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4章
最終話 平和な世界
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異世界は平和になったと、サリーたちが家に来てそんな報告を受けた。シャングラが頑張ったんだなと思ったが、どうやら他にも理由があるらしい。
魔族と勇者の婚姻が決まったとか、ダンジョンを使い食料などの時給を増やしたとか、少なかったモノが満たされたそうだ。それは何よりと返すが、自分は嬉しくてしかたないよ。
「シュン嬉しそう」
「当たり前だろうミーシャ、自分の作った物が不幸を呼ばず、みんなに感謝されたんだ」
良い評価をされた事が嬉しくて素直に答えたが、元々使う者と方法次第ではあった。サリーたちの話を聞いてそう思った、今後も人選はしっかりとしなくてはいけない。
異世界だけでなく、こちらの世界も安定させたいし、吾郎たちの顔を浮かべて方法を考える事にした。無理はさせたくないから、そちらにもダンジョンを作っても良いかもしれない。
「でもなぁ~向こうには無いものだから、やり過ぎないって考えから外れるんだよなぁ~」
後自分に出来るのは魔道具作りだが、それも落ち着いたばかりだからダメだろう。向こうの世界は難しい、まずは基盤を作る事を考えた方が良いかもしれないと、ダンジョンを作っても直ぐには見せず徐々に公表していこうと決めた。
吾郎たちの為に出来る事は、異世界で成功した方法で実行が決まったので、バーベキューを進めて行く。焼いた肉をミーシャに渡し食べて貰ったが、ミーシャは少し不満そうで、その理由は作ったダンジョンを使えなかった事にある。
「シャングラちゃんが凄すぎてヒューマンが弱すぎたの」
「そう考えるのは早いぞミーシャ、象徴を作ったとは言え、まだまだ反乱は起きるだろう。その対策に作ったダンジョン部隊はその時使えば良い」
影の調整者、そんな言葉がふさわしい部隊で忍者のネコたちだ。ミーシャの作った新たなダンジョンはそんなモンスターたちが多数いて、働いたんだがミーシャは不服と思っていた。
平和とは次の戦争の準備期間と、偉い奴らは考える。だからそれを行わせなければ良い、準備が出来なければ始まらないのだと、ミーシャに伝えてやる気を出して貰った。
「それでシュンさん・・・アタシたちの村には来れそうですか?」
ミーシャに頑張ろうと伝えた直後、サリーからそんな催促を受け、自分は答えに詰まった。村も安定し平和になったし、村の人たちも顔見知りで知らないのは大人だけ、そろそろ観光に行けるとは思っている。
しかし遊園地で自分は無理をしたせいで、ミーシャは外に出ようとは言ってこなくなったんだ。自分から言わないといけないのだが、ミーシャに心配は掛けたくない。だからサリーたちの村に白羽の矢が向けられ行くことを了承したんだ。
「じゃあ明日楽しみにしています」
「こちらこそ、ミーシャの事を思ってくれてありがとな」
サリーの頭を撫でてお礼を伝えみんなにも感謝した。ミーシャは言わないが庭で遊ぶ時が一番嬉しそうなんだ。
出来るだけ庭での遊びをしていた自分だが、やはり広い場所に連れて行ってあげたい。その気持ちはあるが抵抗も大きいんだ、前のようにならない自信がなくて情けない。
「大丈夫ですよ、アタシたちに任せてください」
「頼むよサリー」
サリーたちに頼るばかりでは駄目なので、自分でも何か無いかと考え、魔術具が自分にも使えればと思い付く。しかしどうしてか作っても発動せず、ミーシャには効果があったのに何が違うんだろうと、問題が出来てしまった。
何度も作ったが効果は出ない、しかし食事などはみんなと一緒で効果はある。村に行くまでには間に合わないが、何か理由があるのは確実だと、今後作れると信じて継続する。
しかし村に行くと言う問題が残ってしまい頭を抱えてしまう。ミーシャにバーベキューの肉を渡す時、村に行くことを伝えたが予想出来ていた反応が返ってきた。
「ダメだよシュン、アタシは反対だよ」
「心配してくれてありがとなミーシャ。だが自分は変わりたいんだ、その手伝いをしてくれると助かる」
遊園地は難易度が高かったと説得を始める、知り合いの多い村から少しずつ抵抗力を上げて行き、最終的にまた遊園地に行くことを目標にした。ミーシャはまだまだ反対しているよ。
