上 下
16 / 79
1章 旅立ちの一歩

15話 収集の才能

しおりを挟む
「ここがモリージュなのねペルーロ」


私たちが来た森は名前があるそうでモリージュって言います、名前の由来は奥地にモリーってトレントの大きい奴がいるからだそうよ、そいつはヌシでかなり強いらしいわ。


「そうだよラリーファ、そしてこれがポーションの材料になる薬草、名前はとげとげ草」


少しトゲトゲした葉っぱが薬草だとペルーロに受け取ったわ、私位のサイズの葉っぱで鑑定をして見たけど、確かにポーションの材料って出て、とげとげ草って名前でした、そして私の索敵スキルでどこに生えてるか分かるようになったのよ、おかげですごく沢山採れたわ。


「こんな物かしらペルーロ」

「そうだね、あまり採り過ぎるのは良くないから、もういいかな」


森の浅い場所で沢山採りました、全部を採ってしまうと、今後そこでは採れなくなっちゃうので半分かそれ以下です、それでも30枚は取ったのよ、それにまだ他の場所にも採れる場所があるから、足りなければそこに行けばいいわ。


「さて、モンスター討伐も進めるよラリーファ」


ペルーロがそう言って少し体勢を低くしたわ、きっとモンスターを発見したのね。


「どんなモンスターが来たのかしらペルーロ」

「行くわん!」


私が確認しようと少し上昇すると、ペルーロが私の準備が出来ていないのに突撃したわ。

やる気があり過ぎて方言が出てた、きっとああやって考えなしに平原ウルフに突撃して、返り討ちにあったのね。


「でも、今回はゴブリンが5体でもう倒せそうだわ」


ペルーロはかなりのスピードと攻撃力みたい、一撃でゴブリンを倒してるわ、これは装備のおかげもあるわ。

でも、これじゃ練習にならないわね。


「そうだわ!薬草を見つけるのと同じで、モンスターも出来ないかな『索敵』」


私は薬草と同じ感じで索敵もしてみました、スキルはレーダーのように変わり、どの方角に何体いるのかが分かります。

見た事のあるモンスターは名前までわかって、それ以外はハテナが3つ並んでるわ。


「ふむふむ、つまり名前が映らないモンスターは、まだ会ったことがない奴らなわけね、じゃあもう少し奥に行けばいいかな」


ペルーロがゴブリンの討伐証明の耳を取り、それ以外を穴に埋めているので私も手伝ったわ、土魔法を使って見たんだけど(メーリリさんが少し教えてくれました)穴を作って埋める位なら出来るようになったわ、今後を考えて他の魔法も使えるようにしないとね。


「さて・・・あっちに行きましょペルーロ」

「分かったよラリーファ」


私たちは少し森の奥に進みました、収集ももちろんしてるわよ、薬草以外もキノコや野イチゴとかを採りました、珍しいのはマナ草って言う草で、マナポーションの材料になるそうです、それはすごく高値で売れるんですよ。


「いたわね」

「そうだね、目標の一角鹿だね、じゃあ僕は行くわん」


ペルーロがまた突撃したわ、これは今後の為に教育しないとだわ、次の実戦でね。


「さてペルーロ君」

「ぺ、ペルーロ君!?」


一角鹿を3匹倒して収納にしまい、次の目標モンスターのラビット5匹を見つけたんだけど、そこでペルーロに「待てっ!」と指示を出し、ちょっと教育です。


「あなたは何も考えず突撃ばかりしてるわ、それじゃ勝てなかったら大怪我しちゃう、なので連携を考えて戦いなさい」

「で、でも僕は、いつもこうしてたんだけど」

「それは1人だったからでしょ、今は私もいるのよ、PTとして戦いましょうよ」


今までは1人だったんだから、突撃してたのも分かるの、まぁ不意打ちとかもしないと強いモンスターには勝てないけどね、兎に角今は私と息を合わせて戦うべきなのよ。


「良いわねペルーロ、私を肩に乗せて突っ込むのよ、そしてペルーロが攻撃をする時は、私は肩から飛び立って上昇する、そしてペルーロが戦ってないモンスターを狙撃するわ、私が倒せなかったらあなたが倒すのよ」

「わ、分かったわん」

「よし!じゃあ行くわよ」


基本はペルーロが突撃するの、今までと変わらないような感じだから、ペルーロが首を捻ってるわ、見た目同じなんだけど少し違うわ、私が上空で援護するんだからね、それは突撃であって突撃じゃない、これが私の連携よ。


「どうだったペルーロ」


ラビットを倒し、収納にしまいながら戦闘の感想を聞いて見ました、ペルーロは最初のように分からないって感じじゃないわ。


「すごく戦いやすかった、後ろの敵を見たけど全然来なくて、正面にいるモンスターだけを相手すれば良くなってた・・・こんなに楽になるんだね」

「そうよペルーロ、背中を預けられる仲間がいるって、こういった事なの、これからはこの戦い方で行くわよ」


ほんとはペルーロの援護もしつつ、他のモンスターを倒したりしたいんだけど、今それをしちゃうと、ペルーロが付いて来れなくて、今言ったみたいに正面の敵だけを相手するようになっちゃう、それだと周りが見えなくなって逆に悪くなるのよ、だから少しずつ訓練して、私の援護も出来るようになってもらうわ。


