手前まで来てゴブリンたちが罠に掛かり始めました、ペルーロは罠を避け、ミサーラたちは空を飛んでいるので掛かりません、ゆっくりとは言えミサーラがシールドを使いこなせてよかったわ。
「まぁ出来なかったら、みんなで隠れる予定だったんだけどねっと」
狙撃をしながら独り言をつぶやき、どんどんゴブリンを倒していきます。そしてついに罠を抜けゴブリンが森を抜けたんです、そこには堀の中でクロスボウを構えている傭兵たちと大人、その後ろでクロスボウに矢を装填する子供と女性たちが見えたわ、私の作ったリールを上手く使って装填してるから良かったわ、他には鉄製の傘を持ってる子供もいる、あれで空からの攻撃を防ぎます。
街の人たちのほとんどだったのは良かったわ、余裕で装填と防御が可能になったものね。
「終わらなかったら挟み撃ちの予定だったけど・・・どうやら圧勝ね」
下の戦いが始まり、凄い数の矢が放たれています。ゴブリンは何も出来ず倒れてるわ、ちょっと大きなゴブリンも見えますが、そいつらもしばらく矢を受けると倒れているの、これくらいの抵抗は許容範囲ですね。
「でも、これでここの領主に名前が届いちゃったわよね・・・逃げる準備をしないとだわ」
私は、最終的に何処かの貴族か王族に仕える事になると思っています、傭兵の最終地点がそれだと酒場で聞いたからです、でも今は傭兵のランクも低いし人数もいないわ、それなのに嫌われてる他種族が上に上がると、絶対碌なことにはならないの、だから今はまだ断る予定です。
まだまだ準備が足りないのは言うまでもないって事ね。
「ここの領主の事はまだ調べてないし、断っただけで済めばいいんだけど、どうなる事か・・・さて、ペルーロたちの所に戻って祝勝会かしらね」
すでに下で手を振ってくれるペルーロたちが見えています、私はそこに降下して思っているわ、呑気ねってさ。そして街に帰って囚われていた人たちの引き取りとか、報酬とかの話をして、さぁ祝勝会で昼からお酒を飲むぞって喜んでいると、ギルドから使いが来ましたよ、またしてもギルドマスターに呼ばれたってわけ。
これはあまり良い感じがしないのよ、ペルーロとミサーラは嬉しそうだけどね。
「どうぞペルーロ様、ミサーラ様」
応接室に入ると、既にギルドマスターが正面に座っていました、そしてカリーサがすごく良い笑顔で紅茶を配ってくれてるの、私のなんて専用の小さなカップよ、それだけでもかなり特別扱いしていることがわかるわ。
これはいよいよヤバいかもねって、私は紅茶を飲んでいます。
「さて、君たちには感謝しても足りない、おかげで誰も怪我すらしなかったありがとう、この街の代表者としてお礼を言わせてくれ」
ギルドマスターが頭を下げてくれました、ペルーロとミサーラがテレていますよ、私は自分たちの仕事をしただけって言っておきました。私たちが担当した上位のゴブリンがあの戦線に行っていた場合、かなりの被害になっていたのは言わないわ、それを倒し作戦を成功させるのが私たちの仕事よ、それがしっかりと出来るように作戦を立てただけ、ただそれだけよね。
私の話を聞いたギルドマスターが顔を上げたんだけど、その顔色を見て、私は『やばっ!?』って思ったわ。
「それでな・・・ここの領主であるメリッサス・バーストン様が君たちに会いたいそうだ、今日今から向かうことになる」
それを聞いてペルーロとミサーラがすごく緊張し始めました、そして嬉しそうでもあるわ、貴族に呼ばれるなんて専属になる時だけと言う話なのよ、今回だってお礼を言うだけでは済まないわ。
断るにしてもタイミングが早すぎるわね、ここは諦めて会うだけはしておいた方が無難かしら。
「外に馬車を用意した、服も用意したから着替えたら向かってくれ」
ギルドマスターがそう言うと、部屋にメイドさんたちが入ってきました、そしてギルドのお風呂場に案内され綺麗にされたのよ。
着る物も私とミサーラはドレスでペルーロは執事が着るようなスーツね。
「な、なんだか窮屈ですねペルーロさん」
「そうだねミサーラ、でも似合ってるよ」
「ふぇっ!?」
移動をしながらペルーロが不用意な一言を言ってるわ、私はペルーロの肩でやれやれ思っていると、馬車に着いたので乗り込み移動が始まったわ。
「さすが領主様の馬車だね、こんなにきれいで豪華なの見たことないよ」
ペルーロとミサーラが内装を見てキョロキョロしています、でも私はそれほどでもないように思えるわ、絨毯とか確かにきれいなんだけどね。
「ふたりとも、落ち着いて聞いてちょうだい」
今がチャンスと思った私は、2人に状況を話したわ、まだ確定はしていないけど、このままではふたりが危険なのよ。そうなった場合はここを出る、それは最悪の事態を想定した話だけど、言っておかないと戸惑ってしまうわ、今ですら驚いているからね。
