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1章

15話 裏切り者の末路

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「よろしくお願いします安達社長、では私はこれで」


僕が部長の部屋を出た時間、部長はある人に電話をしていました、そして良い返事を聞いて、一人部屋で笑っていたんです。


「くっくっく、私が社長になるのももうすぐだ、新しい会社を作ったら、顔も見せない奴など捨ててやるぞ」


部長はそう言って、次の会社に電話をします。でも、そこで少し不穏な事を知らされます。


「ど、どういうことですか?何故今更手を引けなんて」


電話の先では慌てている声も聞こえます、忠告はしたと、相手は言い残し電話が切れたんです。
部長は受話器を降ろし考えます。怖気づいただけだと思い、次の会社に電話を掛けると、そこから先は掛からなかっだ。
不思議に思った部長は不安になり、一番力のある会社の社長に電話をしました。
ちなみに、その人は僕のお見合い相手の父親だったけど、電話は直ぐには掛からず、しばらくしてやっとつながり、秘書さんを通して本人と話したんです。


「安達社長先ほどはどうも、少し気になる事がありまして・・・社長?」


相手から反応が無いのを不思議に思ったけど、部長は状況を話します。事情を聞いた相手が笑い始め、その声に部長は驚き、どうして笑っているのかと質問をすると、相手は信じられない答えを言ったんだ。


「安達と言う者は先ほど辞任した、君たちはもう終わりだ」

「な、何を言ってるんだ?お前は誰だ」


部長は驚きながらも聞きます。でも、相手は答えず、他の者たちも罰せられると言うだけでした。そして最後に一言告げたんです。


「君たちはやり過ぎた、それを理解して謝る事だ、そうすれば少しは手を緩めてくれるかもしれないぞ、じゃあな」

「どういうことだ、おいっ!」


部長は何度も聞き返すけど、電話は既に切れていて返って来なかったんです。受話器を置くタイミングでドアがノックされ、部長はビクッとなります。
それでも部長は、恐る恐る入るのを許可します、入って来たのは黒いスーツ姿の者たちでした。部長は電話に手を掛け、助けを呼ぼうとすると、黒服たちは止めてきたんだ。


「電話は掛かりませんよ阿倍野部長、そのまま抵抗しないでいただきたい」


黒服の1人からそんな言葉を貰い、部長は受話器をあげて耳に当てます、反応が無かっ為、今度は携帯を取り出し掛けますが、掛かった先は警察ではありませんでした。


「どうも~わたくし、秘密結社ヴァルキリーの翼で支部長をしてます、アサルトと申します」

「は?」

「分からないのも分かりますよ、本当なら警察につながっていますからね、でもつながったのはわたくしの所、ご理解いただけますか?」


部長はそう言われ「理解できるわけないだろう」と怒鳴ります、そして何者なんだと叫びました。電話の先では、アサルトと名乗った男が、口軽くしゃべり出したんです。


「先ほど名乗った通りですが、お分かりいただけないようですね。あなたに分かるように言うのは難しいのですが、魔術を扱う組織とお考えください」

「はっ?」

「わたくしどもは、道具を使い魔術を扱う事の出来る組織なのですよ。あなたの電話先を変えたのも、その魔術を使ったからなんですよ~」


アサルトという人が部長に言います。会社の周りに、ある形をした人形を特定の場所に置き、その後電話を使った事で発動したと説明しました。部長はそんな事出来るはずないと返しますが、アサルトは今現実に行っていると即答します。


「あなたにはほんとに参りました、こちらの用意した顧客だけを扱っていれば良かったのに、事もあろうに闇魔術側に目を付けられるとは、しかもあんな巨大なオブジェクトまで作ってしまった。この後の世界がどうなるのか、わたくし心配です」


アサルトがすらすらと喋り、既にその建物は破壊したと言い残し、電話は直ぐに切れました。部長は携帯を耳から放し黒服たちを見ます、その人たちは段々近づいて来て、凄みを感じた部長は窓まで下がり逃げ場が無くなったんだ。


「わ、私をどうするつもりだ」

「それを決めるのは我らではない、というかお前に構ってる暇があるかどうかも怪しい。お前のせいで、世界が変わってしまうかもしれない、それを理解してほしいものだ」


黒服の人が少しだけ説明をした、大きな建物をある法則で作ってしまい、空間が不安定になってしまった、そしてそれが影響して、何らかの現象が起きたはずだと告げます。
建物は壊したので、今後は起きません。でも、安定するのに数年は掛かると怒っています。部長は説明の間に他の人に捕まり拘束されてしまいました。


「一つだけ言っておこう、包み隠さず素直に白状する事だ、そうすれば少しは楽になる」

「だ、だからっ!!私がなにをしたというんだ!私は依頼主から、ビルを建てるように言われただけだ」

「それが普通の物なら問題なかった、しかし設計したのは竣様だ。彼の設計はそれだけで魔術に関わるんだよ、それなのにお前は」


黒服の人は途中で口を閉ざし、部長を運ぶように顔を向けます。他の人達は抵抗する部長を運び、そこに残ったのは2人の黒服の人です。
ふたりは顔を見合った後、同時にため息をつきます。


「まったく!お金だけをかき集めてれば何も問題なかったのに、どうするのよこれから」

「そう言うな、これも仕事だ」

「仕事は分かってるわっ!!でもね、既にいくつか報告が来てるのよ、空にお城が出現したとか、海に大きな生き物が現れたとかね、その隠蔽どうするのよ」


女性の黒服の人に言われ、男性は言い返せません。
他にも家が突然消えたり、変わった生き物が街を歩いていたなど、報告は沢山来ていたんだ。対処に手が回らないと怒り、部長の机を壊してしまった。
そんな空気の中、携帯が鳴りある人から指令が下ります、女性の黒服さんは携帯を切り、さっきよりも深いため息を付きます。


「ど、どうしたバトス、何を指示されたんだ?」

「いえ・・・指令はアタシにだから、サルトには言えないわよ、とてもつらくて過酷だから巻き込めない」


気になる言い方をされ、サルトという黒服の人は再度聞きます。バトスはそれを聞いて後ろを向き濁しました。


「な、なんだよバトス気になるだろ、メンバーを集めるのは変わらないんだ、他の指令を受ける前なら、気になった方を受けたいぞ俺は」

「そう・・・うふふ、そこまで言うなら一緒に行きましょ、指令はチミニ様からよ、あるご令嬢を誘拐して、お仕置きして来いってさ」


それを聞いて、サルトは嫌そうな顔をします、サングラスをしているのに、それが分かりバトスはにこにこです。


「さぁさっそく行くわよ、報酬は早く済ませれば倍なんだからもっと喜びなさい」

「俺、ちょっと用事が」


サルトが断ろうとして袖を掴まれ連れて行かれます、その後1時間しない内に指令は成功させますが、とても疲れたとサルトが嘆いていました。
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