上 下
63 / 72
4章

64話 再びの女子会

しおりを挟む
布団を並べて、今夜はしっかりと下準備がされて、前よりも食べ物が沢山なの。
みんながチホの周りに集まると、早速お話が始まったよ。最初は戦いの準備を始める所からだったんだけど、戦いの話しじゃなくて、ほとんどマナブと仲良く出来た話だったの。
悪い奴らとの戦いが本題になったのは、マナブの近くで魔術が使えないと分かってからだった。最初はマナブの覚えが悪いとか、チホがデレデレして話してたんだよ。


「ウチもな、おかしいと思ったんや、魔力は感じられるのに発動せえへん。何時まで経っても初歩の魔術すら使えないんやからな」

「嬉しそうに言っちゃって、それのおかげで一緒に戦えたんでしょ?」


サリーに指摘されチホは頷いて嬉しそう、チホが敵に攻撃された時も心配してくれたって話してくれたんだよ。
そして最後にマナブのおかげで敵を倒して平和になったの。みんなはよかったねぇ~っと祝福したんだけど、その時にはお腹に子供がいたと聞いて表情が変わったんだよ。


「どうしたん?」

「ど、どうしたんじゃないわよチホッ!!」

「そうだよチホ、お腹の赤ちゃんが大切でしょ」


皆が無茶をしちゃダメって怒り出しましたの。戦いで無事だったから良かったけど、もし何かあったらとサリーたちが言いだしたの。アタシはそれを聞いてゾッとしたんだよ、もしかしたら生まれる前に死んじゃっていたかもなの。
それは絶対嫌っ!!アタシはチホに抱きついてもうしないでってお願いしたの、チホも分かったみたいでみんなに謝ってるくれた。
シュンから貰ったお守りが守ってくれたからのはチホのお話しで分かったけど、ホントに無事で良かった。それは凄い力だけど、だからと言っても体を大切にしないといけないよね。


「もう自分だけの身体じゃないって事やね、わかったわミーシャちゃん」

「そうだよチホ、大切にしなくちゃいけないの」


チホのお腹に手を当ててお願いします。まだ分からないけど、きっと元気な子供が生まれるよ、だってチホとマナブの子供だもんね。
生まれるのが楽しみ、みんなで子供の想像をしたんだよ。でもね、アタシが思っている事と少し違うみたいで、みんなは自分が産む姿を想像してるみたいだったの、チホに話しを振られて真っ赤になったんだよ。


「ねぇ、サリーは誰との子供を想像したの?」

「みみみ、ミーシャちゃんっ!?」


隣にいたサリーに聞くと凄く驚かれました。でも誰かを想像してるのは分かったよ、だってサリーは凄く嬉しそうだったもん。
誰の事を思っているのか教えてほしいけど、違う話に変わったんだよ。女子会に参加できなかったシャングラちゃんの事だったから、アタシも聞きたくて話しを戻そうとしなかったの。
あの子は、アタシと同じくらい小さいのに頑張ってて凄いの。大変だからシュンが手伝ってるから、アタシも何かしたいんだよ。


「ここから出ないでとなると・・・やっぱりダンジョンじゃないかな」

「そうねミサ、ワタシたちもシュンさんのおかげで助かってるわ」


そうなんだねっと、アタシはシャングラちゃんの為に考えます。でもほとんどのモノは持ってるシャングラちゃんだから、凄く難しい事なんだよ、考え出して初めて知ったんだよ。
食べ物も力も持ってるシャングラちゃんは、アタシが助ける所が無いの。ダンジョンじゃダメかもしれないと思うと泣きそうになったよ、どうすれば良いのかな。


「ミーシャ、諦めちゃダメ」

「そう、きっと他にある」


リースとパーチェが頭を撫でて慰めてくれて、トルトルは一緒になって泣きそうだけど、それを見て分かったんだよ。
アタシはシャングラちゃんの気持ちを思える人になれば良いの、きっとそれが一番だと思ったの。アタシはシュンと一緒にいるだけで幸せを感じる、だからそれをシャングラちゃんにもあげるの。


「うん」

「それで良いと思う」


ふたりにも賛成してもらえたよ、それが友達よりも親密な友と言う事をサリーに教わったの。シュンに色々教わってシャングラちゃんの隣をアタシは歩くの、それが出来るのはアタシだけとリサにも言われたんだよ。
正解を見つけられたから後はアタシが頑張るだけ。やる事が決まってみんなに応援されましたけど明日からなんだよ、今夜は皆とのお話を楽しむの。


「平和って良いわねサリー」

「そうだねリサ、このままここにいたいわ」


2人の呟きは、村もあるから出来ない事だったけどガッカリはしてなくて、とてもイキイキしてたの。
平和にしたくて頑張ってるからで、シャングラちゃんはそれを目指してる。アタシもそこを目指そうと思ったの、その為に必要なダンジョンをシュンと一緒に考えるんだよ。
シャングラちゃんが困った時、アタシが助ける事が出来るダンジョン。その為の力を今から作るの、みんなが向こうでも平和に暮らせる様に頑張るよ。


「それなら、ミーシャちゃんの最初にする事は、やっぱりあの勇者だね」

「そうねリサ、あいつをどうにかしないと戦いは終わらないわ」


勇者を中心に戦争は広がっているのはアタシでも知ってる。だから魔族よりも、そちらを止める事を考えた方が良いとみんなからアドバイスを貰ったかな、ダンジョンが出来上がったらそれを考えないとだね。
みんなから他にも提案が貰えて、シュンとそれに対する対策を話し合えると楽しみになったの。きっとシュンは良い方法を教えてくれるから、明日が早く来て欲しかったよ。


「でも~その前にやる事があるわよミーシャちゃん」

「リサ?」


リサがアタシを急に抱きしめて来たからびっくりしたの。でもサリーも後に続き、チホもトルトルも抱きしめてくれて、みんなで固まって一緒に寝たんだよ。
そのぬくもりを忘れない、この為にアタシは明日から動きます。きっと楽しい毎日になる、だって今までもそうだったんだもん。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

サイレント

青春 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

姉妹差別の末路

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:797pt お気に入り:108

私の婚約者は6人目の攻略対象者でした

恋愛 / 完結 24h.ポイント:830pt お気に入り:423

女王の成長

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1,202

転生先でも夫婦になる二人~懐かしい味をもう一度~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:30

不死鳥の素材屋さん

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1,481

器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:682

僕《わたし》は誰でしょう

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:2,642pt お気に入り:19

キャバクラで絶対売れる方法

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

処理中です...