「良い?今の状態で貴族に仕えるって話を受けると、周りが敵だらけの状態で3人だけで戦わないといけないの、だから話を伸ばして逃げるからそのつもりでね」
敵も味方もなくなるの、そんなことになったら大変なことよ、それが分からない2人じゃないわ、凄く暗い顔をし始めたわ。
「でも安心して、それは最悪の事態よ、そうならないように私が話をする、だから二人は笑顔で聞いててちょうだい、変な方向になりだしたら合図するから耳と目を塞いでね」
指を立てて二人に言いました、2人は頷くだけですけど分かってくれたみたいね、本当ならここは、リーダーのペルーロがしないといけない事、それが出来ない内は私が対処するわ、出来るようになるのはいつなのかしらね。
私たちの話が終わると馬車が止まり、領主の屋敷に着いたようです。
私はまず、空から敵の位置を確認するため飛びました、そして森を上から見てゴブリンの集落は直ぐに見つかり、無線でペルーロたちに知らせたわ、私は上から指示を出す係りよ。
『良いわねふたりとも、目標は集落の一番奥、大きな建物の中にいるゴブリンだけよ、そいつの頭と胸の魔核を二人で同時に打ち抜くんだからね』
『分かってるよラリーファ、今家に入った』
『がが、頑張ります』
上から見ても、姿を消したふたりが扉を開けているのが見えました、私が見えるのは赤外線スコープで見てるからですよ、普通では扉が勝手に開いたと思うはずです。そしてしばらくしてペルーロたちが出てきました、音もたてないで済ませたようです。
『終わったわね、じゃあ予定通り集落の北側で集合よ』
『う、うん分かったけど・・・あのさラリーファ、あそこで寝てたの、ゴブリンロードだったんだけど、こんなに簡単に倒して良かったのかな?』
ペルーロからの通信を聞いて私は『倒したんだからいいんじゃない』って思ったわ、だって奇襲なんてそんな物よね。でも私はロードと聞いて、ちょっと考えを変え索敵を使ってみたの、他にも頭の良い奴がいそうだものね。
「名前の分からないのが沢山いるわ、これはまずいわね『ふたりとも予定変更よ、ちょっとそこで待機してて、私が少し集落を調べるわ』」
ふたりの了解の返事を聞いて、私も透明になって降下したの、そして調べて分かったけど、キングが2匹にウォーリアーやメイジなどの上位種が50匹ずついたわ。
そしてこれが一番の問題です、どうやら近くの村が襲われていたみたいなの、娘たちが10人囚われていたわ、まだ手を付けてない人もいるみたいだから襲ったばかりね、この人たちを街に連れて行くにはあれしかないわ。
『そ、そんな!?ウチに出来るでしょうか?』
『平気よミサーラ、さっきのイメージを大切にするの、その人たちは座ってるだけでいいんだからね、じゃあ行くわよ』
私の作戦は、救出した人をミサーラの操るウイングシールドで運び、一緒に逃げるという作戦です、そうすれば敵は怒って追いかけて来るわ、作戦に気づきそうな上位種たちは、さっき仕掛けたシルフィートス爆薬で仕留めます、その爆発で更にゴブリンたちは混乱して統率が取れずに突撃するのよ。
「って、もう気付いて爆発しちゃったわ」
下ではかなりの爆発が起きています、それが合図となりゴブリンたちは大騒ぎです、私は更に空から爆弾を投下しました、もちろん捕まった人達の援護で拡散させて落としてるわ、ペルーロたちが捕まっていた人たちをシールドに乗せて運び始めたから成功よ。
「ミサーラも20個はさすがにゆっくりの移動ね、キングと上位種たちは・・・うん、倒せてるわね、じゃあ私は本格的な援護をしましょ、ペルーロたちに近づき過ぎた奴は怪我じゃすまないわよぉ~」
空からシールド土台の大型ライフルを構え、ペルーロたちの後を追っているゴブリンを狙撃しました、相手は興奮していて味方がやられてもお構いなしで追いかけてるわ、やはり頭の良い奴がいないと楽で良いわね。そして森を抜ける手前まで来てゴブリンたちが罠に掛かり始めました、ペルーロは罠を避け、ミサーラたちは空を飛んでいるので掛かりません、ゆっくりとは言えミサーラがシールドを使いこなせてよかったわ。
「まぁ出来なかったら、みんなで隠れる予定だったんだけどねっと」
狙撃をしながら独り言をつぶやき、どんどんゴブリンを倒していきます。そしてついに罠を抜けゴブリンが森を抜けたんです、そこには堀の中でクロスボウを構えている傭兵たちと大人、その後ろでクロスボウに矢を装填する子供と女性たちが見えたわ、私の作ったリールを上手く使って装填してるから良かったわ、他には鉄製の傘を持ってる子供もいる、あれで空からの攻撃を防ぎます。
街の人たちのほとんどだったのは良かったわ、余裕で装填と防御が可能になったものね。
「終わらなかったら挟み撃ちの予定だったけど・・・どうやら圧勝ね」
下の戦いが始まり、凄い数の矢が放たれています。ゴブリンは何も出来ず倒れてるわ、ちょっと大きなゴブリンも見えますが、そいつらもしばらく矢を受けると倒れているの、これくらいの抵抗は許容範囲ですね。