無理する必要はないと、ミーシャにいつも言ってる言葉を返される。それを言われると弱いんだが、段階を踏むことの大切さを語った。
「難しい事を言ってもダメだよシュン、アタシは反対」
肉串を持って離れて行ってしまうミーシャを見て、何度かのやり取りで抵抗感を持ってしまったんだと反省し、嫌われてしまったかもとショックだ。
サリーが心配して声を掛けてくれるが、自分はそれどころではない。どうしようと不安になってしまい放心状態になってしまい、気づいたらリビングでテレビを見ていた。ミーシャの姿はないから、きっとサリーたちとお風呂だ。
「ミーシャに嫌われてしまった」
どうしても分かってもらいたかった、そんな時はどうすれば良いのだろうかと悩んでしまう。謝って諦めるべきなんだろうか?サリーたちには悪いがそれしかないかもしれないと、ミーシャがお風呂から出て来るのを待った。
サリーたちと笑顔で出て来たミーシャを見てホッとしたが、怒ってる顔はもう見たくないと素直に思ったよ。だからまずは謝った、サリーたちにも同時にだ。
「シュン、どうして謝ってるの?」
「そうですよシュンさん、アタシたちも急ぎ過ぎました・・・っと言いたいのですけど、ミーシャちゃんの許可を貰いましたよ」
「はい?」
嘘?っとミーシャを見ると頷いて来た。あれだけ拒んできたのに何があったんだと、サリーたちに聞いても教えてくれず、ミーシャに聞くと女子の秘密だと言って来たぞ。
夜に再度聞こうにも、サリーたちが来た時はミーシャとは別れて寝るから、これは明日までには聞けない。みんなが部屋に移動しても、自分は2階には上がらずぼ~っとしていた。リビングでテレビをつけ適当にチャンネルを変える、それも飽きると映画を見ようと考えた。
「さて、何を見るかな」
今の気分に合う映画を探していると、ミーシャが後ろから声を掛けて来た。ビックリして振り向くが、ミーシャは自分の前に来て映画を決めてくれた。ゾンビ映画を選んだ時は、どうしてだ?っと思ったが、ミーシャが見たいのならとセットして見始める。
しばらく無言で映画を見るが、どうにも落ち着かず、何で行くことを許してくれたのか聞いてみたよ。ミーシャは秘密と言っていたが映画に夢中でつい口にしたよ。
「弱った自分が可愛い?」
「そうだよ、サリーたちがねそう言ってたの、見て介抱したいって言ってたよ」
これはまずいと、明日は何がなんでも気分を悪くしては行けなくなった。村ならきっとそうはならないと思いたいぞ。
映画を見終わると、ミーシャはサリーたちの部屋に行くと立ち上がるが、頬を膨らませて怒ってきた。自分に話してしまったからだと言ってくるが、とても可愛いと思ってしまったよ。
「そう怒るなミーシャ、自分が弱った状態が可愛いのと同じで、今のミーシャは可愛いぞ」
「うぅ~シュンがサリーたちと同じ顔をしてるの」
可愛いモノを愛でるのは誰でも同じだ、だから見たいとか言われる。とはいっても、ミーシャの様に見られる方は嫌なものだ。
だから自分はそんな表情はしない、そう決意して村に行く覚悟が出来た。平和だから出来る事だがさすがにこれは困ると、ミーシャと同時にため息をついてしまったよ。
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ご愛読ありがとうございました、このお話はこれで終わりとなります。
明日から同じ時間に新たなお話を投稿していきたいと思います、題名は【傭兵を雇う傭兵、報酬は美味い食事にフカフカのベッド、不遇の製作魔法から始める下剋上】です、よろしければご愛読してください。
魔族と勇者の婚姻が決まったとか、ダンジョンを使い食料などの時給を増やしたとか、少なかったモノが満たされたそうだ。それは何よりと返すが、自分は嬉しくてしかたないよ。
「シュン嬉しそう」
「当たり前だろうミーシャ、自分の作った物が不幸を呼ばず、みんなに感謝されたんだ」
良い評価をされた事が嬉しくて素直に答えたが、元々使う者と方法次第ではあった。サリーたちの話を聞いてそう思った、今後も人選はしっかりとしなくてはいけない。
異世界だけでなく、こちらの世界も安定させたいし、吾郎たちの顔を浮かべて方法を考える事にした。無理はさせたくないから、そちらにもダンジョンを作っても良いかもしれない。
「でもなぁ~向こうには無いものだから、やり過ぎないって考えから外れるんだよなぁ~」