「ふたりで1人、それをよく覚えておいてねペルーロ」

「良く分からないけど、なんとなくわかった」


私はペルーロの答えを聞いて、少し体制を崩しガクッてなったわ、でも今はそんなところで良いわ、でも余裕が出来て私の指示が聞こえるようになれば、周りが見えるようになるし、次のステップにいけるわ、新人を教育するのって楽しいわね。


「さぁどんどん行くわよペルーロ」

「了解わん」


こうして、私とペルーロは収集をしつつ、モンスターを倒して行きました、そして気付いたら森の奥地です。


「そろそろ帰ろうかラリーファ」

「そうね、あれを倒したらね」


私は対戦車ライフルをセットしながら指を差しました、その先には大きなクモがいます、ほんとはここのヌシを狙ってたんだけど、どうやら違ったみたい。


「あれって・・・なな、何だかすごそうわんよ」

「そうね、今のペルーロじゃ倒せないと思うわ、だから私が【ガンガン】」


私はライフルを撃って大きなクモを倒したわ、そして鑑定したんだけど、ベノムスパイダーって出たわ、前の鷹と違うのはランクが分かるようになったことね、このクモはAです、前のあの鳥が幾つなのか分からないけど、かなり高いモンスターなのは分かるわね。


「じゃあ帰りましょ」

「う、うんだわん」


ペルーロが方言のまま少し引いて返事をしてたけど、銃を上手く扱えるようになればあなただって倒せるわ、まぁその前にもっとレベルを上げて、接近戦で倒す方かもだけどね。


「ラリーファ、僕銃は扱えそうもないわんよ」


ペルーロがしょんぼりしながら歩いてるわ、お昼を食べた後に少し銃を撃ってもらったの、そしたらすごく下手でした、どうしてそこに当たるの?とか思っちゃったわ。


「最初が下手なのは当たりまえでしょペルーロ、こういったのは積み重ねが大事、頑張りなさい」


ペルーロの頭に乗ってよしよしと撫でました。正直に言いますと、遠くからの狙撃はペルーロには向かないと思います、接近戦で使うなら狙わなくてもいい戦い方にしないとね。


「はぁ~こんなに討伐がうまく行ったのは初めてだよ、ラリーファってやっぱりすごいよね」


街の門で並んでいるとペルーロがまだ興奮しているわ、無事に帰って来れて嬉しいのね。


「うんうんそうねペルーロ、でも少し落ち着きなさい」


帰って来るまでが遠足よね、それが今終わりそうだから、きっと興奮し始めたのよ、まったく子供なんだからね。


「次!ちっまたケダモノか、身分証を出せ」


相変わらず門番は態度が悪いわね、今日出る時もだったのよ、せっかく笑顔で仮の登録証を返したのに態度が悪かったわ、もっと名声が上がったらあの人みたいに変わるのかしらね。


「よし通って良いぞ」

「どうもです」


お金を渡して冒険者ギルドに向かいました、さて昨日の鳥はどれくらいになったのかしらね、とても楽しみだわ。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

元勇者は魔力無限の闇属性使い ~世界の中心に理想郷を作り上げて無双します~

桜井正宗
ファンタジー
  魔王を倒した(和解)した元勇者・ユメは、平和になった異世界を満喫していた。しかしある日、風の帝王に呼び出されるといきなり『追放』を言い渡された。絶望したユメは、魔法使い、聖女、超初心者の仲間と共に、理想郷を作ることを決意。  帝国に負けない【防衛値】を極めることにした。  信頼できる仲間と共に守備を固めていれば、どんなモンスターに襲われてもビクともしないほどに国は盤石となった。  そうしてある日、今度は魔神が復活。各地で暴れまわり、その魔の手は帝国にも襲い掛かった。すると、帝王から帝国防衛に戻れと言われた。だが、もう遅い。  すでに理想郷を築き上げたユメは、自分の国を守ることだけに全力を尽くしていく。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。

風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。 ※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

ハリボテ怪獣ハンドメイドン

第一回世界大変
ファンタジー
特撮怪獣映画が大好きな中島宗作は、ヒーローショーのアルバイト中に熱中症で倒れて意識不明になってしまう。 気が付けば謎の空間にいて、神様から「どんな怪獣にも一瞬で変身できる能力」をもらって異世界に転生ことに。 いざ使ってみると、視界は真っ暗、動きにくいし、おまけに暑い。彼がもらったのは「どんな着ぐるみ怪獣にも一瞬で変身できる能力」だった。 相手はゴブリン、スライムとおなじみのザコからコカトリスにゴーレム、はたまた魔王を名乗るドラゴン。果たして宗作は着ぐるみ怪獣で迫りくるリアルモンスターを倒せるのか……。 *カクヨムさんでも投稿しております *小説家になろうさんでも投稿しております

処理中です...