「でも、これでここの領主に名前が届いちゃったわよね・・・逃げる準備をしないとだわ」
私は、最終的に何処かの貴族か王族に仕える事になると思っています、傭兵の最終地点がそれだと酒場で聞いたからです、でも今は傭兵のランクも低いし人数もいないわ、それなのに嫌われてる他種族が上に上がると、絶対碌なことにはならないの、だから今はまだ断る予定です。
まだまだ準備が足りないのは言うまでもないって事ね。
「ここの領主の事はまだ調べてないし、断っただけで済めばいいんだけど、どうなる事か・・・さて、ペルーロたちの所に戻って祝勝会かしらね」
すでに下で手を振ってくれるペルーロたちが見えています、私はそこに降下して思っているわ、呑気ねってさ。そして街に帰って囚われていた人たちの引き取りとか、報酬とかの話をして、さぁ祝勝会で昼からお酒を飲むぞって喜んでいると、ギルドから使いが来ましたよ、またしてもギルドマスターに呼ばれたってわけ。
これはあまり良い感じがしないのよ、ペルーロとミサーラは嬉しそうだけどね。
「どうぞペルーロ様、ミサーラ様」
応接室に入ると、既にギルドマスターが正面に座っていました、そしてカリーサがすごく良い笑顔で紅茶を配ってくれてるの、私のなんて専用の小さなカップよ、それだけでもかなり特別扱いしていることがわかるわ。
これはいよいよヤバいかもねって、私は紅茶を飲んでいます。
「さて、君たちには感謝しても足りない、おかげで誰も怪我すらしなかったありがとう、この街の代表者としてお礼を言わせてくれ」
ギルドマスターが頭を下げてくれました、ペルーロとミサーラがテレていますよ、私は自分たちの仕事をしただけって言っておきました。私たちが担当した上位のゴブリンがあの戦線に行っていた場合、かなりの被害になっていたのは言わないわ、それを倒し作戦を成功させるのが私たちの仕事よ、それがしっかりと出来るように作戦を立てただけ、ただそれだけよね。
私の話を聞いたギルドマスターが顔を上げたんだけど、その顔色を見て、私は『やばっ!?』って思ったわ。
「それでな・・・ここの領主であるメリッサス・バーストン様が君たちに会いたいそうだ、今日今から向かうことになる」
それを聞いてペルーロとミサーラがすごく緊張し始めました、そして嬉しそうでもあるわ、貴族に呼ばれるなんて専属になる時だけと言う話なのよ、今回だってお礼を言うだけでは済まないわ。
断るにしてもタイミングが早すぎるわね、ここは諦めて会うだけはしておいた方が無難かしら。
「外に馬車を用意した、服も用意したから着替えたら向かってくれ」
ギルドマスターがそう言うと、部屋にメイドさんたちが入ってきました、そしてギルドのお風呂場に案内され綺麗にされたのよ。
着る物も私とミサーラはドレスでペルーロは執事が着るようなスーツね。
「な、なんだか窮屈ですねペルーロさん」
「そうだねミサーラ、でも似合ってるよ」
「ふぇっ!?」
移動をしながらペルーロが不用意な一言を言ってるわ、私はペルーロの肩でやれやれ思っていると、馬車に着いたので乗り込み移動が始まったわ。
「さすが領主様の馬車だね、こんなにきれいで豪華なの見たことないよ」
ペルーロとミサーラが内装を見てキョロキョロしています、でも私はそれほどでもないように思えるわ、絨毯とか確かにきれいなんだけどね。
「ふたりとも、落ち着いて聞いてちょうだい」
今がチャンスと思った私は、2人に状況を話したわ、まだ確定はしていないけど、このままではふたりが危険なのよ。そうなった場合はここを出る、それは最悪の事態を想定した話だけど、言っておかないと戸惑ってしまうわ、今ですら驚いているからね。
「良い?今の状態で貴族に仕えるって話を受けると、周りが敵だらけの状態で3人だけで戦わないといけないの、だから話を伸ばして逃げるからそのつもりでね」
敵も味方もなくなるの、そんなことになったら大変なことよ、それが分からない2人じゃないわ、凄く暗い顔をし始めたわ。
「でも安心して、それは最悪の事態よ、そうならないように私が話をする、だから二人は笑顔で聞いててちょうだい、変な方向になりだしたら合図するから耳と目を塞いでね」
指を立てて二人に言いました、2人は頷くだけですけど分かってくれたみたいね、本当ならここは、リーダーのペルーロがしないといけない事、それが出来ない内は私が対処するわ、出来るようになるのはいつなのかしらね。
私たちの話が終わると馬車が止まり、領主の屋敷に着いたようです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
264
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる