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1章 旅立ちの一歩

15話 収集の才能

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「ここがモリージュなのねペルーロ」


私たちが来た森は名前があるそうでモリージュって言います、名前の由来は奥地にモリーってトレントの大きい奴がいるからだそうよ、そいつはヌシでかなり強いらしいわ。


「そうだよラリーファ、そしてこれがポーションの材料になる薬草、名前はとげとげ草」


少しトゲトゲした葉っぱが薬草だとペルーロに受け取ったわ、私位のサイズの葉っぱで鑑定をして見たけど、確かにポーションの材料って出て、とげとげ草って名前でした、そして私の索敵スキルでどこに生えてるか分かるようになったのよ、おかげですごく沢山採れたわ。


「こんな物かしらペルーロ」

「そうだね、あまり採り過ぎるのは良くないから、もういいかな」


森の浅い場所で沢山採りました、全部を採ってしまうと、今後そこでは採れなくなっちゃうので半分かそれ以下です、それでも30枚は取ったのよ、それにまだ他の場所にも採れる場所があるから、足りなければそこに行けばいいわ。


「さて、モンスター討伐も進めるよラリーファ」


ペルーロがそう言って少し体勢を低くしたわ、きっとモンスターを発見したのね。


「どんなモンスターが来たのかしらペルーロ」

「行くわん!」


私が確認しようと少し上昇すると、ペルーロが私の準備が出来ていないのに突撃したわ。

やる気があり過ぎて方言が出てた、きっとああやって考えなしに平原ウルフに突撃して、返り討ちにあったのね。


「でも、今回はゴブリンが5体でもう倒せそうだわ」


ペルーロはかなりのスピードと攻撃力みたい、一撃でゴブリンを倒してるわ、これは装備のおかげもあるわ。

でも、これじゃ練習にならないわね。


「そうだわ!薬草を見つけるのと同じで、モンスターも出来ないかな『索敵』」


私は薬草と同じ感じで索敵もしてみました、スキルはレーダーのように変わり、どの方角に何体いるのかが分かります。

見た事のあるモンスターは名前までわかって、それ以外はハテナが3つ並んでるわ。


「ふむふむ、つまり名前が映らないモンスターは、まだ会ったことがない奴らなわけね、じゃあもう少し奥に行けばいいかな」


ペルーロがゴブリンの討伐証明の耳を取り、それ以外を穴に埋めているので私も手伝ったわ、土魔法を使って見たんだけど(メーリリさんが少し教えてくれました)穴を作って埋める位なら出来るようになったわ、今後を考えて他の魔法も使えるようにしないとね。


「さて・・・あっちに行きましょペルーロ」

「分かったよラリーファ」


私たちは少し森の奥に進みました、収集ももちろんしてるわよ、薬草以外もキノコや野イチゴとかを採りました、珍しいのはマナ草って言う草で、マナポーションの材料になるそうです、それはすごく高値で売れるんですよ。


「いたわね」

「そうだね、目標の一角鹿だね、じゃあ僕は行くわん」


ペルーロがまた突撃したわ、これは今後の為に教育しないとだわ、次の実戦でね。


「さてペルーロ君」

「ぺ、ペルーロ君!?」


一角鹿を3匹倒して収納にしまい、次の目標モンスターのラビット5匹を見つけたんだけど、そこでペルーロに「待てっ!」と指示を出し、ちょっと教育です。


「あなたは何も考えず突撃ばかりしてるわ、それじゃ勝てなかったら大怪我しちゃう、なので連携を考えて戦いなさい」

「で、でも僕は、いつもこうしてたんだけど」

「それは1人だったからでしょ、今は私もいるのよ、PTとして戦いましょうよ」


今までは1人だったんだから、突撃してたのも分かるの、まぁ不意打ちとかもしないと強いモンスターには勝てないけどね、兎に角今は私と息を合わせて戦うべきなのよ。


「良いわねペルーロ、私を肩に乗せて突っ込むのよ、そしてペルーロが攻撃をする時は、私は肩から飛び立って上昇する、そしてペルーロが戦ってないモンスターを狙撃するわ、私が倒せなかったらあなたが倒すのよ」

「わ、分かったわん」

「よし!じゃあ行くわよ」


基本はペルーロが突撃するの、今までと変わらないような感じだから、ペルーロが首を捻ってるわ、見た目同じなんだけど少し違うわ、私が上空で援護するんだからね、それは突撃であって突撃じゃない、これが私の連携よ。


「どうだったペルーロ」


ラビットを倒し、収納にしまいながら戦闘の感想を聞いて見ました、ペルーロは最初のように分からないって感じじゃないわ。


「すごく戦いやすかった、後ろの敵を見たけど全然来なくて、正面にいるモンスターだけを相手すれば良くなってた・・・こんなに楽になるんだね」

「そうよペルーロ、背中を預けられる仲間がいるって、こういった事なの、これからはこの戦い方で行くわよ」


ほんとはペルーロの援護もしつつ、他のモンスターを倒したりしたいんだけど、今それをしちゃうと、ペルーロが付いて来れなくて、今言ったみたいに正面の敵だけを相手するようになっちゃう、それだと周りが見えなくなって逆に悪くなるのよ、だから少しずつ訓練して、私の援護も出来るようになってもらうわ。


「ふたりで1人、それをよく覚えておいてねペルーロ」

「良く分からないけど、なんとなくわかった」


私はペルーロの答えを聞いて、少し体制を崩しガクッてなったわ、でも今はそんなところで良いわ、でも余裕が出来て私の指示が聞こえるようになれば、周りが見えるようになるし、次のステップにいけるわ、新人を教育するのって楽しいわね。


「さぁどんどん行くわよペルーロ」

「了解わん」


こうして、私とペルーロは収集をしつつ、モンスターを倒して行きました、そして気付いたら森の奥地です。


「そろそろ帰ろうかラリーファ」

「そうね、あれを倒したらね」


私は対戦車ライフルをセットしながら指を差しました、その先には大きなクモがいます、ほんとはここのヌシを狙ってたんだけど、どうやら違ったみたい。


「あれって・・・なな、何だかすごそうわんよ」

「そうね、今のペルーロじゃ倒せないと思うわ、だから私が【ガンガン】」


私はライフルを撃って大きなクモを倒したわ、そして鑑定したんだけど、ベノムスパイダーって出たわ、前の鷹と違うのはランクが分かるようになったことね、このクモはAです、前のあの鳥が幾つなのか分からないけど、かなり高いモンスターなのは分かるわね。


「じゃあ帰りましょ」

「う、うんだわん」


ペルーロが方言のまま少し引いて返事をしてたけど、銃を上手く扱えるようになればあなただって倒せるわ、まぁその前にもっとレベルを上げて、接近戦で倒す方かもだけどね。


「ラリーファ、僕銃は扱えそうもないわんよ」


ペルーロがしょんぼりしながら歩いてるわ、お昼を食べた後に少し銃を撃ってもらったの、そしたらすごく下手でした、どうしてそこに当たるの?とか思っちゃったわ。


「最初が下手なのは当たりまえでしょペルーロ、こういったのは積み重ねが大事、頑張りなさい」


ペルーロの頭に乗ってよしよしと撫でました。正直に言いますと、遠くからの狙撃はペルーロには向かないと思います、接近戦で使うなら狙わなくてもいい戦い方にしないとね。


「はぁ~こんなに討伐がうまく行ったのは初めてだよ、ラリーファってやっぱりすごいよね」


街の門で並んでいるとペルーロがまだ興奮しているわ、無事に帰って来れて嬉しいのね。


「うんうんそうねペルーロ、でも少し落ち着きなさい」


帰って来るまでが遠足よね、それが今終わりそうだから、きっと興奮し始めたのよ、まったく子供なんだからね。


「次!ちっまたケダモノか、身分証を出せ」


相変わらず門番は態度が悪いわね、今日出る時もだったのよ、せっかく笑顔で仮の登録証を返したのに態度が悪かったわ、もっと名声が上がったらあの人みたいに変わるのかしらね。


「よし通って良いぞ」

「どうもです」


お金を渡して冒険者ギルドに向かいました、さて昨日の鳥はどれくらいになったのかしらね、とても楽しみだわ。
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