後自分に出来るのは魔道具作りだが、それも落ち着いたばかりだからダメだろう。向こうの世界は難しい、まずは基盤を作る事を考えた方が良いかもしれないと、ダンジョンを作っても直ぐには見せず徐々に公表していこうと決めた。
吾郎たちの為に出来る事は、異世界で成功した方法で実行が決まったので、バーベキューを進めて行く。焼いた肉をミーシャに渡し食べて貰ったが、ミーシャは少し不満そうで、その理由は作ったダンジョンを使えなかった事にある。
「シャングラちゃんが凄すぎてヒューマンが弱すぎたの」
「そう考えるのは早いぞミーシャ、象徴を作ったとは言え、まだまだ反乱は起きるだろう。その対策に作ったダンジョン部隊はその時使えば良い」
影の調整者、そんな言葉がふさわしい部隊で忍者のネコたちだ。ミーシャの作った新たなダンジョンはそんなモンスターたちが多数いて、働いたんだがミーシャは不服と思っていた。
平和とは次の戦争の準備期間と、偉い奴らは考える。だからそれを行わせなければ良い、準備が出来なければ始まらないのだと、ミーシャに伝えてやる気を出して貰った。
「それでシュンさん・・・アタシたちの村には来れそうですか?」
ミーシャに頑張ろうと伝えた直後、サリーからそんな催促を受け、自分は答えに詰まった。村も安定し平和になったし、村の人たちも顔見知りで知らないのは大人だけ、そろそろ観光に行けるとは思っている。
しかし遊園地で自分は無理をしたせいで、ミーシャは外に出ようとは言ってこなくなったんだ。自分から言わないといけないのだが、ミーシャに心配は掛けたくない。だからサリーたちの村に白羽の矢が向けられ行くことを了承したんだ。
「じゃあ明日楽しみにしています」
「こちらこそ、ミーシャの事を思ってくれてありがとな」
サリーの頭を撫でてお礼を伝えみんなにも感謝した。ミーシャは言わないが庭で遊ぶ時が一番嬉しそうなんだ。
出来るだけ庭での遊びをしていた自分だが、やはり広い場所に連れて行ってあげたい。その気持ちはあるが抵抗も大きいんだ、前のようにならない自信がなくて情けない。
「大丈夫ですよ、アタシたちに任せてください」
「頼むよサリー」
サリーたちに頼るばかりでは駄目なので、自分でも何か無いかと考え、魔術具が自分にも使えればと思い付く。しかしどうしてか作っても発動せず、ミーシャには効果があったのに何が違うんだろうと、問題が出来てしまった。
何度も作ったが効果は出ない、しかし食事などはみんなと一緒で効果はある。村に行くまでには間に合わないが、何か理由があるのは確実だと、今後作れると信じて継続する。
しかし村に行くと言う問題が残ってしまい頭を抱えてしまう。ミーシャにバーベキューの肉を渡す時、村に行くことを伝えたが予想出来ていた反応が返ってきた。
「ダメだよシュン、アタシは反対だよ」
「心配してくれてありがとなミーシャ。だが自分は変わりたいんだ、その手伝いをしてくれると助かる」
遊園地は難易度が高かったと説得を始める、知り合いの多い村から少しずつ抵抗力を上げて行き、最終的にまた遊園地に行くことを目標にした。ミーシャはまだまだ反対しているよ。
無理する必要はないと、ミーシャにいつも言ってる言葉を返される。それを言われると弱いんだが、段階を踏むことの大切さを語った。
「難しい事を言ってもダメだよシュン、アタシは反対」
肉串を持って離れて行ってしまうミーシャを見て、何度かのやり取りで抵抗感を持ってしまったんだと反省し、嫌われてしまったかもとショックだ。
サリーが心配して声を掛けてくれるが、自分はそれどころではない。どうしようと不安になってしまい放心状態になってしまい、気づいたらリビングでテレビを見ていた。ミーシャの姿はないから、きっとサリーたちとお風呂だ。
「ミーシャに嫌われてしまった」
どうしても分かってもらいたかった、そんな時はどうすれば良いのだろうかと悩んでしまう。謝って諦めるべきなんだろうか?サリーたちには悪いがそれしかないかもしれないと、ミーシャがお風呂から出て来るのを待った。
サリーたちと笑顔で出て来たミーシャを見てホッとしたが、怒ってる顔はもう見たくないと素直に思ったよ。だからまずは謝った、サリーたちにも同時にだ。
「シュン、どうして謝ってるの?」
「そうですよシュンさん、アタシたちも急ぎ過ぎました・・・っと言いたいのですけど、ミーシャちゃんの許可を貰いましたよ」
