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2章 選択
40話 帰宅
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「うぇ~おとしゃん、また釣れたの」
「アイナちゃん、気を付けて外して」
亜生奈がすごくいやそうにしながら俺を見てきたが俺もそうだ、そしてイナークが気を付けながら、亜生奈の釣竿に掛かった透明な物体を外している。俺たちは今釣りをしているんだがスキルは使っていない、そして珍しいモノが釣れているんだ。
「イナーク、触手に気を付けろ、ちょっとピリっとするぞ」
「はいケンゴさん・・・よし取れたわよアイナちゃん」
「ありがとなのイナーク、でも・・・また釣れるの」
俺と亜生奈が釣り糸を垂らすと直ぐにクラゲが釣れる、海面には見えないんだがどうしてもそうなるんだ、まぁ鑑定であることに使えるとあるので、亜生奈には悪いがどんどん釣っている。
「出来ればもう少し釣っておきたいが、まぁすぐに使うわけじゃないからな、こんな物か」
俺は竿を上げ収納にしまった、亜生奈にはまだ釣ってもらうが俺はエープルたちの所に行かないといけないんだ、もう少しで島に着くからな。
「来たぞエープル」
俺がブリッジに着くと、丁度みんなが前方を見ていた、そしてその先には小さく島が見えたよ。
「あれがそうですかケンゴ様」
「ああそうだエープル、もう少しだぞ」
途中で奴らにちょっかいを掛けられるかと心配したが何事もなく来れた、問題は他の船団かもしれない。俺の行った事のある船団は手紙を送れたが、他はタツノオトシゴを使った、ライダー飛脚と言う者たちを使って手紙を送っているんだ、だが相手もそれは同じだ、エープルの紋章などを入れて送っているから心配はしていない、問題はここにたどり着けるかだ。
「あそこに石で出来た壁のような場所があるだろ、あそこに行ってくれエープル」
「了解したケンゴ様・・・ん?あれは」
俺が心配しながらもエープルたちを港に誘導していると、小さなクジラがすごい速さで近づいてきた、クジラの背中にはハルサーマルが乗っていたよ。
「平気だエープル、あれは俺の弟子なんだ、そのまま進めばいい」
俺はブリッジの大きめの窓を開け、ハルサーマルの所に飛んだ、あのままでは船団の進行を邪魔してしまうからな。
「先生!」
「帰って来たぞハルサーマル、そのままだと船団にぶつかる、引き返して誘導してくれるか」
俺の指示を聞いてハルサーマルは引き返したが、俺の顔を見たからかすごく良い笑顔だった、こうやって帰りを待ってくれる者たちがいると言うのは、なかなかいい物だな。
「おかえりなさい先生」
船団が到着して俺たちは港に降りた、そこには島にいる者たち全員が集まっていたよ、しっかりレーダーを見ていたんだな。
「ただいまハルサーマル、ネニネイは元気か?」
「はい先生、子供を産んだことのあるマーメイドたちに色々指導され、順調に回復しています。数日すれば、またいつものように動けるようになりますよ」
ハルサーマルはすごく良い笑顔で報告してくれた、その顔はやりきったと言いたげだ、だが俺もそう思う、良くやったよハルサーマル。
俺はハルサーマルに近づき肩に手を置いて言ったんだ。
「ご苦労だったなハルサーマル、もうそんなに気を張らなくていい、ゆっくり休め」
その言葉を聞くとハルサーマルは急に力が抜けたのか、その場に座り込んでしまった、普通の者は分からないだろうが俺には分かる、ハルサーマルはかなり寝ていない。
「わ、分かりますか先生」
「当たり前だろ、そうじゃないとあれだけのハードな訓練は出来ない、少しでもやり過ぎると死んでしまうからな」
「え!?」
ハルサーマルがそれを聞き、顔が青ざめていた、普通に訓練をすればそれなりに強くはなれる、だがそれ以上になるには限界を超えないと無理だ、俺は前の世界でもそうやって強くなっていったんだよ。
「そんなに驚くな、しっかりと調整はしている、死ぬことはない」
「ま、まぁそうですけど・・・ほんとお願いしますよ先生」
ハルサーマルがその場に仰向けになってしまった、それほどショックだったか?おかげで強くなれたんだがな。ちなみにネニネイにはそこまではしていない、ハルサーマルは最初が弱かったから、強くするためにしたことだ、その後は二人で高め合っていたから限界まではしなくて良かったんだ。
「まったくしょうがない奴だ、すまないがエープル、俺はハルサーマルを寝かせてくる、予定通りここの責任者と話をしてくれ」
既にレリーベたちが正面に待ってくれている、俺が目線を向けていたのでエープルも分かっているよ、亜生奈とイナークは残していくので問題はないと思うが、仲良くしてくれよな。
「すみません先生、急に力が抜けちゃって」
「いいさハルサーマル、お前は十分に頑張ってくれた、さすが俺の弟子だと自慢したいよ」
俺に抱っこされている状態でハルサーマルがすまなそうな顔をしている、だが俺は誇らしい、ここまでになるほど頑張ってくれたんだ、もう少し力を抜いて仕事をこなしてほしいが、ここまでしてくれた者にそれは言えない。
まぁ次はもう少し考えて貰うけどな、今みたいに倒れられたら心配になる。
「ケンゴ良く帰ったのじゃ」
ハルサーマルを抱っこして宿泊施設に着くと、マーメイドたちが集まっていた、良く見ると宿泊施設の先にある海に大きな貝が付けられていた。
マーメイドの国はそこに付けたんだな、良い判断だ、マーメイドの国は戦闘施設がない、そしてエネルギー施設などの生活に使うモノばかりだからな。
「クイーンただいま」
「うむ・・・それにしても、やはりそ奴は倒れたか、わらわたちも言ったのじゃ、顔色が悪いからしっかりと休めとな」
クイーンが腕を組んで頷いていた、やはりいつも一緒に仕事をしている者たちには分かるんだな、だがクイーンの顔色もあまり良くない、もしかしたら俺の心配をしていたのかもな。
「クイーンも少し顔色が悪いぞ、しっかりと休んでるか?」
「おお!?分かるかケンゴ、じゃがこれは妊娠しておるからじゃ、もう直ぐ生まれるのじゃよ」
顔を赤くして言われてしまった、そして今は仕事をしているマーシャルもだそうだ、ハルサーマルに倒れられた時も驚いたが、ここでも驚かされたな。
「そ、そうか・・・これはおめでとうと言った方が良いのかな?」
「そうじゃな、ケンゴとの子供じゃ、とても優秀じゃろうな」
少し遠くを見てクイーンがウットリしている、その表情は親の顔だった、容姿は少女のようなのにな。
「それでなクイーン、新しく来た者たちがいるんだ、今日は歓迎会を開きたいから、夕飯は広場で食べるぞ」
「それは楽しみじゃのう、ではわらわは皆に知らせて来るのじゃ」
水の玉に乗ってクイーンが宿泊施設に飛んで行った、そう言えば護衛の騎士が一緒ではなかった、他の仕事に就けたのだろうか。
「まぁここは安全だし、問題ないか」
独り言を言いながら俺は歩き出した、そしてハルサーマルを寝かせ、夕食の準備をしようとしたが、今日の当番の者たちに拒否されてしまった。帰って来たばかりなのだから休んでください、って頭まで下げられてしまったよ、なので俺は時間まであるモノを作ることにした。
「この辺なら誤爆しても被害はないよな」
村を作った場所から島の中心部に向かった、俺が釣りで作った木は3日である程度の大きさに育つ、最初は苗だったのに今はすっかり森になっているほどだ、この森は島の中心部を占めている。
「生き物はいないが、森が広がっている場所は空気が美味しく感じる、島を作って良かったな」
海が広がるこの世界ではこの匂いはしなかった、まぁ海の香りもいい物だがこちらも勝るとも劣らない、他の船団が来たら更に島を大きくするかな。
「アイナちゃん、気を付けて外して」
亜生奈がすごくいやそうにしながら俺を見てきたが俺もそうだ、そしてイナークが気を付けながら、亜生奈の釣竿に掛かった透明な物体を外している。俺たちは今釣りをしているんだがスキルは使っていない、そして珍しいモノが釣れているんだ。
「イナーク、触手に気を付けろ、ちょっとピリっとするぞ」
「はいケンゴさん・・・よし取れたわよアイナちゃん」
「ありがとなのイナーク、でも・・・また釣れるの」
俺と亜生奈が釣り糸を垂らすと直ぐにクラゲが釣れる、海面には見えないんだがどうしてもそうなるんだ、まぁ鑑定であることに使えるとあるので、亜生奈には悪いがどんどん釣っている。
「出来ればもう少し釣っておきたいが、まぁすぐに使うわけじゃないからな、こんな物か」
俺は竿を上げ収納にしまった、亜生奈にはまだ釣ってもらうが俺はエープルたちの所に行かないといけないんだ、もう少しで島に着くからな。
「来たぞエープル」
俺がブリッジに着くと、丁度みんなが前方を見ていた、そしてその先には小さく島が見えたよ。
「あれがそうですかケンゴ様」
「ああそうだエープル、もう少しだぞ」
途中で奴らにちょっかいを掛けられるかと心配したが何事もなく来れた、問題は他の船団かもしれない。俺の行った事のある船団は手紙を送れたが、他はタツノオトシゴを使った、ライダー飛脚と言う者たちを使って手紙を送っているんだ、だが相手もそれは同じだ、エープルの紋章などを入れて送っているから心配はしていない、問題はここにたどり着けるかだ。
「あそこに石で出来た壁のような場所があるだろ、あそこに行ってくれエープル」
「了解したケンゴ様・・・ん?あれは」
俺が心配しながらもエープルたちを港に誘導していると、小さなクジラがすごい速さで近づいてきた、クジラの背中にはハルサーマルが乗っていたよ。
「平気だエープル、あれは俺の弟子なんだ、そのまま進めばいい」
俺はブリッジの大きめの窓を開け、ハルサーマルの所に飛んだ、あのままでは船団の進行を邪魔してしまうからな。
「先生!」
「帰って来たぞハルサーマル、そのままだと船団にぶつかる、引き返して誘導してくれるか」
俺の指示を聞いてハルサーマルは引き返したが、俺の顔を見たからかすごく良い笑顔だった、こうやって帰りを待ってくれる者たちがいると言うのは、なかなかいい物だな。
「おかえりなさい先生」
船団が到着して俺たちは港に降りた、そこには島にいる者たち全員が集まっていたよ、しっかりレーダーを見ていたんだな。
「ただいまハルサーマル、ネニネイは元気か?」
「はい先生、子供を産んだことのあるマーメイドたちに色々指導され、順調に回復しています。数日すれば、またいつものように動けるようになりますよ」
ハルサーマルはすごく良い笑顔で報告してくれた、その顔はやりきったと言いたげだ、だが俺もそう思う、良くやったよハルサーマル。
俺はハルサーマルに近づき肩に手を置いて言ったんだ。
「ご苦労だったなハルサーマル、もうそんなに気を張らなくていい、ゆっくり休め」
その言葉を聞くとハルサーマルは急に力が抜けたのか、その場に座り込んでしまった、普通の者は分からないだろうが俺には分かる、ハルサーマルはかなり寝ていない。
「わ、分かりますか先生」
「当たり前だろ、そうじゃないとあれだけのハードな訓練は出来ない、少しでもやり過ぎると死んでしまうからな」
「え!?」
ハルサーマルがそれを聞き、顔が青ざめていた、普通に訓練をすればそれなりに強くはなれる、だがそれ以上になるには限界を超えないと無理だ、俺は前の世界でもそうやって強くなっていったんだよ。