「はい?」
嘘?っとミーシャを見ると頷いて来た。あれだけ拒んできたのに何があったんだと、サリーたちに聞いても教えてくれず、ミーシャに聞くと女子の秘密だと言って来たぞ。
夜に再度聞こうにも、サリーたちが来た時はミーシャとは別れて寝るから、これは明日までには聞けない。みんなが部屋に移動しても、自分は2階には上がらずぼ~っとしていた。リビングでテレビをつけ適当にチャンネルを変える、それも飽きると映画を見ようと考えた。
「さて、何を見るかな」
今の気分に合う映画を探していると、ミーシャが後ろから声を掛けて来た。ビックリして振り向くが、ミーシャは自分の前に来て映画を決めてくれた。ゾンビ映画を選んだ時は、どうしてだ?っと思ったが、ミーシャが見たいのならとセットして見始める。
しばらく無言で映画を見るが、どうにも落ち着かず、何で行くことを許してくれたのか聞いてみたよ。ミーシャは秘密と言っていたが映画に夢中でつい口にしたよ。
「弱った自分が可愛い?」
「そうだよ、サリーたちがねそう言ってたの、見て介抱したいって言ってたよ」
これはまずいと、明日は何がなんでも気分を悪くしては行けなくなった。村ならきっとそうはならないと思いたいぞ。
映画を見終わると、ミーシャはサリーたちの部屋に行くと立ち上がるが、頬を膨らませて怒ってきた。自分に話してしまったからだと言ってくるが、とても可愛いと思ってしまったよ。
「そう怒るなミーシャ、自分が弱った状態が可愛いのと同じで、今のミーシャは可愛いぞ」
「うぅ~シュンがサリーたちと同じ顔をしてるの」
可愛いモノを愛でるのは誰でも同じだ、だから見たいとか言われる。とはいっても、ミーシャの様に見られる方は嫌なものだ。
だから自分はそんな表情はしない、そう決意して村に行く覚悟が出来た。平和だから出来る事だがさすがにこれは困ると、ミーシャと同時にため息をついてしまったよ。
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ご愛読ありがとうございました、このお話はこれで終わりとなります。
明日から同じ時間に新たなお話を投稿していきたいと思います、題名は【傭兵を雇う傭兵、報酬は美味い食事にフカフカのベッド、不遇の製作魔法から始める下剋上】です、よろしければご愛読してください。
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やっと落ち着いて読了。
連載お疲れ様でした。
魔族の中に居た獅子身中の虫も処分出来たし、エルフ達も無駄な虐殺をせずに済んだ。
ドラゴンは力に溺れる事にならず、殴りあって判り合えたのは幸いでしたね。誇り高いドラゴン族はそうでなくては。
……些か形は変わったが、王女ざまぁww
頼みの勇者がウサママにぞっこんwww
自分で仕掛けた戦争で負け
為政者として戦後交渉で負け
女性としての魅力で惨敗wwww
あっはっはっは!
ご感想ありがとうございます
こちらこそ、ご愛読ありがとうございました。
次の作品もどうぞよろしくお願いします。お仕事に支障のない程度でw
毎度お馴染みで申し訳ないですが
悪因悪果
善因善果
因果応報
因縁果報
善き生き方をしましょう。
(*´・ω・`)b
ご感想ありがとうございます
こちらこそ、毎度おなじみの展開で申し訳ないですw
実体を形成していただけで、肉体そのものが魔力に変換された魔力体になっている事に気が付かなかったんですかね。
そりゃ、魔力そのものを吸収する相手に接触すれば消え果てますって。
進化出来ない生命体は自然淘汰され、いずれ消える。
確かに、その通りではあります。
自己を取り巻く環境の変化、外的な要因による病、天敵等で絶滅した生命体は数えきれません。
だからと言って、急激な変化に対応し切れない生命体を切り捨てる様な考えは短絡的であるとしか言い様はない。
生命体は、その単独種だけで生きているのでは無い。他の生命に、環境そのものに必ず影響が出ます。
そこを理解出来ないあたり『頭の良い馬鹿』であったんでしょうね。
ご感想ありがとうございます
最強と疑わなかったのでしょうけど、上には上がいて天敵も存在している物です。相手は元親友なのですから油断したら勝てません、まして相手は力を与えてくれた人ですからねw