「そんなに驚くな、しっかりと調整はしている、死ぬことはない」
「ま、まぁそうですけど・・・ほんとお願いしますよ先生」
ハルサーマルがその場に仰向けになってしまった、それほどショックだったか?おかげで強くなれたんだがな。ちなみにネニネイにはそこまではしていない、ハルサーマルは最初が弱かったから、強くするためにしたことだ、その後は二人で高め合っていたから限界まではしなくて良かったんだ。
「まったくしょうがない奴だ、すまないがエープル、俺はハルサーマルを寝かせてくる、予定通りここの責任者と話をしてくれ」
既にレリーベたちが正面に待ってくれている、俺が目線を向けていたのでエープルも分かっているよ、亜生奈とイナークは残していくので問題はないと思うが、仲良くしてくれよな。
「すみません先生、急に力が抜けちゃって」
「いいさハルサーマル、お前は十分に頑張ってくれた、さすが俺の弟子だと自慢したいよ」
俺に抱っこされている状態でハルサーマルがすまなそうな顔をしている、だが俺は誇らしい、ここまでになるほど頑張ってくれたんだ、もう少し力を抜いて仕事をこなしてほしいが、ここまでしてくれた者にそれは言えない。
まぁ次はもう少し考えて貰うけどな、今みたいに倒れられたら心配になる。
「ケンゴ良く帰ったのじゃ」
ハルサーマルを抱っこして宿泊施設に着くと、マーメイドたちが集まっていた、良く見ると宿泊施設の先にある海に大きな貝が付けられていた。
マーメイドの国はそこに付けたんだな、良い判断だ、マーメイドの国は戦闘施設がない、そしてエネルギー施設などの生活に使うモノばかりだからな。
「クイーンただいま」
「うむ・・・それにしても、やはりそ奴は倒れたか、わらわたちも言ったのじゃ、顔色が悪いからしっかりと休めとな」
クイーンが腕を組んで頷いていた、やはりいつも一緒に仕事をしている者たちには分かるんだな、だがクイーンの顔色もあまり良くない、もしかしたら俺の心配をしていたのかもな。
「クイーンも少し顔色が悪いぞ、しっかりと休んでるか?」
「おお!?分かるかケンゴ、じゃがこれは妊娠しておるからじゃ、もう直ぐ生まれるのじゃよ」
顔を赤くして言われてしまった、そして今は仕事をしているマーシャルもだそうだ、ハルサーマルに倒れられた時も驚いたが、ここでも驚かされたな。
「そ、そうか・・・これはおめでとうと言った方が良いのかな?」
「そうじゃな、ケンゴとの子供じゃ、とても優秀じゃろうな」
少し遠くを見てクイーンがウットリしている、その表情は親の顔だった、容姿は少女のようなのにな。
「それでなクイーン、新しく来た者たちがいるんだ、今日は歓迎会を開きたいから、夕飯は広場で食べるぞ」
「それは楽しみじゃのう、ではわらわは皆に知らせて来るのじゃ」
水の玉に乗ってクイーンが宿泊施設に飛んで行った、そう言えば護衛の騎士が一緒ではなかった、他の仕事に就けたのだろうか。
「まぁここは安全だし、問題ないか」
独り言を言いながら俺は歩き出した、そしてハルサーマルを寝かせ、夕食の準備をしようとしたが、今日の当番の者たちに拒否されてしまった。帰って来たばかりなのだから休んでください、って頭まで下げられてしまったよ、なので俺は時間まであるモノを作ることにした。
「この辺なら誤爆しても被害はないよな」
村を作った場所から島の中心部に向かった、俺が釣りで作った木は3日である程度の大きさに育つ、最初は苗だったのに今はすっかり森になっているほどだ、この森は島の中心部を占めている。
「生き物はいないが、森が広がっている場所は空気が美味しく感じる、島を作って良かったな」
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